2010年12月27日月曜日

仙谷官房長官と小村寿太郎

きのうのテレビ朝日より

「僕(=仙谷官房長官)はよく例に出すのは、日露戦争のあとのポーツマス条約の小村寿太郎が『日比谷焼き討ち事件』を以って迎えられた一方、松岡洋右が国際連盟を脱退して帰ってくると歓呼の声で迎えられたこと」

ここだけ抜き出すと、中国船長の釈放を(事実上)意思決定した民主党≒仙谷官房長官を小村寿太郎に譬えているように誤解されやすいですが、実はこれは「同僚」である小沢元代表の人物評を聞かれての答えでありまして、憎まれ役を買って出ているがそれが正しいことを歴史が証明してくれれば良いというタイプの政治家だとエールを送っていた部分なのでした。

さて、再び新しい大国の狭間で翻弄され始めた日本は、この小村・松岡両名の外交史から学ぶところが多そうです。「小村寿太郎 松岡洋右」で検索したところ、このようなページが見つかりました。勝手にリンクをさせていただきます。

日本外交の栄光と挫折~国際社会と闘った男たち(2)~松岡洋右「日独伊三国同盟締結の誤算」

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2010年12月24日金曜日

世界各国の経済成長が一目でわかるグーグル

グーグルが世界銀行のデータをもとに、好きな国を(単数でも複数でも)選べば、その国(々)のGDP(成長の具合)が一目瞭然という折れ線グラフを作っています。
http://www.google.com/publicdata?ds=wb-wdi&met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN&dl=ja&hl=ja&q=gdp%E6%97%A5%E6%9C%AC#met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN

特徴は、計測単位が(兆)ドルで統一されていること、および物価変動を考慮に入れていないことです。

「失われた10年」だとか、「失われた20年」だとか、経済無策を批判だけする大概の論調に頭が麻痺させられがちな我々が共有すべきクリスマスプレゼントのつもりです。

日中米の3国を選択した場合と、それにイギリス、フランス、ドイツを付け加えた場合で、我が日本の自画像が随分異なることにも御注目ください。

その中国ですが、一昨日お会いしたお客さまから転送していただいた中国関連のメルマガを参考までに転載致します。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
      平成22年(2010)12月24日(金曜日)貳
       通巻3172号 
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 中国経済の深い闇が庶民の投資行動によって明るみに出つつある
   庶民は路地裏でいったい何をしているか? 金買いと闇での外貨交換
****************************************

日本に中国から古物商が群れをなしてやってきて中国古美術のオークションに参加している。掛け軸、陶器、壺の類い。テレビがその情景を『バブル紳士』のように描き、さすが中国は金持ちだ、と囃している。株、不動産投資にあきて古美術骨董への投機だと解説している。

だが、考えてもみてほしい。日本の中国古美術オークションで最高落札価格は二千万円ていどである。 日本がバブルのおり、ゴッホやセザンヌの絵をいくらで競り落としたか? 八十億円とか。しかもバブル紳士はほざいた。棺と一緒に燃やせ、と。

中国の経済は異常な景気の良さ、ついに2010年推計速報では直接投資が1000億ドルを超えて、GDP成長は10・3%とか豪語した。11年も9%台を確保できる、と。でも李克強副首相は言った。「中国の経済数字は人為的、だれも信用していない」(ウィキリークス)。
 
この間、庶民はますます生活に困窮した。工場では賃上げストが頻発した。高級幹部は子弟を海外留学から海外移住させ、つまりは合法的亡命に準備に余念がない。 金持ちはますます肥り、海外にマンションを買い、人民元が信用できないのでドル、円で預金するなり、香港の銀行に預けるなりしている。
直接投資と同額が中国から流失している。
 
ならばおこぼれにも預かれない庶民は、どういう投資行動をとっているか。
各地での暴動ばかりではない。

▼だれも住まない住宅が2000万戸という歴史開闢以来の異常事態が発生

不動産投資は『投機』となり、ついに2000万戸もの『誰も住んでいない住居』を建設した。日本の駅前シャッター通りの比じゃないって! だれも住んでいないゴーストタウンが地方都市のそこかしこに出現している。

投資権限を与えられた地方政府がそうやって土地を切り売りし、デベロッパーと組んで『人為的成長』をでっち上げた結果である。中央政府がいまさら金利を上げ預金準備率をあげても遅い、って。銀行から流れ出た不動産投機のための資金はおそらく200兆円を越えるだろう。

米国のサブプライム破綻で『誰も住んでいない住宅』は一千万戸だった。中国はその二倍。
だからリーマンショックを凌駕するショックが中国から次にやってくる。

中国株は6000ポイントの絶頂から転がり落ち、回復は絶望的である(ちなみに2010年12月23日の上海終値は2855ポイント)。
不動産も投機行為ゆえに株のバブルとおなじく、はじけると半値以下に暴落するのは火を見るより明らかである。

だから庶民は何をしている?
路地裏を歩けばすぐにわかる。鎖のかかったシャッターをおろしたまま、路地裏の商店、群がる人々は宝飾品を買う。金、銀、プラチナが含有された首飾り、宝石、イヤリング、なんでもいい。手当たり次第の売り手市場。金のインゴットは偽物を避けるため、ちゃんとした店に行列(数年前から中国では個人も金が買える。いま、世界一の産金国中国は同時に世界一の金消費国である。

そしてついに中国は銀行でも金をかえるように法律を変えた。預金の列が金購入の列に変わった。人民元の未来を信じていないからである。
路地裏の地下銀行はおろか、街の両替商でも外貨への交換がさかん、聞くところに拠れば風俗嬢も人民元での支払いより米ドル・日本円・ユーロをほしがるそうな。

こんな国がまだ成長するという神話も、近未来には木っ端微塵に破壊されるだろう。

・・・わたしも早速、メルマガ登録しました。
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2010年12月22日水曜日

老眼鏡がいまひとつ似合わない

http://www.alios-gr.jp/tokumaru/page104.html

今月あたまに板橋区徳丸ふれあい館という元気なお年寄りが集う場所で、二回目となるオペラガラコンサートをやらせていただきました。


そのときの様子がいつのまにかホームページにアップされておりました。


「大変豪華な出演者をお招きしました」との説明がありますが、わたしを除いて、という意味です。
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2010年12月17日金曜日

税制改正大綱

昨日、税制調査会がまとめた「平成23年度税制改正大綱」。

このブログは、いちおう(!?)、FXブログですから、この話題をするときは、店頭FXの税制だけが総合課税だったのが、取引所FXと同様、分離課税になるという話だろうと期待される方も多いはず。

天邪鬼の七転び八起きは違います。法人税減税の財源として、今週大変評判の悪かった「税金は取れるところから取る」の最たるもののひとつ相続税増税に注目です。

税制改正大綱を読むと、現在、相続税が課せられる対象となっているのは、「お亡くなりになった方」の4%に過ぎないのだそうです。

格差、格差と問題が叫ばれておりますが、実は我が国で深刻なのは、所得の再分配機能よりもむしろ、資産の再分配機能、言い換えれば、格差の固定化(定着化)問題なのです。

自民党では世襲議員以外が国政に出るのは至難であるという政治風景などは、その象徴であります。

一方、経済活動に身を置きつつ、諸外国を回っておられる方々は、日本より格差の酷い国々が成長著しく国全体が元気に見え、日本と比較してプレゼンスが上がっているという共通点を良く指摘されます。

大富豪や大貧民の存在を否定するのではなく、そのふたつがもっと入れ替わる社会を設計しなければ、資本主義は健全にならない、、、というテーマに真摯に向き合ってきた政治家は、かような自民党には殆ど居なかったと言わざるを得ません。

相続税改正で格差固定化に問題を投げかけ、それと表裏一体のはずの贈与税については景気対策だとして抜け道をある程度温存するというのは、政策論理としては矛盾するとの批判はやむを得ないでしょう。それでも、相続税を増税しないよりは増税したほうがましであるというのがわたしの意見です。

もちろん、税制や生活保護だけで、格差の流動化が可能だとは思っていません。子ども手当のような補助金は教育バウチャー化などなど給付方法の見直しも必要でしょう。

個人的には相続税率をもっともっと上げる一方、大学の研究所や病院、オペラハウスへの寄付は無税にするというのはいかがでしょうか?

歌舞伎座!?それは有税で良いでしょう。
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2010年12月3日金曜日

102歳の医師山崎宏さんー岩波書店「世界」

ここ数年、とんでもなく治安の悪い地域に飛び込んで「真実」を伝える勇気をもった写真家の方々との出会いに恵まれています。

次のメールを下さった坂本泰士(さかもとたいし)さん もそのおひとりです。

「丹羽様

ご無沙汰しております。
以前ペルショワールでお話をさせて頂いたフォトグラファーの坂本です。

突然で大変恐縮なのですが、
以前お話した、102歳の医師山崎宏さんの写真が
岩波書店の『世界』1月号(12月8日)の巻頭グラビアに掲載される
ことになりました。
是非見てください!
エッセイも書いていますので合わせて読んで頂けると嬉しいです。

しかし、その山崎宏さんが12月1日に逝ってしまいました。
掲載された雑誌を持って会いに行く予定だったのですが。。
エッセイでも書いた最後の会話が現実になってしましました。
とても不思議な気持ちです。
長い贖罪(※)の人生が終わって天国でゆっくり休んで欲しいです。

お忙しいと存じますが、お時間ございましたら立ち読みでいいので御覧頂けたら嬉しいです。
山崎さんという立派な日本人がいたということを多くの人に知ってもらいたくメールを書いてしまいました。
どうぞ宜しくお願いします。

坂本泰士」

わたくしの返事はと言いますと。

「坂本泰士さま

こちらこそ御無沙汰です。
岩波の「世界」是非買わせて下さい。
高校時代は毎月定期購読していました。
いまでも印象に残っているのは、カンボジアの頭蓋骨の写真です。
ですが、それがその後「やらせ」であったという説が出て来て、ポルポト=悪、ヘンサムリン=善、のような歴史観に疑問が出されたのでした。
歴史は常に勝者の手によって改ざんされ続ける。。。それについてはずっとブログで書いてきました。
真実を伝えることはとても難しいですが、坂本さんのように勇気と度胸のある写真家の役割はとてつもなく大きいと思います。
心から応援しています。

フェニックス証券 丹羽」

(※)なぜ贖罪なのか?

医師山崎宏さんのお話を坂本さんからお聞きしたのは約半年前でした。五味川純平原作、山本薩夫監督の長編映画「戦争と人間」を思い出しました。
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2010年11月29日月曜日

「安くて旨い」にも程があるスクリューキャップのワイン2本を御紹介












ここ数週間、大変運が良くなってきました。

フェニックス証券の「外国為替証拠金(FX)取引」の口座開設がぐんぐん伸びているのかって?いや、そちらは横ばいです(爆笑)。


「安くて旨い」ワインを探し求めて拾数年、立て続けに驚くほど安旨(やすうま)な銘柄に当たりはじめたのです。

ここに御紹介するのは、ほんの一部。東京近辺にお住まいに方々には、神田駅(山手線・中央線・銀座線)南口出てスグ、日銀通り沿いのワイン屋さん「柳屋」でお求めいただくと便利です。
http://www.rakuten.co.jp/yanagiyawine/info.html

店長のイナムラ氏に、「フェニックス証券の丹羽という人から勧められたのだが」と一言お伝え下さい。「ははぁ、そう言われても、これ以上は安く出来ないのであしからず」という答えが返ってくることでしょう(笑)。

ここで普通ならテイスティングメモと行きたいところですが、余計な蘊蓄は省略します。それにしても、最近のワインの更に一段たる技術革新は、やや唐突ですが、腕時計の歴史を彷彿とさせます。極々一部に自動巻きの超高級品を嗜好されるセレブもいらっしゃるのでしょうが、それ以外の大半の消費者は自動巻きよりも桁違いに単価が安いのに、より正確な時刻を刻むクォーツを選ぶのが今日的状況でしょう。

ワインの熟成にはコルクは必要ではなくむしろ金属製のスクリューキャップのほうがベターであるという研究成果さえ出ている今日、これ以上の価格のワインを自分で買って呑むのはなんだか馬鹿馬鹿しく思えてきました。
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結果論

企業の経営者や野球の監督の判断や采配が当たらなかったときに、「あんな馬鹿げた投資をやめておけば、、、」とか「あそこは手堅く犠牲バントでいっておけば、、、」などと批判することを結果論と言います。

「最初から結果が判っていれば判断が容易なのは当然だ」という“反批判”という意味合いが「結果論」という用語には込められていると思います。

しかし、「結果論」=「容易」とは必ずしも言えないのではないかというのが、ソ連崩壊後の約20年の日本の政治と経済ではないでしょうか?

