ラベル SWF(政府系ファンド) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル SWF(政府系ファンド) の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2009年7月14日火曜日

金融ビジネスは必要悪の虚業なのか

軍需産業と並んで、、、と溜め息をつきたくなる英FT紙の臨時ニュース「ゴールドマン・サックスの経営幹部たちがリーマン破綻後の流れで自社株を7億㌦相当売却」。

米SECへの大量保有報告の調査したところ、彼らの売却時期は金融安定化プログラム(TARP)からの公的資金100億㌦の恩恵にあずかっていた時期と殆ど重なる。日本時間今夜、自己売買益の回復により好調な第二四半期決算を発表すると見込まれていることを踏まえると、米国議会からの批判は必至とFT紙。

ゴールドマン・サックス側からの正式広報はなし(但し、GS社の特にパートナー級は巨額ボーナスに占める自社株の割合が高く、定期的に換金していかざるを得ないとのコメントあり)。自社株を担保としたローンの借り入れ先からの追加証拠金(追証、Margin Call)やロスカットの可能性も高いと同紙は指摘しますが、お金持ちというのはそんなにハイレバレッジな生活をされているものなのでしょうか???

パートナークラスの経営幹部による自社株売却はGS社において予てより“際どい”話題だったが、リーマン破綻後にGS社の二人の共同COOからの「持株会ファンド」買い戻しの決定と発表で前代未聞の物議を醸した。1999年に株式公開されたGS社にとって従業員持株はパートナー制だった頃の残滓だとFT紙は言います。

その残骸部分を米系その他のライバル投資銀行も真似をし続けてきたことも事実でしょう。また、このFT紙の報道だけでは、GS幹部がリーマンを追い込むことで一時的に“返り血”を浴びつつも、自らは助かっただけでなく、半ばインサイダー的に、半ば相場操縦的に、大儲けをしたと立証することは出来ません。

疑惑の本丸は、当時の財務長官、ポールソン氏がどういう意図でリーマン危機というサプライズを脚本演出したのか?そこに出身銀行であるゴールドマンサックスと組織的な相互関与があったのかどうか?“やんちゃ”過ぎたライバルの消失と“返り血”を浴びるリスク(含む新興国リスク)、それに自作自演だったとすれば得られるであろう巨額のメリット。これらの損得の胸算用に比べたら、経営幹部の自社株の問題などは、ほんの断片に過ぎないでしょう。

金融というビジネスが、脱法または違法により、他人様の財産を収奪しあうだけの虚業であり、そんなものは人類にとって不要だとは、世界平和のほうが全人類にとって最適(パレートな意味でも、ベンサムな意味でも)なのだから軍事産業は虚業だ、不要だというのと同じ。財産を破壊しないだけ、戦争より悪徳金融のほうがまだましに思えますが、“階級”間または民族間の相互不信、ひいては治安悪化を招く点では殆ど一緒。にもかかわらず、他人より良い生活をしたい、他者を傷つけてでも自己保存や民族自決を勝ち取りたいという欲望が世界のどこかにある限り、金融も軍需もある程度は国家戦略に乗っ取った必要悪な産業として永遠に不滅でしょう。

根底ではまだまだ続きそうな金融危機で、心ある勉強家の皆さんが一番心配しているのは、1929年の世界恐慌後の金融危機や経済危機が結局、第二次世界大戦によってしか治癒されなかった事実とその繰り返しです。金融や外交軍事への眼差しとして、ヒトラーひとりを狂気の戦犯として片づけずにナチスドイツなどの全体主義が発生した必然を分析する姿勢が必要。

郵政民営化を差し戻すかどうか?窓際族を多く抱え、経営幹部の多くが権力闘争と社内外の不倫にしか興味がないメガバンクをどう監督規制するか?はたまた政府系ファンド(SWF)?国策に耐えうる強烈な金融機関が独立国家にとって軍備同様欠かすことができないという視点こそ残念ながら必要悪なのです。
CoRichブログランキング

