中国銀行と言っても、岡山市に本店を置く邦銀ではありません。
中国の国営銀行。我が国ではバンチャと呼ぶひともいます。
昨日付のウォールストリートジャーナルが「中国銀行は無制限に人民元を米国(など中国国外)で交換できるように準備している」と報じています。
中国政府が人民元(と外国通貨の)取引を中国本土に限定し特に米ドルとの間では固定相場を維持してきた状況から、これまでにも規制緩和に向けていくつかのステップは講じられてきました。
NDFによるオフショア市場での取引解禁、香港での現金通貨の取引解禁(昨年7月、ただし一日400ドルまで)、また米国(や日本など)でもHSBCはこれまでも人民元預金の受け入れを行なって来ました。
しかし、中国を代表する国営銀行そのものが、「人民元は不当に割安にコントロールされている」と舌鋒鋭く迫る米国自体で(当初は個人については一人当たり4000ドルという制約をつけるものの)取引開放に向けて取った措置は大きな意味を持つと言えます。
マスコミ的に普通に勘ぐれば、胡錦濤国家主席の訪米直前の手土産程度のものかとも推察されます。ただしこれまでの人民元「開放」のあらゆるステップは、人民元投資の欲望を常に掻き立て、人民元を確実に上昇させてきた事実があります。
わたくし的に異常に勘ぐれば、人民元の上昇を加速させても構わない深い理由に、中国の指導部が気づき始めたのではないかと思わざるを得ません。金融緩和政策の終了とはつじつまが合います。国外の投資家の手を借りて金融引き締めが行なえるということは、政策コスト(為替介入コスト)が掛らないだけでなく、沿岸部中心のバブル(だと指導部が認識しているのであれば)の出口戦略として海外勢に自国通貨を買っておいてもらうのは渡に船なのです。
ところで、ウォールストリートジャーナル電子版には「あなただったら中国銀行に人民元口座を開設しますか?」という投票コーナーがあり、わたしも試してみましたが、投票結果は本日午前の時点でほぼ半々でした。
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