2009年10月30日金曜日

辛党の聖地、大塚『串駒』

オペラが御縁で日本酒を堪能
本物の日本酒と本物の食材を探し求めることに人生のすべてを注ぎ込んでいらっしゃる店長ご夫妻。そのお二人に、ご本人曰く、何十年振りかのデートの場を提供したのが、先週のオペラ「トスカ」(プッチーニ作曲)でした。
http://phxs.blogspot.com/2009/09/101920.html
そんな御縁で、月に一度開催されているという、本物の日本酒を作ろうと真摯に取り組んでいらっしゃる蔵元を招いての呑み比べ大会に参加させていただきました。場所は、日本酒マニアたちの聖地、豊島区大塚『串駒』です。
http://www.kushikoma.com/
(店長の似顔絵が掲載されています。)

昨夜は、第二会場とも言える数軒お隣の『串駒房』ともども、予約客で満席、貸し切り状態でした。
http://www.kushikoma.com/kushikoma-bo/kushikoma-bou-main.html

『串駒』大林店長のお人柄
自他共に認める下戸の私にとって、日本酒は下手の横好き。生酒から火入れしたもの、そして最後は5年物古酒へ。本醸造から純米大吟醸まで何でもござれ。酵母の違いも「勉強」しながら、一体何杯頂いたのか記憶が不鮮明。

今夜のイベントが終われば、直ぐに長野に戻り、そこから一ヶ月丸々、仕込み作業でこもらなければならない時期で、蔵元としてもっとも辛い時期だと、自虐的にも楽しそうにお話しになるのは、佐久の花酒造株式会社の高橋寿知社長と井上辰幸さん。
http://www.sakubussan.jp/kigyou/syuzou_sakuhana.html

「お客さま」の中には、大林店長ご夫妻のもとで日本酒の道を徹底的に仕込まれて今独立をされている『串駒 江古田』の伊藤店主ご夫妻
http://r.tabelog.com/tokyo/A1321/A132101/13007725/
株式会社秋山の秋山常務、
http://sakenoakiyama.seesaa.net/
そして当日のフルコース料理に彩りを与えた滋味なるお野菜の数々を提供された『四季の宿まさき』の正木専務(菅平で野菜畑9ヘクタールと民宿14室を経営されています)
http://www.ued.janis.or.jp/~masaki21/
大林店長ご夫妻のお人柄ならではの磁力を感じる盛会でした。

歌まねで史上初!
「俺はイベント屋じゃないから・・・」と何度も聞かされた大林店長ですが、こだわりのショータイムもありました。声帯模写(ものまね)業界では本邦初となる文化庁芸術祭優秀賞受賞者である丸山おさむさんの話芸。
http://www.bbi-sendai.com/artists/entertainer/maruyamaosamu/index.html
それに続いて、私七転び八起きの無伴奏オペラ。“どんびき”覚悟で臨んだショータイムは、「フィガロの結婚」抜粋と「フニクリフニクラ」の替え歌に助けられました。美酒で充血した声帯は、アンコールに応えた「トゥーランドット」で悲鳴を上げてしまいましたが、都合3箇所の会場いづこでも暖かい声援をいただき、すがすがしい気分でした。

そこでまた素晴らしい出会いが連鎖反応。お客さまのお一人に、ミュージカル「レ・ミゼラブル」や「オペラ座の怪人」で活躍された岡智(おかさとし)さんご夫妻と邂逅。アマチュア中心に大懸かりではないミュージカルのハイライト公演がもし実現できたら是非ゲストでお願いしますと申し上げたら、喜んでという嬉しいご返事まで頂きました。

兎に角感謝
昨夜、名刺交換など挨拶をさせていただいた多くの皆さま。拙い歌声に手拍子を、オチの無い漫談に拍手をくださったお客さま。本当に嬉しかったです。どうもありがとうございました。また、日本酒の聖地でお会いしましょう。
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2009年10月29日木曜日

ロシア、金の大量売却予定?