2009年3月23日月曜日

ガイトナー財務長官、去就を賭けて

米国金融システムの強化策を発表する予定。外国為替市場の注目が集まっています。

AIGの巨額ボーナスに対して、公的資金(≒TARF)を利用した金融機関のボーナスには90%課税をするという法案を可決した米国下院。ガイトナー財務長官は、バーナンキFRB議長共々、「AIGの巨額ボーナス支給を何故事前に阻止出来なかったのか?」という問題で叩かれるべく、米国下院での議会証言も予定されています。

ガイトナー財務長官が叩かれたのは、①脱税疑惑発覚で長官任命に手古摺ったこと、②去る2月の金融システム強化策の発表内容が具体性に欠け株式市場が暴落したこと、に続いております。ちなみに、当ブログで取りあげた「中国=為替操作国」発言は財務長官任命前のことでした。

2月に叩かれた「官民一体ファンド」での住宅ローン証券化商品を含む不良債権の買い上げについて、今夜具体策が出ることが予想されています。民間が1㌦出せば、公的資金(預金保険機構)が4㌦まで出すという案のようですが、AIG巨額ボーナス支給問題が悪影響して「民間の投資家は、公的資金を活用するビジネスに乗りたがらない」(WSJほか)という憶測も出ております。

本日日本時間午後9時45分に予定されているガイトナー財務長官の会見。今回も空振りに終われば、FOMC以降のドル安の流れが加速する可能性、また過去2週間連続して好調だった米国株式が大幅調整する可能性があるだけでなく、財務長官の更迭を経て、オバマ政権がある種の無政府状態に陥るリスクがあります。無政府状態という表現は、当ブログで主として我が国の永田町を描写してきたものですが、

「金融が政局になってしまうと議会制民主主義が機能不全に陥る」

のは日米欧似たり寄ったりです。近々同様の問題が日本もヨーロッパも襲うということで為替相場は引き続き不美人投票が続くものと思われます。

ところで、何故、金融が政局になると議会制民主主義が機能不全に陥るのか?

当ブログでしつこく批判しているモラルハザードの問題が頭をもたげることも大きな理由のひとつ。

「金は天下の回りモノ」の実例を海外メディアから2つご紹介します。

★中東ファンドがダイムラー株を9%取得(FT)
Aabarインベストメント社はアブダビの“半”政府系ファンド。殆どの中東系またはアジア系SWFが、落ちてくるナイフを早く拾いすぎてナンピン出来ない状態かと思いきや、まだニューネームがありました。自動車が売れないから石油も売れない。したがって、産油国による自動車産業の救済の余裕はないと思っていただけに意外な臨時ニュースでした。

★米国の複数の生保が、AIG救済を批判(WSJ)
生保業界の競争を歪めるとして、バーナンキFRB議長にAIG破綻を直訴。

当然です。我らがトヨタ、ホンダのためにも、GMを早く潰しましょう。
CoRichブログランキング

2008年6月12日木曜日

中国あるいはデカップリングの終わり

●メリルリンチ、ブルームバーグ株売却を検討(6/11WSJ)
株価下落局面で増資を敢行するよりも良いかも、と新CEOのジョン・セイン氏。氏が就任した昨年12月以降、150億㌦以上の資金調達を実施してきたのだが。

メリルリンチはブルームバーグ株を20%保有。50億乃至60億㌦の価値があると見られるが、大手運用会社ブラックロック社(50%株式保有で240億㌦の価値)に比べると、シナジーは薄い。

●“中国国家外国為替機構”、米投資会社TPGに約250億㌦投資(6/12WSJ)
ソブリン・ウェルス・ファンド(SWF)の存在感と益々高まりつつある影響力を見せ付けるディールだとWSJ紙。

モルガンスタンレーは、SWFの資産規模は現在の3兆㌦が2012年までに12兆㌦へと跳ね上がると予測。

昨今の信用市場の混乱と収縮にもめげず、TPGの動きは活発。ゴールドマンサックスと歩調を合わせ、オールテル社株をベライゾンに売却(保有期間たった7ヶ月で13億㌦の利益確定!)する一方、ワシントン・ミューチャルへの70億㌦資本注入のうち20億㌦を受け持つ。

