●米国FOMC、政策金利を0%~0.25%へ引き下げ(12/16各紙)
前回10/30のFOMCで1%にまで引き下げられていたFFレート。事前のアナリスト予想では0.5%程度の引き下げが見込まれていたので、予想外の決定。為替は一気に88円台へ。一方、株価はニューヨーク時間前半、ゴールドマンサックスの株式公開以来初の赤字や消費者物価指数の予想以上の下落(統計を取り始めて以来最悪の数値)等でマイナス圏だったのが一転してプラスへ。
FXをやっていらっしゃる方々は既にご存知の通り、米ドルに投資をしてももはや金利は付きません(但し長期国債は別。それは日本国債でも同じこと)。
インターナショナル・ヘラルド・トリビューンは、ゼロ金利政策が、日本もかつて6年間続けて自国のデフレと対決したことを引き合いに出しています。
●オバマ次期大統領は、日本の失われた10年の教訓を理解しているのか(12/16WSJ)
公共工事中心に1兆㌦の景気刺激策をぶち上げたオバマ氏。不況期のケインズ的政策は何度も繰り返されてきたが、首相交代の度に行なわれた財政出動が結局、GDP比180%(注)という醜い数値の国債残高を残しただけだった。ようやく小泉改革のもと、国家資産の民営化、銀行の不良債権処理の強制を通じて、経済は回復したのだが、再び最近の政府の行動は改革から逆戻りしていると。
WSJの中では、ナスダック元会長のネズミ講詐欺(コックスSEC会長も、粉飾やら虚偽報告だらけで調査が進んでいないと発言)に関する続報記事と同様、もっとも読まれている記事のようですが、記者名が伏せられています(コメントをすることは出来る)。ゴーストライターは竹中平蔵氏かと思わせるような記事は、「米国経済は『ニュー“ニューディール”政策』で蘇ると言われているけれども・・・Good Luckを日本語では何と訳すのか?」という皮肉たっぷりの思わせぶり表現で締め括られています。
(注)OECD調べ。最悪期2005年時点の数値。同年、米国は40%以下。但し、想定される反論として、国家資産の評価が全くなされていない点は留保しないと、この数値だけで円高円安は語れないですぞ・・・
2008年12月17日水曜日
2008年12月16日火曜日
靴の屈辱とブッシュ大統領の運動神経
●イラク電撃訪問のブッシュ大統領を襲った「靴の屈辱」事件から一夜明け、逮捕されたイラク人ジャーナリストはアラブ地域で英雄に(12/15International Herald Tribune)
事件はイラクに限らずアラブ全域の新聞のヘッドラインを飾り、同地域の反米感情はかつてない高まりを見せている。
靴を投げつけるというのはイスラム教においては最大限の侮辱を意味するらしい。それにしても、記者会見会場の後方からの投擲にもかかわらず、靴はブッシュの顔に的中するところだった。見事な制球力(制“靴”力?)は練習の成果なのか(計画的犯行は間違いない・・・)。一方ブッシュの身のかわし方も、皮肉抜きで、見事。
たまたま現在、文化大革命期の中国を取り扱った渾身のドキュメンタリーをNHKが深夜枠で再放送しています。紅衛兵として罪無き同胞、時には家族までも吊るし上げ殴り倒し無念の死まで至らしめた側と、吊るし上げられた側。水に流したくても流せない経験を引きずる両側の人たちが現在ようやく当時のことを語り始め、身の毛のよだつインタビューが数時間ぶっ通し。
中華人民共和国建国後間も無く、毛沢東は「大躍進」と呼ばれる政策をぶち上げ、鉄鋼生産重視+農業生産軽視の極端な計画経済下の富国強兵策を敢行するものの、農民や労働者の士気は下がり、農村には飢餓が蔓延、官僚腐敗も無視できない状況に陥り、共産党自身も政策の失敗を認めざるを得なくなりました。事態を救ったのは劉少奇+鄧小平コンビで、建国当初は認められていた自由市場等を復活させ、食糧生産は回復、労働者の士気も復活します。面白くない毛沢東は劉少奇と鄧小平を失脚させるべく、とんでもない権力闘争に出ます。曰く、両者の路線は資本主義へと走る反共産主義であり、働く貧しいものを裏切る行為だと。「造反有理」という掛け声に、党高級幹部の子女が覿面に反応し、学生を中心に中国全土で紅衛兵が組織され、自営業者だろうが一般農民だろうが多少なりとも自ら土地や資本設備を所有している人達、また不要不急の文化に携わっている人達が不当に且つ反論の余地無く吊るし上げられていくことになりました。
