ラベル 北朝鮮 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 北朝鮮 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2021年11月5日金曜日

日本共産党がいる限り自由民主党は安泰?

枝野さんは辞めたが志位さんは辞めない・・・

まずお断りしておくと、わたくしは、小選挙区は立憲民主党候補に、比例区は日本共産党に入れました。

案の定、わたくしの清き一票は死票となりました。

開票速報では、事前調査と出口調査の精度が疑われました。それはともかく、大手メディアは立憲民主党の戦略ミスを指摘、枝野代表は辞任となりました。

しかし、冷静に考えてみると、小選挙区制度を前提とすれば、立憲民主党は、日本共産党とは選挙協力をするかしないかの両極端の選択肢しかない(※)のだと考えると、立憲民主党としては、日本共産党と選挙協力をしてもしなくても負ける宿命となります。

題意の、

「日本共産党が国政政党として這いつくばる限り、自由民主党の与党の地位は安全確実」

というのは、そういう意味です。

そこで、日本共産党に対するアレルギーの本質をいまさらながらに考えてみようと思います。

自由民主党政権にどんな不満があっても、「日本が、中国やロシアや北朝鮮のような国体になりそうなリスクに晒される」よりはよほどましだ、という古典的な風説については、本稿では扱いません。

前回のブログで指摘した「野党がコロナ対策を論点にして具体的に与党を攻めきれない」こと、それに加えて、財務省の矢野事務次官による指摘のとおり、「ばらまき競争」という点でも、経済政策が与野党の対立軸となっていないことを踏まえると、「それでも投票に行こう」という有権者の最後の決め手は、絶対的に安全保障だったのではないでしょうか。

独断と偏見を許してもらえば、日本共産党が安全保障について、正直な具体案を提示していないことが、「がんばればがんばるほど自由民主党の思うつぼ」構造のなかに飲み込まれてしまう理由です。

なまなかなポピュリズムゆえに伝わらない日本共産党の安全保障政策のホンネ

このブログでもしばしば取り上げてきた安全保障上の日本の地理的なポジション、、、

つまり、

故中曾根康弘首相が米国のための不沈空母であると呼んだそれ、、、

は、北朝鮮の核弾頭(巡行)ミサイルの性能向上、中国やロシアの復活、米国の凋落(その象徴がバイデン政権によるアフガニスタン撤退の手際の悪さ)により瓦解しつつあります。

そのなかで、日米軍事同盟と日本共産党が呼ぶ安保条約破棄は、確かに選択肢のひとつなのですが、それにかわって、①中国と組むのか?②ロシアと組むのか?③自衛隊を強化かつまたは改変しも保有し大国たちから自立するのか(武装中立)?④護憲を堅持し、非武装中立でマハトマ・ガンディーの非服従・非暴力主義でいくのか?はっきりして(させて)いないことこそ問題の本質だと考えています。

一貫性という点において他党の追随を許さない日本共産党の長い歴史のなかで、②ロシア論を前提とする指導部であった時代は少なくとも過去にはあったと思われます。この点では、日本に限らず世界中の共産党が「インターナショナル」の幹事であるソビエトロシアの共産党から、ヒト(スパイを含む)・モノ・カネが送られていたものと考えられます。日本だけでなく多くの資本主義国で日本の治安維持法と同様の反共防共政策がとられていたことと符合します。いっぽう、①中国論は比較的非主流であり、こちらはどちらかと言うと、(左派)社会党の系譜です。中ソ対立こそが、高度成長期の日本で社共共闘という革新連合が成立しなかった大きな要因ではなかったかと推察します。

ただし、これらは消し去れないかも知れないけれども過去の経緯であって、現在は、指導部も①中国論にも②ロシア論にも支配されていないのではないかとも推察します。この点では、代々木の立派な本部ビルや、歴代幹部の豪邸がしんぶん赤旗の売上だけで果たして建造できたかどうか疑わしいという反論があることも承知しています。

以上は推察に過ぎないですが、兎に角肝心なことは、③か④かをはっきり示せていないことです。

現実的には③「核武装して自衛隊を強化し諸大国から政治的軍事的独立を果たす」を臆せず正直に堂々と語ることこそ日本共産党の生きる道だと、わたくしは思います。それを胡麻化すことがポピュリズムだと指導部が思っているなら大きな間違いでしょう。

