2009年3月6日金曜日

為替相場見通し変更、バークレイズ銀行VSジム・ロジャーズ氏

★英バークレイズ銀行、ドル円相場見通し変更

向こう3ヶ月で1㌦=102円まで下落する可能性があると予測。
日本の政局の混乱によって、深刻化する景気後退への政府の対応が難しくなるとレポート。

中川前財務相の酩酊、小沢民主党代表の疑惑。。。この二人が“人柱”となって、我が国は血税の負担もなく、為替介入(これも最後にケツを拭くのは血税ですが・・・)もなく、円安に誘導することが出来つつあります。

ジンバブエやイラク、アフガニスタンはさておき、主要国の中では稀に見る無政府状態こそ、我が国の数少ない稀少資源です。ネットとの競争と融合圧力で、低俗化と世論誘導が日に日に加速する地上波テレビの扇動にも“めげず”、我が国だけが思い切った大衆迎合政策を打てない。主要国仲間で唯一の無政府状態こそ、円安という代償のない配当の源泉です。

勿論、タダ飯が喰える道理はありません。

★著名投資家ジム・ロジャーズ氏、「米ドルも米国株式も売りたい」

米政府が経営難に陥った企業を破綻させるかわりに支援しているため、政府の景気対策は持続的な回復に繋がらないと指摘。 米ドル売り+商品先物買いを続けたいと。ポジショントーク!?

★いずれ直面せざるを得ない痛みを先延ばししているだけ

1990年代の日本の景気対策が奏功しなかった⇔通貨危機後のメキシコや金融危機後のスウェーデンなど、痛みを伴う道を敢えて選んだ国は立ち直って危機の長期化を回避した、などとロイター社との電話インタビューで述べた。

ロイターの報道によりますと、米国の住宅ローンの借り手の2割が「ネガティブ・エクイティ」、即ち、頭金が素っ飛び、住宅が競売に掛っても、ローンの残債が全額返済出来ない状況だと報じています。また、ウォールストリートジャーナル紙、ロイターその他がこぞって臨時ニュースで、GMの年次報告書で監査法人が継続企業の疑義(構造的な営業赤字、巨額の債務超過、借金返済のための現金を産み出す能力の不足)を表明したと報道しています。

「借りた物を返せないのは借りたほうも悪い」という思想が感じられない大衆迎合政策は国力を疲弊させるだけ、という視点において、ジム・ロジャーズ氏の指摘は正しいし、長期的には米ドルは暴落するでしょう。

ところで、我が国の永田町の無政府状態は結果オーライだけですが、民間部門はどうでしょう。拙書「“為替力”で資産を守れ!」のなかの対談でお世話になったソフトブレーンの創業者である宋文洲さんから今朝メルマガが届きました。「七転び八起き」のブログに負けず劣らず長文ですが、全文を引用させてください。

★年功リーダーという差別
企業のリーダーには3つのタイプがあります。真のリーダー、親分リーダー、年功リーダーです。

組織の目的よりも部下を持つことに生き甲斐を感じ、プライベートに介入したり、飲み食いを共にしたりする親分リーダーは真のリーダーではありませんが、まだましなほうです。

日系企業には特別に存在する深刻なリーダー問題があります。それは年功リーダーの多さです。本来、勤続年数が経ったことを理由に部課長になることはリーダー論においては論外ですが、今日はその論外を論じます。

日本社会は一見平等を強調する社会ですが、実は世界のほかの社会と本質的に何にも異なりません。ただその差の付け方が分かりにくいだけです。士=正社員、農=契約社員、工=派遣社員、商=アルバイトのような差別制度が歴然としているのに、日本は終身雇用と言い張る人が未だに多い。人々の不満と不安は、派遣切りではなく雇用差別なのに誰もその本質に触れようとしません。

年功リーダーも差別の結果です。努力と関係のない年齢をもって部下に差をつけようとしているだけです。本当に「年功」があれば差別といいませんが、そもそも年功リーダーの多くは「年」があっても「功」がないのです。年功の言葉は彼らが考え出した自己粉飾の言葉です。年功リーダーは「年が効く」「年効」リーダーなのです。

絶対に管理職に向いていないのに部課長になった日に赤飯を炊くのはなぜでしょうか。外国人には完全に滑稽に見えますが、本人達は明らかに「昇進」だと考え、やっと他人に差をつけることができたと喜んでいるからです。

年功リーダーは真のリーダーではないことは一目瞭然です。そんな偽リーダーが増えると組織的なモラル崩壊が起きるのです。「リーダーでもそんな程度なんだから、俺達は頑張ってもしょうがない」とか、「部長が優柔不断で責任を取らないから俺達が新しいことをやっても失敗の責任を押し付けられるだけ」とか、年功リーダーが存在するだけで、組織のモラルが低下していくのです。

年上を大切にするという儒教的美徳は私も賛成です。しかし、これは道徳論であり、組織論と何の関係もない話です。電車の席をお年寄りに譲る、老人ホームに寄付する、自分の親を懸命に介護する・・・これは我々一人ひとりの個人が心に決めたことであり、組織と関係なく行動でその心を示せばいいのです。

組織のリーダーの最大な美徳は真のリーダーになることです。責任とリスクと公正を背負って組織を勝てる組織にすることです。それができない場合、辞めるのもリーダーの美徳です。辞めることで最後の最低限の美徳を果たそうとするのです。

最近、管理職になりたくない人が増えたのはたぶん、多くの格好悪い年功リーダーが居るからです。見苦しい彼らをみて若者達は絶望するに違いありません。若者の無気力を批判する前に無気力なリーダー達は自分の資格にも同様な視線を送るべきです。

「差別」という言葉をきつく感じた方も多いかと思いますが、お許しください。ちなみに私は世襲も差別だと思います。一番酷い差別は社会に受け入れられる公然な差別であり、差別と気付かない差別です。差別は確実に社会の活力を蝕むのです。

★派遣切りではなく雇用差別
宋さんのお考えに殆ど同感ですが、一点だけ文句を言わせて下さい。「派遣切りではなく雇用差別」なのに誰もその本質に触れようとしない、とありますが、拙書「“為替力”で資産を守れ!」は、その本質を抉った数少ない例外の書籍でございますよ。お忙しそうだから、まだ読んでくれてないのでしょうね(苦)。

上記、宋文洲さんのメルマガ引用中の太字赤字は「七転び八起き」が勝手に付したものです。
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