アニシモワ=タマラさんの本日のコメントです。詳しくは、フェニックス証券ホームページへ。
http://phxs.jp/

市場関係者は先週に伝わった「ロシア財務省がソ連の崩壊以来の金の大量売却を計画している」との報道に注目し続けている。ザ・タイムズ紙は27日、「準備の段階で情報がマスコミに漏れため、ロシア政府は取り引きを断念せざるを得なくなるだろう」との見解を示したが、ロシアのクドリン財相は28日、「この計画を検討している。詳細は近日、発表する予定だ」と述べ、先週に出回った報道を否定しなかった。市場関係者によると、売却が予定されている金の量は世界の年間需要の0.5%-1.25%に相当するようだ。また、「今回の計画が実施されれば、金の価格が急落する展開は考え難いものの、金相場への影響が出る可能性がある」と指摘する市場関係者もいる。

金利を上げるという国もあれば、金を売るという国もあり、新興国セクターは波乱万丈です。ふつうのメディアからは判らないエマージング情報を是非フェニックス証券のホームページから御入手ください。
http://phxs.jp/
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2009年10月28日水曜日

青森りんごグリーントラスト運動


日本の農業再生のためにフェニックス証券が出来ることは何かないか?

そういう思いで意気投合した政官業の(!?)実力者の皆さんが八重洲に集結、何度目か忘れてしまいましたが、昨夜もまた長時間に亘り侃侃愕愕。

なかでも、今回初参加の後藤弁護士ご夫妻が情熱を注いでいらっしゃる

青森りんごグリーントラスト運動
http://www.gr-trust.org/index

のお話に、「ぶどう好き」の既存メンバーは釘付け。


ぶどうの木もりんごの木も、長寿であるだけでなく、充実した果実を実らせる時期はその長い生涯の比較的後半、人間で譬えれば壮年期から老年期である点は共通。ただし、雑草のように逞しいぶどうとは異なりりんごは病害虫がつきやすいので、無農薬は更に困難。技術を承継してきた小規模農家の方々が高齢化や借金等での経営問題で耕作放棄となると、「農薬すら撒けないのなら伐採してもらわないと、隣接農家に迷惑をかける」という大変もったいないロジックに従わざるをえない状況なのだそうです。

老木巨木の伐採は、メンテナンス費用を継続できないからという理由で、お金では決して買えない悠久の時間を犠牲にすることを意味し、資金難に喘ぐ青森の小規模農家の方々にとって如何に忍びないことか、いやそれだけでなく、大規模流通システムのプレッシャーを受けているのは農家だけでなく都会の消費者も一緒のことであり、このような深刻な犠牲は直接間接に一般消費者の食文化に大きな影響を与えてしまっているのだと思います。

りんごの木を一本3万円(消費税別)で買おうという運動は、利殖ではありません。金融商品ではありません。何故、りんごの木のオーナーになるのか?その動機が口コミででも良いので、じわじわぁっと広がって行けば良いと思っています。
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2009年10月23日金曜日

日本の国債、英独仏のGDP合計より多い

大凡9割程度は読むに値しない「2ちゃんねる」ですが、七転び八起きブログででも、これまで極々稀に取り上げた記事がありました。きょうのは、

【経済】 「鳩山政権、危機管理能力なし。日本は“失われた20年”に突入」「日本は債務不履行に陥るか、通貨価値崩壊」説も
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1256246926/

大抵は政治家の揚げ足取りに終わるネトウヨとミンス(≒ネトサヨ?)の鞘当てが演じられているだけの2chですが、今回もその域を出ないとは言え、経済学的に真面目なコメントもあります。ただし、もとの記事は、朝鮮日報。
http://www.chosunonline.com/news/20091022000023

お時間がある読者の皆さまは、真面目なコメントを発掘しつつ、これから先の日本国債の相場(⇔利回り)、そして為替相場

いよいよか?まだまだ円高か??

