“アヴァ”ノミクスで日本を取り戻す
と言わせていただいております。
思えば入社して間もないおよそ二年ほどまえ、このキャッチコピーを意思決定するのにずいぶんと手間取り、手間取っているあいだに、もともとのアベノミクスが終わってしまいはしないかとドキドキしていたものでした。
ところがどっこい、アベノミクスというBUZZWORDは流行語大賞を連覇してしまいそうな勢いですらあります。
それは、
(農協、医療、労務などの岩盤規制改革という)三本目の矢がなかなか飛ばないからなのか?
それとも、
黒田バズーカ砲による金融緩和が、驚きをもって市場に迎えられたからか??
ついでに、
(誰のためかいまだによくわらかない)衆議院解散総選挙が、驚きをもって野党に迎えられたからか???
理由はともかく、アベノミクスという用語の寿命は、当初誰もが予測していたよりも長くなっていて、まもなく、レーガノミクスに追いついてしまうのではないかと思われます。
ここで残念なお知らせですが、レーガノミクスに追いついてしまいそうなのは、アベノミクスという用語だけではない点を指摘しないわけにはまいりません。
まずは、直近のニュースで、
家計貯蓄率、初のマイナス 貯金崩し所得上回る消費
(12/25付 日本経済新聞)
これには、お前が言うなと言いたくなりそうな「ロシアの声」というラジオメディアの追随記事がございます。
(12/28付 ロシアの声(ラジオ))
これは極端にしても、あの勤勉国だった日本が何故ここまで落ちぶれたのか!?という反応は、日本国内よりも海外でのほうがセンセーショナルだと感じられるのは、年間の経常収支が29年ぶりに赤字に陥ったことを(担当キャスターの強烈なキャラもこれありで)大げさに扱っていた英国国営放送の国際放送を彷彿とさせます
ここで年間というのは暦年であって日本の会計年度ではありません。その後は、石油価格の急落もあって、経常収支ベースでは若干の改善が見られています。ただし貿易赤字ベースではまだまだ恒常的な赤字です。詳しくはこちら。
(時事通信)
そして最後に、言うまでもなく、財政は赤字であるわけですから、今日の日本は、上から順番に言うと、
家計
貿易(+貿易外+移転)
財政
これらみっつがすべて赤字に陥ってしまっている。つまり、日米貿易摩擦の問題で、日本製の自動車がデトロイトで工場労働者に打ち壊しに遭っていたころ(プラザ合意前)の米国と同じようなマクロ指標になっているということです。
ついでですので、レーガノミックスと違う点にも触れておくと、自国通貨を引き上げる政策(レーガノミクス)と自国通貨を引き下げる政策(アベノミクス)、、、これは見た目にもわかりやすい違い、というよりは真逆であります。
もうちょっと言うと、わたくしも決してアベノミクス・ウォッチャーではないし、ほんとうは年末を締めくくるにあたって、人気のあるアベノミクスの話題よりも、その影で実は今年より重要だったと思っているロシア・ルーブルやビットコインと言った
《通貨の安定性とは何か?》
《通貨(=為替)の適正価値はどこにあるのか?》
という問題を掘り下げたかったのですが、、、そしてアベノミクスの政策担当者に直接聞けるほどの人脈もセレブリティもないのですが、、、おそらくたぶん、マクロ経済政策としては、アベノミクスは総需要政策であり、レーガノミクスは総供給政策(を意図していた)のではないかと思われるところが、見た目ではわかりづらい違いということになるでしょうか。
ところで、わたくしのブログの左上のほうにある《検索窓》に、わたくしの数学(線形代数)の恩師である塩沢由典先生のなまえを入力して検索ボタンを押していただくと、関連する過去の記事がドドドッと出て参ります。わたくしは、ほんとうにこれらは自分が過去に書いたのか信じられないほど、内容が深くて、よく書けていると自画自賛したくなるものばかりです。それだけわたくしが以前の会社ではちゃんと仕事をしていなかったことを露呈しています。それはともかく、このブログがご縁で、というのもまた、インターネットの時代、ソーシャルメディアの時代であったればこそだと微笑ましく思えるのですが、塩沢由典先生からお声がけをいただき、勉強会に参加し、きょうのブログで触れようと思って触れなかったロシア・ルーブルやビットコインを切り口とした為替決定のメカニズムについて相対市場の現場からという溝板的アプローチでプレゼンテーションをさせていただくことになりました。正月返上で勉強してみたいと思っております。
みなさまもどうぞ良いお年をお迎えください。
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