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2012年2月1日水曜日

増収減益のアマゾン・ドット・コム

独占・寡占の仲間入りを賭けて薄利多売に専心するのはFX業界だけではないと思い知らされる決算発表でした。

2010年のアマゾンの売上は前年比35%の上昇。にもかかわらず、利益は57%の減少でした。原因は、ウェアハウス投資(本の倉庫のことなのか、クラウドサーバーのことなのか、両方か?)、技術投資、そしてキンドルであるとしています。

キンドル関連の数値はすべてが公表されているわけではありませんが、ホリデーシーズンの売上は前年比177%増とのこと。しかし、キンドル一台売るたびにアマゾンは15ドル赤字だという推計もあるようです。それを将来、デジタルブックや音楽配信などで取り戻すという考え方なのですが、日本の携帯端末と同じようなモデルが成り立つのかどうか、iPadもあり、不透明と言わざるをエません。

無制限即時発送を約束している「プライム・プログラム」も、年会費79ドルを徴収しても尚11ドル(一会員あたり)赤字なのだそうですが、同会員はプログラム加入後は従前比3倍もアマゾンを使うという推計もあります。

詳しくは、WSJの記事を御覧ください。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052970204740904577195371567545142.html?mod=WSJ_business_LeftTopHighlights
日本語の記事は例えばこちら。
http://japan.cnet.com/news/business/35013651/

全然話が変わりますが、今朝一番気になったのは、ユーロ圏が通貨統一後失業率が最悪になったという記事です。こちらはFT。
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/dca5fe48-4bf3-11e1-98dd-00144feabdc0.html#axzz1l5fAlXZ0
特にひどいのが若年失業率で、スペインとギリシャは50%に接近しています。このような状況が放置できないと政治や民意が動くとなると、ユーロ危機問題の解決の経路として、救済基金の増額の可能性(もともと低い)よりも、ユーロ分裂(による各国の財政金融政策の柔軟性の取り戻し)の可能性に振れると見るべきかも知れません。
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2012年1月5日木曜日

ストラディヴァリウスと「食べログ」と尾上縫

明けましておめでとうございます。

新年早々の三題噺、「ストラディバリと『食べログ』は、わかるけど、尾上縫(おのうえぬい)は何故だ?」と思われるでしょう。

正月明け、ネットとメディアを騒がせているのは、「一個(一台?一本?)何千万円~何億円もすると言われるヴァイオリンの名器『ストラディヴァリウス』や『グァルネリ』が、現代の安い量産ヴァイオリンと比べて音色の差が殆どない。場合によっては現代のもののほうが評価が高い」というニュース

そして続いて出たのが上場会社カカクコムが運営していて飲食店や「地域名 ランチ」などで検索するとほぼ間違いなく上位に出てくる口コミサイト「食べログ」のやらせ疑惑です。

フェイスブックなどソシアルメディアの閲覧数や「いいね!(Like)」ボタンの押される回数みたいなものですら、ワンクリック幾らとかで売り買いされる時代だそうですから、SEO対策などで宿敵ぐるなびを戦慄させてきた「食べログ」に限らず、およそ「口コミサイト」なるもの、多かれ少なかれ「やらせ」はあるのだろうと読者の皆さまは既に賢察のことと思います。

現状、記事によれば、カカクコム自身はインフラを提供しているだけであり、やらせ業者を取り締まり監督規制する立場であることを明確にしています。

ここは実に重要で、外国為替証拠金(FX)取引の世界で、広告の大半を占めているアフィリエイトは、個人ブロガーはさておき、比較サイトや口コミサイトは、それ自体がやらせであり、人気順位を売買させていることがはっきりしているからです。

そのことの是非については、金融先物取引業協会でも、のらりくらりと議論されているようなのでそちらに譲るとしましょう。アフィリエイトという何となく洗練された外来語が「やらせ」という直截な言葉に置き換えられようとしている事実だけで、アフィリエイトモデルに依存してきた多くの業者や周辺産業の人々は「ああ、来るべき時が来たな」と観念することでしょう。