湾岸戦争のとき、住専問題のとき、拓銀、山一、長銀・・・のとき、イラク戦争のとき、消費税またはその増税に関して等々、その時点で別の判断があったら(公的資金を一切注ぎ込まない、またはもっと注ぎ込む、、、あるいは自衛隊を派遣しない、または戦地にも派遣する、、、等々)、政治は、または経済はよりましな方向に行っていたという過去の検証など全く出来もしない、扇動的なだけの評論家が、例えば中国漁船の船長の逮捕について、あるいは釈放について、ビデオの公開について、いちいち反論している、そして毎週末のように内閣支持率を統計し、現政権はつねに血祭りに遭遇する。。。。

そういうことをこの国は20年間繰り返してきたのではないでしょうか?

この間、実質的には唯一の例外と言える長期政権は小泉自民党政権ですが、これは公明正大に米国寄りの政策を推し進めたことが、当時、「平成の開国論」(最近も何処かでちらほら聴きますが・・・)によってしか、我が国の沈殿し凝り固まった既得権益を撹拌することは出来ない状況にうまくマッチしたことが、政権安定の大きな礎だったと考えられます。

さて、足元の北朝鮮問題は、戦後間もなくの朝鮮動乱を、そして人によっては朝鮮特需を思い出させるようです。冷戦の入り口である当時の極東の地政学というのは、日本にとってプラスだったのかどうか?朝鮮特需だけ見れば明らかにプラスであり不謹慎な言い方をすればラッキーだったかも知れません。しかし、無条件降伏に至る東京、広島、長崎、沖縄、その他各地工場地帯の民間被害の理由、特に原爆投下とソ連参戦については、過去ブログで取り扱いました通り、それ自体が冷戦の入り口である極東の不沈空母化という文脈で我が国の国土が米ソから捉えられたからにほかなりません。

つまり、朝鮮半島の状況というのは、日本にとっては大きなマイナスと大きなプラスで「行って来い」だったということではないかと思います。

これまた、当時ちゃんとしたリーダーシップがあればなどという下らない結果論すら成り立たない、小国の宿命に近いものだったと考えられます。

政治信条や支持団体の個性に関わらず、政権の寿命が実質1年毎という現在の我が国の政治は、丸腰外交をベースとしている限り仕方がないのではないか?そして、そのような政治風土に代替案があったとしても、それが今以上の平和や経済的繁栄をもたらすわけでは決してないというまぎれもない事実をわれわれは冷静に見据える必要があります。

政治はやはり「祭りごと」だったというわけです。
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2010年11月18日木曜日

眼の保養です

長年(!?)ユーロに関する悲観論を書き連ねてきた七転び八起き社長のFXダイアリーでありますが、ここのところのアイルランド問題については鳴りを潜めておりました。

サボっていただけでなく(!!)、去る5月にギリシャ危機のときに、かなり議論を尽くしてしまったので、追加する内容が書けなかったからです。

是非是非、5月のアーカイヴを訪ねてくださいませ。

ところで、ギリシャやアイルランド、、、だけでなく、スペインもポルトガルもイタリアもですが、、、ヨーロッパの駄目駄目国家群というのは、観光地としては大概Bravoなわけでして、この見事なまでの反比例の関係をビジュアルに楽しめるサイトがこちらです。
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2010年11月15日月曜日

周回遅れの日銀いじめ

そんな思いを新たにしたのが、今朝のウォールストリートジャーナルの記事「米国連銀への新たな攻撃」です。

「米国債を更に6000億ドル購入する」という追加金融緩和(量的緩和)を決定したバーナンキ議長に対して、中間選挙で勝利を収めたばかりの共和党系の経済学者などが、反対意見(共同声明)を広告という形でウォールストリートジャーナルとニューヨークタイムズに掲載したというものです。

曰く、「追加の資産購入は、不健康なドル安やインフレをもたらすだけで、中央銀行の目的である雇用促進にはつながらない」と。

インフレとデフレとどちらがメリット(とデメリットとの差)が大きいかについては、なかなかややこしい議論が必要で、それを書いていると、読者の数が減りまして、ブログランキングに影響するので、省略いたします(笑)。

興味のある読者のみなさんは、是非是非過去記事をお読みください。

ただし、有権者レベル、政治家レベル、圧力団体レベルにおいては、自分さえ良ければあとは知らないというポジショントークと欺瞞がある程度はまかり通る世界ですから、インフレを好感するひとも言えば、デフレを好感する人もいるという議論の域を出ません。

議論がその範囲に収まっていたとしても、両論が相ぶつかる米国社会のほうが、日銀総裁の不作為(または不十分な作為)を、「デフレさえ退治すればなんとかなるのに、それは日銀にしか出来ず、しかも日銀は簡単にそれを出来るのに、やらないのは馬鹿だ」という一辺倒かつ乱暴な意見(敢えて議論とは言いません)に、与野党問わず殆どの政治家や、大衆メディアに露出の多い似非民主経済学者が繰り返している、またそれに洗脳されている我が国の国民は、実に不幸だと言わざるを得ません。

さて、この記事にある「共同声明」に名前を連ねた共和党議員の発言の一部をお伝えしますと、「いま米国経済に必要な刺激は、減税であり、財政規律であり、規制改革である。人工的にインフレを作りだし、われわれの根本的な問題を包み隠すことではない」。

が、その一方で、

「米国議会自体が金融政策を運営するという考えは馬鹿げている。ただ、『金融政策はどうあるべきか』について開かれた議論をすることこそがフェアであると言いたいのだ。」

と。

我が国では民主党の支持率が致命的なレベルまで下がったとしても、政界再編への蟻の一穴となるとは思いづらい状況です。「周回遅れ」を取り戻すべく、軍事外交(尖閣諸島、北方領土、普天間・・・)、平成の開国(TPP)などの難問に対処するためには、民主、自民それぞれから割って出て日本版「茶会党」を形成してほしい(でないと、憲法問題、核問題、農業問題、などのタブーを誰も乗り越えることができない)とも思います。

しかし、一方で、それは日本らしさ、曖昧で何一つ意思決定できない大組織ゆえに

「周囲からは馬鹿にされるし多少不愉快ないじめにも遭うが、かといって致命的な反撃も喰らわない」

、という残された、かけがえのない良さを捨て去ることになるかも知れず、曖昧なねじれが延々と続く国政を良しとするかどうか、意外と難しい問題です。

はっきりしているのは、営利企業の意思決定は、ねじれ国会では、会社がすぐにつぶれてしまうということです。ただしメガバンクは別かも。
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2010年11月11日木曜日

ウルグアイラウンドの二の舞を演じてはいけないTPP

逮捕した中国漁船の船長の釈放、衝突現場の映像の非公開化と、今になっての漏えい。混迷を極める一方の民主党政権のなかで、諸悪の根源との評価が定着しつつある仙石官房長官ですが、彼が6年前に、TPPは勿論のこと、FTA、EPA以前の、ウルグアイラウンドへの対策費として6兆円以上もの巨額予算が農業土木や道の駅、はたまた温泉ランド等に無駄に使われてきた点を指摘しているのがこちらです。
http://www.nmt.ne.jp/~sengoku/041028.html

仙石氏曰く、「多分あの時(細川内閣の1993年・・・筆者注)国民投票にでもかければ、75%ぐらいの人が反対をしたのではないかというぐらいの雰囲気があったわけであります。この農家を保護する、農業を保護するという建前の下に、全党一致で6兆100億円のガットウルグアイラウンド対策費が決められていったというのは、誠に奇妙なことであります。」

そして、「またこのガットウルグアイラウンド対策費6兆100億円というのも実は農業対策、農家対策にはほとんど使われていなかったと言っても過言ではないわけであります。つまり皆様方もご承知のように、これは農業土木と称する公共事業で、土木工事、農道、あるいは砂防ダム、あるいはひどい話は温泉ランド、農道空港というような、諫早湾干拓はまだやっていますけれども、「今更農地を増やしてどうするんだ」という干拓事業、こういうことに使われたのが6兆100億円。農家の方々に聞いてごらんになればお分りになると思いますけれども、農家でガットウルグアイラウンド対策費6兆100億円でもって恩恵を受けたとか、いい目をしたという方はほとんどいないはずです。つまり極論しますと公共事業と農協に対する補助金として全部消えてしまった。そしてその裏負担なのか、あるいは地元負担金なのか分かりませんけれども、そのために今農家も地方自治体も苦しんでいるというのがこのガットウルグアイラウンド対策費の残した爪あとだと思います。 」

TPPから、中国漁船の問題に話題を戻すと、冒頭の一連の判断が、いくら体たらくといわれる今日の政権とは言え、政権内部で自主独立して意思決定されたと、思えますでしょうか?財政、金融問題と同様、米国に院政を敷かれているが、そのことを明示できないゆえに、国民や野党自民党などから攻撃を受けていると考えるのが自然ではないかと。

もしそうであれば、戦後日本の形を作ってきた野党自民党の責任も重大であり、とことん足をひっぱり続けて、継続的自律的政権が永遠に出来ないことへの責任をもう少し自覚すべきではないかと考える今日この頃です。

ただし、一方で、所詮日本は独立した軍隊をもちえない米中共同統治の自治区であるということがボトムラインなのだと開き直れば、今日の日本は大変良い国だということにも思えます。

つづく
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2010年11月5日金曜日

これは良く出来ています!!

ウォールストリートジャーナルの「欧州中央銀行の金融政策が米国FRBからどんどん乖離している」という記事に添付されたグラフィックです。
http://online.wsj.com/article/SB10001424052748703805704575594083219715888.html?mod=WSJASIA_hps_LEFTTopWhatNews#project%3DCENTRALBANKS0910%26articleTabs%3Dinteractive

2004年からの約6年間、世界の主要国それぞれの金融政策が、緩和方向だったか(緑)、引き締め方向だったか(赤)、時間の流れとともに一目瞭然です。

ちなみに、各国の円の大きさはGDPを表しているとのこと。この円の大きさが当該期間一定なのが玉に疵ですが、為替の影響やらなにやら考えると、いっそのことこのままで良いと思います。

これを一望されて、読者のみなさんはどのような感想をお持ちになるでしょうか?グローバル経済とは言うけれど、米国の経済状況や金融政策がそれ以外の世界の国々の経済の自律を圧倒していると言えるでしょうか?逆に、デカップリング論をはじめとした市場分断が観察できるでしょうか?

米国の信号機が緑になったら、近場の信号から次々とゴーサインに変わって行く。。。そのような整然とした大阪の御堂筋の信号機のようなことには、どうやら世界経済はなっていないように覚えます。
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2010年10月27日水曜日

3分間の女の一生

あの竹下景子さんが・・・

きょうも、、、フェニックス証券のPRではありません。

ことし5月に、「リーマンショック」を舞台演劇化するという、しかも翻訳劇という高いハードルに挑戦するという荒業を見事にやり遂げ、


http://phxs.blogspot.com/2010/05/blog-post_12.html
http://phxs.blogspot.com/2010/05/blog-post_07.html


わたくしたち観衆を魅了した劇団「燐光群」(演出・翻訳=坂手洋二)が、こんどは“本年度最大の問題作”といえる舞台演劇を上演するとの情報を耳にしました。



『3分間の女の一生』

作・演出○坂手洋二

「3分間待つのだぞ・・・」
劇団「燐光群」に、あの竹下景子ら魅力的なゲストが加わる舞台得劇、坂手洋二の最新書き下ろし・演出作「3分間の女の一生」は、以下の全国8都市で順次上演されます。

11/13(土)~23(火・祝)座・高円寺1
12/3(金)足利市民プラザ
12/7(火)・8(水)エル・パーク仙台
12/10(金)岩手県民会館
12/14(火)・15(水)愛知県芸術劇場【名古屋】
12/17(金)岡山市立市民文化ホール
12/19(日)イムズホール【福岡】
12/21(火)~24(金)AI/HALL【伊丹】


燐光群「3分間の女の一生」は、「全てのシーンが3分間で描かれる」という、世界演劇史上初の試み。

曰く、「3分間」は、日本の「高度経済成長」を象徴する単位だと。公衆電話の通話時間、3分間スピーチ、ボクシングのワンラウンド、インスタントラーメンの茹で時間やレトルトカレーの加熱時間、「ウルトラマン」の地球滞在時間。。。その「単位」を坂手洋二と燐光群が新たな視点で提示します。「チェックポイント黒点島」(2006年)で初参加した竹下景子が再び出演。
「女の一生を描いた過去の諸作品に学びつつ、現代の新しい『女のドラマ』を作り上げます。『性』という概念を問い直し、少子化・晩婚化・高齢化といった現在の社会状況も反映させつつ、日本の歴史と社会を見つめ直します」(坂手洋二氏)。
詳しい内容はコチラから。皆さん一緒に「演劇史上類を見ない冒険」を見に行きましょう。
          ↑チラシのダウンロードも出来ます。
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2010年10月26日火曜日