ところで、③「核武装軍事強化」を指導部がカミングアウトしてこなかった副反応として、④の理想主義を本気で考えている(考えようによっては気の毒な?)党員や支持者も、実は少なからずいらっしゃるのではないかとも推察します。

あえて言えば、これが絶対に荒唐無稽だと唾棄するべきだとは思いません。孤島や山深い里で、天然資源もなく、誰も耕したくないような崖に、這いつくばって生活することで、お互いの暴力を避けたコミュニティーを作ることは絶対にありえないとは思えません。

ただ、日本の国政レベルで、それを多数派の意見としてまとめていくのは、現代ではほぼ不可能です。

日本共産党には目指すべきロールモデルがある!

さて、公明党という政党があります。創価学会という宗教団体を基盤していることが特徴ですが、創価学会以外にも日本には国会議員を出せそうな力がある宗教団体はいくつかはありそうです。なぜそれをしないのでしょうか。

宗教団体にとって、政治に関与し、政治力を持たないまでも少なくとも政治に守ってもらうという欲求はあると思います。ただ、政党を作り、政治家を輩出し、選挙で国政に送り込むというのが政治力を持つ唯一の手段だとは考えていないからだと思います。

日本共産党が、下から上まで、本気で、④の理想論を考えているのなら、十分な政治的潜在力を持った宗教団体の素質があります。譬えて言えば、蓮如から顕如にかけての時期を除く浄土真宗本願寺派がそれです。いまのところ本願寺派は創価学会の真似は(敢えて?)していません。では、本願寺派の指導層は、創価学会や公明党の与党としての活躍を、指を銜えて見てきたのでしょうか?そんなこともないと思います。

プラグマティックに③「核武装+自衛隊強化」で行くのか?親鸞聖人やマハトマ・ガンディーを目指し④「非武装中立」で突き進むのか、そしてあわよくば(太平天国を建てた)洪秀全のアプローチを踏むのか、はっきりさせる時期でしょう。

日本の政治や選挙をじつにつまらないものにさせている戦犯の少なくともひとりがポピュリズムの仮面を被った日本共産党であるという自覚を持ってもらいたい。これが死票を投じたわたくしからのエールです。

※日本共産党以外の野党との関係においては必ずしも選択肢は両極端ではありません・・・なぜでしょうか?

2009年12月4日金曜日

北朝鮮のデノミを考える

緩やかなデフレに悩む国から近くて遠い国は、慢性的なインフレなのであります。北朝鮮では、したがって、過去5度も「通貨改革」を実行しているらしいのです(12/1朝鮮日報日本語版)。
http://www.chosunonline.com/news/20091201000018

今回、17年振りとなる「通貨改革」または「通貨交換」を、単にデノミと呼んでは本質を読み間違えてしまうようです。但し、北朝鮮というお国柄、奥の院からの公式発表が何も行われず、各国大使館宛に理由の説明を欠いたブリーフィングがなされただけ(12/2フィナンシャルタイムズ)ということで、各国主要メディアではその取り扱いの大きさから憶測や解釈に至るまで報道内容が様々であることが特徴です。

デノミの教科書的な解釈を軸に、無難にまとめているのがフィナンシャルタイムズ紙でしょうか。すなわち、

★大筋としては、11月30日から12月6日の間に、旧紙幣は、二桁少ない新紙幣に交換される。
★公式発表はいまだに無いが、インフレ対策に加え、闇市場(実態は行商人など)が不正蓄財した旧紙幣を召し上げることも目的。
★一部で不平不満が出ているとの噂あり。
★北朝鮮ウォンは著しく歪んだ通貨であり、公設市場では1㌦=140ウォンだが、実態は3000ウォンでしか取引されない。

これに対して、同じ英国でも、エコノミスト誌は、現地消息筋の情報を踏まえて、「庶民に対する国家の収奪・搾取」という観点を強調しています。まず、ひとこと目に、

★11月30日、北朝鮮人民の貯蓄が国家の命令により掻き消された。

そして、

★新紙幣への交換可能額は当初10万ウォンと設定されたが、国民の憤慨により、15万ウォンまで引き上げられたようだ。

エコノミスト誌は敢えてデノミという用語を使わず、鍵括弧付きで“revaluation”「再評価」が行われたのが17年振りだが、前回の目的が悪性インフレへの対策であったとは言え、今回の主眼はインフレではない(平壌の生活費用はこの17年間さほど上昇していない)と論じます。寧ろターゲットは、