という議論の材料にしてください。

「そこまで時間はないよ。結論を知りたい(否、それは虫が良過ぎるが、論点をズバっと教えて欲しい)。」とおっしゃる七転び八起きブログ読者の皆さまには、

(問題)ばら撒き政策(例:母子加算、子ども手当、・・・・無料化など)の財源不足を、赤字国債の増発で補うのと、消費税率の引き上げで行うのと、経済に与える効果はどのように違うか?

これに対して、木で鼻を括ったような答え方をすると、「赤字国債を日銀が全額引き受けた(≒買い切りオペを約束した)としても、単純な貨幣数量説が成り立つという前提であれば、すべて消費税率の引き上げで賄った場合と、物価上昇に伴う家計にとっての実質的な負担は同じである」となります。

問題は、「単純な貨幣数量説(マネーサプライ・・・企業や家計がいつでも日銀券として引き出し可能だと勘違いしているお金の量全体・・・が倍になれば、物価も単純に倍になる)」という前提が成り立っているのかどうか、です。マクロ経済学の教科書的には、為政者がもっとも避けなければならないハイパーインフレの下ではこれが成り立つ、とされています。勿論、只今の日本経済はハイパーインフレではなく、緩やか且つ慢性的なデフレです。

・・・・

再び、「いよいよ円安か?まだまだ円高か?」は、財政規律の犠牲が日本だけの問題ではないことも勿論検討しなければならず、単純ではありません。詳しくは、しぶとくロングセラーを続けているらしい拙書『為替力』で資産を守れ!をお読みくださいませ。
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2009年10月22日木曜日

FXなら「1000ドル君」、CFDなら「円建て」金・原油リリースの・・・

亀井大臣の郵政社長人事「びっくりしたろう。すごいだろう」。。。はい、確かに驚きました。余りの驚きで、七転び八起きは今日のところはこの件に触れずに、フェニックス証券のPRに徹します。

超小口取引から大口取引まで何でもござれの外国為替証拠金(FX)取引の専用口座フォレックス・ライン(愛称)「1000ドル君」。

http://tatta2sen.jp/

加えて、話題のCFDでは、金・銀・原油(WTI)・天然ガスを(米ドル建てだけでなく)「円建て」でもお取引出来るようになりました!

http://www.phxs.jp/topics.php?#58
http://www.marketdatasystems.com/neo/

為替なら「1000ドル単位から“たった2銭”」が合言葉のフェニックス証券Forex Line。CFDならActive Zero Neoで決まり!?
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2009年10月19日月曜日

「スリッページ」と「ストップ狩り」

兎に角、店頭デリバティブが大賑わいです。とは言っても、業界に改革を求める方向での事象が集中しているということ。この週末の日本経済新聞が典型的でした。土曜日には、CFD(外国為替証拠金取引以外の証拠金取引margin tradeによる店頭デリバティブ・・・典型例「日経225先物・オプション」「金・原油など国際商品」)
http://www.marketdatasystems.com/neo/
に関しても、外国為替証拠金取引同様、否、リスクに応じてそれ以上のレバレッジ規制を検討すべく、金融庁かパブコメ実施との記事。
http://www.fsa.go.jp/news/21/20091016-1.html
そして、日曜日には、「見掛け上のスプレッド(実質的な手数料)の狭さだけに騙されて、FX業者を選んではいけない」として、日本経済新聞としてはこれまでにない形で堂々と「スリッページ」問題に踏み込んだ記事を掲載していました。

先週号の週刊ダイヤモンド「為替」入門~外貨投資の罠にはまるな!で飛び出したキーワード「ストップ狩り」と並んで、「スリッページ」問題がいよいよ表沙汰になってくることで、レバレッジ規制と相俟って、いよいよ悪徳業者は年貢の納め時。見掛け上はインターバンク市場の為替スプレッドよりも狭いという我が国独特のFXリテール市場の歪さも、改善の方向に向かうことが期待されます。