フェニックス証券のPRではありません

いつもお世話になっている日本経済新聞社さん(以下、日経)からの告知です。

現在、日経の本社(東京・大手町)2階で行っている

「日経まナビ!大手町」

という若手ビジネスパーソン向けのセミナーのご紹介。

〆切近いところの申し込みは映画「レオニー」(イサムノグチのお母さんが主人公)の監督、松井久子さんという肝っ玉な方の講演会が「道は自分でひらく」をテーマに行われるそうです。

わたくしも、大手町までひとっ走りして聴いてこようかな、と。

http://manavi.nikkei.co.jp/shingitai/heart/matui.html

※〆切27日(水)ですが、もし過ぎてしまってから参加希望の方がいたら、フェニックス証券 丹羽までご連絡いただければ大丈夫です。

h.niwa@phxs.jp

その他にも写真講座やアート講座もやってます。

平日朝の講座も人気です。

その他の講座については以下からご覧ください。

http://manavi.nikkei.co.jp/shingitai/

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2010年10月15日金曜日

バーナンキ議長、米ドルか豪ドルかわからなくなったんですけど・・・

バーナンキFRB議長の「更なるデフレ対策が必要」との発言で、米ドルは対円だけでなく、ヨーロッパほか各国通貨に対して下落。

その結果、米ドル=豪ドルが、ついに実現してしまいました。

つまり、、、米ドルも81円なら、豪ドルも81円、、、ということです。

こんなこと、いままであったでしょうか?
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2010年10月1日金曜日

補助金も、まもなく終了?


スーツ姿、赤い羽根、、、いよいよ10月。今年度も後半です。


FX業界は、まだ全体像が掴みきれないほどの激震を被っているようですが、永年パッとしなかった(謙遜!?)フェニックス証券は、8月のレバレッジ規制導入以降、取引高も口座数も加速度的に延びております。


長年パッとしなかったことと、スプレッドやレバレッジで極端な商品性を追求することが限界に来たFX業界の現状は、どうやら無関係ではないようです。


それと、キャンペーンの質もまた大きな要因だと思います。


キャンペーンと言うからには、毎月同じではいけないので、フェニックス証券の「かわせ手当キャンペーン」は自他共に認める大好評(これは本当です。計算すればわかります)ながら、10月一杯で打切りとさせていただきます。


どうぞこの機会に、皆さまの資産防衛、所得防衛のために、「正直者のFX」を御活用下さい。

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2010年9月30日木曜日

半歩先を行くこと

以前、勤務しておりました米国系投資銀行で、メガバンク担当の投資銀行マン(注①)が、金融機関担当のクレジットアナリスト(注②)に吠えていました。

「あなたの意見は過激すぎるんですよ。三歩先を行くと誰もついてこない。半歩先を行きましょうよ。そうしないと商売になりません。」

注①:増資や株式公開、証券化などをして資金調達しませんか?企業を買収して事業を拡大しませんか?などなどを営業する仕事
注②:何処そこの発行する社債は買いだ、売りだ、と推奨する仕事

発行部数は決して多くないけど、珠玉の情報が詰まっている、そのコピーこそ「三歩先を読むビジネス情報誌」月刊ファクタに対する皮肉ではありません。むしろ、エールです。

朝一、WSJ誌が速報で伝えた「人民元安で対中制裁法案、米国下院が可決」という記事を見て、わたくしが昨年春出した「『為替力』で資産を守れ!」も、やや先を歩き過ぎたなと当時を振り返りました。

リーマンショック後、緊急出版に至った『為替力』では、米国経済は、永年封印されてきた通貨安戦争を仕掛けること以外に根本的な治癒の方法は見つからないだろう。80円を目指す円高ドル安になるだろうと、「あとがき」で書きました。

また、同じころ、日経CNBCに出演させていただき、人民元VS米ドルという、非常に難しい演題をもらったものでした。ここでも、ダーティーフロート(汚い変動相場)というキーワードを用いて、米中の通貨安戦争の勃発は時間の問題だと説き起こしました。

実際はどうだったかというと、リーマンショック後、FRB(など)によって大量に供給された米ドル資金は、中央銀行預け金や現金(総称してマネタリーベース)として滞留するに留まり、マネーサプライの急増やインフレ期待の醸成には至らなかった(流動性の罠の疑いが強い)一方、米銀に対するストレステストは思いのほか効果的な茶番劇となり、昨年3月以降、1年と1四半期の間、米国経済は雇用なき回復を謳歌してしまったわけです。

つまり、三歩先を読んだわたくしは見通しが外れてしまったのでした。

しかし、今朝の米国下院決議(野党共和党も大多数が賛成したらしい)や、昨日のブログの代表的ヘッジファンドの解約殺到や大量解雇などを見ていると、この1年と1四半期というのは所詮時間稼ぎに過ぎなかったのではないか、そのような思いに駆られる、中間期末です。
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2010年9月29日水曜日

ヘッジファンドの黄昏

リーマンショックや9.11テロのように、一日にして歴史が大きく変わる事態については、メディアや評論家は論評しやすいものです。

こんにち、われわれが経験していることは、実はそれよりももっと甚大な地殻変動が、一日や一瞬単位ではわかりづらいものの、これを理解しないと、後々大きな禍根を残すという性質のものです。

北朝鮮の情勢や、尖閣諸島の問題も、これまた放置できないし、かと言ってなかなか具体的に対応できないものです。野党も大衆も、政府与党の体たらくを連呼しますが、中国が核兵器を持っていること、安保理の常任理事国であること、または普天間問題など、整合的に批判出来ているでしょうか?

さて、政治や国際情勢だけでなく、リーマンショック以来、米銀のストレステストなどで、ごまかしごまかしやってきた金融経済のほうも、どうやら色々と麻薬が切れてきたようであります。

★DEShaw(従業員数で世界第二位のヘッジファンド)が従業員1割削減を発表(9/28FT)

ああ、なるほど。と思う人はよほどの証券市場通です。

FT紙の速報ニュースによれば、9月1日現在では預かり資産が210億㌦という世界有数のヘッジファンドですが、ほんのここ数カ月で資産を70億㌦も減らしているということだそうです。

運用成績の急速な悪化と、それにともなう顧客からの解約の殺到が原因とのこと。

FT紙の記事から具体的に読みとれるのはここまでですが、去る5月のギリシャショック以降、米FRBのバーナンキ議長発言「これまでになく不透明」云々以降の金融市場のボラティリティ低下は、同ヘッジファンドの創設者以来の伝統芸である数学を駆使した「隠れたトレンド」や「異常値の発見」を潰してゆくという手法を限界に追いやった可能性があります。

アルゴリズムが市場の取引をいっそう席巻していくことを前提に、世界で戦う取引所たちも、投資銀行たちも、システムの再構築やプライムブローカレッジ営業に躍起になっていますが、このようなトレンドもまた修正が必要になるのかも知れません。

一方、

★非投資適格社債の購入ニーズが米国個人の間で沸いている(9/25FT)

先述のバーナンキ発言以来の米国の金利低下(短期だけでなく長期も)で、米国の個人投資家がジャンクボンドをこれまでになく買っている。しかし、機関投資家は買い越しではなく冷静であり、米当局も事態を注視していると。

米ドルは基軸通貨なので、米国版ミセスワタナベは、FXよりはジャンクボンドだということです。
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2010年9月24日金曜日

フェニックス証券、取扱高2割増加-FXレバ規制後の8月

昨日の日経新聞朝刊のFX関連記事を見て、ショックを受けた方、やっぱりなぁとの思いの方、大勢いらっしゃったと思います。

出所は、 社団法人金融先物取引業協会が先週発表した「店頭FX月次速報値(平成22年8月)について」。 FXレバ規制(50倍まで)が導入された8月の全通貨ペアの円建て取引金額(加盟業者58社のデータ速報値)が前月比32.6%減少したという発表です。

http://www.ffaj.or.jp/performance/fx_flash.html

いっぽう、フェニックス証券は、8月の取引金額が前月比18.7%増加となりました。

レバレッジが従来通り50倍(但し、必要証拠金の計算方法を各通貨ペア毎の定額制から定率制に変更)、スプレッドも米ドル円で0.8銭~1.3銭と、規制前と変わりません。何が、変わったかというと、益々取引がやりやすくなる仕組みが導入されていることかと思います。

今週も、欲しいニュースがお使いのメールアドレスに届く、アラートメールサービスを開始しました。
http://phxs.jp/topics.php?#146
http://phxs.jp/
これは実に便利です。

アラート機能は、これから暫く、更に更に進化させていく予定です。

こういったこともあり、フェニックス証券は取引高だけでなく、口座開設と新規入金も加速度的に増加しています。
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2010年9月22日水曜日

日本だけではない政治の「ねじれ現象」

最近、読了した平凡社新書「モーツァルトの台本作者-ロレンツォ・ダ・ポンテの生涯」(田之倉稔署)によると、ユダヤ人が居住させられていたゲットー(ghetto)の語源は、まさしくシェークスピアのヴェニスの商人にあるように、ヴェネチア(ベニス)を首都とする現在のイタリア共和国ヴェネート州の方言で「鋳造所」を意味する言葉なのだそうです。
http://www.amazon.co.jp/dp/4582855385
但し、起源も語源もヴェネチア(ベニス)ではないという説も有力ではあります。

起源や語源が様々であるように、その目的も、十字軍遠征以降、異教弾圧を先鋭化したローマ・カトリックがユダヤ人を排除・差別するためであるものがある一方、上記著作には、主人公のダ・ポンテ(母親が死亡し父親がカトリック教徒の娘と結婚するために改宗するまでユダヤ教徒だったユダヤ人)が産まれた村(やはりヴェネート州)がそうであるように、国王(ローマ教皇とは対立がちな二重権力)がユダヤ人部落の貧困を救うために金融業や貨幣の鋳造業を誘致した排他的な「特区」であったケースが紹介されております。

ところで、改宗を経て、ユダヤ教徒でなくなれば、出自は兎も角ユダヤ人でなくなるのか?これは、上記「モーツァルトの台本作者」のなかで著者が推測しているように、ダ・ポンテは生活場所や職業を如何に変えようと根っこに残るユダヤ人差別と闘っていたとの指摘もあります。スペインでは、やはりカトリック教徒による国土回復運動(レコンキスタ)によって、多くのユダヤ人が改宗を勧告されました(コンヴェルソ)が、改宗したからといって差別が根絶したわけではなかったそうです。

また、違う角度ですが、以前紹介した「私の中のユダヤ人」は、八百万の神の国で、ついつい内向きになりがちな日本人が是非とも追体験しておきたい、現在日本に住むイスラエル出身の女性の体験談であります。

http://phxs.blogspot.com/2010/04/blog-post_09.html

http://www.amazon.co.jp/dp/4380892409/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1285137036&sr=1-1

本題に入る前に、ずいぶんと長い前置きをしたのは、「ユダヤ人」問題は断定可能どころか随分曖昧であるということを知っておかないと、我が国で根強い人気の“暴露本”、特にユダヤ関係やWASP関係に“魅了”されるときに気をつけておかねばならない点であると思います。

それで、いよいよ本題。ローレンス=サマーズ国家経済会議(NEC)委員長の正式辞任(今年いっぱい)の発表をどう読むか。。。

肝心の本題を書く時間が無くなってしまいました。改めます。
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2010年9月21日火曜日

幸田真音と藤井裕久

知る人ぞ知る多忙な週末でしたが、幸田真音女史が不定期的にパネラーで出演する日曜日朝の東京放送「関口宏のサンデーモーニング」と、久々かつ何と生(?)での出演が、そうでなくても注目を浴びるべき日曜日夜のNHKスペシャルをチェックしました。

もともと公社債の畑から証券の世界に這入った私としては、国債の暴落シナリオを小説にした幸田女史の処女作には才覚を感じたものでしたが・・・

菅新政権による為替介入に関する、日曜日の同女史のコメント、

「二兆円という巨額を投じて、たった2円程度しか円安に戻せなかったわけで、費用対効果を考えると果たしてやった意味があったのかどうか疑問・・・」

いま、地上波を席巻する、ニュースの顔をした実は低俗なワイドショーやバラエティの殆どが、為政者のやること為すことに皮肉っぽくケチをつければ視聴率を維持出来る、という腐った方程式に依存したい気持ちは判らぬもないですが・・・

「費用対効果」が、2円-二兆円(=1兆9999億・・・・9998円)という「国庫のマイナス」に終わっていると受け取られかねない論旨には、反論する以前に、腰を抜かさざるを得ません。

・・・・・

さて、為替介入と言えば、介入不要論者として(菅氏、野田氏に先立ち)財務大臣の重責を担うも、もとより昨年発覚した小沢一郎(当時民主党代表)の西松建設絡みの「政治とカネ」問題以降、自由党以来の二人三脚を断ち切っていたことを引き摺っており、体調不良と言いつつ、実際は小沢一郎(当時民主党幹事長)からの内閣への「口先介入」へ反発、辞任に至ったあと、殆ど表には顔を出しておられなかった藤井裕久氏が、同日のNHKスペシャル「菅vs小沢 民主党はどこへ」に生出演されていました。

藤井氏自身が、歴史の生き証人として、数々の重い発言をされていたことも注目ですが、編集録画のなかでインタヴューに答えていた民主党議員(田英夫氏をはじめ、菅支持派に偏っていたことが、小沢支持者からは不満があるでしょうが)の発言もまた貴重な内容でした。

①何故、自由党が民主党に合流したのか?

