2010年12月27日月曜日

仙谷官房長官と小村寿太郎

きのうのテレビ朝日より

「僕(=仙谷官房長官)はよく例に出すのは、日露戦争のあとのポーツマス条約の小村寿太郎が『日比谷焼き討ち事件』を以って迎えられた一方、松岡洋右が国際連盟を脱退して帰ってくると歓呼の声で迎えられたこと」

ここだけ抜き出すと、中国船長の釈放を(事実上)意思決定した民主党≒仙谷官房長官を小村寿太郎に譬えているように誤解されやすいですが、実はこれは「同僚」である小沢元代表の人物評を聞かれての答えでありまして、憎まれ役を買って出ているがそれが正しいことを歴史が証明してくれれば良いというタイプの政治家だとエールを送っていた部分なのでした。

さて、再び新しい大国の狭間で翻弄され始めた日本は、この小村・松岡両名の外交史から学ぶところが多そうです。「小村寿太郎 松岡洋右」で検索したところ、このようなページが見つかりました。勝手にリンクをさせていただきます。

日本外交の栄光と挫折~国際社会と闘った男たち(2)~松岡洋右「日独伊三国同盟締結の誤算」

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2010年12月24日金曜日

世界各国の経済成長が一目でわかるグーグル

グーグルが世界銀行のデータをもとに、好きな国を(単数でも複数でも)選べば、その国(々)のGDP(成長の具合)が一目瞭然という折れ線グラフを作っています。
http://www.google.com/publicdata?ds=wb-wdi&met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN&dl=ja&hl=ja&q=gdp%E6%97%A5%E6%9C%AC#met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN

特徴は、計測単位が(兆)ドルで統一されていること、および物価変動を考慮に入れていないことです。

「失われた10年」だとか、「失われた20年」だとか、経済無策を批判だけする大概の論調に頭が麻痺させられがちな我々が共有すべきクリスマスプレゼントのつもりです。

日中米の3国を選択した場合と、それにイギリス、フランス、ドイツを付け加えた場合で、我が日本の自画像が随分異なることにも御注目ください。

その中国ですが、一昨日お会いしたお客さまから転送していただいた中国関連のメルマガを参考までに転載致します。

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 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月24日(金曜日)貳
       通巻3172号 
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 中国経済の深い闇が庶民の投資行動によって明るみに出つつある
   庶民は路地裏でいったい何をしているか? 金買いと闇での外貨交換
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日本に中国から古物商が群れをなしてやってきて中国古美術のオークションに参加している。掛け軸、陶器、壺の類い。テレビがその情景を『バブル紳士』のように描き、さすが中国は金持ちだ、と囃している。株、不動産投資にあきて古美術骨董への投機だと解説している。

だが、考えてもみてほしい。日本の中国古美術オークションで最高落札価格は二千万円ていどである。 日本がバブルのおり、ゴッホやセザンヌの絵をいくらで競り落としたか? 八十億円とか。しかもバブル紳士はほざいた。棺と一緒に燃やせ、と。

中国の経済は異常な景気の良さ、ついに2010年推計速報では直接投資が1000億ドルを超えて、GDP成長は10・3%とか豪語した。11年も9%台を確保できる、と。でも李克強副首相は言った。「中国の経済数字は人為的、だれも信用していない」(ウィキリークス)。
 
この間、庶民はますます生活に困窮した。工場では賃上げストが頻発した。高級幹部は子弟を海外留学から海外移住させ、つまりは合法的亡命に準備に余念がない。 金持ちはますます肥り、海外にマンションを買い、人民元が信用できないのでドル、円で預金するなり、香港の銀行に預けるなりしている。
直接投資と同額が中国から流失している。
 
ならばおこぼれにも預かれない庶民は、どういう投資行動をとっているか。
各地での暴動ばかりではない。

▼だれも住まない住宅が2000万戸という歴史開闢以来の異常事態が発生

不動産投資は『投機』となり、ついに2000万戸もの『誰も住んでいない住居』を建設した。日本の駅前シャッター通りの比じゃないって! だれも住んでいないゴーストタウンが地方都市のそこかしこに出現している。

投資権限を与えられた地方政府がそうやって土地を切り売りし、デベロッパーと組んで『人為的成長』をでっち上げた結果である。中央政府がいまさら金利を上げ預金準備率をあげても遅い、って。銀行から流れ出た不動産投機のための資金はおそらく200兆円を越えるだろう。

米国のサブプライム破綻で『誰も住んでいない住宅』は一千万戸だった。中国はその二倍。
だからリーマンショックを凌駕するショックが中国から次にやってくる。

中国株は6000ポイントの絶頂から転がり落ち、回復は絶望的である(ちなみに2010年12月23日の上海終値は2855ポイント)。
不動産も投機行為ゆえに株のバブルとおなじく、はじけると半値以下に暴落するのは火を見るより明らかである。

だから庶民は何をしている?
路地裏を歩けばすぐにわかる。鎖のかかったシャッターをおろしたまま、路地裏の商店、群がる人々は宝飾品を買う。金、銀、プラチナが含有された首飾り、宝石、イヤリング、なんでもいい。手当たり次第の売り手市場。金のインゴットは偽物を避けるため、ちゃんとした店に行列(数年前から中国では個人も金が買える。いま、世界一の産金国中国は同時に世界一の金消費国である。

