2013年3月13日水曜日

Trader's Bar、来週開店

バーはバーでも乃木坂のワインバーではありません>゜))彡

ヴィレッジはヴィレッジでも、乃木坂のおとなの隠れ家イタリアン(わけあってフランス語読みの「ヴィラージュ」を名乗っています)ではありません(●^o^●)

東京・大手町に新しく出来た「東京金融ビレッジ」
http://www.fine-tokyo.com/
に、一晩限り営業する市場関係者だけが集うTrader's Barに、光栄にも参加させてもらいました。

昨夜収録が無事終了、その様子は、

<日経CNBCでの放送>
3月22日(金)21時~21時30分初回放送
同日23時~
23日(土)10時~
24日(日)18時~


プラス、予定では3月25日(月)からNIKKEI CHANNELという日本経済新聞社の映像サイトで視聴可能だそうです
http://channel.nikkei.co.jp/

わたくしは、イスラエルの国情のことを聞かれるかと思っていたところ、アメリカ経済の今後という質問が飛んできて、ハイボール見立てのウーロン茶を片手に、喋らせてもらいました。参加者多数で30分番組ゆえ、どの程度編集されているかわかりませんが、機会がありましたら、御覧ください。

この番組を通じて、また多くの個性的な市場関係者の方々と再会を果たし、出会うことが出来ました。重ね重ね、日経CNBCさんに感謝です。

本業であるはずのわたくし顔負けのバーテンダーを見事に演じられていた、小川まどかさん、岡村友哉さん、お疲れ様でした&ぶらあヴぉ。


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2013年3月5日火曜日

行動ファイナンスは面白い

たとえば、イチローとか落合博満のような打者が、前の打席までで既に3打数3安打で迎えた第4打席、多くの野球解説者は「きょうは特に当たってますからねぇ。うちとられる確率は低いでしょうね。敬遠でしょう」とコメントするでしょう。いっぽうこのような実績のある打者が3打数無安打で迎えた第4打席だったらどうでしょう。「そろそろヒットが出てもおかしくないですね。ピッチャーもそのように不安に感じるものです」というコメントも良く聞かれます。

サイコロに代表されるように、一投毎の試行が独立の事象と考えられる場合には、上記のような野球解説者のコメントはナンセンスとなります。野球の場合は、一打席ごとが独立事象とは考えられません。その日の体調が全打席までの結果に現れていることとか、先発投手との相性や、先発投手が早々に降板して敗戦処理級の投手が次々と打たれている等々の試合展開とか、前打席までヒットが(何本か)出ていればプレッシャーが減るとか自信が増すとか、いろいろと複雑な事情が含まれるので、野球解説者の薀蓄話を楽しむ余地があるというものです。

行動ファイナンスという学問が照準を当てているのはたとえばこういう現象です。さきほどのサイコロで、「6」が続けて3回も出た(この時点で確率0.46%)のだが、更に4回目に「6」が出る確率が、なんだか過去3回さまざま出鱈目な数字が出たのだが(「1」「4」「3」とか、「6」「5」「2」とか)、次の4回目に「6」が出る確率より低いように思えてしまうのが人情だが、これは合理的ではない。えてして人間というものは合理的に物事を考えられないことがあるのだと説いているわけです。

問題は、これを相場とか投資に当て嵌めようとしてみた場合どうなのか、ということです。1分か、1時間か、1日か、どれでも良いのですが、どれかの単位区間で、例えばユーロドルの相場が、「下落」「下落」「下落」と続いた場合に、次の区間が「上昇」となるか「下落」となるか、半々の確率と言えるのかどうか??言えたとして、それは我々人間の直感とずれていないかどうか???もしもずれていたら、売買を機械化・自動化することで直感を修正するメリットを投資の成果として回収できるかどうか????これが課題です。

☆☆☆☆

実は、直前の記事でご報告した慶応義塾大学の特別授業にわたくしを招聘してくださったのは、わたくしが以前に務めた会社の同僚で、同大学院経営管理研究科(ビジネススクール)林高樹教授でして、彼の専門分野こそ、わたくしが行った授業のないようとはあまり関係のない、この行動ファイナンス、、、より厳密には「意思決定分析」なのです。

より具体的に他己紹介させてもらえれば、「高頻度データを金融意思決定(リスク管理やトレーディング)に活用する(ための統計的方法論の研究開発および実証研究」をなさっているのです。

これは、まさしく、アヴァトレードジャパン代表取締役としてのわたくしのビジネスパートナーの皆さまがありとあらゆる形でやってくださっていることです。

わたしは、自動売買のプログラムを開発したりそれを販売したりする立ち位置の方々のほかに、アカデミックな研究課題として、ややもすればちょっと生臭く感じてしまいがちなオカネの話に取り組んでいらっしゃる林教授といっしょに、システムトレードがどういう意味において裁量トレードよりも優位であって、したがってシステムトレードの普及によって投資分野におけるプロとアマの垣根の開放、投資の民主化みたいなものが出来ればと、特別講義の前後に雑談し大いに盛り上がったところでした。
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2013年3月4日月曜日