「スプレッドが不思議なほど狭い」だけの問題ではありません。FX会社各社の一顧客当たり平均預け入れ金額に比べて異常に高い大盤振る舞いなキャンペーン。そんなことが可能だったのは、相当程度の確率で新規顧客(特に高いレバレッジを前提とした少額入金の顧客)をスリッページand/orストップ狩りの罠に引っ掛けられるという詐欺ビジネスモデルが前提となっていたと考えられます。加えて、法外なアフィリエート単価が成立している状況。表面上のスプレッド競争を煽っては濡れ手に粟を楽しんできたアフィリエートモデルもまた終焉の日が近づいています。
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2009年10月15日木曜日

老眼鏡がたった100円

週末、ホッチキスの芯を買いに100円ショップに行きまして、以前から必要だった老眼鏡を衝動買い。その性能と安さに驚きました。その店が仮に「100円ショップ」という看板を掲げておらず、1000円の値札であったとしても七転び八起きは迷うことなく買っていたと思います(この場合の、1000円と100円の差900円は一消費者にとっての「消費者余剰」であると経済学では呼ばれます)。

昨日、NHKの長寿番組「クローズアップ現代」でコンビニの苦境が報じられておりました。FC本部の営利追求の結果、コンビニチェーンは飽和状態に達する(1店舗当たりの商圏人口が3000人程度という限界点にまで低下している)ほど店舗数が増えてしまい、同系列のコンビニ同士の食い合い(カニバリゼーション)も顕著になってきています。そこで、われわれの記憶に新しい「セブンイレブンの弁当値引きに関するFC本部の抑制(規制)に対する公正取引委員会による『排除命令』」。皮肉なことに公取委の介入はフランチャイジー(コンビニ店主たち側)の要望や利害を代表した結果であるにもかわららず、FC本部(フランチャイザー)の言い分通り、既に食い合いが始まっている同一商圏の同系列コンビニ同士の足の引っ張り合いをより酷くさせ、フランチャイジーの利益もフランチャイザーの利益も共に激減するという“両者リングアウト負け”状態に至らしめました。

この結果として、富は劇的に再配分され、昨今特に低賃金に喘ぐ倹約好きな消費者たちに多大な「消費者余剰」がもたらされているのです。

自称ケインズ信奉者の経済学者はマクロ経済学と称してこの現象をデフレスパイラルと呼び、デフレ≒景気低迷(景気悪化)という常識を庶民に植えつけてきました。与野党を問わず政治家の多くも右に同じ(“左に同じ”と言うべきか)でしょう。

しかし、赤字国債を乱発し国家予算を膨張させたところで、100円ショップの老眼鏡が1000円以上に戻るでしょうか?コンビニ弁当が百貨店のデパ地下並みの値段を維持出来るでしょうか?ダイエーが「価格破壊」という流行語を産み出したのは90年代前半でした。100円ショップやユニクロ、しまむら、そして今コンビニ競争と、デフレ“スパイラル”が止まらないのは、我が国が20年もかかって未だに政府や日銀がデフレ対策の有効打突を決めていないからではなく、余りにも競争がなかった状況から、競争が導入されて(これでもまだ)間もないからという視点も必要です。

日本=デフレ(スパイラル)=不景気低成長はコンセンサスです。七転び八起きの言説は少数意見です。ですから、高成長=高金利(高インフレ)=新興国投資は正しい、いずれは円安だ、という意見に人気が出ます。物価上昇率や購買力平価の算定は完璧に客観的に行うのは不可能ですが、多くの証券会社が外貨投資をそそのかしている新興国の多くが、名目の高金利からインフレ率を差っ引いた実質金利はゼロ近傍であることは無視できません。かたや、日本では、お弁当の値段をはじめ衣食住すべてにおいて、とくにインターネットを通じた私的なコミュニケーションから商取引まで、またその土台となるハードウェアや通信回線に関するコストを考えても、当局が出す統計より遥かに実質的な価格破壊を実感出来ています。実質デフレの年率は、とある有名な海外メディアの算定では5%から10%だそうです。消費財バスケットは世帯それぞれで人生いろいろですが、納得される読者の皆さまも少なくないのではないでしょうか?