そしてついに中国は銀行でも金をかえるように法律を変えた。預金の列が金購入の列に変わった。人民元の未来を信じていないからである。
路地裏の地下銀行はおろか、街の両替商でも外貨への交換がさかん、聞くところに拠れば風俗嬢も人民元での支払いより米ドル・日本円・ユーロをほしがるそうな。

こんな国がまだ成長するという神話も、近未来には木っ端微塵に破壊されるだろう。

・・・わたしも早速、メルマガ登録しました。
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2010年12月22日水曜日

老眼鏡がいまひとつ似合わない

http://www.alios-gr.jp/tokumaru/page104.html

今月あたまに板橋区徳丸ふれあい館という元気なお年寄りが集う場所で、二回目となるオペラガラコンサートをやらせていただきました。


そのときの様子がいつのまにかホームページにアップされておりました。


「大変豪華な出演者をお招きしました」との説明がありますが、わたしを除いて、という意味です。
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2010年12月17日金曜日

税制改正大綱

昨日、税制調査会がまとめた「平成23年度税制改正大綱」。

このブログは、いちおう(!?)、FXブログですから、この話題をするときは、店頭FXの税制だけが総合課税だったのが、取引所FXと同様、分離課税になるという話だろうと期待される方も多いはず。

天邪鬼の七転び八起きは違います。法人税減税の財源として、今週大変評判の悪かった「税金は取れるところから取る」の最たるもののひとつ相続税増税に注目です。

税制改正大綱を読むと、現在、相続税が課せられる対象となっているのは、「お亡くなりになった方」の4%に過ぎないのだそうです。

格差、格差と問題が叫ばれておりますが、実は我が国で深刻なのは、所得の再分配機能よりもむしろ、資産の再分配機能、言い換えれば、格差の固定化(定着化)問題なのです。

自民党では世襲議員以外が国政に出るのは至難であるという政治風景などは、その象徴であります。

一方、経済活動に身を置きつつ、諸外国を回っておられる方々は、日本より格差の酷い国々が成長著しく国全体が元気に見え、日本と比較してプレゼンスが上がっているという共通点を良く指摘されます。

大富豪や大貧民の存在を否定するのではなく、そのふたつがもっと入れ替わる社会を設計しなければ、資本主義は健全にならない、、、というテーマに真摯に向き合ってきた政治家は、かような自民党には殆ど居なかったと言わざるを得ません。

相続税改正で格差固定化に問題を投げかけ、それと表裏一体のはずの贈与税については景気対策だとして抜け道をある程度温存するというのは、政策論理としては矛盾するとの批判はやむを得ないでしょう。それでも、相続税を増税しないよりは増税したほうがましであるというのがわたしの意見です。

もちろん、税制や生活保護だけで、格差の流動化が可能だとは思っていません。子ども手当のような補助金は教育バウチャー化などなど給付方法の見直しも必要でしょう。

個人的には相続税率をもっともっと上げる一方、大学の研究所や病院、オペラハウスへの寄付は無税にするというのはいかがでしょうか?

歌舞伎座!?それは有税で良いでしょう。
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2010年12月3日金曜日

102歳の医師山崎宏さんー岩波書店「世界」

ここ数年、とんでもなく治安の悪い地域に飛び込んで「真実」を伝える勇気をもった写真家の方々との出会いに恵まれています。

次のメールを下さった坂本泰士(さかもとたいし)さん もそのおひとりです。

「丹羽様

ご無沙汰しております。
以前ペルショワールでお話をさせて頂いたフォトグラファーの坂本です。

突然で大変恐縮なのですが、
以前お話した、102歳の医師山崎宏さんの写真が
岩波書店の『世界』1月号(12月8日)の巻頭グラビアに掲載される
ことになりました。
是非見てください!
エッセイも書いていますので合わせて読んで頂けると嬉しいです。

しかし、その山崎宏さんが12月1日に逝ってしまいました。
掲載された雑誌を持って会いに行く予定だったのですが。。
エッセイでも書いた最後の会話が現実になってしましました。
とても不思議な気持ちです。
長い贖罪(※)の人生が終わって天国でゆっくり休んで欲しいです。

お忙しいと存じますが、お時間ございましたら立ち読みでいいので御覧頂けたら嬉しいです。
山崎さんという立派な日本人がいたということを多くの人に知ってもらいたくメールを書いてしまいました。
どうぞ宜しくお願いします。

坂本泰士」

わたくしの返事はと言いますと。

「坂本泰士さま

こちらこそ御無沙汰です。
岩波の「世界」是非買わせて下さい。
高校時代は毎月定期購読していました。
いまでも印象に残っているのは、カンボジアの頭蓋骨の写真です。
ですが、それがその後「やらせ」であったという説が出て来て、ポルポト=悪、ヘンサムリン=善、のような歴史観に疑問が出されたのでした。
歴史は常に勝者の手によって改ざんされ続ける。。。それについてはずっとブログで書いてきました。
真実を伝えることはとても難しいですが、坂本さんのように勇気と度胸のある写真家の役割はとてつもなく大きいと思います。
心から応援しています。

フェニックス証券 丹羽」

(※)なぜ贖罪なのか?

医師山崎宏さんのお話を坂本さんからお聞きしたのは約半年前でした。五味川純平原作、山本薩夫監督の長編映画「戦争と人間」を思い出しました。
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