2009年3月2日月曜日

シティグループ、AIG、、、ヨーロッパ東西分裂の危機

金曜日の夜から、大西洋の両側で経済ニュースが騒がしく、週初のブログでは何に焦点を当てるべきか、いまだに悩んでいます。

★米国GDP改定値発表
2008年10月~12月の改定値は年率で6.2%のマイナス(1カ月前に発表されていた速報値ではマイナス3.8%だった)。大幅下方改定の要因として、在庫投資の調整、輸出と個人消費の減少が挙げられている。
1982年1月~3月のマイナス6.4%以来の最悪記録。

★シティグループ、米政府保有の優先株275億㌦を普通株に転換
米政府の議決権割合は36%に上昇。早くも取締役人事に介入。

ところで、転換価格は1株3.25㌦という“配慮”だったが、金曜日の終値は1.50㌦(前日比▲0.96㌦)と大暴落。

★AIG、追加支援300億㌦
既にこれまで600億㌦の貸出、400億㌦の優先株取得、500億㌦の不良債権買取枠と巨額の血税を次ぎ込み、議決権で約80%を握っている米政府。2008年10月~12月の四半期決算が620億㌦という歴史上最悪の数字となることに備え、金融安定化法案の7000億㌦枠を再び活用へ。

AIGがこれらの資金を直ちに使うわけではなく、政府支援を示さないと、ムーディーズやS&Pが、これ以上“偽装格付け”を続けていられないと痺れを切らせているからだと、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙は報じています。

上記の訳出は「七転び八起き」の独断と偏見に満ちていますが・・・

以上、米国に対して、ヨーロッパも大変です。。。

★EUサミット、(旧)東ヨーロッパ救済案を否決
ハンガリーから提案されていた東欧からのEUへの新規参入国への大規模な救済を求める提案は、ドイツが拒否、他の参加国からの支持も殆ど得られず。これに対し、ハンガリー首相は「新しい“鉄のカーテン”だ」と欧州が再び東西に分割されることを警告。

この結末の伏線とも言える記事が、インターナショナル・ヘラルド・トリビューン紙からEUサミット前夜に出されていました。

★東西分裂という“疫病”に悩まされるヨーロッパ
米国発金融危機の問題に対処すべく、週末ブリュッセルに集まった欧州各国の首脳たち。だが、EUに新たに参加した東欧のメンバーは、自分たちだけで作戦を練るべく、西側首脳を排除した“プレ・サミット・サミット”をポーランド大使館でこっそり行なった。

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2009年2月27日金曜日

オバマ大統領、3.6兆㌦の予算方針

★裕福な家庭や企業に税金を課す。過去の混乱を断ち切る。。。

オバマ大統領は議会で「今日の危機は景気循環の結果でもなければ、歴史の偶然でもない。大企業のエグゼクティブスイートからワシントンの権力の座まで巻き込んだ“根っこまで腐りきった無責任の時代”(an era of profound irresponsibility)の結果なのだ」と134頁にのぼる予算方針を読み上げた。

2009年の財政赤字は1.75兆㌦(GDPの12.3%)。米国が第二次世界大戦に突入した1942年以来の水準。

各紙報じている大統領の予算方針ですが、ウォールストリートジャーナル紙が強調するのは、共和党はおろか、民主党の一部からも同方針への反論が出ていること。「階級闘争」の宣戦布告と形容する共和党議員たちは、ばら撒き政策では今後何年間も不況の泥沼から抜け出せないだろうと、同教書を扱き下ろす。

オバマ大統領が置かれた立場を「100日ルール」すら助けてくれないとすると、

★GM、2008年最終赤字3兆円-債務超過は8.4兆円

再建不能の烙印を押すに十分な客観的数値。生命維持装置の泥沼に嵌ると、オバマ大統領の信任に致命傷となりかねない。

さて、このように人騒がせな大国アメリカでも、

「無政府状態なのに、構造改革の機運が盛り上がらないどころか、盛り下がる国」

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2009年2月26日木曜日

双子の赤字、ニッポンに農林中金を救う余裕はない

「100年に1度の危機」だなんて、誰が決めつけたんだ。と言わんばかりの、日本経済新聞のキャンペーンは注目に値します。

★日産、減産幅を圧縮-在庫調整が進展。来月、5割前後に(2/26日経)