もしそうだとすれば、銀行の普通預金は金利ゼロのようで、実は実質年5%~10%で運用出来ているのです。日本の銀行が儲からない理由はここにもあります。少々論理は飛躍していますが、適度な規制で潤ってきたリアルの産業が、インターネット分野から競争を挑まれた結果、デフレが起きると、既存産業を支えてきた商業銀行は行き場をなくすという現象は、日本だけでなく米国でも起こっていることが昨今証明されています。

以上の天邪鬼な分析は為替にも示唆を与えるものです。新興国通貨、例えば南アフリカランドを売りから入る人は殆どいないでしょう。多くのリテール証券会社が、南アフリカランド建ての“ぼったくり”外国債券を必死に不招請勧誘しているようです。名目のキャリー損失が精神衛生上嫌なので判っていてもなかなかできないことですが、実質金利が低い通貨【南アランド】を(調達して)売り、実質金利が高い通貨【日本円】を買って(運用する)、この投資戦略に一理あることはいずれ実証されることになるでしょう。

名目金利が高い通貨を売る。これが出来るのもFXの魅力です。“ぼったくり”外国債券で過去何世代にもわたって大量損失のばら撒きがリテール証券会社によって繰り返されてきました。その仕返しが出来るのはFXを通じてしかありません。
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2009年10月9日金曜日

アンドロイドとスカイプは黒船か?どこでもドアか??


タケコプター(ヘリとんぼ)、どこでもドアがあれば、という夢はドラえもんの愛読者でなくとも抱いてきたのではないでしょうか。人類全体の幸福度を高め、温暖化効果ガス削減にも貢献しそうです。

しかし、これらの夢の実現が不都合だという立場の人たちもいます。それは料金収入を前提に経営をしている陸海空運業者です。

碓氷峠に新しいトンネルが掘られ、長野新幹線が出来て東京~軽井沢の時間が随分短くなって久しいですが、リゾート好きの多くの人たちに満足感をもたらしたインフラの改善も、峠の釜めしを売っていた人達には新たな活路を探すという試練を与えたものでした。

一昨日、米国時間に報道された二つのAT&T絡みの特報

★米国でiPhoneのキャリアを担うAT&Tが同機でのSkypeの使用を認める。従来の方針を180%転換へ (WSJほか)

★デルが携帯電話端末に参入。キャリアはAT&T。基本ソフトはGoogleのアンドロイドを採用(WSJほか)

夜、電車で帰宅するとき、社内の大半の乗客が携帯端末を見て、メールかゲーム等のブラウジングかに夢中になっているというのは、世界広しと雖も、日本だけの風景だと、大手携帯キャリアの方から聞いたことがあります。パソコンはさて措き、携帯端末で世間や友達と繋がることが生活に占めるかなりの部分だという日本人の多くは「パケット通信料は高くても、まあ仕方が無い」と観念してきたと思われます。SkypeやGoogleやDellが各々の層(Layer)で携帯分野に攻め入り、それを甘受する旧態メディアAT&Tという図。このメディアを日本に置き換えると「日本人の皆さん、何故パケット通信料なんか払い続けるのですか?」という民族系キャリアを震撼させる話になります。

一昨日、進化論という原則には重要な例外【𩸽(ほっけ)やナマコなど】があるという話をしました。ダーウィンが進化論のヒントにしたと言われるガラパゴス諸島は、技術水準が高いにもかかわらず世界のデファクトになっていない日本の携帯業界の譬えとしても使われる“用語”です。通信の無料化は我が国のガラパゴスにとって無条件降伏しなければならない“黒船”でしょうか?