私は従前どおり、歴史に勧善懲悪を持ち込みたくないので、この後非業の死を遂げた劉少奇が実際は正しく毛沢東は“二度も”間違えたと決めつけることがここでの意図ではありません。たとえ劉少奇が、毛沢東の機嫌を損ねる覚悟で、瀕死の中国を救ったにもかかわらず、毛沢東が「造反有理」の一言で、大多数の若者をドミノ倒し的に熱狂へと陥れ、党内ライバルの失脚と自らの復権どころか権力固めを実現したという事実。政治と大衆心理の共鳴現象が如何に愚かな結果をもたらすか、現代人は多くの教訓を学んでいる筈なのに、一向に懲りないということが私の言いたいことです。
このような切り口で文化大革命を読むと、毛沢東の性格や手法、若しくは才能は、ナチスドイツのヒトラーと非常に似ているとも言えます。このような人物が時々政治の舞台に現れると、マスコミは99%煽動を加速する役割に回り、大衆心理との共鳴現象の触媒にこそなれ、歯止めには決してなりえない。これはマスメディアに属する記者ひとりひとりがどんなに優秀で人格者であっても、企業利益というインセンティブの前では抗することの出来ない潮流になってしまうのです。
ブッシュの顔に中りそうだった靴も、心の底から笑える話ではありますが、このような一瞬の出来事、一本のヘッドライン・ニュースから、政治も大衆心理も大きくうねり出すことがあるのだという繰り返される事実を自戒せねばなりません。
●元ナスダック会長のネズミ講詐欺事件、信託管理人が選定される(12/15WSJ)
信託管理人Trusteeは、ちなみに信託保全を謳っているFX業者が破綻した際にも登場し、残余財産の分配の役割をします。このような詐欺ファンドでも同じこと。ただし舞台が証券会社なので、米国版の投資家保護基金が投資家一人当たり最大50万㌦まで補填する可能性があるとのこと。
●元ナスダック会長のネズミ講詐欺事件、富は一体どこに消えたのか(12/15New York Times)
逮捕以降調査が進んでいるが、未だ実態究明に至らず。
事件はイラクに限らずアラブ全域の新聞のヘッドラインを飾り、同地域の反米感情はかつてない高まりを見せている。
靴を投げつけるというのはイスラム教においては最大限の侮辱を意味するらしい。それにしても、記者会見会場の後方からの投擲にもかかわらず、靴はブッシュの顔に的中するところだった。見事な制球力(制“靴”力?)は練習の成果なのか(計画的犯行は間違いない・・・)。一方ブッシュの身のかわし方も、皮肉抜きで、見事。
たまたま現在、文化大革命期の中国を取り扱った渾身のドキュメンタリーをNHKが深夜枠で再放送しています。紅衛兵として罪無き同胞、時には家族までも吊るし上げ殴り倒し無念の死まで至らしめた側と、吊るし上げられた側。水に流したくても流せない経験を引きずる両側の人たちが現在ようやく当時のことを語り始め、身の毛のよだつインタビューが数時間ぶっ通し。
中華人民共和国建国後間も無く、毛沢東は「大躍進」と呼ばれる政策をぶち上げ、鉄鋼生産重視+農業生産軽視の極端な計画経済下の富国強兵策を敢行するものの、農民や労働者の士気は下がり、農村には飢餓が蔓延、官僚腐敗も無視できない状況に陥り、共産党自身も政策の失敗を認めざるを得なくなりました。事態を救ったのは劉少奇+鄧小平コンビで、建国当初は認められていた自由市場等を復活させ、食糧生産は回復、労働者の士気も復活します。面白くない毛沢東は劉少奇と鄧小平を失脚させるべく、とんでもない権力闘争に出ます。曰く、両者の路線は資本主義へと走る反共産主義であり、働く貧しいものを裏切る行為だと。「造反有理」という掛け声に、党高級幹部の子女が覿面に反応し、学生を中心に中国全土で紅衛兵が組織され、自営業者だろうが一般農民だろうが多少なりとも自ら土地や資本設備を所有している人達、また不要不急の文化に携わっている人達が不当に且つ反論の余地無く吊るし上げられていくことになりました。