中国と言えば、その一方で、、、

●中国株、下落の一途(6/11FT)
昨年10月の最高値から半分以下に。企業利益の成長鈍化、高インフレに加え、中国政府のインフレ抑制策の影響を見極めたいという動き。

中国の4月のインフレ率は8.5%と過去12年間で最高水準。中央銀行である中国人民銀行は今年5回目となる預金準備率引き上げを指示。5月のインフレ率は本日発表です。
選ばれるFXには理由があります、フェニックス証券
手数料無料は当たり前。ドル円たった2銭~新サービスActiveZero
CoRichブログランキング
大雨の中の出勤お互いご苦労様でした_m(..)m_

2008年5月8日木曜日

今夜のテーマは強いドル。あるいは欧州中央銀行、金利据え置き?

ご心配をお掛けしていた知恵熱はほぼ下がりました。熱が出たら直ちに頭を使わなくするものですから、治りは早いです。が、同時に腰痛に苛まれ、昨夜は一睡も出来ませんでした。一生懸命働く従業員を尻目に先ほどお医者さんに行ってきたのですが、色々検査をしてもらったものの、原因不明ということで消炎鎮痛剤で様子を見ましょう、ということになりました。

サブプライムが一息付いたかのように見える米国経済、既にカードローンやホームエクイティに飛び火しているという説もあり、わたしの腰痛が放って置けないのと似ている。。。というのはこじ付け過ぎですね。

●ホワイトハウスの主席エコノミスト、米国経済リセッションではない(5/8WSJ)
ラザール氏。大本営発表か?火曜日のポールソンの楽観コメントに続くものだが。。。

●欧州と米国、「強いドル」で一致団結(5/8FT)
欧州中央銀行のタカ派は影を潜めつつあるのは事実。

●米SEC、流動性に関する開示を金融機関に求める(5/7FT)
投資銀行幹部のなかには、既にバーゼルIIに備え、十分な開示を行なっているのだが、、、との意見も。

●サーベラス、CICと連携模索(5/7FT)
CICは中国のソブリン・ウェルス・ファンド。これまでJCFlowersが同ファンドからマンデートを得、40億㌦を信用市場混乱で困難に陥った金融機関への投資に利用することに成功している。

最後に、またまた、番外編。。。ミャンマーのサイクロン被害、10万人を超えると国連が予測しています。軍事政権に問題はあることは確かですが、自然災害が内政干渉の材料に使われることには危険な香りも漂います。もちろんわたしはスーチーさんの見方ですが。

安心&安全が大事よね!選ばれるFX
フェニックス証券
http://phxs.jp/
CoRichブログランキング

2008年5月1日木曜日

乱気流の真っ只中FXブログ発信。はじめまして!

はじめまして。外国為替証拠金取引(FX)のフェニックス証券 丹羽です。日本では意外と目にしない海外メディアの気になる記事を、ごくごく一部ですけど、ご紹介して参りたいと思います。

●欧米銀行への投資は長い目で(!?)/GIC(4/30FT)

推定資産3000億㌦というGIC(シンガポール政府投資公社)、既にUBS、シティに180億㌦を投入したが、その後UBS株は35%、シティ株は8%下落している。

FTのインタビューを受けたリー・クァン・ユー会長は、「20年から30年という長い目で見た投資だ。。。投資手段は転換権付優先株であり株価下落リスクを一部ヘッジしている。。。例えばUBS以外にプライベートバンキングをやるスイスの銀行で投資対象があるか?ないでしょう!だから投資したんだよ!!」と応えたそうだ。

しかし、UBSによる再度の資本増強(144億㌦)に参加するかどうか、GICは未だ決めかねているとのこと。

●EUの規制過剰を非難/中東の投資家「ドバイ・ワールド」(4/29FT)

●カルパースの「代表執行役」辞任へ??(4/29FT)

米国最大の年金基金のCIO(最高投資責任者)が辞任を発表した数日後のことだ!

オンライン・セミナー「どこまで強いか?ユーロ」好評放映中!
http://phxs.jp/
安心第一&安全が一番、FXのことならフェニックス証券
CoRichブログランキング