私は必ずしもそうだとは言えないと思います。まず、Skypeの夢は順調には具現化していないという話を以前にお伝えしました。またGoogleにしてもDellにしても世界戦略の中で、少子高齢化で且つ過当競争の我が国携帯市場をどの程度重視するか疑問です。日本市場のためだけに、特別にカスタマイズまでして、絵文字(顔文字)やおさいふケイタイを導入するでしょうか?勿論、ドコモにとっていつまでもi-mode的な成功に酔いしれている余裕はないでしょうが、これまでパームやブラックベリーの席巻を喰いとめたガラパゴス=パワーは馬鹿にならないと思われます。

ちなみに、最近のNTTドコモの株価はコチラです。10年来の安値圏を急落中の株価は果たして割安でしょうか?
http://minkabu.jp/stock/9437/timeline
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2009年10月7日水曜日

「子ども手当をばら撒きというひとはマクロ経済がわかってない」

この藤井裕久財務大臣の発言に対して2ちゃんねるではお祭り騒ぎになっているようです。
http://tsushima.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1254871259/
http://www.mof.go.jp/kaiken/kaiken_my20091006.htm
そもそもマクロ経済の実態というのは経済学を勉強しさえすれば把握できるような性質のものなのかどうか七転び八起きには疑問。「子どもは親(の所得水準、生まれ育った地域が都会か田舎かなど)を選べない以上、憲法も保証している教育の機会均等、なによりも子どもにとっての将来の夢に向けての公正な競争は、財源問題よりも遥かに高い次元で実現を目指さなければならない」ただその一言で良いのではないでしょうか。

これは週末のNHKスペシャルを視ての感想。「格差の是正が課題であり、格差の原因は、『非正規労働者』の増大であり、またそれは日本が『市場原理主義』を受け入れてきたからだから、『グローバル資本主義』は遮断しなければならない」という目下人気の議論と連動しがちではありますが、大衆迎合の政治上のテクニックを別とすれば、これらの議論こそ遮断すべきでしょう。

競争の行きつく先が戦争であるとも或る意味言えるので、競争は激し過ぎても緩すぎても社会は綻びます。(人類を除く?)生態系は生存競争の結果としての進化(論)を受け入れているというのは定説。しかし原則に対する例外の存在があるから小選挙区制度のようにWinner takes all(独り勝ち)とはなりません。海を泳ぐ魚にとって動物プランクトンが増殖するのは短視眼的には喜ばしいように見えますが、“赤潮”は植物プランクトンを全滅させるので結局巡り巡って魚の餌がなくなってしまうからです。

NHKスペシャルを視たあと、同じくNHKで「ほっけ(𩸽)柱」の話をしていました。海を泳ぐ魚にとって、“浮き袋”が発達していることは自由に色々な深さのところを泳いで餌を探すことができるわけで競争上有利に違いありません。ほっけ(𩸽)にはこの“浮き袋”が殆どないことを解剖で示していました。一年の半分は動物プランクトンの死骸が海底に沈むのを食べている一方、動物プランクトンが元気に海面近くで泳いでいる季節には、ほっけ(𩸽)は群れをなして、“浮き袋”がない分、他の種類の魚よりも断然一生懸命に尾びれを震わせ上昇を目指すのだそうです。この異例の推進力が(空気中の上昇気流が竜巻を生むのと同じ理屈で)渦潮を産み出す。これがほっけ(𩸽)柱であり、回りからどんどんとプランクトンを引き摺りこむので効率的に餌にありつけるというわけです。ほっけ(𩸽)柱が渦潮を伴うので、鴎など天敵も近寄りがたいようです。

これまたかつてNHKのラジオで聴いた話ですが、海底を這うことしか出来ないナマコには天敵が殆どいない(敢えて言えば中華料理好きの人類くらい)そうです。動きが鈍く逃げ足が遅いナマコの類が生き残っているのは、かぶりついたところで皮の部分が分厚い割には“身”が少ないので、わざわざ海底まで潜って捕獲しにいくには値しない獲物だというのが海の中の生き物の間でコンセンサスになっていること、動きがどうせ鈍いのでエネルギー消費量は少なくて済むため、海底の砂を食べてその中に僅かに含まれる栄養分だけを摂取するという非効率的でのんびりした食生活には競争相手がいないことが理由だそうです。