②どのようにして、小沢グループは、民主党のなかで数を確保していったのか?

このふたつについて、新事実の公表も含め、非常に判りやすく編集されたドキュメンタリーだったと思われます。

特に、①については、藤井氏が口を割り、永年民主党のパトロンとして知られる京セラ創業者の稲盛和夫氏(現 日本航空会長など)からの勧告があったこと(「民主党は今のままでは青すぎる」等)、松野頼三氏の関与(「改革は必要だが、小泉独裁では方向を誤る」等・・・ただし、これは地上波以外では初出ではない)、、、

これらの注目すべき「新」事実だけでなく、

「ねじれ」は悲観すべき現象ではない。米国では父ブッシュ就任から子ブッシュ退任までの20年間、(大統領と議会の)「ねじれ」が14年間あったが、イラク戦争は「ねじれ」ていないときに意思決定されている。

・・・これは、 「為替力」で資産を守れ!に出てくる「鼓腹撃壌」に繋がりますが。。。

民主党に限らず、古今東西みんなそうだが、政策を争っているように見えて、その殆どは権力闘争なのだ。

バラバラな政策集団という批判が民主党に対してあるとすれば、結党当時の自由民主党はもっと右から左までバラバラだった。

・・・「大東亜共栄圏」論者(?)の吉田茂、それと真っ向から対立する(?)「小日本主義」の石橋湛山、農協や労組など組合を束ねた日本協同党の二階堂進、更には鈴木善幸は社会党ですから、云々。

最後に、上記②ですが、小沢一郎氏が、当時の群雄割拠の民主党の各グループの中から、敢えて「左右の軸」では一番遠そうな旧社会党グループに目を着け、防衛問題で共通点を探れると着想した経緯が詳しく紹介されていました。これぞ、保守合同を含め(?)自民党を知りつくす男の為せる快挙(??)であったと。
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2010年9月15日水曜日

政府・日銀、6年半ぶりの為替介入

市場は確かに驚いた。

が、一番驚いたのは、市場ではなく、みんなの党や小沢陣営だったのでは。

日銀はオオカミ少年に過ぎないと高を括っていたクロス円売り方への衝撃は甚大。「協調介入でなければ効果は長続きしない」という論評が中心だが、少なくとも現時点では介入コストがマイナス(言い換えれば、相場操縦成功)である日銀にとってはグッド・ジョブということになる。

第二次菅政権、思いのほかのグッド・スタート。

ちなみに、七転び八起きブログは、官房機密費を一切いただいておりません(笑)。
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2010年9月14日火曜日

グローバルインフォ社とフェニックス証券がコラボ

規制強化などにより、風前の灯と評する人もいる外国為替証拠金(FX)業界です。

が、逆風を気にせず(?)、フェニックス証券は、またしても新規企画を発表しました。

トピックスの詳細はコチラ。もともとユニークで面白い(!?)、フェニックス証券のホームページが益々充実する企画です。

http://phxs.jp/topics.php?#145

これだけに留まりません。レバレッジ規制がはじまった8月以降、

★クイック注文(デスクトップ+iPhoneなどスマートフォン+既存キャリアの一般携帯)の導入、

★デスクトップからのインターフェースの大幅高速化(通信プロトコルの抜本改善、受注プログラムの書き換え、成り行き注文のワンクリック化など・・・)、

★目標相場のアラートメール

FXに真剣に取り組まれる真面目なユーザーの皆さんにとって本当に必要な武器が次々と揃ってきて来ますが、まだまだ続きますので、乞うご期待。
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2010年9月13日月曜日

円高、国債高、銀行破綻

ここ何ヶ月も、国内外の色々な方々から同じ質問を受けます。

「何故、円高なのですか?」

「日本は売られるべき存在ではないのですか?」

簡単には脱出できそうにないデフレ、相も変わらぬ政治の混迷、世界最悪の財政赤字、国際社会で一層埋没する存在感、、、確かにどれひとつとっても日本円の売り材料に見えます。

もともと、世界最悪の財政赤字をファイナンスしている国債については、皮肉なことに世界で最も安定した人気のある金融商品となっていた(利回りは低下)ところです。更に最近では、国際社会でますます存在感を増す隣国中国による資産シフト(米国債やドイツ国債を売却し、日本国債を買う動き)もあり、利回りが一層低下し、過去最高値圏に達するかにも思われました。

この安心感こそ、円高の大きな背景でもあり、日本の閉塞感の原点かも知れません。

このブログで繰り返し批判してきた地上波テレビの一見真面目を装ったニュースショーにおける街頭インタビュー。やはり、日本振興銀行の経営破綻、わが国初のペイオフ発動(預金保護を1000万円+その利息までに制限すること)に際しても、各局は、同銀行の張り紙の前をうろちょろする主として高齢者たちにマイクとカメラを向けていました。

「見事に騙されたと言う感じ。悔しいです」と異口同音に怒りをぶちまける高齢者の皆さんです。

恐らく、このブログの愛読者の皆さんの殆どは、敢えて「慾呆け」という言葉は使わないにせよ、高金利に惹かれて預金を預けたわけであるから、少なくとも1000万円超の資金を掛けたことによるリスクは覚悟していてあたりまえという感想を抱かれていると思います。

しかし、自己責任の欠如という点においては世界一の我が国の投資風土はそのような良識を許さないのです。官僚社会や大企業社会、特にそれを或る意味牽引するマスコミが、弱者の味方だと嘯きつつ、「投資というものは結果儲かったらこっそりしまいこんで、損したら被害者だと喚き散らせば良い」と繰り返してきたこともまた、「リターンにはリスクが付きまとってあたりまえ」という良識を封印してしまわせているものです。

個人の投資活動に自己責任を負わせられない国においては、余剰資金は預金を経て国債に流れ込むのは当然です。

投資の意味は違いますが、企業の投資におカネが回らない理由も、これと一対を為すものです。ですから、国債がどんなに増発されても、国債増発が必要な理由と同様の理由で、個人の余剰資金によって国債はファイナンスされてしまっているのです。
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2010年9月3日金曜日

雇用統計を前に・・・

民主党(の代表選)の体たらく。

と言いますが、それを弄ぶだけのマスコミもまた、鏡に映った体たらくを晒しているように見えるところが、この国の停滞の象徴です。

今朝の日経新聞1面のコラム「混迷日本-民主代表選」の(昨日に続く)第二回目「市場の声を聞いているか」のなかで、(編集委員)滝田洋一氏は、

「菅政権の下で進んだ国債利回りの低下は、体力の弱った病人の体温が下がるようなもの」

と書いておられます。なんか、気のきいた《喩え話》のつもりなのか?5月にギリシャ国債の利回りが急激に上がったのは、インフルエンザに冒された熱病患者と同じだが、体温の低下も同じく問題だと言いたいのか?

日本国債の利回りは、小沢氏の代表選出馬決定後、急速に「回復」(相場は急反落)したわけで、外国為替に譬えれば、変動相場制と選択している以上は避けることのできない投機的な相場変動に過ぎないことは明らかです。

財政赤字に着目しては国債(管理)の危機を煽って利回り上昇キャンペンを懲りずに繰り返してきた日経新聞ですが、そのマッチポンプな姿のなかに、一貫した主張を感じ取ることは困難です。

同じく、日経1面には「日揮、太陽熱発電に参入-日本企業初、スペインで」という記事があります。これを踏まえた解説記事(3頁の「きょうのことば」)で、日本の自然エネルギー導入状況が5%程度と、ヨーロッパ主要国と比べ大きく見劣りすることが説明されています。

このことと一見無関係のように見えますが、やれ「円高対策を」とか、やれ「少子(高齢)化対策を」とか、政府および日銀の批判を、同紙に限りませんが、ほぼすべてのマスコミは日夜繰り返しています。

ところが、自然エネルギー導入レベルの改善を併存させるには、

★現在の技術を所与としつつ

しかも、更に、

★一人当たりGDP(≒生活水準)を何とか保ちつつ

、、、という欲張りな二兎を追う以上は・・・

少子化と、円高による製造業の空洞化、このふたつを素直に甘受する以外に、特効薬がないことに気が付きます。

マスコミは、円高への無策について政治批判や日銀批判をしたいのならば、上記のような「究極の選択」が存在することを認め、どちらを切り捨てるか(放置しても良いのか)を提示すべきです。

恐らく、民主党のなかにも、大手マスコミのなかにも、その点は理解している頭脳は少なからずいらっしゃる筈ですが、どちらも抜本的なリストラの圧力に屈してしまいそうな業界であります(この点は証券業界もまったく同じ)から、組織防衛手段としては、その点目を瞑り、八方美人で発行部数を確保する、支持率を確保するという目先の目標に走ってしまわざるを得ないのであります。

最後に、ブログ読者のみなさまに最も大切なメッセージは、、、

このような衆愚政治は、日本に限らず、米国もユーロ圏も五十歩百歩であるという、これまで当ブログで繰り返してきた部分です。

「雇用統計を前に」、、、これまでになくクロス円の相場は、売り方にも、買い方にも、巨大なエネルギーが溜まっているように感じられます。
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2010年8月31日火曜日

いずみたく著「体験的音楽論」(大月書店「国民文庫」)


http://www.amazon.co.jp/dp/4272883003
アマゾンでも新品は手に入らないようです。絶版だとしたら、ますます貴重品ですね。

「音楽とは、読んで字のごとく、音を楽しむと書く。だから、音楽学(オンガクガク)というアゴがガクガクするような、膝がガクガクするような学問は、あまりものの役に立つとも思っていない・・・」

からはじまる「はじめに」の中に、わたくしの権威に対する反骨心をメラメラと燃えさせる一節があったため、つい先ほど会社にアマゾンから届いた日焼けした文庫本を、一挙に読んでしまいました。

こういう箇所です。

「何年か前に(七転び八起き註:初版1976年)、ボクは、原爆をテーマにして、レクイエムを作曲したとき、、、(中略)

、、、部厚い封書がボクの家に届いた。音楽評論家を名乗る、有名な音楽大学の教授であった。その手紙の内容は、

『だいたい、お前は歌謡曲の作曲家ではないか。(中略)古今東西のレクイエムの名曲をお前は知っているのか。(中略)レクイエムというのは簡単に作曲できるものではなく、まして“歌謡曲書き”の(はっきりこう書いてあった)お前にできることではない。(中略)惚れた、はれたの流行歌ではない。日本で最高の才能があるといわれている山本直純でさえ、そんなだいそれたことはいわない(後略)』

そして最後に大きく、“歌謡曲の天才どの”と皮肉っぽく書かれていた。

(中略)

大学の音楽の先生が全部そうであるわけがないが、このようなことにぶつかると、ボクはますますオンガクガクシャが嫌いになってくる。

(中略⇒そして極めつけがコレ)

生活に余裕があって、嫁入り稼業のために音楽大学にピアノの勉強にいっているその辺のお嬢さんと違って、ボクは、貧乏のどん底にあって、ピアノが買えないので、リンゴ箱のうえにピアノの鍵盤のような線をひき、独りで指づかいを勉強した。それも生活のためにタクシーやトラックの運転手をやり、つかれた指をお湯にひたしては、その練習をつづけた」

誤解を恐れず言えば、わたくしは、もとより、音大藝大不要論者です。音大藝大出身で素晴らしい技術を磨いてこられた器楽、声楽の先達のなかにさえ、音大藝大不要論者がいらっしゃることも存じております。

