2009年4月21日火曜日

なか見!検索

アスキーさんのご協力を得まして、発売後2ヶ月半経ちました『“為替力”で資産を守れ』「なか見!検索」アマゾン・ドット・コム上で可能となりました。

『為替力』の産みの親であるアスキー・メディアワークスの野口編集長殿、多大なる御手間に心より感謝致します。

「なか見!検索」の開始を祝うかのように、アマゾンの順位も急上昇しているようです。著作権保護コンテンツ「なか見!検索」がどのようなものか、是非ご覧いただきたいと思います。

無料で公開しているのは、目次に続く数ページで「リーマン破綻直後の有名エコノミストの意見」や「金融安定化法案(7000億㌦⇒その後“TARP"という略語が定着)の下院否決」に関する記述。実は『為替力』のなかでは、最もとっつきにくく、最も風化されやすい部分で、この先に面白い箇所が出て来始めるのですが、そこはやむを得ません。

本日、休刊前の最終号として発売のMoney Japanでも大々的に広告宣伝をしていただいております。是非これを機に書店でお手にとっていただくか、アマゾン等オンライン書店でお求めください。
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2009年4月20日月曜日

アメリカ投資銀行の興亡

昨夜は、多くの読者の皆さまの予想通り、NHKスペシャル

マネー資本主義 第1回
“暴走”はなぜ止められなかったのか
~アメリカ投資銀行の興亡~

を視聴。その感想は、当ブログの過去記事の至る処に散らばっていますが、特に番組の感想というと、

☆一生懸けても使い尽せないほどの年収を貪り、寄付するでもなく、立派な豪邸を建てたところで、わざわざ訪ねて来てくれるのは泥棒か“打ちこわし”デモくらい。蓄財することが家族や子供の幸せに繋がるとも思えない、というのが常識人の感覚。

☆逆に言えば、非常識な人間に“暴走”させ、GDPの牽引役を果たさせたところが、米国の凄いところだったのか。日本のメガバンクは、アメリカ投資銀行の真似を出来なかったが、真似をし損なったにもかかわらず、“怪我の功名”にすら預かれていない。

☆ポールソン前財務長官(ゴールドマンの元CEOでもある)がリーマンを破綻と決めたのは感情的に当然。GSに対して身の程知らずの競争を挑んだファルド氏が「優れたCEO」ランキングでポールソン氏を抜きん出たという経緯。

☆リーマン破綻を選べば、出身“母体”のゴールドマンも致命的な返り血を浴びる(公的資金と銀行持株会社化で過度なレバレッジを利用できなくなる・・・等)というシミュレーションと、リーマン破綻という劇薬を提示することで以降は(公的資金利用による無難な金融機関救済策に対して)モラルハザード批判をかわせるというもう一つのシミュレーション。そのような深慮遠謀で米国金融当局の中枢が動いているというのは買い被りかもしれません。

それにしても、レバレッジ競争をやれば良いというものではないというのは現在の我が国FX業界にも当て嵌まるというのは、無理矢理のこじつけか。
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2009年4月17日金曜日

ウクライナ大使館を初訪問

昨日は、ウクライナ大使館の通商貿易代表部ヴァデム・シジャチェンコ通商貿易代表長とお会いすることが出来ました。日比谷線六本木駅から歩くこと10分少々、ウクライナ大使館は西麻布の閑静な住宅街の中にありました。瀟洒な邸宅ですが、広い応接も電気は消えていて、エコというよりは節約していらっしゃるご様子が伺えます(失礼ながら、当方客人であるとは言え、全く皮肉ではありません)。

つい数週間前に来日されたティモシェンコ首相は、麻生首相、与謝野大臣、財界人と殺人的なスケジュールでの面談をこなされたとのこと。その最大の目的は代替エネルギー、特に太陽光など自然エネルギー技術の供与。太陽光パネルの主要メーカーはこぞって興味を示してくれたが、最後はやはり投資やお金の話になると前に進まないと、通商貿易代表長は嘆いておられました。

日本におカネがないわけではない。寧ろ、世界的に見れば、日本には投資余力は集中しているほうだが、それが一部の個人層に偏在していることと、金融機関、事業法人を問わず、サラリーマン組織は信用収縮トレンドを断ち切ってでも投資に前向きになることができないことが問題だと指摘。眠っている個人資産を目覚めさせ、ウクライナの強み(農業・アウトソーシング)を掘り起こすことは、「株屋」改め「直接金融」の役割だと、大見得を切りました。

天下太平の世であれば、このような大それた仕事は、公的にはIMF、私的には大手金融機関の仕事だと思います。わけあってそのようなタイプの法人組織が機能しないのであれば、フェニックス証券がしゃしゃり出ようというわけです。

世界金融危機で加速した新興国からの資本引き揚げで最も被害を被ったのがウクライナ。ロシアとの関係で天然ガスが工業経済の隘路になっている点も泣きっ面に蜂。それでも、ヨーロッパ一恵まれた黒土(チェルノーゼム)と教育水準の高さ故の情報技術分野のアウトソーシング(実にフェニックス証券のFXのシステムも間接的にお世話になっているのです)等々、足腰のしっかりした産業は比較的悪影響が少なかったとのこと。太陽光発電だけで輸入依存のエネルギーの隘路を打開出来るとは言いません。が、耕地(可能)面積が絶望的に狭い我が国とWIN-WINになりうる分野という予感に頼り、“海外投資のパイオニア”フェニックス証券のFX業務の付随業務として、取り組んで行きたいと決断した一日でした。
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2009年4月16日木曜日

ロシア化する米国

一昨日FT紙に掲載されたマーチン・ウォルフ氏の

「大きくて複雑な金融機関は潰せない、という考え方は間違っている。肥大化しすぎた金融機関(金融セクター)を構造的に解決するためには無担保債権者の犠牲もやむを得ない」

という正論だが政治的には恐らく適用不能と思われる論稿を詳しく取り上げようと思っていた今朝のブログですが、予定を変えます。というのは、「七転び八起き」の「お勧めブログ」に入れている田村耕太郎参議院議員のブログに経済学者の青木昌彦スタンフォード大学教授が登場、私がこれまでブログや雑誌記事、テレビ等で申し上げてきた日米中の話と、これほど一致するご意見に遭遇するのは初めてなので、余りにうれしく、まずこちらを先行させてください。

詳しくはこちら

田村議員要約による骨子を御紹介させていただくと、

★アメリカ経済はスタグフレーションに陥る可能性大
★そして、やがて世界はかなりのインフレに
★最も早くよくなる経済は中国
★米中経済はさらに親密度を増す
★日本は米国との次世代技術革新競争と中国との補完関係を活かせば活路有!

私が田村議員のブログをお気に入りに入れているのは、私が彼を応援しているからではありません。それに、ブログを読む限りは(←ここ重要)、彼の意見に賛成の部分は半分程度に留まるかも知れません。政治家が国民に対して発するメッセージは、当然、選挙を意識したものであり、そのメッセージに一々私が一々同感できる筈がないし、田村議員もそれを期待していないでしょう。その中で、今回の青木教授の“断言”は目から鱗でした。

著者が著名な学者やタレント等であるという理由だけで大型書店に平積みされる殆どの経済本やビジネス本。その殆どは紙屑に等しい。片や、何故に青木教授の意見が断トツに優れた洞察を与えてくれるのか。恐らくそれは、マルクス主義と新古典派経済学という両極を極めた稀有な研究家かつ努力家でいらっしゃるからだと拝察します。
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