私は従前どおり、歴史に勧善懲悪を持ち込みたくないので、この後非業の死を遂げた劉少奇が実際は正しく毛沢東は“二度も”間違えたと決めつけることがここでの意図ではありません。たとえ劉少奇が、毛沢東の機嫌を損ねる覚悟で、瀕死の中国を救ったにもかかわらず、毛沢東が「造反有理」の一言で、大多数の若者をドミノ倒し的に熱狂へと陥れ、党内ライバルの失脚と自らの復権どころか権力固めを実現したという事実。政治と大衆心理の共鳴現象が如何に愚かな結果をもたらすか、現代人は多くの教訓を学んでいる筈なのに、一向に懲りないということが私の言いたいことです。
このような切り口で文化大革命を読むと、毛沢東の性格や手法、若しくは才能は、ナチスドイツのヒトラーと非常に似ているとも言えます。このような人物が時々政治の舞台に現れると、マスコミは99%煽動を加速する役割に回り、大衆心理との共鳴現象の触媒にこそなれ、歯止めには決してなりえない。これはマスメディアに属する記者ひとりひとりがどんなに優秀で人格者であっても、企業利益というインセンティブの前では抗することの出来ない潮流になってしまうのです。
ブッシュの顔に中りそうだった靴も、心の底から笑える話ではありますが、このような一瞬の出来事、一本のヘッドライン・ニュースから、政治も大衆心理も大きくうねり出すことがあるのだという繰り返される事実を自戒せねばなりません。
●元ナスダック会長のネズミ講詐欺事件、信託管理人が選定される(12/15WSJ)
信託管理人Trusteeは、ちなみに信託保全を謳っているFX業者が破綻した際にも登場し、残余財産の分配の役割をします。このような詐欺ファンドでも同じこと。ただし舞台が証券会社なので、米国版の投資家保護基金が投資家一人当たり最大50万㌦まで補填する可能性があるとのこと。
●元ナスダック会長のネズミ講詐欺事件、富は一体どこに消えたのか(12/15New York Times)
逮捕以降調査が進んでいるが、未だ実態究明に至らず。
2008年12月15日月曜日
ナスダック元会長がネズミ講で4兆5000億円詐取?
日本のメディアが不思議なほど取り上げない史上空前規模の詐欺事件がウォール街で発覚。先週既に逮捕された元会長は、TIME誌によれば若い頃救命員として稼いだ僅かな貯金を元手に株の仲買人を始め、マーケットメーカーとしてウォール街を代表するファミリービジネスにまで伸し上がった。上場株式と異なり流動性の低い店頭株式の売買に一般投資家が参加してもらうためには、仲買人が値付け(つまり現在のFXのように業者がこの値段なら買います・売りますを提示すること)機能を背負うことが期待される。そのビジネスを成長させた功績によりナスダックの会長という名誉が与えられたと。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、逮捕された元ナスダック会長は、集めたファンドの運営会社の幹部社員達に「このスキームはネズミ講だった」と告白したと報じています。また、昨夜のNHKニュースをご覧になった方はご存知の通り、被害総額は4兆5000億円相当にのぼり、被害者の中には野村證券も含まれている(被害金額は未だ不明)とのことです。WSJ紙によれば、野村證券のほか、仏BNPパリバ、西バンコ・サンタンデール等、欧州の名だたる銀行が名前を連ねている他、米国の著名富豪も被害者リストとして明らかになっています。野村證券もBNPパリバも被害金額や被害に遭った経緯などの取材に対し固く口を閉ざしているとのこと。
サブプライムも詐欺だという人がいます。詐欺の定義は兎も角、金満社会が膨張している途中では詐欺ディールは深く潜行できるのですが、バブルが崩壊して信用収縮し始めると、潮が引くようにして汚いものが地上に現れてくるというのは、90年代の我が国においても枚挙に暇がありません。東京ニ信金事件や尾上縫事件もその例でしょう。後者は私が非常に近いところにいましたが、野村證券さんも同じく接近戦を戦いつつ偽装セレブに騙されなかった、その嗅覚は流石と思っていたのですが、今回は残念でした。
ヘッドラインニュースだけで早合点してはならないのが、元ナスダック会長の証券会社やファンドが設立当初からネズミ講だったわけではないということ。毀誉褒貶の激しい気まぐれな御仁だったらしい(TIME誌)けれど、最初はS&P500銘柄等大型株とそのストックオプションとで運用する年利10%程度を目標とする安定運用を志していたらしく、昨年当たりから運用不振と解約増に見舞われ、挽回を図るべく、配当が維持できていると偽装するために、新規顧客の資金が解約顧客の元本に回ってしまったというのが真相らしい、つまり4兆5000億円を丸々この元会長が私財にしたわけではないのでしょう。
これが本当だとすると、倒産が時間の問題であるFX会社が悪足掻きして区分管理されなければならないお客さまの資産に手をつけて運転資金に転用するという行為も、ネズミ講だということになります。
米国にも存在したネズミ講Ponzi Scheme。殆ど全ての金融サービスは意図するかせざるかは別としてネズミ講と背中合わせであることを現状信用収縮の真っ只中にいる我々は自戒しなければならないでしょう。FXだけではない、伝統的な銀行業だって、どんなに健全な銀行でも要求払い預金を全額引き出されたら取り付け騒ぎで倒産してしまう。庶民が預けた要求払い預金はすべて銀行の本支店の巨大金庫に眠りつつ利子を産んでいるわけではないのですから。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、逮捕された元ナスダック会長は、集めたファンドの運営会社の幹部社員達に「このスキームはネズミ講だった」と告白したと報じています。また、昨夜のNHKニュースをご覧になった方はご存知の通り、被害総額は4兆5000億円相当にのぼり、被害者の中には野村證券も含まれている(被害金額は未だ不明)とのことです。WSJ紙によれば、野村證券のほか、仏BNPパリバ、西バンコ・サンタンデール等、欧州の名だたる銀行が名前を連ねている他、米国の著名富豪も被害者リストとして明らかになっています。野村證券もBNPパリバも被害金額や被害に遭った経緯などの取材に対し固く口を閉ざしているとのこと。
サブプライムも詐欺だという人がいます。詐欺の定義は兎も角、金満社会が膨張している途中では詐欺ディールは深く潜行できるのですが、バブルが崩壊して信用収縮し始めると、潮が引くようにして汚いものが地上に現れてくるというのは、90年代の我が国においても枚挙に暇がありません。東京ニ信金事件や尾上縫事件もその例でしょう。後者は私が非常に近いところにいましたが、野村證券さんも同じく接近戦を戦いつつ偽装セレブに騙されなかった、その嗅覚は流石と思っていたのですが、今回は残念でした。
ヘッドラインニュースだけで早合点してはならないのが、元ナスダック会長の証券会社やファンドが設立当初からネズミ講だったわけではないということ。毀誉褒貶の激しい気まぐれな御仁だったらしい(TIME誌)けれど、最初はS&P500銘柄等大型株とそのストックオプションとで運用する年利10%程度を目標とする安定運用を志していたらしく、昨年当たりから運用不振と解約増に見舞われ、挽回を図るべく、配当が維持できていると偽装するために、新規顧客の資金が解約顧客の元本に回ってしまったというのが真相らしい、つまり4兆5000億円を丸々この元会長が私財にしたわけではないのでしょう。
これが本当だとすると、倒産が時間の問題であるFX会社が悪足掻きして区分管理されなければならないお客さまの資産に手をつけて運転資金に転用するという行為も、ネズミ講だということになります。
