FX攻略.comの最新号(3月号)がいよいよ書店に並びました。
わたくしのコーナーでは、2012年を大胆に占う予言集となっております。
新年ということで、いつもよりもグンと読みやすい内容となっていますので、是非ご一読をお願いいたします。
雑誌全体の特集内容は「確定申告」です。
さて、過去記事をご紹介します。2011年8月下旬に発売された同年10月号から・・・
ヨーロッパではギリシャに端を発した財政危機が桁違いに病巣の大きいイタリアとスペインに蔓延したことで、ユーロが導入以降最悪の危機に直面しました。一方、米国では、すったもんだの末、米国債の発行上限の問題を議会がクリアしたものの、その直後の米国債格下げ(スタンダード&プアーズ)で基軸通貨(?)ドルの存在感を取り戻し損ないました。金融市場が大混乱したなかで、日本は前人未到の円高のお盆を迎えています。
国民とマスメディアとが「内向き」な島国根性を競っているような日本ですから、大震災でも原発事故でもリーダーシップを発揮出来ない政権を血祭りに上げることしか能が無いわけです。こんな体たらくのメディアに洗脳されてしまっては、国内外でどんな種類の危機が起こっても、種類を問わず何でもかんでも超円高というのが理解できなくなってしまいます。しかし、そんな日本円よりも高騰を繰り返している金(ゴールド)の存在は謎を読み解く大きなヒントです。
リーマンショックから3年近く経ったので、サブプライムなる言葉すら死語に近づきました。「内向き」のメディアたちがリーマンショック前に繰り返していたのは「金融技術の革新とグローバリゼーションで日本を除くアジアと米欧は好景気が加速していて、日本だけ蚊帳の外」という論調でした。今考えれば、ひとつはサブプライムを一例とする詐欺的手法でレバレッジされた不動産バブル、もうひとつはユーロという通貨統合によって期待された不動産バブルに過ぎず、その宴のあとの後始末の厄介さの本質は、日本の90年代、2000年代と変わらず、しかもどうやら欧米のほうが重症なのではないかということです。
実は、わたしは、リーマンショック後に緊急出版した「『為替力』で資産を守れ」で予想を外していました。リーマン倒産による金融市場の混乱はなかなか収束しない。金融市場のチョンボを財政出動で取り返そうとしても抜本解決にはならない。能力以上の生活水準を追求してしまったツケは節約と緊縮(オーステリティ)でしか解決できないから当分景気は悪い、等々。小国ゆえ一番目のモデルケースになってしまったのがギリシャでした。大国の多くも、財政出動やらイカサマの銀行ストレステストなどで約3年誤魔化してきましたが、財政も破綻気味、金融機関も破綻気味となると、もうあとは本質に回帰するしかない、つまり「清貧の思想」を国民に要求する以外にないのです。これが受け入れられるかどうかは人生観、文化の違いが大きいでしょう。日本はいまのところ例外的な国家のひとつのようですが、多くの先進国や新興国では暴動がまだまだ多発する恐れがあるのです。
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