酸っぱいプレゼンテーション

何かと批判の多い日本放送協会と日本銀行ですが、臍曲がりのわたくしとしては理屈の通る限り精一杯弁護してきたつもりがこのブログでした。

一方で、海外のメディアと日本のメディアとで、ニュースの扱い方がどのように違うかに注目してもきました。

ニュースの優先順位や報道の切り口が違うのは当たり前。土曜日の正午のNHKニュースで、北海道の暴風雪の被害状況を一番に報じていたのは至極妥当だと思うのです。しかし、わたくしが注目していたのは、日本時間の当日午前中、英国放送協会や米国ケーブルニュースネットワークあたりは、毎時報道していた「米国議会が8兆円相当の財政削減を決定するか覆すか?」という緊迫した状況で、その期限が日本時間の午前11時に迫っていて、議論が暗礁に乗りあげていた挙句の果てに、オバマ大統領が共和党議員団に妥協する形で、財政支出削減が決定したと臨時ニュースで大々的に報ずるに至るなか、果たしてNHKはこれを何番目にどの程度の重みで伝えるだろうかということでした。

答えは、取り扱い無し。暴風雪のあとは、吉祥寺の殺人事件、陸前高田の奇跡の一本松。そして毎度お決まりの誰も注目していない地方の朗らかな話題、で終了です。

日曜日のサンデースポーツも、事前にサッカー中心に番組が組まれてしまっていたのがかえって悪かったのかも知れませんが、どう考えても香川真司のハットトリックをトップで伝えるべきところ、J2の試合からはじまって、J1も開幕しましたねぇ、という流れ。

それでもわたしは言いたいのは、空気を読めないのは、国営機関にとって強みでもある一面があるということです。

最近のNHKで注目しているのは、米国TEDで行われているスピーチを題材にした「スーパープレゼンテーション」という教育テレビの番組。

http://www.nhk.or.jp/superpresentation/

TEDにリアルで参加するには高額の入会金が必要らしいですが、ネットでスピーチを聞いて、ものによってはスクリプトを読んだり、日本語訳を読んだり、更に多機能に対応しているコンテンツもあり、これらが無料で提供されているわけですから、英語の教材と見るだけでも、たいへんな時代になったものだなぁと感心してしまいます。

http://www.ted.com/

そこで、日本語ではありますが、わたくしも先週、既報のとおり、慶応義塾大学のビジネススクールで酸っぱいプレゼンテーションをしてきたという話です。こちらもまた高額の授業料を払って、また社会人入学の大学院生のほとんどは会社を辞めてコースに来ているという気合のはいった人達を前に話をするので、こちらも気合負けをしてはいられません。と同時に、そのような状況ゆえ、話の内容を詳しく網羅してお伝えすることはできません。

ひとつだけ、ビジネススクールらしいやりとりを申し上げたいと思います。教室設例ならぬ本当にあった話で、「大王製紙の二代目社長がマカオのカジノで大損して会社の純資産を毀損させた」事例を踏まえて、「これは大王製紙が、オーナー系企業であるにもかかわらず公開会社になってしまっていて、少数株主が(市場を通じて)存在するので、そのひとたちの利害を蔑ろにしえいるから悪いのであって、非公開会社のままで、大損した経営者(一族)が100%株式を持っていたままであれば、これは悪いことではない。公私混同ではない。」とわたしは思うが反対意見はありますか???

という質問でした。

質問や意見がちゃんと飛び交うところも、慶応義塾大学のビジネススクールの実に良いところだと思いました。

わたくしは、債権者が居なければ、かつ会社法上許される範囲であれば、株主=経営者の場合、株主がタコ配だろうとなんだろうと純資産を幾ら払いだしても問題はないというのが答えだと思っているので、大王製紙の事例も、少数株主との利害相反に問題は帰すと考えています。読者のみなさんの意見はいかがでしょうか?

・・・この話、続く。

2013年2月26日火曜日

イタリア危機でまさかの円高

日々相場と格闘されている皆さんからは、ヒートアップし過ぎていた円安株高を小休止させるためのガス抜き材料が欲しくてたまらなかったので、イタリア総選挙の結果が人身御供とされたとの冷静な分析も聞こえてきます。

何とか辻褄を合わせようとしても、単独与党が存在し得ないというニュースだけでは納得が行きません。日本もアメリカもねじれ国会はあたりまえ。それだけで自国通貨安の材料にされるというのは違和感があります。

統一通貨ユーロの初心を守るために、国民の人気を犠牲にしてでも、財政緊縮を政策に掲げてきたモンティ派の大幅な後退にこそ理屈を求めるべきでしょう。

それにしても、ユーロの急落と株価の急落、そして危険指数として認知を得てきているVIX指数の急上昇を見るに、今回のイタリア・ショックが、過去のドバイ・ショックやサブプライム・ショック並のマグニチュードがあるというのは違和感があります。

ドバイの場合のドバイワールドや、サブプライムの場合の、BNPパリバやベア・スターンズは、定義上債務危機であって、想定外の支払不能事由からシステミックに蔓延した信用不安によってもたらされるものです。今回のイタリアを同類にするのはかわいそうな気がします。

本件を過熱相場のガス抜きの一言で片付けてもあまり問題はないのですが、敢えて付け加えると、アベノミクスが可能な日本とそうではない(金融政策の独立性を奪われている)ユーロ圏諸国(のひとつであるイタリア)の差が出たという点かと思われます。

実際に、ドバイの状況というのは、2009年のドバイ・ショック以降、あまり日本語メディアでは語られて来ませんでした。いろいろあって、現在のドバイは、なぜかほとぼりが覚めて、リーマン・ショック前のような、平均的な日本人が観察すると「バブっているんじゃない」と思えるような風景なのです。一方で貧困や格差の問題はあり、それも昔のままです。何が言いたいかというと、ドバイ・ショックもまたアラブ首長国連邦版のアベノミクスによって、誤魔化され、治癒されたのであります。

スペインのデモの激化も然り、ユーロ圏諸国で、緊縮財政で強いヨーロッパをもう一度というのはたいへんなウルトラCなのです。


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