2011年6月23日木曜日

本日のイチ押しブログ

まずは、ドイツ文学翻訳家・口承文芸評論家の池田香代子さんのブログ

政治家への幻想が霧散した 福田さんと菅さん

福田康夫元首相(≒自民党総裁)については、見事にちょうど3年前、やはり東北地方で起きた大地震の直後のわたくしのブログを参考文献として再掲させてください。二世議員、世襲政治家のなかで例外的に評価していた内容です。

人命は地球より重い

もうひとつの参考文献は、何故こうも日本だけ、過半の首相が1年前後という短命で任期(≒人気!?)を失うのか・・・その黒幕について考察したブログがこちら。

泣いた赤鬼と椿姫と小沢一郎

小沢一郎氏以上に、福田康夫氏のほうが、椿姫的な意味の犠牲者、ただ「あなたとは違うんです」と逆上した以外は、本当の辞職理由を胸中に秘めていたわけです。

イチ押しブログのもうひとつは、元岩波映画製作所のフリージャーナリスト田原総一郎氏の

「市民運動の論理」を強める菅首相の狙いは「8月の暑い日」

最後に、、、わたしは菅政権は、過去の反米政権と異なり、必ずしも短命には終わらない可能性があると考えています。日中国交正常化から第七艦隊発言や普天間基地移転問題などの外交軍事、郵貯簡保から邦銀の不良債権処理や保険分野の開放問題など金融経済、どこをとっても米国の尻尾を踏んだリーダーたちはほぼ例外なく、それも或る意味「静かに」、消されてきた我が国戦後政治史のなかで、米国自身の変調、つまり金融機関がグローバルスタンダードを押し付けられなくなってきていることや、イラン・イラク・パキスタン・アフガニスタン外交が制御不能に陥っていること、そして一番肝心のエネルギー問題では、米国=原発とも言えず、米国=石油とも言えなくなってきている点などを注目すべきです。

ただし、もしも菅首相が「地熱だけで我が国のエネルギーを100%自給させる」とでも発言したら、過去の短命政権同様、すぐに、静かに、消されるでしょう。しかし、それほどおバカではないと思います。
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2011年6月20日月曜日

江戸川橋の由来とカルパッチョの語源



生肉や生魚の料理を総称してイタリア語ではカルパッチョと言うと思い込んでいましたが、その語源が、ベネチア派の画家の名前であることを数時間前に知りました。
http://gogen-allguide.com/ka/carpaccio.html

多くのカクテルがイタリア人画家の名前を冠していますが、桃とスプマンテから造られるベッリーニも、カルパッチョ同様、ベネチア派の画家から取られており、いずれも名付け親はベネチアの有名なハリーズバーだそうです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Harry%27s_Bar_(Venice)

語源というのは実に面白いものですね。先週末土曜日のテレビ東京の「出没!アド街ック天国」は、江戸川橋がテーマでした。河川法が施行されるまでは、神田川の一部が江戸川と呼ばれていたこと。現在その名を唯一残す江戸川橋付近で、上下水道が分けられていたこと。それゆえに、その高台の椿山荘のあたりの地名が「関口」となっていること、神田上水と(同じく文京区の地名である)水道(橋)との関連などなど、たいへん勉強になりました。

さて、江戸川橋と言えば、7/25(月)開催予定のフェニックス証券第二回チャリティオペラコンサートの会場である「絵空箱」。同番組の25位で“地味に”紹介されておりました。

いま、「絵空箱」のホームページを拝見すると、中でのパフォーマンスの様子がアップされています。
絵空箱冩眞館

そして、花より団子、オペラより飲食とおっしゃる方々も大勢いらっしゃると思いますので、「絵空箱」のドリンクメニューとフードメニューを。カルパッチョやベッリーニがあるかどうか、どうぞご自身の目でご確認なさってください。

なお、7/25(月)の演目に、ベッリーニはございませんが、かわりにドニゼッティがございます。どうかお楽しみください。
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2011年6月10日金曜日

曲目ほぼ決定-第二回フェニックス証券チャリティオペラコンサート




チラシも昨日、印刷が仕上がりました。すでにチケットをお求めいただいたお客さまには、順次ご手配をさせていただきます(置きチケット+当日清算も御指示いただけます)。


さて、曲目ですが、


(前半のプログラム)

ドニゼッティ作曲「ドン・パスクワーレ」から

ノリーナのアリア「騎士はあの眼差し」

ノリーナとマラテスタの二重唱「用意は良いわ」

ドニゼッティ作曲「愛の妙薬」から

ベルコーレのアリア「昔、小粋なパリスがしたように」

アディーナとネモリーノとベルコーレの三重唱「ラララ~トラントラン」

ネモリーノのアリア「人知れぬ涙」


・・・休憩時間、「絵空箱」の素敵なバーでたっぷりとドリンクタイムを・・・


(後半のプログラム)