日本のクラシック音楽界が、今日駄目、、、特に声楽的分野が絶望的に酷い、、、なのは、

不況のせいも少しはありますが、

ビジネスの世界で「すら」、かなり見直されている学歴など既存の権威なる殆ど無意味なモノに依りすがる魑魅魍魎を一掃出来ない体質に原因があるといわざるを得ません。

30年以上も前に書かれたいずみたくさんによる「つぶやき」の集大成は絶版になっているのかも知れませんが、「音楽は歌にはじまり歌におわる」という彼の主張は不滅でしょう。

しかし、まさにその「歌」の分野以外では、器楽の世界で多くの世界レベルの演奏家を輩出していることを日本は誇りに思えるわけですし、作曲という分野でも、これもご紹介している書物に登場するのですが武満徹さんがいらっしゃいます(彼もまた、音大藝大とは無縁の独学です)が・・・。

歌の世界で、権威や縄張りと闘いながら、鳥肌を立たせるようなパフォーマンスを追求されている人達もいらっしゃるにはいらっしゃるのですが・・・

原則として、お嬢ちゃまやお坊ちゃまにしか門戸が開かれていない日本のクラシック音楽界が、それゆえに沈没しかけている様子を、いずみたくさんは草葉の陰で、ゲゲゲと笑っていらっしゃるような気がしてなりません。

「音大は出たけれど、大学院は出たけれど、ミラノやウィーンに留学はさせてもらったけれど、日本に帰ってきたらチケットノルマ、え~、そんなの無理ぃ~」みたいな自業自得の泥沼社会。

オペラという特定の興業分野の資金繰りが苦しくなってきている点は、欧米先進諸国とて日本と五十歩百歩かも知れませんが、

違う点があるとすれば、

歌の分野こそは、家系や幼少時の境遇などによるハンディキャップ(英才教育へのアクセスなど)を乗り越えて、才能が大器晩成するかも知れないという、多くの器楽的分野には有り得ないサクセスストーリーの潜在性を、欧米社会(だけでなく、ロシア、南米、アフリカ)は日本よりはかなり活かしていると観察しています。

それにしても、

大月書店の書物を紐解いたのは30年ぶり。中学時代に、大月書店と岩波書店とを読み比べながら弁証法を頭に叩き込みました。

日本の二大政党も、少しは弁証法的に成長してほしいものだな。
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2010年8月20日金曜日

ユーロ安を味方につけよう-環境不問の「クイック注文」

再びユーロが対ドルでも対円でも売られてきています。

パスポート申請も随分混雑していると聞きました。

フェニックス証券の口座開設の受付も多少混雑しています。

海外旅行を急いでいては国が滅びます。まずはしっかりと蓄えましょう。

今月、フェニックス証券は、

★iPhoneやGoogle携帯などスマートフォン向けに「クイック注文」を導入

★デスクトップ環境での成行注文を「ワンクリック化」プラス「通信速度を大幅改善」

これに加えて「クイック注文」を、デスクトップに『逆輸入』致しました。

既に口座をお持ちのお客さま。直ぐにご覧いただけますから、ログインしてみてください。ログインIDとパスワードを入力して、従来より、その真下にあるログインボタンを押していただいているわけですが、iPhone等への「クイック注文」リリース説明文の文中に《大きく目立つもうひとつのログインボタン》を御確認していただけると思います。

こちらの新しいログインボタンを押していただくと、今月iPhone等向けにリリースした「クイック注文Ⓡ」と全く同様の発注約定インターフェイスが出て来るのです。

御好評いただいている「クイック注文Ⓡ」は、これで、携帯各キャリアの従来型端末をはじめ、iPhone、グーグル携帯などスマートフォン、そしてフォレックスラインの本拠地であるデスクトップ環境でもご利用いただけるようになりました。

「クイック注文」の特色は、成行注文がワンクリックで新規にポジションを建てるときは勿論、返済でポジションを解消するときも、あらかじめFIFO(First-in First-out 先入れ先出し・・・これがデフォルト設定です)をお選びいただければ返済指定なしでワンクリックで、瞬時瞬時に「売りか買いか」だけを意識しトレードに這入って頂けること(デフォルトをFIFOから「両建て」に変更することも出来ます)。

それだけではありません。注文のサイズ(何万通貨か?)、良くトレードする通貨ペアは何か?これらを初期の環境設定で登録していただければ、いちいち発注時に入力する手間が省けること(発注画面での上書き訂正は勿論可能です)。

さらに、初期設定画面では、さまざまな、痒いところに手が届くサービスを事前登録できるのです。是非この機会に御確認ください。

携帯でもPCでも、フェニックス証券の「クイック注文」」が便利です。
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2010年8月14日土曜日

何かと話題の多いNHKですが・・・

明日は終戦の日。

NHKでは、深夜に「玉砕」をテーマにした特集番組と、ミスワカナという夭逝した天才漫才師が戦場を何度も慰問し、如何に兵士をエンターテインし、如何に大本営から規制をうけ、死屍累々の前線で何を感じ、薬におぼれて病んで行ったかという特集番組、

このふたつを繰り返し深夜に放映しています。

ワッツ島玉砕を神格化し (否、正確には、ワッツ島全滅を玉砕だと神格化、欺瞞化し・・・ですが)、それをテーマにした軍歌を流布し(作曲は山田耕作)、、、 前線で戦う大量の兵士を無残に切り捨て負け戦の継続だけに拘る大本営の図式を、当時辛うじて生き残り、故に「軍神」となりえなかったことを恥じて生きてきた方々・・・「公式」記録上は玉砕にて屍となった軍神として奉られている・・・が90歳近くになられていて、永年口を閉ざしていた戦争の真実を語ろうと、NHKのカメラとマイクに向かっている姿に、戦争を風化させまいということだけでなく、今でこそ語れる真実があるとも思いました。

で、一方NHKは昼間は高校野球をほぼ完全中継していますが、勝利校の校歌、、、定番ですけど、音楽的には軍歌に酷似しています。

プロ野球よりも高校野球のほうが、見ていて玉砕っぽいなぁと思うのは私だけでしょうか。

外野に飛んだ取れないフライをスライディングキャッチして、二塁打を三塁打にするというのは、どういう馬鹿な監督が指導しているのかと思ってしまいます。

明らかな審判の判定ミスにも、高校球児は絶対に抗議しない。NHKのカメラも、ファインプレーとその送球はリプレーしてもクロスプレー(捕球とタッチプレーなど)の部分は再現しないものです。そこは大人?

理不尽を我慢することが破滅的な戦争や企業の倒産につながることの教育も必要なのでは、と。

でも、この選手は将来楽しみだな、というのが高校野球の最高の醍醐味ですね。
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2010年8月12日木曜日

円高ドル安に負けない、フェニックス証券の新トレードツール

硬派一点張りの七転び八起きブログが、8月は宣伝が多くて恐縮です。

お盆休みも返上して、新しいシステムのリリースが相次いでいるフェニックス証券なのであります。

今週月曜日に立ちあがったスマートフォン(iPhone、Google携帯・・・)向けクイック注文【Webブラウザー版】に続きまして、本日から、従来のパソコン【デスクトップ】上でも、成り行き注文がワンクリック完結型になっただけでなく、サーバー構成の見直し や、データ伝送プログラムの見直し を抜本的に行い、これまでよりも飛躍的に、

さくさく感

のあるトレード環境を御提供出来るようになりました。

http://phxs.jp/

また、近日中に、今度は同じくパソコン【デスクトップ】環境に、携帯端末向けクイック注文(※)を《逆輸入》させます。

http://phxs.jp/


デイトレーダーの皆さまから中長期視点での資産形成を目指す投資家の皆さままで、そしてパソコンユーザーから携帯ユーザーまで、全ての方々に御満足頂ける環境を充実させることが出来たと自負しています。

為替相場の《不美人投票》は、ユーロから米ドルに焦点が移りつつあるようです。次は日本円かも知れません。

一般には、業界も投資環境もピンチと言われています。が、フェニックス証券はピンチをチャンスと前向きにとらえ、まだまだこれからもシステム投資を含めた前向き施策を続けて参ります。

http://phxs.jp/


逆張りの発想のフェニックス証券をこれからも御注目くださいますようお願い致します。
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2010年8月11日水曜日

特に宣伝をしているわけではないのですが・・・

フェニックス証券が今週スタートさせたスマートフォン(※)向けトレードツールを「マイコミジャーナル」さんが取り上げてくれました。

http://journal.mycom.co.jp/news/2010/08/10/022/

これが思わぬところに影響していると言うことか、ふつうは、Googleで「フェニックス証券」と検索すると、フェニックス証券の御馴染みの(!?)トップページが出てくるのですが、

http://phxs.jp/

ただいま現在私がチェックしたところによると、キャンペーン頁が一番にのし上がっているのです。

http://phxs.jp/campaign.php

もっとも、順位変更はそれだけが理由ではないでしょう。ロジックの変更や、Google danceなど、いろいろな要因が影響しているものと思われます。
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2010年8月6日金曜日

8月6日に思う、戦争と競争の境い目

雇用統計前の静けさ目立つ為替相場と先週よりは多少湿度の低い夏空。先週あたりからめっきり夏休み色が濃くなった東京駅を潜り抜け出勤するや、一仕事終えて、午前8時15分から3分間眼を閉じました。

人間の愚かさを身につまされるのは核兵器に限られるものではありません。全ての戦争、全ての武力行使は五十歩百歩なのでしょう。更には、人々に貧困や理不尽な不幸をもたらすのは、武力、暴力に限らないかも知れません。

永い間、私のブログにお付き合いくださっている読者の皆さんは、私が自由と競争を好むことを御理解されていると思います。我が国では、外国為替証拠金(FX)取引の業界や、外食の業界のように、自由競争、というか競争過多の業界もありますが、一方で公務員や銀行業など努力しない大企業社員がのさばってなんとかなっている業界や会社が多すぎます。一流大学を出た偏差値秀才を幾ら大量に終身雇用して抱えていても、一旦国際競争に晒されるとブランドなどは風前のともしびだという例は、ハイテク産業などで暴露されています。株式持合いや親子上場など日本特有の資本市場の恥部もまた、国際競争に晒されて然るべき制度疲労の骨頂です。

世界中のどこよりもまず、ここ日本においては競争が足りません。

しかし自由競争が全体幸福をもたらすと言い切れるかと言うとそうではないのでしょう。リーマンショックも、その直前の商品バブル(原油など)も、その悪影響を最も受けたのは投資銀行のセレブではなく、「働けど働けど・・・じっと手を見る」という、その他大勢、でありました。

金融の仕事の中で、最もお客さまに喜んでもらえるのは、事業を興したい人に、それを心から応援してくれる人を紹介する仕事です。そして、この紹介業が一番儲かりません。金融業が虚業の集金マシンとなり国家戦略と同期するときに、銀行は多国籍企業の成功者となり、レバレッジに騙された人達を不幸にし、国家は覇権争いを楽しみます。

地理上の発見以降の歴史で、植民地開拓や奴隷貿易に覇権国家が手を染めたのは、極悪人のせいではなく、自分たちがやらなければ競争相手が先にやってしまい敵が先に富んでしまうという疑心暗鬼からでしょう。

タイトルに書きました、戦争と競争の境い目というのは、実に微妙だと思うのです。

広島と長崎に原爆を投下したのがアメリカ人だから、今日の雇用統計はドル売りで臨もうということを言っているのではないのです。以前、こちらのブログに書きましたが、日本の敗戦後50年経過して公表された当時の秘密文書によると、当時のアメリカの中枢部の考え方は、自分たちが手をかけないとソ連に極東を支配されるという疑心暗鬼だったのです。

かつてはエリートを嘱望されていた秀才の多くが大組織の既得権益防衛だけにいそしみ才能を眠らせているこの国の国力はこれからもどんどん減退していくでしょう。しかし自由競争という正論だけを突き詰めても簡単に豊かさを得られるわけではないことも同時にわきまえておかねばならないのが人道の難しいところです。
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2010年8月2日月曜日

iPhone版《クイック注文》間もなく登場


レバレッジ規制「第一弾」が始まる本日、FX業界が震え上がるなか、フェニックス証券は前向きに新しい取り組みを始めます。

現在既に主要キャリアの携帯でお使い頂けている大好評の《クイック注文》。これのiPhone版が来週リリースされます。これを記念して、フェニックス証券の(お取引金額に比例した)キャンペーン「かわせ手当」をダブルキャンペーンに拡大させます。

詳しくはコチラから。
http://phxs.jp/campaign.php

ところで、フェニックス証券のFX取引ツール《クイック注文》は、名前の通り、発注スピードが速いだけではありません。ヘビーユーザーの方々が真に欲している機能以外を大胆にそぎ落とすことで、操作性を徹底的に追及したフェニックス証券独自のプラットフォームです。是非、iPhone版リリースを機会にお試しください。
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2010年7月29日木曜日

バブル長者の人生観も・・・

直接の知り合いではないのですが、ある一世を風靡した不動産ベンチャーで、株式公開まで果たした社長さんから暑中見舞いをいただいております。

不動産市況や株式市況に翻弄された2000年代、絶好調のときも、絶不調のときも、その時々の「生々しい感想」を時候の挨拶に代えてしたためてこられ、虚礼とは違う味わいを楽しませてもらってきました。

その社長からの、今年の暑中見舞いで、「これからの時代に必要なこと」と列挙されていることが、

①知恵のある消費、投資活動

②本質的でシンプルな振る舞いとデザイン

③自分が何を体験するかが価値

④価格より必要な価値

⑤長く続く洗練されたサービス

その社長さんと私とは、出自も、履歴も、財産も、財産の増減の激しさも、まるでちがうし、なによりも戦っている業界が違いますが、違う言葉で書かれていても、今こうやって価値観が収斂してきたことに、失われた時代を感ずるし、また時代が失われただけでは決してないとの確信も抱きます。外国為替証拠金(FX)業界でも必要とされることは同じなのではないかと。

個人の生き方についても。ついでに芸術産業についても。
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2010年7月26日月曜日

マスゴミと政治屋と衆愚の国、ニッポン

週末、とあるソシアルネットワークで、上記タイトルで日記を書きまして、ありがたいコメントを幾つか頂きましたので、コメントをいただいた方を匿名にして、わたくしの返事と一緒に転載することにしました。

まずは、日記本文。

そんなに毎週毎週世論調査するんだったら、選挙なんていらないんじゃないかい!?

