2011年3月16日水曜日

被災地の皆さまへ心よりお見舞い申し上げます

東北地方太平洋沖地震では被災地の皆さまに比べては、東京駅前に事務所を構える私どもの恐怖や負担などは掠り傷以下のものであったものの、ここ数日、いろいろなことに追われ、いまようやくお見舞いのメッセージが打てる状況となりました。


業界が業界だけに、今年度は決して楽な経営環境ではありませんでしたが、眼先黒字かどうかということよりも沢山優先すべきことがあるという人生観の転換を突きつけられた今回の事象において、私どもフェニックス証券も、業界団体を通じて、些少ながら義援金を寄付させていただくことを決定しました。


一方で、石原現都知事の「天罰」発言が物議を醸し、発言者自身がお詫びしたそうです。わたしは石原氏とは政治信条はかなり異なりますが、言葉足らずな部分をちゃんと補い、悪意なく発言の意味を受け取れる環境にあれば、一理あると、被災地ではなく、東京都心の今週の生活を振り返ると、敢えて思わざるを得ません。


停電、節電、物資の不足を前提とした都市生活は、原子力という砂上の楼閣に支えられた物質文明が簡単に復興するとは思えないと考えた場合、当座の不便に留まるとは思えません。それでも、被災地での避難生活を送っておられる数多の皆さまに比べれば遥かに恵まれている首都圏の人々の多くが、大きな余震や放射能の問題は別格としつつも、「やむをえない」「これはこれでやっていける」「いままで如何に無駄な贅沢をしていたかむしろ反省している」という思いを共有しているのではないでしょうか?


サラリーマン社会という閉鎖的コミュニティなかでの上昇志向のためだけに、無駄なネオンがきらめく歓楽街で夜な夜な同僚や客先と飲み歩くという習慣や、正月には成田空港などから大量に海外旅行へと向かう付和雷同からは、自分個人にとっての幸せや価値観は何たるかという問題の追及を敢えて遠ざけ、見栄のためにあくせくする、変化を好まず物質文明を当然享受する資格があるものと信じ切った無防備な日本人の姿が見えます。


明治以降だけでも何度も津波で惨事を経験された三陸海岸沿岸の皆さんが、それでも自分たちは漁業で生きていくしかないという覚悟で、何度も復興を志したなかでの町や村の壊滅では、犠牲者やその家族親戚の皆さん、避難生活を送られる皆さんには当然のことながら何の罪もなく、むしろ、一極集中を奇貨とした、国内でもダントツで、世界的にも稀に見る物質的に豊かな、無駄の多い生活スタイルへの天罰だったと理解し、価値観を見つめ直す機会だとしなければ、人柱に他ならない戦後最悪規模の犠牲者の命に報えないと考えています。


謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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