2011年12月13日火曜日

MFGlobalのジャンク国債をジョージソロス氏が購入

先週の金曜日にフィナンシャルタイムズ紙が速報で伝え、日経新聞も囲み記事で追随した内容です。

ジョージソロス氏については、フィナンシャルタイムズ紙で過去何ヶ月にも亘って、ユーロ応援演説をぶってきました。

10/11(金)「ジョージソロス氏のユーロ防衛発言は続くが・・・」

ポンド危機でもアジア危機でも標的通貨の売り崩しから大儲けを果たした同氏が、今回は珍しく弱り目に祟り目のユーロを守る発言をしつこく繰り返すのは、ユーロ、かつまたは、ギリシャ、イタリア、スペイン、ポルトガルなどのジャンク化した国債の買い建て故のポジショントークか、または氏の出自に由来する平和哲学か、という話を、約2ヶ月前にいたしました。

一方、日本国内のFX会社を買収するなど世界規模に事業展開をしていた金融ブローカー大手のMFグローバルの倒産では、

MF Globalの倒産が、リーマンショックよりもショックだった理由


日本のFX会社にとっての全額信託保全と同様、顧客資産の分別保管義務があるにもかかわらず、ジャンク化しつつあった欧州各国の国債の買い建てにより自己ポジションの超過利潤源にしようと試みた結果、ジャンク化がより一層進んだために、自己資金での穴埋めが出来ないどころか、株価急落⇒倒産⇒顧客資産の返還に殆ど応じることが出来ない状況になったというものです。

この不良債権としての欧州国債ポートフォリオが巨額すぎるため、この倒産処理(≒残余財産の処分)を市場で単純にオークション的に行なうと消化不良を起こす(暴落が暴落を加速させる)という配慮が働き、大手投資家に相対(あいたい)で打診するという形式をとったのだと考えられます。

そしてそのなかでもっとも強い関心を示し、見事、買い付けに成功したのがジョージソロス氏だったということです。オークションに譬えれば、落札したのがソロス氏であったということです。

報道の時点では、ソロス氏が購入した大底(?)値よりも市況が回復しているので、かなりの利益が出たと言われています。しかしこれがまたしても「ハゲタカ行為」であったと断定できないのは、上述のように、ユーロと欧州各国国債の売り崩しをしていたという証拠がないからです。ほんとうに悪質なら、口ではユーロと欧州各国の財政を守るべきと言いながら、やっていることは正反対(同資産の空売り)ということも考えられなくはありませんが・・・・

言い換えれば、ソロス氏の投資行動が、ショートカバーによる利食いなのか、ロングポジションのナンピンなのか、ハッキリしません。

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