元のニュースねたはコチラ。
「内閣不支持が支持を逆転」(時事通信)
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_date4&k=2010072300571



続いてコメント集・・・
(Aさん)世論調査って何処まで正確なんでしょうか?それにしても、国のトップがあんなにころころ代わっても・・・・という日本の政府のことが良く分らないです。

(Aさんへの私の返事)統計的には或る程度の信ぴょう性はあるのでしょう。選挙当日の出口調査もそのようです。たまに出口調査を過信し過ぎて、当選確実の取消とかありますが(汗)。

ローマ帝国の末期には、為政者たちは、大衆の憂さ晴らしのために、文字通りサドンデスの格闘技を用意しました。

いまの日本は、為政者たち自身が、マスゴミに踊らされ、大衆の憂さ晴らしのためのサドンデスの格闘技をやらされているというのが実態では・・・・

選挙結果など、翌日の新聞やネットで遅くないのですが、どうしてもテレビの開票速報を見てしまうのは、落選議員の事務所の御通夜のような風景に或る種のカタルシスまたは諸行無常を感じたい大衆の俗物根性に、ビジネスモデル崩壊寸前のマスゴミが取りいっているということだと感じています。



(Bさん)異論はいろいろあるかもしれませんが…降板はやめてほしいですー

(Bさんへの私の返事)ねじれ国会でやめていくリーダーたちに対してこれまで国民は同情していたでしょうか?無責任だという声を浴びせ続けただけだと記憶しています。これもマスゴミの誘導と、それを正論だと思い込んでしまう民度の低さのせいです。わたしも、Bさんの言うように、首相が1年任期(人気)というのはいい加減にしてほしいとは思うが・・・



(Cさん)マスゴミと政治屋と衆愚の国、ニッポン ・・・的を得たタイトルです。最近、日本の政治にはホント<うんざり>ですね。

(Cさんへの私の返事)清教徒革命以降、イギリスではカフェ、当時は珈琲ハウスと言われていたそうですが、ここが政治談議の場所として盛り上がり、一挙にカフェブームになったと、最近のNHKの番組でやっておりました。これからは、カフェ(だけ)ではなくて、立ち呑みのワインハウスが政治談議の場所としてオピニオンリーダー化していく予感がするのは、わたしだけでしょうか。。。



ちなみにCさんは、兜町でワインの輸入業を営む傍らその事務所を開放して、安くておいしいワインを立ち呑みさせてくれている店長さんなのです。
http://www.bookin.co.jp/



(Dさん)まあ、そうはいっても、政治をやろうとする人達には色んな意味で頭が下がりますよ。怨念にまみれて、昨日の友は今日の敵で、地獄の沙汰も金次第、私なんて一日たりとも生きてけ無いですわ。

(Dさんへの私の返事) そう、その通りなんです。ボランティア団体の事務局長と一緒で、真面目にやるのがバカバカしいので、ちゃんとした「なり手」が居ないのです。今回の選挙で、実は一番うんざりしたのは、菅首相の消費税のブレ発言というよりは、旧保守王国の過疎都道府県の選挙区で自民党系の二世議員が再び圧勝しているという事実です。
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2010年7月23日金曜日

絶頂期を迎えた「大輪の花」~アンナ・ネトレプコ


三歩先を読むオンリーワン情報誌「ザ・ファクタ」【月刊FACTA】 は音楽系雑誌ではありません。

が、毎月、珠玉の音楽評論を掲載しています(稀に、根拠に乏しい誹謗中傷もあり、読者を飽きさせません!)。

書店に並んだばかりの8月号の49頁の記事の一部を紹介しますと、

ロシアのソプラノ、アンナ・ネトレプコ(1971年生まれ)は目下オペラ歌手としてキャリアの絶頂にある。今年6月にはロンドン・コヴェントガーデンのロイヤル・オペラでプレヴォー原作、マスネ作曲のフランス語歌劇『マノン』の新演出(ロラン・ベリー)初演で主役マノンを務め、極めて安定した発声テクニックと巧みな演技の兼備で観客を圧倒した。

世界経済の停滞長期化を受け、大がかりなオペラの新演出には複数の歌劇場で費用を負担する共同制作が増えつつある。今回の『マノン』もコヴェントガーデンとニューヨークのメトロポリタン歌劇場、ミラノのスカラ座、仏トゥールーズ・キャピトル歌劇場の共同制作だが、参加者数が「4」まで膨らむのは極めて異例。2000年代半ば以降の「アンナ旋風」は衰えるどころか威力を増す一方だ。9月には東京文化会館のロイヤル・オペラ日本公演で、他の3都市より早く『マノン』を拝める。

(中略)

・・・・声楽を学んだものの、なかなか芽が出ず、マイリンスキー劇場で掃除のアルバイトをしていたところをゲルギエフに目撃され、オーディションを受けるよう勧められ合格・・・・

(中略)

・・・・「出産後、発声が楽になって安定、声楽的課題の克服以上に演技へ傾倒できるようになった」という。・・・・

記事全文が素晴らしいので、是非書店で、または定期購読で、月刊ファクタ をお読みください。政治と経済の真実を知るためにもなります。

しかし、このネトレプコの記事で、一番ギクっとしたのは、締めのこの一文。

・・・プリマドンナにありがちな強烈な嫉妬心、エゴもあまり感じさせない・・・・

オペラ制作の端くれとしては、まことに目に沁みるひとことであります。
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2010年7月16日金曜日

「愛の調べ」も転調が妙薬に~シューマンの職人技


「愛の調べ」とは、クララ=シューマン役のキャサリン=ヘプバーンの驚異的熱演を忘れることが出来ないシューマン夫妻(・・・とブラームスとリスト・・・)の物語です。

http://www.amazon.co.jp/dp/B000LXIOKO

この映画の中で、最も重要な音楽作品がロベルト=シューマンが作曲した歌曲集「ミルテの花」の第一曲目「献呈」と考えて良いでしょう。

http://www.youtube.com/watch?v=aMYT3wyFz1o

転調シリーズ(!?)前回の

ドンジョヴァンニ~変装と転調の「妙なる調和」
の最後のほうに、モーツァルトが晩年ドンジョヴァンニ作曲時に到達した

臨時記号(♯、♭、♮)を一度に4つも加えて調性をワープさせる

という技法が、その後、ロッシーニやドニゼッティなどイタリアオペラの礎を築いた大作曲家が主として喜劇の分野で効果的に使ったというお話をしました。

一方、この時代のイタリアオペラ、特に喜劇を忌み嫌った作曲家が居ました。シューマンこそがその人です。確かに、「ミルテの花」だけでなく「詩人の恋」や二つの「リーダークライス」を聴くにつけ、オーソレミオ的なオペラブッファとは相容れない価値観を感じることは出来ます。

しかし、この「献呈」、ハイパーリンクを貼った映画の一場面ではピアノ曲として(前半がリスト編曲の言わばヴィルトゥオーゾ版、後半がシューマンの原曲~いずれも実際に弾いているのはルービンシュタイン)では、ドイツリートの中でも珍しい、その臨時記号4つによる調性のワープが見事に組み込まれているのです。

ハイパーリンクからyoutubeに這入っていただきますと、サリエリに似た男(と思うのは私だけ!?これがフランツ=リスト役の俳優です)が、シューマン夫妻とブラームスの前で、自分の編曲を「献呈」するシーンが出て参ります。

「どうだ、凄いだろう」と自慢げに弾くリストを尻目に、クララがロベルトに「違うわ・・・」と耳打ちをする場面。この一瞬で、♭が4つついているのです。

この「献呈」という曲も、短い歌曲には良く見られる

A⇒B⇒A’

という形式で出来ています。いま申し上げた♭4つは、AからBに移る瞬間に追加されています。

A⇒B⇒A’という形式の小品は、短い歌だけでなく、バッハの時代以前の舞曲(メヌエットやロンドなど)や、モーツァルトのオペラの中のアリアや重唱でも極々普通に見られますが、その殆どは、AからBに映るときに臨時記号がひとつだけつく転調です。

(例:ドンジョヴァンニから「手に手を取って」)
http://www.youtube.com/watch?v=GY-_3oCnqtY
(シエピ+フルトヴェングラー)

「献呈」の形式美の斬新さは、移動度で読めば、「ド」で終わるAの部分から、その同じ音を「ミ」に読み替えて、すんなりと別世界に聴衆をいざなう点がひとつ。

じつはもう一つのほうが凄いのです。

リストがノリにノッて「献呈」リスト版を演奏しているのに、クララは「技巧だけじゃない」と不満を言いますが、それに対してロベルトが「静かに。・・・面白いじゃないか」とその場をおさめる場面。ロベルトの

It's interesting...

という瞬間が、Bの部分の冒頭の臨時記号の4つが丸々全部取り外される瞬間なのです。

通常、A⇒B⇒A’という形式の曲であれば、最後のA’に移る直前(の1小節)で転調が解除されます。It's interestingの瞬間たるや、再現部A'の開始の、、、ずいぶん前、、、なのです。

シューマンほど、自分の個性や才能の発露を禁欲する一方で、バッハやモーツァルト、ベートーヴェンの作品を、作曲の技術の集合体として研究しつくして、一歩ずつ上を目指そうと努力した作曲家はなかなか居ないと思います。その作品のユニヴァースの中にあっても、「献呈」の、特に二番目の転調のタイミングと主旋律への練り込み方は、頭ひとつ抜きん出ていると思います。

映画の冒頭にもあるように、クララへの求婚のメッセージとして作られた「献呈」は、感嘆すべき職人技で練り込まれた愛の妙薬だった。。。

愛の妙薬だなんて言うと、泉下のシューマンの逆鱗に触れるでしょうか。ロッシーニら、当時のオペラ作曲家の売れっ子たちへの批判、非難は、子供向けに作られたピアノ曲集「ユーゲント・アルバム」の序文でハッキリと表明されており、「メロディー偏重のイタリアオペラなど聴く暇があったら、バッハの平均律を練習しなさい」らしきことを書いております。

まあ、私はどちらも均等に好きですが・・・

映画「愛の調べ」は、ブラームス問題など、史実とはかなり異なる美談に仕上げられていることでも有名です。いわんや細部に至っては事実がどうだったか判ったものではありませんが、映画監督や音楽監督など制作側が物凄く丁寧に作っておられますので、リストがシューマン=リスト「献呈」を弾く前に「シューマン教授の素晴らしい『メロディー』に・・・」という科白に、ある種の皮肉を込めた可能性はあります。

この映画で触れられているのは、リストが音楽家シューマンの良き擁護者であり支持者であること(ただし、結婚に関わる裁判でクララとロベルト側に立った事実はない)だけですが、もうひとつ、「イタリアオペラもそんなに非難に値するものじゃないよ」と言ってシューマンとロッシーニとの仲裁に乗り出した(が無駄な努力であったこと)、リストはシューマンを高く評価していたが、シューマンはリストを評価していなかったなどなど、いろいろあります。

シューマンが評価をしたのは、リストではなく、ショパンでした。「脱帽せよ。天才が現れた」と最大限の賛辞を贈らせたきっかけになったショパンの曲は作品番号2番の、ドンジョヴァンニの主題による変奏曲です。

主題とは先述の「手に手を取って」
http://www.youtube.com/watch?v=QNGQu0aRqAY
http://www.youtube.com/watch?v=kuxSL_dzzWM&NR=1

「序奏のLargoが長すぎる。テーマは何時始まるんだ!?」と気の短い方の為に、お伝えすると、、、6分30秒過ぎであります。

2010年7月14日水曜日

「月刊総合誌FACTAは日本振興銀行に対し不当訴訟の損害賠償請求訴訟を提起します

日本振興銀行前会長、木村剛が本日、検査忌避による銀行法違反容疑で逮捕された事態を受けて、弊誌は同行および木村、小畠晴喜取締役会議長をはじめとする同行経営陣に対し、不当訴訟による損害賠償請求訴訟(請求額約3000万円)を提起いたします。

本件の立件に1年以上先駆けて、弊誌は昨年5月号(09年4月20日発行)から4回にわたり振興銀行の内情を調査報道しました。これに対し同行は名誉を棄損されたとして、多額の損害賠償及び謝罪広告掲載を求める訴訟3件を提起しました。弊誌の言論および取材を訴訟によって封殺し、実態が露見するのを妨害しようとするとともに、弊誌報道に追随しようとした他のメディアに対しても「書いたら訴える」と威嚇する意図を持っていたことは明らかです。

先般の警視庁による家宅捜索を受けて、日本振興銀行は代理人を通じて上記3件の訴訟をすべて取り下げました。しかし、訴訟提起から1年余にわたり、弊誌は訴訟対策のために厖大な時間と少なからざる所用経費を割き、他の取材や報道にも支障を来しました。かかる不当な訴訟提起行為は、メディアの表現の自由を圧殺するものとして断じて許されるべきではありません。

捜査当局のリークによらずとも調査報道によって社会的不正を知らしめるべきだとするメディアに対し、ともすれば訴権を濫用することによって隠蔽しようとする企業や組織、さらにはそれに便乗する弁護士が増えております。裁判所もメディア叩きに迎合し、慎重かつ妥当な取材に基づく報道に対しても、厳しい判決を下す例が増えております。このままでは調査報道は萎縮するばかりだと考え、かかる現状に警鐘を鳴らすため弊誌は訴訟を提起することにいたしました。

日本振興銀行問題を他に先駆けて報道した弊誌は、検査忌避による立件は表面的かつ形式的なものにすぎないと考えます。背景には粉飾決算や特別背任等の成立の可能性を含む実態があり、捜査当局には今後ともそうした実態の捜査を進めていただきたいと考える次第です。

七転び八起きブログは、「月刊総合誌FACTA」を応援します。
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2010年7月13日火曜日

「転調」だけではなかった“妙なる調和“-モーツァルト歌劇「ドンジョヴァンニ」

きのうの記事の続きです。


関連記事
マスカーニ作曲 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_24.html
ドニゼッティ作曲 歌劇「愛の妙薬」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_7392.html
プッチーニ作曲 歌劇「蝶々夫人」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_1910.html
ヴェルディ作曲 歌劇「イル・トロヴァトーレ」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_3365.html

「転調」とは違うのですが、モーツァルトは、フィガロの結婚で、妙なことをやっています。これは前例があるかどうか確かめておりません。

オーケストラ伴奏と歌とで、調性が違うのです。但し、遠い調性では不可能なので、5度違うだけ(臨時記号1個分に過ぎない)です。

問題の箇所は3幕フィナーレ
http://www.youtube.com/watch?v=hiGubCkAwu4

Eccola marcha andiamoで始まるフィガロの独唱の12小節。オペラらしくない単調なガヴォットにしか聴こえない割には、難しい箇所なのです。

したがって、オケだけ聴くと別の舞曲のように聴こえます。

場面は、ドンジョヴァンニ同様(!?)放蕩児のアルマヴィーヴァ伯爵の怒りを無視して、家来であるフィガロがスザンナとの結婚式を急ごうとし、「ほら、結婚行進曲が流れてきたじゃないっすか。皆さん、参りましょう」という場面。

夫婦関係が冷め切っているにもかかわらず嫉妬心と猜疑心だけは立派に持っている伯爵。その怒りに火がついたのは、その妻(伯爵夫人)と小姓ケルビーノとの関係を疑惑すべき証拠が、スザンナの伯父である庭師アントニオによって暴露されたからです。
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2010年7月12日月曜日

ドンジョヴァンニ~変装と転調の妙なる調和

現在でも上演されているオペラ演目のなかで、獣(けだもの)、すなわち驚愕的な肉食系の男子が主人公となる演目はモーツァルト作曲のダ・ポンテ三部作のひとつ「ドンジョヴァンニ」が最初(で最後)かも知れません。

スペインの伝説的な放蕩児(Libertine)ドンファンをイタリア語読みしたドンジョヴァンニは、その題材の奇抜さだけでなく、近現代の西洋舞台音楽の歴史の中でも、否それだけでなく、モーツァルトの短い生涯の中で星の数ほど作られたあらゆるジャンルの音楽のなかでも、ドンジョヴァンニ以前にはなかった革命的な要素がふんだんに取り入れられています。

ヴェルディやプッチーニのオペラが好きだという人は、演奏する側にも鑑賞する側にも一杯いらっしゃいます。それに比べてモーツァルトはちょっと、、、その感じ、良く判るのですが、過去の音楽の歴史を、19世紀の絢爛豪華な舞台芸術に、さらには20世紀の映画音楽など様々な複合芸術への対応を可能にした転換点に、ドンジョヴァンニの斬新さが位置するような気がしてなりません。

そのモーツァルトの姓であるアマデウスを冠にとったクラシック番組がNHKにあります。演奏を聞かせたり、演奏家を紹介したりするという視点ではなく、クラシック好きにとってもとっつきづらいと思われてきた音楽理論に焦点を当てた番組が、公共放送から伝わってくるときに、私なんかは受信料は安過ぎると思うものなのです。

そのアマデウスで、ラヴェルのボレロを取り上げたとき、「ハ長調で単純なメロディーとリズムがひたすら繰り返されているという奇抜さで有名」だが、最後の最後(音楽用語でコーダ)で、クレッシェンドの極みでいきなりハ長調からホ長調に転調する点を挙げ「こんな斬新な転調は過去の音楽の歴史ではなかった。プロの作曲家連中からすれば、『あゝ、そんな手があったか。』『やられた。先を越された』と感じるに違いない手口だ」と楽理の専門家が喋っていました。

確かにその通りなのです。

もし、お手元にピアノとかオルガンとか鍵盤があれば是非試してみてください。まず、ド+ミ+ソの和音を弾き、続いて(長3度「平行移動」して)ミ+ソ#+シ、更に長3度平行移動して、ラ♭+ド+ミ♭、そして更に長3度平行移動すると、ちょうどオクターヴで最初のド+ミ+ソに戻ります。

なんか、普通のクラシック音楽の曲にも、それどころか馴染みのあるスタンダードジャズにもフォークソングや歌謡曲にも聞き覚えがない和音進行であると感じられると思います。宇宙遊泳をしているような、ワープしているような感覚を覚えさせられる和音進行です。

敢えて、和音進行と転調とをごっちゃにして書きますと、バッハの鍵盤曲(パルティータでもフランス組曲でもインヴェンションでも・・・)の後半部分や、モーツァルトの器楽曲の第一楽章のソナタ形式の展開部には激しい転調が続く局面がありますが、基本はひとつのフレーズに臨時記号が一つ(和音進行で言えば完全5度の上がり下がり)、多くても二つ、極々稀に三つ(完全5度を3段飛びすると、長調と短調が逆転する)、それまでです。したがって、臨時記号(シャープやフラットやナチュラル)が一度に4つ付け加えられるというのは五度圏を駆け巡るという観点からすると極めて遠い調性にぶっ飛ぶ感覚なのです。

NHKの番組アマデウスに戻ると、この前代未聞のワープな転調を発見ないし発明したのが現代作曲家の橋頭保とも言えるラヴェルだというわけです。

なるほど、言いたいのですが、何とモーツァルトはキャリアの晩年に作った渾身のドンジョヴァンニで、既にそれをやり遂げているのです。

ダ・ポンテ三部作にお約束の着せ替えシーン。これがドンジョヴァンニでは二幕初っ端にあります。家来のレポレッロに自分の貴族衣装への変装を強要し、ドンジョヴァンニの振りをしてかつて自分が裏切った女のひとりドンナエルヴィラを口説かせるという場面です。

http://www.youtube.com/watch?v=2gcFAxCU0YE

バルコニーに向かって、レポレッロに口パクさせ、「降りておいで、いとしい人よ」と歌う直前が、シャープ4つのホ長調、一小節でナチュラルが4つついて、ハ長調で甘いメロディーが奏でられます。

もう一箇所は、ドンジョヴァンニが刺殺した騎士長が石像となって再現する2幕後半。「喋れるものなら喋ってみろ。夕食に来るか?」と石像に迫るドンジョヴァンニに「ああ、お招きいただこう」と返答する場面。

http://www.youtube.com/watch?v=I96sWFb2OkM

登場の時間帯はやや短めながら存在感では他の役を圧倒する騎士長は、有名な序曲の再現部の和音進行同様、これまでモーツァルトどころか、印刷された楽譜として残されている過去の音楽にはない独自の転調のキッカケを与える重要な役割を演じているのです。

http://www.youtube.com/watch?v=oF7ocNl6nXo

この有名なシーンを含む二幕フィナーレには、同時代の有名な他の作曲家のオペラ(現在では演奏されることはない)だけでなく、自分のヒット作であるフィガロの結婚の「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」をもパクった晩餐シーンが含まれます。

http://www.youtube.com/watch?v=kPUk5BQ3yNQ

著作権という概念どころか、個性とかオリジナリティという概念すら乏しかった時代背景を考慮する必要があるのです。

ただそれにしても前例を踏襲しないリスクを何故モーツァルトは、よりによって公演(興行)予算規模の大きいオペラという分野で敢えて冒したのか。今日まで伝えられている金銭感覚のなさだけの仕業なのか。否、声楽意外の分野の方々には失礼ですが、モーツァルトはとりわけ脚本家ダ・ポンテとの邂逅以降は何よりもオペラで成功したいという気持ちが集中していたと逆に考えるべきなのだと思います。

オリジナリティへの敬意が少なかった時代の音楽は、バッハも含めて、音楽というものがより即興的なもので、言いかえれば、クラシック音楽的なものとジャズ的なものとの距離がなかった(楽譜に書きとめておかないことが当たり前の)時代だったと言われています。モーツァルトがバッハを知るようになるのは、実はキャリアの晩年だったのではないか。そこで彼はバッハ独特のフーガの技法や半音階的技法を学んだ。。。メンデルスゾーンがマタイ受難曲を再演しなければバッハは忘れ去られていたままだったと言われますが、その間、バッハは不当に低い評価をされていたというよりは、死んだ作曲家の作品を楽譜を引っ張り出して来て演奏するという習慣が当時まではそれほどなかったということだという話を、ここ最近複数の筋から聞きました。

半音階的な技法なかりせば、騎士長再現の序曲再現部分の和音進行も、不自然なく臨時記号を4つ飛ばす奇抜な転調もモノに出来なかったと考えます。

その後、この臨時記号4つの転調は、さりげなくかつ大胆に、ロッシーニやドニゼッティというイタリアオペラの基礎を作った作曲家たちによって、主として喜劇の世界で不可思議な隠し味として用いられています。

http://www.youtube.com/watch?v=J2vgQfHNWII

この点で、モーツァルトの晩年の偉業は、後の本格的イタリアオペラにとっての大いなる遺産となったと言えるのではないでしょうか。

関連記事
マスカーニ作曲 歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_24.html
ドニゼッティ作曲 歌劇「愛の妙薬」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_7392.html
プッチーニ作曲 歌劇「蝶々夫人」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_1910.html
ヴェルディ作曲 歌劇「イル・トロヴァトーレ」
http://phxs.blogspot.com/2008/12/blog-post_3365.html
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ねじれ国会の悪夢で、どう転んでも円安か!?

週末の参院選直前ブログで、選挙結果の場合分けを通じて、移ろいゆく民意は、民主党の大勝も大敗も望んでおらず、惜敗を経ての「民みん連立」を望んでいるのではなかろうかと分析しました。

結果は、惜敗というよりは大敗でした。万が一(?)みんなの党がごっそり与党議席に加算され、野党議席から減産されても、国民新党の非改選議席を考慮する以前に、僅かながら過半数に至らないという計算結果になります(離反、造反を考慮せず)。

日本海側を中心とする多くの一人区の結果は、民主党にとっては惜敗からは程遠い惨敗ですが、みんなの党と組んでもねじれを解消出来ないというのは、有権者にとっての惜敗なのかも知れません。

「選挙結果なんかは、翌朝のニュースで十分」という合理的な考えを敢えて捨てて、開票速報にチャンネルを回すのは、マスメディアの演出の巧みさなのか、嗜好品や博打と同じで依存症なのか、私も12時までは見ていました。数字上では≪ぎりぎり民主党とみんなの党の連立が無意味≫という最終結論が判明するまでの間も、両党の幹部は、「個別政策協議はあっても、連立は有り得ない」的表現を繰り返していた風景は、東京選挙区での共産党の小池さんとみんなの党の松田さんの激戦ぶりと相俟って視聴率の源泉だったようです。

無論、政治はハッタリと妥協の繰り返しでしょうから、一夜明けてどうなるかは予想だに出来ません。昨夜の時点では、自信満々のみん党幹部が、「自分たちの政策を丸飲みするなら」と高飛車に出るのは心情的にも判るし戦略的にも間違ってはいないのでしょう。

それにしても気になるのが、霞が関や郵政や地方分権など、民主党(すくなくとも菅首相への交代後の)と共同戦線が張れる分野が多いことを強調せずに、「根本が違う」ことを強調し、政策を呑めるかどうかの第一の試金石として日銀法改悪を真っ先に掲げるところは、単なる経済音痴なのか、改革者の仮面を被った「ばら撒き政党」という実態のせいなのか、ベンチャービジネスや外資系企業での成功者たち(の資産形成の手口)は所詮インフレ選好だからなのか、、、、、、兎に角、みんなの党を躍進させた熱狂たるは、表向き小さな政府を志向する革新政党が「中央銀行の貸借対照表を大きくしたくて堪らない」という急先鋒であるという醜い矛盾には全く気付いていないことを、この外国為替証拠金(FX)ブログとしては、指摘しておかざるを得ません。

つまり、民主党がみん党の政策を丸飲みしたとしても、円安。ねじれ国会の再現を食い止められなかったとしても、明らかに政治迷走で円安。

ということです。

勿論、政治迷走は、日本だけではありませんから、今日以降一切円高局面がないということは有り得ないでしょう。なので、慌てずにFXの準備をされたいかたら、コチラ!?

http://phxs.jp/

玄葉政調会長の『速報経過は「消費税よりも(霞が関改革や国会議員定数削減など)無駄削減を先に示せ』というのが民意だと解釈したい」という読解力センスに、一縷の望みを見た気がします。
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2010年7月9日金曜日

民主苦戦-参院選終盤の世論調査に思う

腐った鯛になってしまった小沢=鳩山の置き土産・・・

小沢幹事長(当時)との「刺し違い」により、政党支持率を盛り返せたのは、鳩山首相(当時)の超ファインプレー だと、去る6月3日にこのブログで書きました。棚から牡丹餅どころか、とれたてピチピチの鯛のような置き土産を、菅新総理。彼の消費税発言を、殆どのマスメディアも、そして恐らく国民も、愚かにも程があると断罪しているように見えますが、果たしてそうでしょうか?

代議制民主政治においては、投票行動が有権者の希望する政治や政策に簡単には結びつかないものです。その最たる例こそ、小沢=鳩山体制で、連立の相手として社民党と国民新党が選ばれてしまった直近の事案でしょう。二院制では、永遠にねじれが続くかも知れないエネロス体質の政界では、殆どの有権者にとって不条理な、選挙後の合従連衡については制御不能なのです。

わたしは、小沢=鳩山体制が、かくも脆く、かくも短命だった理由は、普天間問題や政治とカネの問題だけではないと思っています。普天間とは大いに関連しますが、数合わせのためだけに選ばれた連立相手が手枷足枷となり、昨年の衆院選時の有権者の投票行動の基盤であった民主党らしさへの選好や期待が見事に裏切られた点のほうがより重要です。

「腐っても鯛ですから・・・」と、みんなの党に「御裾分け」

民主党らしさを、今更ながらでも、一番引き出しうる連立相手は、やはりと言って良いものかどうか判りませんが、みんなの党ではないか。。。多くの有権者(特に都市部や若年層の有権者)だけでなく、菅総理そのひとも考えていたとしたら、首相交代時の置き土産(みんなの党に流れていた支持率が一挙に民主党に逆流した)を敢えて温存せずに、その半分以上をみんなの党に「御裾分け」してあげた「消費税発言」は計算通りの「国民新党への三行半」であった。そこまで考えるのは、菅総理の権謀術数を買いかぶり過ぎているでしょうか。

殆どのメディアが公表している参院選終盤の世論調査をさっと読むと、ざっくり、次の3つのような、非連続的な場合分けが出来るのではないか。すなわち、

①民主党を勝たせ過ぎても、国民新党と必ずしも手を切らないかも知れない、

②民主党を負けさせ過ぎると例の青鬼くん が出て来てしまう

青鬼くんは立派です。「静かにしていてね」と赤鬼くんに言われているにもかかわらず、「消費税発言のせいで選挙に負けるようなことがあったら、じっとしてないよ」と早速出しゃばり、あたかも約束を守っていないふりをしてくれている、、、

③民主党が適度に負けて、完全に埋没中の国民新党と組む意味がない程度となれば、みんなと党が連立相手にならざるを得ない。

百点満点とは言えない「民みん連合」だが・・・

みんなの党だって、どんなに躍進したって、単独過半数の政権を取れない以上、選挙後民主党とあっさり休戦して、「官僚叩きは自分たちに任せて下さい」という展開に、、、さすがに、善戦の自民と組むことは自己否定となってしまうから有り得ないだろうという前提、、、

繰り返し、菅総理の手練手管については買いかぶり過ぎかも知れませんが、いっぽうで、圧勝確実だった昨年の衆院選の直前に、敢えて民主党を飛び出し、みんなの党に合流した浅尾慶一郎さんのような代議士もいたことを付言したいと思います。彼にあったのは、勇気だけではなくて、先を見通す力だったのかも知れません。

無駄に大きな政府をいよいよ何とかしないといけないというは、私だけでなく、このブログの読者全員が日々考えていらっしゃることだと思います。ただし、それでも、「民みん連合」が百点満点の政治をするとは思っておりません。「デフレの元凶は日銀にある」という主張で凝り固まっているみんなの党の幹部の皆さんには、もう一度良く経済学を勉強してもらいたい(少なくとも謙虚に日銀総裁のレクチャーを聞くべき)だと思います。
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2010年7月7日水曜日

東京駅のエキナカに欲しかった「止まり木」

フェニックス証券のある東京駅の八重洲北口に、朝も昼も晩も食事が楽しめるカフェが誕生しました。大丸東京店の1階の、いつ見ても長蛇の列がバームクーヘンを求めている「ねんりん家」すぐ横(※)に出来たスィーツ&カフェの名前はPERCHOIR(ペルショワール) 。フランス語で「止まり木」という意味だそうです。

(※)タイトルにエキナカと書きましたが、正確に言えば、改札の外なので、(グランスタのように狭義の)エキナカではありません。

店のオープンは昨日ですが、ホームページは私が確認したところによれば本日七夕。

http://www.perchoir.jp/whatsnew.html

ウェブのほうは、まだまだ工事中の箇所がいくつかあるようですが、現実の店は100%開店稼働しており、初日から賑わっています。早速私も、打ち合わせと急ぎのランチに使いましたが、使い勝手の良さに嬉しくなるわ、周りから「美味しい、美味しい」の声が聞こえてくるわ、出だしのテンションは絶好調のようです。

ウェブに拘るFX会社の社長としては、出来たてのホヤホヤのトップページ

http://www.perchoir.jp/index.html

の導入部分のアニメーションの素晴らしいセンスに感動。そのウェブデザイナーさんたちと同様、PERCHOR(ペルショワール)のコラボレーターのうちのおひとり写真家の坂本泰士(サカモトタイシ)さんと邂逅。私にとって写真と言えば、何よりもDAYS JAPANと「チェルノブイリ子ども基金」の広河隆一さんなのですが、社会の底辺を支える生身の人間を写すことを軸にしている坂本泰士さんはもちろん広河隆一さんのことを御存知だという話になり、カフェで大いに盛り上がりました。

返す返すも世間は狭いです。

あまりに混雑すると、私は困るのですが、場所はコチラです。
http://www.perchoir.jp/access.html

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2010年7月6日火曜日

社会保障と経済成長は二者択一ではない

もう17年前のことになります。社会人5年目を迎えた1993年4月、日本興業銀行(当時、現在はみずほグループ)の総合企画部に配属され、人生初の東京生活を始めて1週間。週末、独身寮に住む同期にこう語ったことを覚えています。「たった1週間だが、この会社は老い先短いと確信した。会社を変えることが出来るとすれば、それは役員でもなければ、残念ながら総合企画部でもない。株主(総会)か労働組合しかないだろう」と。

ご覧の通り、形骸化した株主総会にも、御用組合の典型である労組にも、期待できる筈がなく、今日の姿を迎えているわけです。

現在では製造業を含む殆どの大企業が正社員と非正規従業員の理不尽な対立を孕んでいるなかで、もの言わぬ株主と、もの言わぬ非正規従業員の双方から既得権益を収奪し続けようとしているのが企業別労働組合です。当時の銀行は、良きにつけ悪しきにつけ、正規非正規の対立はなく、全員が幹部候補生という稀有な組織でした。組織化率が異例に高い御用組合にも、造反有理の一縷の望みはあったと思ったものでありました。

昨夜のブログ
消費税より前に重要な争点がある「日銀党宣言」
に掲載させていただいた日銀論文
北欧にみる成長補完型セーフティネット~労働市場の柔軟性を高める社会保障政策~
を読むと、常識的には資本の論理(株主の論理)と矛盾対立すると思われる労働組合というものが、目標設定次第では、雇用の促進と成長の促進という一石二鳥をドライブしうることがおわかりいただけます。

格差、経済成長、財政規律、、、これらを全問正解することは政治にとってたいへんな難問であることは間違いないでしょうが、ただいまの日本は何ともはや全問不正解という稀有な状態に落ち込んでいるわけです。この理由も、上記論文で淡々と説明されています。

ひとつだけ取り上げると、「生涯教育」の在り方が全く違うということ。北欧では産業別労働組合が運営する職業訓練、技能訓練であるが、日本では余暇を持て余す人達向けの趣味に費やされ(全国各地に「よくもまあこんなに建設したな・・・」と呆れるほどの量と質の「公民館」で、義理でもなければ聴きに行きたいと誰も思わないような素人演芸会が日夜行なわれている)。後期高齢者医療制度を批判する前に、やることが一杯あったのです。
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2010年7月5日月曜日

消費税より前に重要な争点がある「日銀党宣言」

政治や政策を論ずるときに、日本銀行の話題が出ていれば、その殆どが、金融緩和政策の不徹底(含むインフレ目標を設定しないこと)への批判であると思われます。与党野党を問わず(革新系のごくわずかな代議士を除き)不景気打開の隘路を日銀の不作為に求めるのは常習化しているのであります。

かくして、財政再建と経済成長を両立することは、菅直人首相の言う通り、難問題であることは確かです。選挙前のタブーとして定着している消費税問題を敢えて争点にした、内閣支持率再び急落中の同氏の清々しさに一票を投じたい気持ちはあります。

さはさりながら、消費税云々以前に重要な争点があることを、実にその日銀が先刻アップした論文は示しています。

北欧にみる成長補完型セーフティネット~労働市場の柔軟性を高める社会保障政策~

本文は長いですが、どうか冒頭の要約と、後半のグラフィックだけでも御一瞥下さい。この国の不幸が、主として大企業や官僚機構の(本質的には持続不能であることを自他ともに認めている)終身雇用と年功序列、それらの既得権益を無理矢理支える企業別労働組合と労働法制(含む解雇法制における重要な判例)であることがおわかりいただけます。

七転び八起きブログで繰り返し主張してきたこの争点ですが、この国の更に不幸な点は、この既得権益を本気で打破しようとしている政治家が、私の知る限り、二大政党にも第三極の諸派にも伝統的革新野党にもいらっしゃらないことです。
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