2009年2月26日木曜日

双子の赤字、ニッポンに農林中金を救う余裕はない

「100年に1度の危機」だなんて、誰が決めつけたんだ。と言わんばかりの、日本経済新聞のキャンペーンは注目に値します。

★日産、減産幅を圧縮-在庫調整が進展。来月、5割前後に(2/26日経)

トヨタの5月増産を“演出”したのも日経でした。

★米住宅購入ツアー盛況-中国企業、富裕層向け企画(2/26日経)

自国の不動産バブルに踊らず賢明に現金を貯め込んだ中国のお金持ちが、上海の空室マンションではなく米国の住宅をハゲタカの対象にしているところに注目。

市場の自浄作用を軽んじてはいけない別の例が、FT紙にも載っていました。

★プライベートエクイティの投資家が売却プラットフォームに殺到(2/24FT)

去る火曜日に非上場ファンド版“リサイクル・ショップ”を立ち上げたのは、新規参入会社SecondMarket。プライベートエクイティやヘッジファンドの二次市場(“中古”市場)は長い間停滞していたが、買い手の数が売り手の数よりも圧倒的に少数な状況下でのこのような新規参入は大変勇気のある動きだと、FT紙は報じています。

厳格な守秘義務が非公開物の売買にとって障害になるので、このような試みは過去に何度も失敗していると揶揄する声もある中、今後2年間で1300億㌦以上にものぼると予測される塩漬けファンドの売却ニーズに応える具体的一歩であることは間違いありません。

再び、日経朝刊。

★貿易赤字、1月過去最大-2008年度、赤字転落なら第二次石油危機(1980年度)以来に(2/26日経)

「双子の赤字」が自分たちの形容詞になるとは想像もしていなかった日本人。外需頼みを反省して内需拡大だと説く専門家や政治家が多いですが、そんなことをしたら、次は「三つ子の赤字」です。

日本にとって足りないのは、自動車や家電の個人消費ではなく、農林水産業の供給能力(競争力)とホワイトカラーの作業効率(競争力)です。農林中金をゾンビ化させる余裕は、この国にはない筈。
CoRichブログランキング

0 件のコメント: