2012年7月27日金曜日

ハッキリと物事をいうこと

「あなたは脱原発ですか?それとも原発推進派ですか??」

「消費税増税に反対ですか?賛成ですか??」

些か、懐かしいのが、、、

「郵政民営化に反対ですか?賛成ですか??」

新聞、テレビなどのマスメディアから、ブログやツイッターなどのインターネット系ソーシャルメディアへと、媒体の移転に歯止めが掛からないのに、既存メディアの高給取りたちは、少しでも空洞化を阻止しようと悪あがきをして止みません。

視聴率を死守したい報道番組という名のワイドショーは、素人へのわかりやすさや単細胞的な熱狂、パンチだけを効かせたコンテンツ、言説の先鋭化を売り物にしており、その傾向は既存メディアの退潮とともに悪化の一途を辿っています。

つまり、司会者も専門家らしいパネラーも、YesかNoかをハッキリいうタイプの下品な人物がより好まれるというわけです。

だから、旧態依然のマスメディアが駄目で、インターネット系ソーシャルメディアが良いのだと言っているわけでは全然ありません。たぶん、インターネット環境で好まれる(ページビュー数を稼ぐ)コンテンツ、、、カリスマブロガーやカリスマツィッターというのは、複雑な世相を複雑なまま提供していたのでは商売上がったれであって、物の見方を単純に切り捨てて、敢えてイエスノー世論に迎合して成功を収めているものと思われます。

既存メディアは、単純で短小な言説を売り物に出来るインターネットにより一層対抗しなければ生き残れないので、上記ロジックで、低俗化を極めていかなければならないのであります。

ハッキリと物事をいうことが美徳とは決して言えません。

象牙の塔と揶揄される学術的な言説のなかには、ハッキリとは物事を断じない美学があります。

きょうは、原発の分野でもなく、消費税の分野でもなく、オスプレイや普天間の話でもなく、何故かブログの原点に立ち返り、デリバティブ問題について、優れた言説(物の見方を網羅している・公平で客観的である・本質をついている)をふたつご紹介します。

ひとつは、もう10年以上も前に出た
「金融デリバティブ取引と賭博罪に関する論点整理」
http://www.flb.gr.jp/jdoc/publication05-j.pdf


もうひとつは、昨日付けの白川日銀総裁の講演内容
「先物取引市場と業界の課題」
http://www.boj.or.jp/announcements/press/koen_2012/data/ko120726a.pdf

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2012年7月10日火曜日

7/14(土)~16(月・祝)の営業時間ごあんない【乃木坂ヴィラージュ通信】

おかげさまで、乃木坂ヴィラージュも、完全リニューアルオープンから3ヶ月、無事に続けることができております。大勢のお客さまにご支援していただいているおかげです。ブログ上にて恐縮ですが、ほんとうにありがとうございます。

さてさて、梅雨明け宣言があったのかなかったのか知らないくらい、無我夢中でお酌をしている毎日ですが、青空を見上げれば、どう考えても夏本番の、昨日今日の東京ですね。

今週末の三連休ですが、ほとんど通常どおりの営業時間とさせていただくことに致しました。

7/14(土)ランチなし、ディナー18:00~22:00ラストオーダー

7/15(日)お休みをいただきます

※7/16(月・祝)ランチ11:30~14:00(※ディナーまでの間もカフェ営業)ディナー18:00~22:00ラストオーダー


そして、わたくし、呑むリエひろしは、7/16(月・祝)昼夜ベタで出勤いたします。

休日でもありますし、ランチタイムからグラスワインのご提供をさせていただきます(平日ご提供していないわけではありませんので念のため・・・あれっ)。

それとは別に、7/16(月・祝)だけの、

「イタリアワイン 4種類 利き酒セット 1000円ぽっきり」


というのをご用意いたします(次回は8月のお盆の前後に実施予定)。



イタリアワインは地域性が強い地ぶどうから作られる個性が売り。暑さ本番のこの季節にピッタリの爽やかでフルーティな白ワイン2種類、スパイシーだが決して重過ぎない赤ワイン2種類をご用意しています。

カフェ営業時間でも、パルマ産生ハムやピクルス、サラダ、バーニャカウダ、などなどご用意いたします。

さらにさらに、ゴールデンウィーク期間中大好評だった(?)、国立新美術館のチケット半券お持ちの方に、グラススパークリングをご奉仕⇒7/16(月・祝)も、終日実施させていただきます。





エルミタージュ美術館展、たいへんな混雑が予想されますが、なんとこの日が最終日。展覧会会場で、近現代ヨーロッパの時空を彷徨っていただいたあと、乃木坂ヴィラージュにてイタリアを田舎から田舎へと旅していただければと思います。 


※隠れ家イタリアン「乃木坂ヴィラージュ」は千代田線乃木坂駅3番出口から徒歩1分です。
※エルミタージュ美術館展の会場となっている国立新美術館へは、同じく千代田線乃木坂駅の6番出口が地下鉄直結で便利ですが、お帰りの際は「星条旗通り」側の「正門」から外苑東通りを目指して、左折し、乃木公園を目指してください。「乃木坂ヴィラージュ」は下記の地図の乃木坂駅(現在閉鎖中の)4番出口の印のところにあります。
http://www.nact.jp/information/access.html

