2013年12月30日月曜日

ここにはパーツ屋さんもあった

先月久しぶりに昭和の残り香が漂う高円寺に舞台演劇を観に行きました。お題は、「ここには映画館があった」。映画好きの少年が、映画館の集まる県庁所在地の賑と、映画独特の垢抜けた開放感へ憧れ、それが時代に取り残された郷愁へと変わっていく姿を、見事にまで映像や動画に頼らず、舞台俳優さんたちの演技と台詞だけでファンタジーまでやってのけるという、実験的劇作家坂手洋二さんの真骨頂に引き込まれました。

表現能力も表現手段もまったく段違いに低いわたくしでありますが、憧れと妬みの対象だった田舎の県庁所在地がどうしようもなく空洞化して、乾ききった郷愁に変わってしまっているという感覚は、劇作家の逆手さんとわたくしが共有できるものだったのかも知れません。

さて、映画という産業やメディアがなくなったわけではなくて、物理的なアナログフィルムが仮想的なデジタル「フィルム」に取って代わられただけです。

デジタル革命とムーアの法則によって空洞化したのは、もちろん映画館だけではありません。

毎週末テレビでやっていた歌番組やお笑い番組は、年末年始にしか見られない、それなりに凝縮感のある特番になったのも、もしかしたらデジタル革命の仕業かも知れません。

ところで、今ではどこにでもある田舎の県庁所在地のシャッター商店街には、かつては映画館だけではなく、パーツ屋さんもありました。トランジスタや(青色ではない)ダイオード、コンデンサや抵抗などをバスに揺られて買い求めに行ったものでした。そこそこ狭い店内をごった返していたのは、いまではオタクと分類される人達だったのでしょう。ちゃんと確認したわけではないが、お世話になったパーツ屋さんはもう廃業しているのでしょう。そもそも秋葉原にだってラジオの部品屋さんって現存しているでしょうか???

「近年,ラジオ,テレビ,ビデオ,携帯電話などに代表される家電製品の中核が LSI 化され,その内部はほとんどわからなくなってしまった。かつては,ラジオ少年,無線マニアと呼ばれる若者がいたが,現在では彼等も製品を買ってきて使うだけで,中味は知らないようになってしまった。いわゆるブラックボックス化であるが,はたしてそれでよいのであろうか。科学は,未だ人類が知らないことを,より知っていこうという努力の結果,発展してきた。家電製品などは,自然物ではなく人工物であり,理解はもっと容易である。それすら,理解を放棄してしまうのでは,将来の科学技術の発展はとても覚つかない。」(岡部洋一放送大学学長「コンピュータのしくみ」)

http://www.moge.org/okabe/temp/computer2013.pdf


目から鱗です。お恥ずかしながら、わたくしの知識も記憶も好奇心も、集積回路の頃から停止してしまっていたことを自覚したところです。

ビットコインを勉強するまえに、まずこの教材からやり直しです。


ところで、うれしいことに、年末年始の放送大学で、過去の名講義として、再放送中であることを発見しました(^^ゞ)

・・・今年一年もたいへんお世話になりました。読者のみなさま、どうぞ良い一年をお迎えください。アヴァトレード・ジャパン 丹羽

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2013年11月13日水曜日

話題のビットコインが取引できるFX会社も

読売新聞の記事です。

綿密な取材に基づいた記事なので、是非本文をお読みください。

http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/fx/tokudane/20131113-OYT8T00467.htm

題名だけでスルーされてしまうと、とんでもない誤解を招いてしまいます。そこだけは、読売新聞らしくなくて、敢えて言えば某スポーツ紙のような感じがあり、危険です。

ビットコインに関しては、まだまだ情報が乏しいです。

併せて過去のブログもお読みいただけるとうれしいです。

ビットコインとアベノミクス(2013年5月7日)

