2011年7月12日火曜日

イタリアを汚染したギリシャ危機



何が起こったのか?フェニックス証券の海外マーケットレポートです。
http://phxs.jp/popup.php?type=market&id=2544

ニューヨークタイムズ紙はイタリアで発生しつつあるパニックについて「ギリシャ危機がドミノ倒しだとしたら、イタリア危機は『煉瓦(れんが)倒し』だ」と譬えています。

ギリシャのように小国でない分、米国の銀行を筆頭に、イタリア国債を大量に抱えている海外金融機関が多いことも、連鎖反応を過激化させる要因となります。

資本主義のブラックボックスは、その牽引役のはずの、銀行や国家が、たいした根拠がない「安全神話」で大量の借金を可能にしている実態にあります。世界から戦争が無くなることがないように、取り付け騒ぎ(run)や恐慌(panic)を根絶することは不可能に近いと言えます。

「安全神話」という砂上の楼閣で惰眠を貪る旧態依然としたビジネスモデルの寝首をかくのがヘッジファンドのお仕事です。

フィレンツェの街とともに繁栄を極めたメディチ銀行は数百年で破綻倒産しましたが、だいたいその頃に、同じくトスカーナの重要都市シエナに誕生したモンテパスキ銀行
http://english.mps.it/
は、ヨーロッパ最古の銀行として、いまだに地方金融の要をになっています。昨夜のイタリアのパニックについて、ただいま公募増資中なのに水を注された同行は、犯人を「投機筋」だと断言しています。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-22140520110711

兎にも角にも、深夜一時は1.4台を割り込んだユーロ(対ドル)はどうなるのでしょうか?

ギリシャ危機の再燃は、昨年5月のような相場変動をもたらさなかったと、今年の4~6月のボラティリティを見る限り、言えました。実際には、ギリシャ国債の利回りや同国のクレジットデフォルトスワップは、昨年5月よりも上昇(悪化)していたにもかかわらず、です。市場は常に新しい局面や材料を求めます。当ブログの「アホの一つ覚え」の一つ「ボラティリティ対キャリートレード」という対抗軸で欧州通貨を見れば、ボラティリティの側に綱引きの綱が久しぶりにぐいっと引き寄せられたのが昨夜のイタリアだったのではないでしょうか。

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