★主として中国との商取引で金持ちになったビジネスマンや腐敗した公務員

だと。しかし、残念なことに、

★そのような利に敏い策士たちは、たった数百人くらいしかおらず、大抵は財産を人民元やドルや円に変えてしまっている。

なので、実際に最も打撃を受けるのは、平均月収5万ウォン程度の中流層であると報じています。

ちなみに、ウォールストリートジャーナル紙から幾つか補強材料を拾うと、

★政府からの公式発表が無いまま、水曜日から通貨の交換は実行され始めた。

★電話回線は遮断され、外出禁止令が発動されたこともあり、首都平壌は平穏無事である。但し、値札の付け替えのために、商店街はすべて閉店となっている。

★市場活動(≒資本主義的傾向)弾圧のために、これまででも最も大胆なfar-reaching施策で、米の価格が旧通貨ベースで20倍になったり、玉蜀黍が同30倍になったり、そして前述の利に敏いお金持ちが田舎に押し寄せ、「デノミ」についてまだ情報を知らない貧乏人たちから旧紙幣で農産物などを買おうという動きが出ている(この点は、仏教系チャリティ団体「良き友達」という在ソウルの対北朝鮮消息筋の話として韓国中央日報も同様の引用をしています)
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=123555&servcode=500§code=500
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=123556&servcode=500§code=500

度々七転び八起きブログでご紹介している塩沢由典先生の著書「マルクスの遺産-アルチュセールから複雑系まで」のなかの一文に「共産主義は20世紀における人類最大の実験であった」というのがあります。この壮大な実験は多大な犠牲を伴いつつ、ソ連崩壊やベルリンの壁崩壊などにより失敗という結論でほぼ終結するのですが、まだ細々と実験を続けている国が、それも我が国の近くにあるわけです。

勝負あったかと思われる資本主義VS社会主義の冷たい戦いのなかで、北朝鮮の事例から日本は学ぶべきものはあるのでしょうか。資本主義陣営とは言え、純粋な「市場原理主義」など有り得ないことを考えれば、国家は民間の財産を簡単に収奪・搾取しうる点では、あまり北朝鮮のことを他人事と考えないほうが良いでしょう。例えば、固定資産税などは簡単に上げることが出来るのですから、不動産を「所有」しているとは思い込まないほうが良い。イギリスと殆ど同じで、御国から半永久的に借地をしているだけで税金という名の地代はこの先どうなるか判ったものじゃないと覚悟すべきです。

相続税や贈与税には色々な抜け道があるようですが・・・

実は、我が国の資本主義をもっとも停滞させているかも知れないのが、前出の中間層ですが、ここに良い顔をしないと選挙に勝てないという現状があります。北朝鮮の「デノミ」は、この集団と向かい合うわけですから、尋常なことではありません。

「まず財源ありきとの議論では駄目」「日銀はまだ寝ぼけたところがある」という金融担当大臣を誰も選挙で選んだ記憶がなくても、政府与党の代表のひとりであり閣僚のひとりなのであります。赤字国債を乱発して、日銀に引受させれば、財政法の脱法で簡単にインフレを起こすことはできます。そのことと、北朝鮮の「デノミ」という名の紙幣の紙屑化と比べると、政府による所得分配への介入という点では実態は同じで、技術的にも殆ど巧拙の差はありません。
CoRichブログランキング

2009年5月25日月曜日

北朝鮮、核実験“成功”で、ドル安は一気に修正

核拡散防止条約という大国主義にも反吐が出ますが、北朝鮮の行為を正当化する次元の議論ではありません。

核の問題北朝鮮の問題は、反米右翼、親米右翼、親ロ左翼、親中左翼の各論客に甲論乙駁を期待。

「七転び八起き」の関心事は御期待通り天邪鬼。米銀ストレステスト以降、対円だけでなく新興国通貨に対してさえ下落一方だった米ドルが一気に値を戻す展開。こんな程度の国に、天下の為替市場の相場操縦をエンジョイさせて良いものか。日本の投資家の皆さん、負けては居られません。