米国にも存在したネズミ講Ponzi Scheme。殆ど全ての金融サービスは意図するかせざるかは別としてネズミ講と背中合わせであることを現状信用収縮の真っ只中にいる我々は自戒しなければならないでしょう。FXだけではない、伝統的な銀行業だって、どんなに健全な銀行でも要求払い預金を全額引き出されたら取り付け騒ぎで倒産してしまう。庶民が預けた要求払い預金はすべて銀行の本支店の巨大金庫に眠りつつ利子を産んでいるわけではないのですから。
2008年12月12日金曜日
GM、破産専門弁護士を雇う
今週はいつも以上に固い話が多かったので、最後ぐらいは柔らかい話で終わらせたかったのですが、30分前にウォール・ストリート・ジャーナル紙オンライン版でアラート・ニュースが出ました(QUICK等我が国の有料メディアでも翻訳記事が早速出ているようです)。
かなりの確率で溝に捨てられることになりそうなデトロイト救済のための一時的な公的融資。我が国でも、債務超過企業への直接融資を政府が意思決定し実行することはありえないだけに、自由放任主義の殿堂こと米国で、下院こそ通過したものの、上院通過は当然疑問。オバマ政権の発射台くらいは綺麗にしておくべく、年内の問題は現政権に委ね、従前通り口出しをしないほうが賢明と思いますが・・・
ところで、破産専門の弁護士を雇うという記事だけでは、連邦破産法11条申立ての選択肢のための準備という意味合いであり、当ブログでも取り上げたクライスラーの場合と同じく、騒ぎ立て過ぎるのは読み間違いとなる点、要注意です。
さて、たまには我が国国政の話を。昨夜は各メディアが「たばこ増税は却下」を報じる一方、「JR東日本が喫煙所廃止」を伝えました。皮肉な組み合わせです。
たばこ1本につき3円増税だとか、数ヶ月前にはたばこ1箱1000円にすべきだとか、議論が注目されていましたが、歳入確保が目的なのか、(受動喫煙を含めた)国民の健康増進が目的なのか、そのどちらを優先すべきかを(くだらない反論を恐れずに)毅然とリーダーが示せば良いだけの話。当ブログに言わせれば、葉タバコ農家や煙草屋の陳情などに耳を傾ける必要はない。自分達が関わっている仕事が斜陽産業だと気づくために十分な時間が与えられていたにもかかわらず、作付転換なり業態転換なりで活路を見出そうとしなかった非常識と怠慢に対して、同情の余地はない。
さて、「JR東日本の喫煙所」問題は、煙草の煙が好きかどうかという趣味や健康の問題から離れて論じましょう。JRはJRでもJR東海の最新の新幹線N700でも、喫煙車両は遂に消えました(但し喫煙場所は残した)。繰り返しになりますが、分煙の徹底が十分かどうかをここでは議論しません。喫煙車両や喫煙場所のほうが掃除や空気清浄の費用負担が掛かるにもかかわらず、禁煙車両を利用している乗客と運賃が変らないことは実は不公平だったのです。逆に言えば、喫煙車両等の利用料として掃除や空気清浄の費用を上乗せすべきとの考え方に立てば、基本料金としての運賃は下げられます。否、丸々下げなくても一部はJR役職員の報酬やJR株主の配当に回っても、経営判断としてはありでしょう。
煙草を吸わないから主張しているのではなく、実は駅の便所も同じこと。我が国ほど、駅に限らず公衆便所があちこちにあり綺麗に保たれ且つ無料という国は先進諸国何処を探しても見当たらないのではないでしょうか。これは我が国の数少ない美点のひとつだと思いますが、家のトイレを使ったら水道代や家族の誰かによる掃除負担が掛かるのに公共のトイレなら税金負担(または駅のトイレなら乗客や広告主の負担)というのは不公平です。ひとり10円でも良いから掃除費用くらいは負担すべきです(そういうトイレもちらほら増えてきていますが・・・)。