ナマコのような清貧の思想は、無資源国である日本が細く長く繁栄するために重要なヒントを含むような気がします。

競争上有利なものだけが生き残るという進化論が原則に過ぎないことを示す例は、
①有性生殖が絶対有利なのに無性生殖が残っている(前掲のプランクトンなど)こと、
②生存競争におけるモラルハザードを排除した結果が体内受精だとしても、体外受精の魚類は人類が幾ら進化論上遅れていると軽蔑したところで絶えるわけではなく、逆に絶滅してしまえば、巨大赤潮と一緒で、人類そのものまで巻き添えを食ってしまうこと、
③進化論上もっとも進化していると自画自賛の人類は、自然界を制覇しているように見えて、ウィルスとの戦いは半永久的に続きそうであること、
など枚挙に暇がありません。

(グローバル)競争が善か悪かという二項対立からは社会問題の是正への糸口は見えてこないでしょう。第一歩としては競争の結果責任は親の世代は或る程度負うのは仕方が無いにしても、子どもの世代には負わせないという哲学を浸透させることでしょう。

今朝のFT紙は、資源通貨の代表格豪ドルの(予想外の?)利上げ(=リーマンショック後、G10諸国では初)と金相場が(ドル建てで)記録的高値を更新し、世界経済の回復が軌道に乗りつつあると報道する一方、モルガンスタンレーのスティーヴン・ローチ氏の論稿「2008年から2009年にかけての世界的経済危機は国内および国家間のマクロ不均衡が原因。その不均衡が再び危険水域に近づいている」を同時に取り上げています。
http://www.ft.com/cms/s/0/5f02e83e-b2a3-11de-b7d2-00144feab49a.html
http://www.ft.com/cms/s/0/bee43992-b27b-11de-b7d2-00144feab49a.html
マクロ不均衡は人類における“赤潮”そのものでしょう。
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2009年10月2日金曜日

雇用統計とCFDガイド


本日日本時間21:30発表の米国雇用統計。予想(コンセンサスは非農業部門雇用者数で17.5万人減少、ちなみに前回は21.6万人の減少)より更に減少すればドル安、予想ほど減少しなければドル高、・・・




と教科書通りに動くかと言えばそんな保証はありません。予想より余程悪ければ、一方向のドル安はありうるでしょう。しかし、予想ほど悪くなかったとしても、ドル高は一時的かも知れません。七転び八起きが引き続き注目する通貨ペアは相変わらずの過大評価に加えて中国の外貨準備政策とロシアの為替介入




で余談を許さないユーロ/ドルです。雇用統計が予想ほど悪くなかったとしても、1.46台、1.47台は極々一時的でユーロ安方向に極端に反転する動きが大いに考えられます。

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2009年10月1日木曜日

いのちの輝き

「2020年までに1990年比で25%削減」

鳩山総理が打ち出した温暖化ガス削減の中期目標は外交上の先手としては快哉。しかし、米中印など巨大排出国の同調が前提となるだけでなく、核エネルギーの問題は不問に付して良いのかどうかという懸念も残ります。

勿論、核問題をタブー視せずに直視することは、少なくとも我が国を含む成熟経済の国民経済にとっては生活水準の抜本的見直しというデフレ螺旋どころではない騒ぎになるでしょう。国民も政治も忸怩たる思いを持ちながらも出来れば原子力に関わりを持ちたくないのは山々。でも、どこかで誰かが犠牲になっている、人柱になっているという現実を素通りできるでしょうか。

昨年のフェニックス証券チャリティオペラコンサート以来お付き合いをさせていただいているチェルノブイリ子ども基金の来年2010年のカレンダーが、只今、出来あがりました。是非、七転び八起きブログの読者の皆さまも、こちらのカレンダーを御注文され、一見天下太平に見える日本の平和や豊かさも、見えないところで世界の多くの人たちの血と汗と涙のうえに実はなりたっているんだとの思いを馳せてみては如何でしょうか。
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