トヨタの5月増産を“演出”したのも日経でした。

★米住宅購入ツアー盛況-中国企業、富裕層向け企画(2/26日経)

自国の不動産バブルに踊らず賢明に現金を貯め込んだ中国のお金持ちが、上海の空室マンションではなく米国の住宅をハゲタカの対象にしているところに注目。

市場の自浄作用を軽んじてはいけない別の例が、FT紙にも載っていました。

★プライベートエクイティの投資家が売却プラットフォームに殺到(2/24FT)

去る火曜日に非上場ファンド版“リサイクル・ショップ”を立ち上げたのは、新規参入会社SecondMarket。プライベートエクイティやヘッジファンドの二次市場(“中古”市場)は長い間停滞していたが、買い手の数が売り手の数よりも圧倒的に少数な状況下でのこのような新規参入は大変勇気のある動きだと、FT紙は報じています。

厳格な守秘義務が非公開物の売買にとって障害になるので、このような試みは過去に何度も失敗していると揶揄する声もある中、今後2年間で1300億㌦以上にものぼると予測される塩漬けファンドの売却ニーズに応える具体的一歩であることは間違いありません。

再び、日経朝刊。

★貿易赤字、1月過去最大-2008年度、赤字転落なら第二次石油危機(1980年度)以来に(2/26日経)

「双子の赤字」が自分たちの形容詞になるとは想像もしていなかった日本人。外需頼みを反省して内需拡大だと説く専門家や政治家が多いですが、そんなことをしたら、次は「三つ子の赤字」です。

日本にとって足りないのは、自動車や家電の個人消費ではなく、農林水産業の供給能力(競争力)とホワイトカラーの作業効率(競争力)です。農林中金をゾンビ化させる余裕は、この国にはない筈。
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2009年2月25日水曜日

オバマ大統領、就任後初の議会演説

★金融システムを“修理”するために全力を尽くすと約束(2/25FT)
オバマ大統領曰く、

「大手金融機関の社長は、納税者の資金を使って、自家用ジェットで雲隠れしたりすることは出来ない。」

そして、

「大手金融機関を救済することが如何に不人気な政策であるか、私は熟知している。とりわけ米国民一人一人が大手金融機関の馬鹿げた意思決定のせいもあり苦境に陥っている現状では。」

しかしそれでも、

「危機に際しては、怒りの赴くままに政治を行うほど経済や財政には余力が無いのだ」

I also know that in a time of crises, we cannot afford to govern out of anger.

米財務省が、瀕死の象とも言えるシティグループに対して保有する優先株を普通株に転換し、議決権の40%(まで)を抑える提案を検討していることに関連しては、

「『銀行を助ける』のではない。『米国民を助ける』のだ」と。

★日米で殆ど差はない、政策とポピュリズム

今朝の日経1面でコマツ会長の坂根正弘氏が、「国民に強力に支持されたリーダーがいないのが痛い。しかし、誰が首相でも、日本の政治のあり方や国の形は限界に来ている。・・・(中略)・・・小選挙区制の導入で、政治がポピュリズム(大衆迎合)の様相を強め、それも財政の無駄に拍車をかけている」と喝破されているのは、まさに目から鱗。

オバマ大統領(のスピーチライター)には天才的な言語能力を感じます。

馬鹿げた借入をした国民も、馬鹿げた貸出をした銀行も、等しく救済してあげようという政策は、日本の伝統的な自民党政治と本質的な違いはありません。銀行救済を正当化するオバマ大統領の能力は、政策のスピードで日本との違いを見せつけ、短期的な円安ドル高のトレンドをしっかり保っていると見られます。

★オンラインセミナーをアップしました「なぜ一目均衡表が的中するのか?」

一昨日のセミナーで申し上げた通り、

①中国の外貨準備に関するジレンマ⇒結局、米国債を買い続けるしかない

②日米の財政政策の実行スピードの違い

③テクニカル分析が成果を上げやすい相場環境

以上3つのポイントで、短期的には円安ドル高だと予測したわけですが、過去最悪に陥った我が国の貿易赤字に加え、バーナンキFRB議長や、オバマ大統領の巧妙なスピーチも、助演男優賞モノなのです。
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