何をセコいことを、と言ってはビジネスを構想出来ません。一日に何百人、何千人、何万人も往来する公共物なのですから、この経済効果は実に大きいのです。煙草を吸う人と吸わない人をごっちゃ混ぜにしたがん保険が淘汰されるように、便所も喫煙場所も掃除費用は利用者負担(公共経済学で言う応益負担)の徹底こそ、鉄道事業のようななまじ公共性がある企業や、税制のポリシーを決める政府与党にとってしっかり勉強をしてもらわなければならないポイントです。
以上は経済学の伊呂波。我が国の場合、官僚にも政治家にも経済学の素養のある人材が著しく欠如しているのも特徴。
かなりの確率で溝に捨てられることになりそうなデトロイト救済のための一時的な公的融資。我が国でも、債務超過企業への直接融資を政府が意思決定し実行することはありえないだけに、自由放任主義の殿堂こと米国で、下院こそ通過したものの、上院通過は当然疑問。オバマ政権の発射台くらいは綺麗にしておくべく、年内の問題は現政権に委ね、従前通り口出しをしないほうが賢明と思いますが・・・
ところで、破産専門の弁護士を雇うという記事だけでは、連邦破産法11条申立ての選択肢のための準備という意味合いであり、当ブログでも取り上げたクライスラーの場合と同じく、騒ぎ立て過ぎるのは読み間違いとなる点、要注意です。
さて、たまには我が国国政の話を。昨夜は各メディアが「たばこ増税は却下」を報じる一方、「JR東日本が喫煙所廃止」を伝えました。皮肉な組み合わせです。
たばこ1本につき3円増税だとか、数ヶ月前にはたばこ1箱1000円にすべきだとか、議論が注目されていましたが、歳入確保が目的なのか、(受動喫煙を含めた)国民の健康増進が目的なのか、そのどちらを優先すべきかを(くだらない反論を恐れずに)毅然とリーダーが示せば良いだけの話。当ブログに言わせれば、葉タバコ農家や煙草屋の陳情などに耳を傾ける必要はない。自分達が関わっている仕事が斜陽産業だと気づくために十分な時間が与えられていたにもかかわらず、作付転換なり業態転換なりで活路を見出そうとしなかった非常識と怠慢に対して、同情の余地はない。
さて、「JR東日本の喫煙所」問題は、煙草の煙が好きかどうかという趣味や健康の問題から離れて論じましょう。JRはJRでもJR東海の最新の新幹線N700でも、喫煙車両は遂に消えました(但し喫煙場所は残した)。繰り返しになりますが、分煙の徹底が十分かどうかをここでは議論しません。喫煙車両や喫煙場所のほうが掃除や空気清浄の費用負担が掛かるにもかかわらず、禁煙車両を利用している乗客と運賃が変らないことは実は不公平だったのです。逆に言えば、喫煙車両等の利用料として掃除や空気清浄の費用を上乗せすべきとの考え方に立てば、基本料金としての運賃は下げられます。否、丸々下げなくても一部はJR役職員の報酬やJR株主の配当に回っても、経営判断としてはありでしょう。
煙草を吸わないから主張しているのではなく、実は駅の便所も同じこと。我が国ほど、駅に限らず公衆便所があちこちにあり綺麗に保たれ且つ無料という国は先進諸国何処を探しても見当たらないのではないでしょうか。これは我が国の数少ない美点のひとつだと思いますが、家のトイレを使ったら水道代や家族の誰かによる掃除負担が掛かるのに公共のトイレなら税金負担(または駅のトイレなら乗客や広告主の負担)というのは不公平です。ひとり10円でも良いから掃除費用くらいは負担すべきです(そういうトイレもちらほら増えてきていますが・・・)。
何をセコいことを、と言ってはビジネスを構想出来ません。一日に何百人、何千人、何万人も往来する公共物なのですから、この経済効果は実に大きいのです。煙草を吸う人と吸わない人をごっちゃ混ぜにしたがん保険が淘汰されるように、便所も喫煙場所も掃除費用は利用者負担(公共経済学で言う応益負担)の徹底こそ、鉄道事業のようななまじ公共性がある企業や、税制のポリシーを決める政府与党にとってしっかり勉強をしてもらわなければならないポイントです。
以上は経済学の伊呂波。我が国の場合、官僚にも政治家にも経済学の素養のある人材が著しく欠如しているのも特徴。
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