ヴァイオリンの話に戻すと、東京の郊外にあり、比較的多くのヴァイオリン奏者を育成輩出することで知られる音楽大学では、一個(一台?一本?)500万円以下の単価のヴァイオリンのことを“ゴミ”と称する習わしがあると聞いたことがあります。そういう価値観を成り立たせている教員や学生の耳こそまさしく“ゴミ”であるとわたくしは言いたいです。

・・・・・ヴァイオリンは一個でも一台でも一本(※)でもなくて、一丁と数えるそうです。豆腐と一緒です。。。。。(※)「あるオーケストラのなかでヴァイオリストが何人いるか?」という文脈では何本と使うようです・・・・・

良きにつけ悪しきにつけ、スティーヴ・ジョブズが圧縮音源によってアナログ音楽や生の音楽のビジネスモデルを破壊した一面があります。が、その敗者の代表格ソニーは、プロモーション・ビデオ(≒MTV)で「口パク(くちパク)」の歌と音楽を一般大衆に許容させてしまっていて、いまや天下のNHKですら平気で「口パク」歌手を紅白歌合戦の大舞台に立たせるほど寛容になっています。

メット文明の便利さは捨てがたい反面、良質なマスメディアの生存確率は劇的に低下したため、ネット上で「やらせ」産業が跋扈し、大衆の耳や舌や価値観につけいる隙を与えてしまっています。

それで、何故に尾上縫なのだ?と続くところですが、後半は後ほど。要すれば、ほんとうの金持ちはブランドでは騙されない、よって自身をブランドで飾らないことによって(普通のオバサンのように振る舞うことによって)ほんとうの金持ちはこういうものだ、ほんとうにこの人はおカネを持っているんだと思わせようとした一級の詐欺師であったというお話です。

2011年11月29日火曜日

信用格付けビジネスに潜むアフィリエイト稼業と利益相反

ギリシャ、アメリカ、イタリア、フランス(誤報?)、、、スペイン、ハンガリーと、金融恐慌になるとやおら存在感を増すのが信用格付を行なっている会社です。

90年代後半の我が国の金融危機のときは、業界の人間以外には馴染みがなかったはずの、ムーディーズ、S&Pという「言葉」が、夕刊タブロイド紙の盛り場ニュースの隣の記事にまで進出するほど浸透していました。ムード音楽とかムーディ何某とか死語あるいは表舞台からは姿を消しましたが、ムーディーズは周期的に表舞台に登場します。

そんな格付機関の歴史を、わかりやすく、本質をぶち抜いて書かれた良い記事に出会いました。

格付け機関が飲んだ「毒薬」-日経ビジネスオンライン

格付け会社もアフィリエイト稼業に手を染めたから生計を立てられた。アフィリエイト稼業に手を染めない「インヴェスターズ・サービス」だという矜持を守った三国事務所は部門閉鎖に追い込まれた。勝手格付けは利益相反対策だったと言うが、発行体への脅しだという現実を考えると・・・

最近、フェイスブックを使ったビジネスの限界を露呈したとも言われている有名なR社によるフェイスブック上の勝手「企業ホームページ」事件とか、、、FX業界に君臨する有力比較サイトやカリスマブロガーの問題と構造が一致しています。
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2011年8月17日水曜日

経営統合の予感

今朝のウォールストリートジャーナルは、「When Google Meets Moto」と題して、モトローラ役職員へのインタビューに基づいて、グーグルによる同社への株式公開買付発表のフォローアップ、買収する方とされる法の企業文化の違いを解説しています。