・・・いちばん声を大にして言いたかったことは「規制する法律がないから扱っていいと私は考えていません」という部分です。


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2013年11月5日火曜日

長く稼げるテクニカル分析を学ぶ

5FX攻略.com主催セミナー


『長く稼げるテクニカル分析を学ぶ』




20131130日(土)10301700
東京渋谷にて開催

池辺雪子さん、平野朋之さん、井手慶之さん、
マックス岩本さんの4人を講師として招き、
テクニカル分析に特化した内容でお届けする、
FXセミナーです。

セミナー後には、講師や投資仲間と交流ができる、懇親会を開催。
また昼食休憩時にはお弁当が出ます。

FX初心者から中上級者まで、
今後長く使えるテクニカル分析のコツが身につく

実戦的なFXセミナーです。

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2013年10月11日金曜日

反社会的勢力とストーカー問題

まず、三鷹のストーカー殺人事件については、真相(≒不都合な真実)が真相だけに、大手マスコミの報道と匿名的ネットの書き込みとの間に、内容のギャップがあり、評価にも著しい差があります。

評価の差としてもっともわかりやすいのが、警察のパフォーマンスです。

不都合な真実を隠した報道からは、おそらくストーカー殺人の度に、「どうして警察は、やるべきことをタイムリーにやってくれないのか???」という感想を世論にもたらします。

しかし、おそらく一般的に、ストーカーで殺人予備または未遂が疑われてもしかたがないが、逮捕状を取るのも一苦労、かりに逮捕されても起訴猶予で保釈されたのち監視をつけるのも物理的にたいへんという、よく考えて見れば明らかな現実があるときに、「警察沙汰にしたほうが、ストーカーの『逆切れ』を招き、予備罪が未遂罪に、未遂罪が既遂剤に、悪化させてしまう」という悲しい結論に至ります。

このように、警察の肩を持ちつつ、指摘をせざるを得ないのが、治安の抜群な先進国とは言え、完璧な法治国家などありえないということであります。

正当防衛(と緊急避難)を例外として自力救済は許されないというのが法治国家の法治国家たる所以です。しかし、自分や家族の命や生活を”正当に”守るために、合法的な自助努力はもちろんのこと、疑わしい自力救済も含めて、「警察や国家権力(だけ)を頼りにしていては行けない」という心構えを持つことは、必要でしょう。

・・・・

あまり詳しく書く能力もないし、また書くべきでもないと思うのですが、戦後日本の発展の影には、アウトローの人達が、アウトローではない人達(特に政治家やエリート官僚や銀行を中心とした経済界)が自ら直接手を下すことを嫌がる事柄について、アウトソーシングを受託してきて、微妙ながら絶妙な関係を維持してきたという、これまた不都合な真実がありました。

・・・・

わたしは、みずほグループの一OBとして、みずほの大企業病体質(臭いものには蓋をしろ、派閥争い、足の引っ張り合い、年功序列等)を、誰よりも、ヤフコメ民の誰よりも批判的な気持ちでこれまでずっと観察してきたつもりです。

しかし、今回の反社会的勢力への(迂回融資の)一件が、その大企業病体質の末期症状であるとか、二度のシステムトラブルに続いて「仏の顔も三度まで」だとか、ここぞとばかりに非難轟々するのは、冷静さを欠いた熱狂なのではないかと思うのです。




一度始まってしまったアウトローとの関係を、新しいリーダーが前任者から引き継いだ時に、外部の誰からも、「コイツの責任と権限でオレは切られた」とハッキリわかってしまう状況で、「自分の命や家族よりも、リーダーとして預かった会社の名誉(や行政処分回避)のほうが大事だ」という決断が出来るでしょうか???


確かに、歴代云々というところが問題です。さはさりとて、日本経済のなかでの銀行業のポジション、日本経済のなかでの反社会的勢力のポジション、政治とカネと・・・・、こう言ったすべてが、冷戦とバブル崩壊後、ルールと価値観の激変により軋んできたわけで、それを数値化したものが不良債権であると考えるとき、たまたまその局面で責任を負わされた頭取の人格識見に集中砲火を浴びせるというのは、あまりに表層的すぎると言うべきではないでしょうか???

(なお、きょうの話は、「副頭取止まりだった」⇒「頭取も知っていた」に途中で変わった問題については触れていません。このあたりも含めてのことについては、やはり、みずほネタと言えば《月刊ファクタ》だと思っているので、次月号を楽しみにしています。)

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