2013年2月24日日曜日

FX酒場とはちょっと違う乃木坂ヴィラージュ

まもなく開業1週年を迎えるおとなの隠れ家イタリアン乃木坂ヴィラージュ。初めてお越しくださるお客様の多くから隠れ家過ぎて道に迷ったとご指摘を受けっぱなし。そんな場所の悪さにもかかわらず常連のお客様を中心に大いに盛り立ててくださり無事一年やって来られたのはほんとうに皆様のお陰です。

とくに、ここ数ヶ月は、外国為替証拠金(FX)取引の業界やその周辺の業界のお客様からどんどん気に入ってもらっています。単純に考えると、アベノミクスのお陰なのかなと思ってしまいますが、株価が上がらなければ敷居を跨げないような怖い店では決してありません(笑)。

また、おカネの話が飛び交う下品な店でもありません(爆笑)。どこぞの「FX酒場」のように、お店で、文字通り(!)店頭取引なるバイナリーオプションを開帳しているわけでも当然ありません(爆沈)。

外食産業とFX業界。ひとつだけ似ているのは、生存競争が驚くほど厳しいということです。ですが、創造的破壊を含めた変化の速さ、相場だけでなく規制についても先が読めないゲームの難しさ、運不運や浮き沈みの激しさでは、外食産業にそれらがないわけではないですが、FX業界は極端であり、業界または周辺業界で一匹狼で全身全霊経営をしてきた方々ほど、その辛さを感じて来られたと想像するのです。

そんな21世紀版企業戦士にとって、安らぎとくつろぎの場になっているのであれば、オーナー呑むリエとしては本望です。

バイナリー、、、規制、、、と気になる言葉が並んでしまいましたが、わたくしたちだけでなくお客様である投資家にとって、金融商品取引法は憲法のような存在です。アベノミクスの次には規制緩和と憲法改正の議論が予想される今日このごろ。日本の強みは平和を独占できたことだったとも考えられることから、憲法改正には慎重でなければなりません。

しかし、日本国憲法に比べて大日本帝国憲法が好戦的憲法だったから良くなかったという決めつけはもう古すぎる見方でしょう。泥沼の戦争に導いたのが天皇個人であるとか旧憲法のせいであるというのは事実錯誤も甚だしく、国として反省すべきは、国民自体でありまた敢えて言えばマスコミでしょう。

ただ、旧憲法の欠点として看過できないのは「法律の留保」、すなわち「憲法で認められているはずの人権が下位の法律で制約される」ことを認めてしまっていたということです。ここを覆した現憲法はこの点優れているのです。

それでも私権は公共の福祉に従うのであり、それが立法府で制定されたものであれば、まだ問題は小さいです。

わたしが問題としたいのは、わたしたちの金融商品取引法は立派な憲法だし、それ自体をいい加減な先入観でもって規制強化だと騒いでいたひとたちは不勉強だと思っているのですが、法律の留保どころか行政の留保、つまり政令・府令~行政裁量では、法の精神も法の支配もあったものではありません。

金融業界に限らず、どの産業も、国際競争のなかで生き残り、できれば諸外国から有力な投資家や有能な人材が集まってくるような産業にするためには、合理的な範囲での規制とその透明性の確保が一番有意義で、それさえあれば決して重商主義的政策は不必要なのです。新たな規則の制定や法律の解釈適応が裁量的にされてしまっているフィールドにはプレーヤーは集まってこないのです。


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2013年2月20日水曜日

税金のように重く伸し掛かる社会保険料

年金問題、少子高齢化、100年安心、消費税増税、、、、いささか聞き飽きた議論のようにも聞こえます。

アベノミクスで薄明かりが見えたかと期待したい今日このごろ、しかし暗いニュースもあります。


貿易赤字最大1兆6294億円 1月、円安で膨らむ



朝日新聞の主成分分析が正しいかどうかはなんとも言えませんが、もしそうだとすると、昔懐かしい日米貿易摩擦の時代のJカーブ効果です。

きょうの本題はそれとは別で、社会保険の問題です。


協会けんぽ、全都道府県で保険料率維持



産経新聞の記事ですが、すでに先週末に日経新聞で既報のとおりとなりました。最近はじめて協会けんぽのお世話になることが決まったわたくしとしては個人的にうれしいかぎりで、安倍政権に感謝しています。