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2012年6月15日金曜日

嬉しかったこと

読者のみなさま、たいへんご無沙汰をしてしまいました。

この間、欧州情勢など、何もなかったわけではありません。それでも、ブログを更新しなかった理由は幾つかあります。

そのうちのひとつが、新しいニュースのように見えて、実は新しくもないニュースが繰り返された数ヶ月であったこと、です。

実は、昨夜うれしいことがありました。二人連れのお客さま、三名様のビジネスの会合、八名様の若き団体様、などなどに混じって、おひとりで乃木坂ヴィラージュにお越しくださったお客さま。カウンター席で、美味しそうにボンゴレビアンコを食事されている姿を見て、3ヶ月前に、八重洲でやらせていただいたセミナーに参加され、そのあとの居酒屋での懇親会でも、一番語り合った、というかほぼ一方的に教えていただいた、日本語完璧な中国料理店経営者の方です(お店は相模原と麻布十番)。

「ようこそ、お越しくださいました。外食産業を成功されてきたプロの目から、是非是非、苦言提言をお聞きしたいです。」

わたしのなかでは、改善点は幾つもあるのです。謙遜では全くなく、具体的に修正中、実行中なのであります。

「苦言提言??何もない。敢えて言えば、この味、この食材、このサービスと雰囲気からしたら、ひとりあたり2000円以上安すぎるよ!!」

というありがたいお言葉でした。

実は嬉しかったのは、それだけではありません。3ヶ月前のセミナーでは、ネット上で半分炎上して物議を醸したマネーポストの取材記事をテキストにして、「欧州危機は小康状態を保てない。雇用情勢の悪さ、特に失業率の絶対水準だけでなく、若年失業率に相対的悪さこと、、、日本も他人事ではない、、、ヨーロッパ社会の病理なのだが、これを敢えて規制緩和で荒療治するという気概は政治家にも一般大衆にもない。よって、破綻懸念国の緊縮策は選挙民の信任を得られず、ギリシャのユーロ圏離脱など、通貨ユーロのマイナス材料が強まる」というお話をしたのですが、それが丸切り当たってしまったことで、握手を求められたのです。

包丁一本で異国日本にお越しになり、ゼロから中国料理屋を立ち上げ成功させたその腕と気合には、人間一人の力では如何ともし難い景気や相場への鋭い関心が満ち溢れています。これまで、いろいろな形で、相場を語り、相場を外してきてしまいましたが、所詮当たるも八卦、当たらぬも八卦の話で、これほどの手応えを感じたのははじめてのことでした。

さて、これから先はどうか?
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2012年4月17日火曜日

出会い系サラリーマン金融「貸し出し倶楽部」

「出会い系」という翻訳が的確かどうかは読者のみなさまの判断にお任せいたします。

栄光と挫折、失脚と復帰を繰り返した経営者と言えば、真っ先に、昨年亡くなったアップルの創業者スティーブ・ジョブズを思い出します。

虚業、いや失礼、金融の世界にも、そういう立派な経営者がいます。かつての私の上司の上司の・・・上司で、このブログでもリーマン・ショック前後に取り上げてきたジョン・マック氏こそそのひとです。

リーマン破綻への専門家コメント集

カインの末裔であってはならないモルガン家

モルガン・スタンレーのCEOを二度も辞めたマック・ザ・ナイフが、最近次々と社外重役のポジションを積み重ねている(KKR、CIC)なか、今回ボード入りが決まったのがレンディングクラブというピア・ツー・ピア・レンダーの大手です。

ピア・ツー・ピア(P2P)は、普通は、ネットワーク(パソコン絡みや通信絡み)で使われる言葉で、荒っぽい言い方をするとクライアント-サーバー方式ではない、つまり端末と端末の間にサーバーが介在しない(端末にIPアドレスが付されない、ホストにURLが付されないなど)ものです。

常識的には、あって当然の、サーバーを廃して、クライアント同士が直接、金銭の貸し借りを取り決めるということで、ピア・ツー・ピア レンディングが従来型金融業を創造的に破壊するかどうかが注目ポイントとなります。

ジョン・マック氏が何故このビジネスを選んだのか、FT紙の記事の原文がコチラですが、

記事のなかで、わたくしが個人的に面白いと思ったポイントは、

☆レンディング・クラブ社のシステムはサンガード社が動かしている(証券取引所接続システムの世界的な大手)

☆P2P貸金業の発祥は英国(2005年)だが、ヨーロッパでは伝統的銀行業の勢力を脅かしていない。

☆米国では2006年にプロスパー社が事業を立ち上げ、次いでこのレンディングクラブが2007年に事業を開始した(両社を合わせた貸金残高は現状10億㌦程度)。

ヨーロッパと違ってノンバンクの存在が小さくなかった米国では、リーマンショック以降、中小金融機関の倒産が相次ぎ、また大銀行の経営再建も思うように進んでいないなかで、P2Pの拡大余地は比較的大きいかも知れません(他の成長市場の候補として、中国、ドイツ)。

ジョン・マックを社外取締役として向かい入れた同僚役員が、彼の経営能力を”inspirational leadership”と称賛しています。これは何と訳せばよいのでしょう。そしてそれは落合博満型でしょうか?長嶋茂雄型でしょうか?

ただし、記事の締めくくりの一言「毎日はゴルフをやっていたくないから」というのには失笑します。
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