2011年9月29日木曜日

月刊FX攻略11月号、もうお買い求めになりましたか?

雑誌ですので1ヶ月程度前に書かせていただいた原稿ですが、今まさに焦点のユーロ問題について書いております。

立ち読み程度に・・・

ヨーロッパではギリシャに端を発した財政危機が桁違いに病巣の大きいイタリアとスペインに蔓延したことで、ユーロが導入以降最悪の危機に直面しました。一方、米国では、すったもんだの末、米国債の発行上限の問題を議会がクリアしたものの、その直後の米国債格下げ(スタンダード&プアーズ)で基軸通貨(?)ドルの存在感を取り戻し損ないました。金融市場が大混乱したなかで、日本は前人未到の円高のお盆を迎えています。

(中略)

ひとつはサブプライムを一例とする詐欺的手法でレバレッジされた不動産バブル、もうひとつはユーロという通貨統合によって期待された不動産バブルに過ぎず、その宴のあとの後始末の厄介さの本質は、日本の90年代、2000年代と変わらず、しかもどうやら欧米のほうが重症なのではないかということです。

(中略)

財政出動やらイカサマの銀行ストレステストなどで約3年誤魔化してきましたが、財政も破綻気味、金融機関も破綻気味となると、もうあとは本質に回帰するしかない、つまり「清貧の思想」を国民に要求する意外にないのです。これが受け入れられるかどうかは人生観、文化の違いが大きいでしょう。日本はいまのところ例外的な国家のひとつのようですが、多くの先進国や新興国では暴動がまだまだ多発する恐れがあるのです。」

是非書店等で手にとってご覧になってください。定期購読に値する月刊誌です。
CoRichブログランキング

2011年9月12日月曜日

普天間問題と福島第一原発事故は根っこが一緒だ

原発推進派にとっても反対派にとっても要チェックな映像を昨日2件見ることができました。

いずれも度々再放送されていて反響の大きさを物語っていそうなものの、政治も、新聞や地上波など大衆低俗メディアも何処吹く風なのが残念無念。

ひとつは、NHK「ETV特集」『アメリカから見た原発事故』。

福島“第一”原発”など”で使われているGE(ゼネラルエレクトリック)社の原子炉モデルが粗悪品であり(核平和利用のための)試作品として日本に押し売りされた経緯があることを、元GEの幹部や、同モデル(マークⅠと呼ばれる)使用停止を会社に訴えて辞表を提出した元技術者へのインタヴューなどで解き明かしていった番組です。

4月に、日系アメリカ人で同様の勇士がいたというニューヨークタイムズの記事を御紹介して大反響だったこともありましたっけ。

原発事故以来、「ディーゼルエンジンの非常用電源が巨大津波の際には動かなくなってしまう」という点についての設計上のミスを指摘する報道は、地上波レベルでも度々ありました。

このETV特集が出色なのは、後発モデルではありえない、「圧力容器と格納容器の狭間を出来るだけ狭くして製造コストを節約していた」こと、その設計では米国の安全基準を満たさなくなったので米国でのGEのマークⅠ事業は全て赤字だったが、日本は「言いなり」だったのでGEは大儲け出来たこと、格納容器の大きさをケチった代わりに「圧力抑制プール」という工夫で安全を補うというのは《水素爆発を抑制するという観点からは》絵に描いた餅である点などの指摘と告発です。

さて、告発と言えば、ディスカバリー・チャンネルの「チェルノブイリ 連鎖爆発防止」もまた、民間出資メディアがよくここまで取材し、またこんな映像がよくぞ撮影され保存されていたと驚きました。

このドキュメンタリー番組のなかで最も注目したいのはIAEA(国際原子力機関)が巷間言われる「核の番人」どころか、原子力村マフィアの元締めに過ぎない実態を暴露した点です。

チェルノブイリ事故の直後に説明なく召集され事態収束のために働かされた炭鉱夫や兵士やウクライナの一般市民などが短い期間に何万人という規模で命を落としたり体力消耗で廃人同然になっている事実を、当時ソ連の原子力担当幹部がIAIA本部の総会で報告したものの闇に葬られ、一ケタ小さい数字に書き換えられ、同幹部が何故か自殺に追い込まれたというエピソード。

ところで、冒頭の「普天間問題と福島第一原発事故とは同根」という思いは、一昨日のNHK総合テレビ「マイケル・サンデル 究極の選択『震災復興 誰が金を払うのか』」という、日米中の最高学府などの学生などが頭の悪さを競うという欲求不満な討論番組がありまして、そこで上海の女子学生のひとりが「わたしは原発には賛成だが、自分の家の近所に建てられるのは嫌だ」という発言にマイケル・サンデル先生が噛みついたところから出てきたものでもあります。
CoRichブログランキング

2011年8月17日水曜日

経営統合の予感

今朝のウォールストリートジャーナルは、「When Google Meets Moto」と題して、モトローラ役職員へのインタビューに基づいて、グーグルによる同社への株式公開買付発表のフォローアップ、買収する方とされる法の企業文化の違いを解説しています。

When Google Meets Moto

一緒になるのが宿命だった両者が、長年、企業文化や風土の著しい違い(かたやハードウェア会社で官僚的、かややソフトウエア会社で自由奔放、それに知能指数の違いが20!?などなど)ゆえに擦れ違ってきたが、それを乗り切って云々、、、ということで、日本でも90年代初頭に大ヒットした映画「恋人たちの予感」(原題は「When Harry Meets Sally」)の、おそらくHarry(ビリー・クリスタル)=Google、Sally(メグ・ライアン)=Motorora(Mobility)と擬えて、残念ながら余り綺麗に韻は踏んでいませんが、書かれたこじつけ記事(しかしそれなりに面白い)です。

もうひとつ残念なのは、「恋人たちの予感」の配給元は20世紀フォックスですから、WSJと同じく、今最も話題のルパート・マードック帝国の一員なのです。

この記者は出世のツボを押さえていると言えるでしょうか!?
CoRichブログランキング

2011年8月16日火曜日

Google Rush と Gold Rush

今朝のウォールストリートジャーナルフィナンシャルタイムズニューヨークタイムズはグーグルによるモトローラ(・モビリティ・ホールディングス)への株式公開買付発表のニュースで持ち切りです。

買収予定金額125億ドル(金曜日の終値比63%ものプレミアム)は、同社によるユーチューブ買収(当時非公開)や、マイクロソフトによるスカイプ買収(同じ)同様またはそれら以上に驚くべき数字であり事実です。

そんななか、常に味のある報道で定評のあるニューヨークタイムズは、オーストラリアにおけるゴールドラッシュの模様を伝えています。中国に次ぐ第二の金生産国であるオーストラリアでは巨大企業による鉱業生産の傍ら、主としてこれまでは定年後の趣味で片田舎で《砂金》を集めるひとたちが居たらしいのですが、今年だけで23%も急上昇した金価格に釣られて、これまでとはケタ違いの人達、それも若者やシドニーなどで高収入を得ていた人達が定職を捨てて群がっている。《砂金》ツアーも急増しているが、週末だけ趣味程度に来ているのではなく片田舎の村に定住する人達が爆発的に増えているのだそうです。
CoRichブログランキング