When Google Meets Moto

一緒になるのが宿命だった両者が、長年、企業文化や風土の著しい違い(かたやハードウェア会社で官僚的、かややソフトウエア会社で自由奔放、それに知能指数の違いが20!?などなど)ゆえに擦れ違ってきたが、それを乗り切って云々、、、ということで、日本でも90年代初頭に大ヒットした映画「恋人たちの予感」(原題は「When Harry Meets Sally」)の、おそらくHarry(ビリー・クリスタル)=Google、Sally(メグ・ライアン)=Motorora(Mobility)と擬えて、残念ながら余り綺麗に韻は踏んでいませんが、書かれたこじつけ記事(しかしそれなりに面白い)です。

もうひとつ残念なのは、「恋人たちの予感」の配給元は20世紀フォックスですから、WSJと同じく、今最も話題のルパート・マードック帝国の一員なのです。

この記者は出世のツボを押さえていると言えるでしょうか!?
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2009年10月9日金曜日

アンドロイドとスカイプは黒船か?どこでもドアか??


タケコプター(ヘリとんぼ)、どこでもドアがあれば、という夢はドラえもんの愛読者でなくとも抱いてきたのではないでしょうか。人類全体の幸福度を高め、温暖化効果ガス削減にも貢献しそうです。

しかし、これらの夢の実現が不都合だという立場の人たちもいます。それは料金収入を前提に経営をしている陸海空運業者です。

碓氷峠に新しいトンネルが掘られ、長野新幹線が出来て東京~軽井沢の時間が随分短くなって久しいですが、リゾート好きの多くの人たちに満足感をもたらしたインフラの改善も、峠の釜めしを売っていた人達には新たな活路を探すという試練を与えたものでした。

一昨日、米国時間に報道された二つのAT&T絡みの特報

★米国でiPhoneのキャリアを担うAT&Tが同機でのSkypeの使用を認める。従来の方針を180%転換へ (WSJほか)

★デルが携帯電話端末に参入。キャリアはAT&T。基本ソフトはGoogleのアンドロイドを採用(WSJほか)

夜、電車で帰宅するとき、社内の大半の乗客が携帯端末を見て、メールかゲーム等のブラウジングかに夢中になっているというのは、世界広しと雖も、日本だけの風景だと、大手携帯キャリアの方から聞いたことがあります。パソコンはさて措き、携帯端末で世間や友達と繋がることが生活に占めるかなりの部分だという日本人の多くは「パケット通信料は高くても、まあ仕方が無い」と観念してきたと思われます。SkypeやGoogleやDellが各々の層(Layer)で携帯分野に攻め入り、それを甘受する旧態メディアAT&Tという図。このメディアを日本に置き換えると「日本人の皆さん、何故パケット通信料なんか払い続けるのですか?」という民族系キャリアを震撼させる話になります。

一昨日、進化論という原則には重要な例外【𩸽(ほっけ)やナマコなど】があるという話をしました。ダーウィンが進化論のヒントにしたと言われるガラパゴス諸島は、技術水準が高いにもかかわらず世界のデファクトになっていない日本の携帯業界の譬えとしても使われる“用語”です。通信の無料化は我が国のガラパゴスにとって無条件降伏しなければならない“黒船”でしょうか?

私は必ずしもそうだとは言えないと思います。まず、Skypeの夢は順調には具現化していないという話を以前にお伝えしました。またGoogleにしてもDellにしても世界戦略の中で、少子高齢化で且つ過当競争の我が国携帯市場をどの程度重視するか疑問です。日本市場のためだけに、特別にカスタマイズまでして、絵文字(顔文字)やおさいふケイタイを導入するでしょうか?勿論、ドコモにとっていつまでもi-mode的な成功に酔いしれている余裕はないでしょうが、これまでパームやブラックベリーの席巻を喰いとめたガラパゴス=パワーは馬鹿にならないと思われます。

ちなみに、最近のNTTドコモの株価はコチラです。10年来の安値圏を急落中の株価は果たして割安でしょうか?
http://minkabu.jp/stock/9437/timeline
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