尤も、発表前に米ドルを仕込めていただかは甚だ疑問。北朝鮮ウォンの実勢は韓国ウォンの半値以下で、取引は不可能ではないですが、偽札を印刷して米ドルの売りから入るよりは難しい筈。
CoRichブログランキング

2009年1月30日金曜日

為替操作国呼ばわりされた中国と偽ドル工場呼ばわりされた北朝鮮

●為替操作国と名指された中国、米国新政権に対して、最大級の非難-欧州外遊中の温総理(1/29FT)
ダボス会議出席をはじめとする欧州各国歴訪で、自国に次ぐ世界2番目の輸出大国ドイツを訪れた温家宝総理。メルケル首相との対談後の記者会見で「人民元政策は市場のニーズに合致したものであり、柔軟性に富んでいる。

先週、ガイトナー米財務長官が、長年の“タブー”を破り、中国に対して、輸出を保護するために人民元を人為的に操作していると批判したことに対する声明。世界の為替相場がジェット・コースターのようなボラティリティに晒されているが、それが中国のせいにされるとはけしからん、と。

ところで、温首相が訪ねたドイツは、ほんの20年弱前までは半分は共産圏でした。2月号のFACTA(月刊:ザ・ファクタ)で、人気コラムを連載中の手嶋龍一さんは、東ドイツ出身の欧州中央銀行(ECB)政策担当者をベルリンまで訪ねてきた北朝鮮高官が、

「わが朝鮮民主主義人民共和国が偽ドルを刷っていると中傷するものがいる。笑わせてはいけない。偽ドルというが、ニクソン・ショックで金とドルの兌換をやめてしまったドル紙幣のどこがホンモノだと言うのか」

と語ったという話を伝え聞いたと書いておられます。偽物のようなホンモノ、ホンモノのような偽物。このテーマは、昨年来、当ブログで追っかけていたものですが、北朝鮮高官の「不換紙幣自体が偽物」発言はさすがに詭弁。しかし、通貨とは何ぞや?不換紙幣とは何ぞや?基軸通貨とは何ぞや?なかなか痛いところを突いた、見事な詭弁です。

西側社会への意外にも太い地下水脈、贋金作りという大罪を平然と弁護する詭弁能力。勿論、皮肉で申し上げているのですが、北朝鮮の国力はあなどれないと感じます。

【本日最大のニュース】
わが処女作「“為替力”で資産を守れ!」(アスキー・メディアワークス、1,260円)が、いよいよ本日発売開始となります。昨日今日のブログの土台となっている、深くてわかりやすい経済その他の読み解き術が満載の書籍。

今日の東京はあいにくの雨ですが、傘をさしてさっそく「書店へGo!」

ついでに、

外国為替証拠金取引をやるなら、フェニックス証券。主要通貨ペアのスプレッドが「2銭でGo!」
CoRichブログランキング

2008年12月9日火曜日

日本と北朝鮮は瓜二つ!

●米国議会、デトロイト救済のための150億㌦融資法案の決着に近づく(12/8FT、WSJ)

●ダウ=ケミカル、5000人削減(12/8FT、WSJ)
正社員の11%に相当。加えて契約社員も6000人首切り。米欧で20工場を閉鎖へ。

●S&P、ロシアを格下げ(12/8FT、WSJ)
ロシア通貨“ルーブル”からの資金逃避、原油価格の下落に加え、国内事業破綻回避のために外貨準備が直近5ヶ月で2000億㌦以上費消され、今年7月ピークだった外貨準備高は4000億㌦程度にまで低下したことが原因。BBB+⇒BBB(更に格下げの可能性あり)。

1998年のルーブル危機⇒ロシア国家破綻のときに比べれば、状況は全然ましであるとも注釈。

米系格付け機関に対する当ブログからの批判は、是非過去記事をお読み下さい。ここでは一言、米国のAAA~AAはどうなのかと言いたい。

●麻生太郎、1年以内辞任となる連続して3人目の日本の首相になる可能性大(12/8FT)
ちなみに、2世議員、いや2世首相(含む3世)も連続して3人目であることに皆さんお気づきですか?更にちなみに、2世議員(含む3世)となると、4人連続ですぞ。

日本と北朝鮮、国体は正反対だと皆さんお思いかもしれませんが、国家元首が世襲される点では瓜二つ。尤も、憲法上は内閣総理大臣は国家元首ではないですけど・・・
CoRichブログランキング