2011年5月27日金曜日

絵空箱-あるいは絶望と希望



わたしが好きなものは、美しい音楽と、美味しい飲み物と、すべらないFXです!

楽しい舞台、滋味溢れる食べもの、すべらないギャグも、もちろん大好きです。

実は、、、先週末、そのうちのふたつ、舞台と飲み物の道を極めた男性との素晴らしい出会いがありました。

舞台俳優の方々のなかで、その舞台の活動だけで生活できている人は殆どいないと思われます。オペラの世界もほぼ同じです。わたしが出会った方は、バーテンダーの仕事が生活の手段であり、舞台演劇が人生のやり甲斐だったのです。のちにバーテンダーの仕事は手段からやり甲斐に昇格、昼夜働いて働いて自己資金を貯められて、一級品のバーと一体化した舞台空間を江戸川橋の地に作り、ふたつの夢を同時に実現されました。

そんな独特の小空間がオープンしたのが今年の3月10日。地震の前日です。

激しい揺れは、大切なグラスやボトルを無残に砕き、また先々まで埋まっていた筈の舞台の予約も軒並みキャンセルとなりました。夢が実現したと思った矢先の悪夢で、劇場支配人 兼 バーテンダーは毎晩近所の酒場で酔いつぶれていたそうです。

絶望の背景は、それだけではありません。舞台人として、多くの同胞が食べること寝ることという最低限のこともできずにいるなかで、舞台を楽しんでもらうという緊急性のないことをやる意味を自問自答してのことでもありました。

反吐が出るまで悩みぬいた劇場支配人が決断したことは、そのバー併設小空間を、9月まで(電気代以外)無料で開放するという内容です。

その劇場支配人(兼オーナーバーテンダー)のなまえは吉野翼さん。バー併設の舞台のなまえはパフォーミングギャラリー&カフェ『絵空箱』です。

四川大地震・岩手宮城内陸地震のチャリティ・オペラ・コンサートから2年半が経ちました。わたしは、吉野翼さんと出会い、話し込み、意気投合し、即座にフェニックス証券(テアトロ・ラ・フェニーチェ)第二回チェリティ・オペラ・コンサート開催を決めました。

フェニックス証券の社名(イタリア語ではフェニーチェ)そのものズバリ、被災地の復興を確信し、音楽を奏で、歌声を届けます。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

出演:奈良原繭里(ソプラノ=写真)、石川雄蔵(テノール)、丹羽広(バリトン)/吉田彩(ピアノ)



曲目:ドニゼッティ「愛の妙薬」と「ドン・パスクワーレ」の名場面、ヴェルディ「リゴレット」の名場面


(わたくし以外)プロの素晴らしい歌声と演奏ということだけでなく、わたしが知る限り舞台に併設された施設としては初の本格的な内容のバーでのお客さま同士の歓談のひとときも充実していただくべく、プログラム(含む休憩時間や終演後の時間の確保など)を工夫して参ります。詳しい内容は、つぎつぎとこちらのブログで更新して参りますので、どうかフォローのほうをよろしくお願い致します。




なお、フェニックス証券(テアトロ・ラ・フェニーチェ)では、10月以降に、今回の第二回チャリティ・オペラ・コンサートの出演メンバーを中心に、


☆平日の開演時刻を19:00以降の遅めにし、仕事帰りのサラリーマンやOL(←この書き方にはたいへん問題がありますが慣用句としてお許し下さい)のお客さまにお越しいただきやすくする

☆バーカウンターでお客さま同士の語らいと一級品の飲み物も余裕を以って楽しんでもらう

ために、しばしば長すぎるというオペラ公演の欠点を克服すべく、

☆一本のオペラを毎日一幕ずつ上演する


という新しいコンセプトのオペラ公演を、同じく江戸川橋の「絵空箱」を一週間借り切らせてもらい、実行する予定です。今回の7/25(月)のイベントはそのプレ企画との位置付けです。

チケット代はドリンクチケット700円を含む3000円(6月1日発売開始)と設定させていただき、諸経費を除いた全額を義援金と致します。第一回チャリティ・オペラ・コンサートとときと同様に、実施後会計報告をさせていたきます。
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2011年5月25日水曜日

ちょっと儲かった



残念ながらフェニックス証券のことではありません。

リーマンショック後、巨額の国庫負担で公的管理下となったAIGの発行株式の再上場のおはなしです。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702304520804576343203093719010.html?mod=WSJASIA_hps_LEFTTopWhatNews

AIGの株価は年初から4割程度下落したため、今回の売り出し価格(仮条件レンジの下限の29ドル)は、米財務省の取得減価をわずかに上回ったにとどまり、第一次売出後の政府持株比率も74%と、独立民営までにはまだいくつものステップが必要となっています。

さて、公的資金の注入と(配当と)回収による国民負担(税負担)と言えば、先月29日付の日経新聞の記事が気になっていました。

「政府が1990年代後半以降の金融危機で大手銀行や地方銀行の経営健全化のため資本注入した約12兆円の公的資金について、預金保険機構による回収の結果、今年3月末までに返済時の上乗せ分として累計約1兆5000億円の利益を得たことがわかった。」