ヴェルディ作曲「リゴレット」から

ジルダのアリア「慕わしき御名」

リゴレットのアリア「悪魔め鬼め」

マントヴァ侯爵のアリア「女心の歌」

ヴェルディ作曲「トロヴァトーレ」から

ルナ伯爵とマンリーコとレオノーラの三重唱「夜は静まり返っている~酷いことを!」


終演後も、追加ドリンクチケットでお時間の許す限り、バータイムをお楽しみいただけます(曲目の変更はお許し下さい)。



ドリンク券800円が付いて3000円にてチケットを販売中です。残りわずかになっておりますので、ご予約はどうかお早めに。

(チケットのお申し込みはh.niwa@phxs.jp まで)
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2011年6月6日月曜日

原発全廃を決めた独メルケル首相のスピード感

対岸の火事だと放置しても良さそうなドイツで全原発一時停止が決定された頃、爆心地の我が国では浜岡原発ひとつ止めることが出来ていませんでした。反原発(わたしもそのひとり)の一部からは、菅首相のリーダーシップの欠如を指摘する声があった一方、一転して浜岡停止の勧告(命令ではなく「お願い」)に際しては、自民党や経団連から「根拠を示せ」という批判、地元自治体である御前崎の町長からは「相談がない」との恫喝がありました。

日本のリーダーは誰がやっても大変だというのは、いよいよ、国民のコンセンサスになってきていると、菅総理退陣「示唆」後の世論調査でハッキリとしてきています。

この前後、メルケル首相率いる与党は、(反原発へと政策転換したものの)地方選挙で緑の党など野党に惨敗したのに対して、我が国では統一地方選などでエネルギー政策が争点としてそれほど注目されずに民主党系は惨敗、むしろ原発推進派の首長の当選が目立ち、その究極が、昨日の青森県知事選挙でありました。

さて、ドイツと日本は、なんとなく、似ている国だという印象を持っている方々が少なくないのではないでしょうか。わたしもそのひとりでした。製造業を中心とした加工貿易立国、労働者の権利が強い終身雇用制度が残っている珍しい国であり、何と言っても、熱狂によって議会制民主主義が否定され全体主義が支持された結果、第二次世界大戦で共に闘い共に破れた「仲間」であります。

しかし、敢えて情けないと書かせていただきますが、青森県の結果は、ドイツと日本の大きな違い、地方分権の歴史がドイツは長く、日本はゼロであること、前者はそれにより統一の遅れ、植民地戦争への参加が英仏に遅れたことが、19世紀から20世紀前半の大きな不幸の原因でもあったわけですが、首都一極集中というイギリス、フランス、日本のようなことになっていない点は、反原発の草の根運動が広がりやすい要因のひとつだと思われます。

(ちなみに、どうでもよいことですが、ビール工場ひとつとっても、日本と異なり、ドイツは一極集中しておらず、地域分散、地産地消が原則である点、申し添えます)

もうひとつわたしが「珍説」として指摘したいのが、雇用制度です。前述の如く、雇用制度(≒労働法制)ではドイツと日本は何となく似ているのではなかったかと書きました。どうやらこれが最近大きく変わって来ているようです。

日本では、非正規雇用の割合が増えたことは、逆に大企業などの正規雇用された社員の既得権益を不健康にまで高め、同一労働同一賃金の必要性が今日問われているところです。

ドイツでも終身雇用が完璧に崩壊したわけではありません。が、もともと、「正社員」の解雇には、日本のような異常な制約はないようです。
http://www.jetro.go.jp/jfile/report/07000115/0908R3.pdf
詳しく書く余裕はないですが、ホワイトカラーにはホワイトカラーなりの雇用の流動性が、ブルーカラーにはブルーカラーなりの雇用の流動性が確保されているようなのです。ただし雇用改革は道半ばとの声もあります。

ドイツの雇用改革が道半ばだとしたら、日本で、大企業正社員が既得権益を保持しつつ、派遣や請負など一部だけ自由化を進めてきたのは、改革に逆行していたと言わざるを得ません。

このようなことをわたくしが考えるきっかけになったのが、土曜日夜CSで放映されていた朝日ニュースターの「ニュースに騙されるな」のなかで慶応義塾大学の金子勝教授が「東京電力の社員でも経産省の役人でも若手中心に半分くらいは『原発は良くない』と思っていると思うが、立場上言えないだけではないか」と発言していたことです。

有能な(または自身のある)ビジネスマンやテクノクラートが言いたいことを(実名で)言い、その結果、そのときの雇用主と反りがあわなくなっても或る程度簡単に新しい雇用主を探せるようになれば世の中は大きく改善するでしょう。

雇用主からすれば、クビにしやすい制度ほど、雇いやすい制度なのです。

役所にせよ大企業にせよ、或る程度の学歴がないと入れない組織というものは、かつての秀才たちを、何十年か掛けて、転職しようとしても使い物にならない社畜にしてしまうところがあり、残念なことに未だにこんなことをやっているのは、世界広といえども日本だけになりつつあるようです。

地震や津波や原発事故の被災者や犠牲者のみなさんの苦労や魂に報いるために最も大事なことは、正しいことを、立場を問わず、主張できる社会の枠組みに日本の社会を大転換することではないでしょうか。
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