2010年9月3日金曜日

雇用統計を前に・・・

民主党(の代表選)の体たらく。

と言いますが、それを弄ぶだけのマスコミもまた、鏡に映った体たらくを晒しているように見えるところが、この国の停滞の象徴です。

今朝の日経新聞1面のコラム「混迷日本-民主代表選」の(昨日に続く)第二回目「市場の声を聞いているか」のなかで、(編集委員)滝田洋一氏は、

「菅政権の下で進んだ国債利回りの低下は、体力の弱った病人の体温が下がるようなもの」

と書いておられます。なんか、気のきいた《喩え話》のつもりなのか?5月にギリシャ国債の利回りが急激に上がったのは、インフルエンザに冒された熱病患者と同じだが、体温の低下も同じく問題だと言いたいのか?

日本国債の利回りは、小沢氏の代表選出馬決定後、急速に「回復」(相場は急反落)したわけで、外国為替に譬えれば、変動相場制と選択している以上は避けることのできない投機的な相場変動に過ぎないことは明らかです。

財政赤字に着目しては国債(管理)の危機を煽って利回り上昇キャンペンを懲りずに繰り返してきた日経新聞ですが、そのマッチポンプな姿のなかに、一貫した主張を感じ取ることは困難です。

同じく、日経1面には「日揮、太陽熱発電に参入-日本企業初、スペインで」という記事があります。これを踏まえた解説記事(3頁の「きょうのことば」)で、日本の自然エネルギー導入状況が5%程度と、ヨーロッパ主要国と比べ大きく見劣りすることが説明されています。

このことと一見無関係のように見えますが、やれ「円高対策を」とか、やれ「少子(高齢)化対策を」とか、政府および日銀の批判を、同紙に限りませんが、ほぼすべてのマスコミは日夜繰り返しています。

ところが、自然エネルギー導入レベルの改善を併存させるには、

★現在の技術を所与としつつ

しかも、更に、

★一人当たりGDP(≒生活水準)を何とか保ちつつ

、、、という欲張りな二兎を追う以上は・・・

少子化と、円高による製造業の空洞化、このふたつを素直に甘受する以外に、特効薬がないことに気が付きます。

マスコミは、円高への無策について政治批判や日銀批判をしたいのならば、上記のような「究極の選択」が存在することを認め、どちらを切り捨てるか(放置しても良いのか)を提示すべきです。

恐らく、民主党のなかにも、大手マスコミのなかにも、その点は理解している頭脳は少なからずいらっしゃる筈ですが、どちらも抜本的なリストラの圧力に屈してしまいそうな業界であります(この点は証券業界もまったく同じ)から、組織防衛手段としては、その点目を瞑り、八方美人で発行部数を確保する、支持率を確保するという目先の目標に走ってしまわざるを得ないのであります。

最後に、ブログ読者のみなさまに最も大切なメッセージは、、、

このような衆愚政治は、日本に限らず、米国もユーロ圏も五十歩百歩であるという、これまで当ブログで繰り返してきた部分です。

「雇用統計を前に」、、、これまでになくクロス円の相場は、売り方にも、買い方にも、巨大なエネルギーが溜まっているように感じられます。
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