米国のGMやクライスラー(やAIG)のように、本邦の預金保険機構も、(納税者にはプラス、公的管理前の株主にはマイナス、という意味で)ハゲタカディールで成功を収めてくれたのかと思いつつ、糠よろこびではないのか半信半疑でした。いまこの記事に検索を掛けても電子版からは消去されているようです。

http://www.nikkei.com/news/headline/article/g=96958A9C93819481E0EBE2E2E68DE0EBE2E6E0E2E3E39797EAE2E2E2 ↑リンク切れ

預金保険機構の広報を見ますと、確かに、資本注入という分野で見れば、注入額12.7兆円に対し回収額10.8兆円(残金1.9兆円)のところ取得原価との差額が1.5兆円と発表されており、記事の内容と合致しています(2011年3月11日現在)。

しかし公的資金というのは資本注入だけではありません。金銭贈与(18.9兆円)、資産買い取り(9.8兆円)など他の巨額分野があり、前者の金銭贈与のうち10.4兆円分については国民負担が確定しているとあります。
http://www.dic.go.jp/katsudou/katsudou1-4-20101224.html

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2011年5月20日金曜日

スペインの痛み

タイトルのFT紙の記事によれば、スペインの若年失業率は、約45%だそうです。

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/408cb194-8242-11e0-961e-00144feabdc0.html#axzz1Mf8MyXSm

我が国でも新卒採用については超がつく氷河期と言われていますが、二人に一人が失業というスペインの状況には、ユーロ圏ならではの財政金融政策の制約も背景にあるでしょう。同じような資産バブルの崩壊後にもしも日本も同じように放置されていたらスペインなどの南欧ユーロ圏と同様になっていたのかも知れません。

しかしわたしはケインズ政策が必要悪だという論者ではありません。もうひとつ、大小の違いはあるものの震災に見舞われた両国に共通するのは、過保護で歪んだ労働市場と、かつての出稼ぎの時代にはあったハングリーさの喪失による労働者の質の低下ではないかと思います。

記事の表題の
Pain in Spain drives young people’s protest
は、もちろん、ミュージカル映画マイフェアレディのなかでエリザ役のオードリー・ヘプバーンが口パクで歌った
Rain in Spain stays mainly in the plain
を踏んでいます。
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2011年5月19日木曜日

5月6日の大暴落

5月6日と言っても今年ではなくておよそ1年前のことです。バンカメが黒か白かで話題になった相場操縦なのかシステムトラブルなのか何が何だかわからない相場変動でした。ニューヨークダウが瞬時に700ポイントも乱高下した前後は現在と同じギリシャ危機の最中。外国為替証拠金(FX)取引でも大損した方、大儲けした方、双方いらっしゃったと思います。

あれから一年経って、 米SECが電子プラットフォームの欠陥に関する調査を行なう(調査対象にはナスダックを含む)と英FTが報じました。

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/bfd0e94e-81a6-11e0-8a54-00144feabdc0.html#axzz1Mf8MyXSm

しかし、この記事の面白いところは、システムエラーの原因についてよりも、より重点的調査分野があるとしていて、それが「全ての取引参加者に同時に公平に価格配信がなされているかどうか?」という関心事であるということです。

世界の金融商品取引所は、半官半民組織から、民営化、公開会社化を経て、敵対的買収を含む合従連衡の流れでありますが、その主導権確保のために、取引サーバーのコロケーションなどのオプションメニューなどで大口取引参加者への優遇や取り込みが常識化していたなかでの、この論点の指摘が流れの変化を意味するのか?だとしたら、どのような時間軸で時計が逆回りするのか、たいへん興味を抱かされるところです。

それにしても、ここのところのFT紙は、米紙が取り上げない、金融不正やゴールドマンをしつこく追い回す記事が目立っています。
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2011年5月18日水曜日

ゴールドマンサックス、投資銀行部門の幹部人事を刷新

昨日のFTの記事です。

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/1194c800-7fdf-11e0-b018-00144feabdc0,dwp_uuid=ffa475a0-f3ff-11dc-aaad-0000779fd2ac.html#axzz1Mf8MyXSm

この記事の前半に、いかにも英国紙らしい言い回しがありまして、「投資銀行(部門)が同社のドル箱的な地位をトレーディング部門に譲ってから長く久しいが・・・」。

そもそも投資銀行とは何かという話を、このブログでは、リーマンショック前後からしてきましたが、知る人ぞ知る事実として、われわれが何となく投資銀行と定義していた金融機関は、かなり投資銀行ではなくなってきていたのであり、またそれは日本市場だけの話ではなかった、更にはフランチャイズ構築をあきらめてトレーディング頼みで収益だけを追求するスタイルに開き直った一部欧州系銀行だけの話ですらなかったことを言いあらわしております。
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2011年5月10日火曜日

ウサギマミレ、マレニネコ





フェニックス証券が間借りしている八重洲の不二ビル1階「不忍画廊(SHINOBAZU GALLERY)」で開催中の絵画展の御案内です。http://www.shinobazu.com/exhibitions/index.htm
http://www.shinobazu.com/artists/2011usagi/index.htm
2011年5月9日(月)~28日(木)日休廊。



開催初日の昨日、画廊の横を通りがかったときは、珍しく(失礼!)賑わっていました。今回の催しは、珍しく、入場無料ではないのですが、入場料1000円は全額寄付されるとのことです。
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