それでも、これまで(協会けんぽのホームページ上でデータがとれる4年間)の保険料率(これを更に被保険者と雇用主とで折半※)の上昇ペースにはうんざりさせられます。

全国平均からするとややましな東京都の例をとると、

8.18%(2009年度)⇒9.32%(2010年度)⇒9.48%(2011年度)⇒9.94%(2012年度)

・・・わたくしは、何から何まで民主党政権が悪かったとは言いませんけど、野党時代の後期高齢者医療制度の導入の邪魔をしたことは万死に値すると思いました。

個人的には、これまで約12年ほどお世話になったのが、東証健保という組合けんぽです。これはまた得意な存在で、リーマンショックまでは、全国のあらゆる健保組合のなかでも最優等生でした。やはりここ4~5年の保険料率の上昇は極端ですが、証券外務員の高齢化よりもむしろ、外務員の絶対数の減少(過去20年で約半分に、リーマンショック直前比で約2割減)、外資系の日本からの撤退等による給与の減少(総額も平均も)など、日本の社会保険制度が抱えるストレスとはまた別のストレスが存在していることが特徴的です。

協会けんぽのホームページには「日本が世界に誇る国民皆保険・・・」という件(くだり)があります。それはよくわかるのですが、年金だけでなく医療についても大胆な改革がなされなければ、歓迎すべき円安が歓迎されない円安に変質してしまいます。もうちょっと時間は残されていますが・・・

(※)ひとくちに折半と言っても、協会けんぽと東証健保とでは、雇用主の負担割合が全然違うのです。なぜでしょう???


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2013年2月14日木曜日

ジョージ・ソロス氏、アベノミクスで10億㌦を稼ぐ

またしてもソロス氏か。。。。いま出たウォール・ストリート・ジャーナルの「号外」によれば、1992年のポンド危機でのポンド売りによる荒稼ぎで有名なショージ・ソロス氏のファンドが、昨年11月以降の歴史的速度での円安で10億㌦相当を稼ぎだしたとのこと。

ほかにも、知る人ぞ知るファンドマネージャーが巨額の利益を出したと報じています。

ようやく今頃になって、通貨戦争という言葉が出始めた状況です。ドル高よりも更に深刻なユーロ高でドイツ・フランスは不満タラタラです。それにしても、日米間がこれほどまで冷静平穏だったのは、有力ファンドマネージャーの影、さらにはもしかすると、長らく失業気味だったエリート通貨マフィアたちの意気揚々とした活躍が背景にあるのかも知れません。

元の記事はこちら。

http://online.wsj.com/article/SB10001424127887324432004578302461873792762.html?mod=djemalertNEWS

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2013年2月12日火曜日

アベノミクスの行方~投資家セミナー無事終了

結果報告だけとはまた何事かとのお叱りを承知で書かせていただいております。今回も主催者はわたくしどもではなくて、かれこれ8年ほどお付き合いのある生命保険会社ご出身で最近は独立をされて様々な事業主をされている方です。年齢層さまざまな方々が約30名ほど集まり、1時間ちょっと好き勝手なことをお話させてもらいました。

その後、多くのみなさまと壇上で雑談。これが楽しかったです。国の中枢にいらっしゃる憂国の官僚、超をつけるのは失礼ながらも超ベテランの不動産鑑定士、日中を股にかけてアパレル事業を創業された実業家、などなど、何に投資をしたら良いのかというテーマを発展させて、これから世界はどうなるのか、ということで大いに盛り上がりました。

為替のリアルのセミナーを行うのはちょうど1年ぶり。一年前の今頃は、ユーロ圏の財政危機の解決法がそう簡単には見つからないという話をしました。今回は、ユーロ圏とそれ以外のEUとの間での移民の流れに変化が出てきていること。さらに、アメリカ、アジアを見渡して、人口移動という観点から国力、為替力、とアプローチしてみました。なんだかアベノミクスの評価と無関係に思われるかも知れませんが、マクロ経済学の範疇でのアベノミクスに対する評価はすでに百家争鳴状態。あえて奇妙な切り口を提供させてもらいました。

是非次回も、という話になり、わたくしのほうからは不動産市況から見た為替というテーマを提案したところ、反応は上々。ゲストもお呼びしたいところですが、この点は主催者さまどう思われるでしょうか。

次回こそこちらのブログからお知らせしたいと思います。
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