2009年5月25日月曜日

北朝鮮、核実験“成功”で、ドル安は一気に修正

核拡散防止条約という大国主義にも反吐が出ますが、北朝鮮の行為を正当化する次元の議論ではありません。

核の問題北朝鮮の問題は、反米右翼、親米右翼、親ロ左翼、親中左翼の各論客に甲論乙駁を期待。

「七転び八起き」の関心事は御期待通り天邪鬼。米銀ストレステスト以降、対円だけでなく新興国通貨に対してさえ下落一方だった米ドルが一気に値を戻す展開。こんな程度の国に、天下の為替市場の相場操縦をエンジョイさせて良いものか。日本の投資家の皆さん、負けては居られません。

尤も、発表前に米ドルを仕込めていただかは甚だ疑問。北朝鮮ウォンの実勢は韓国ウォンの半値以下で、取引は不可能ではないですが、偽札を印刷して米ドルの売りから入るよりは難しい筈。
CoRichブログランキング

FXレバレッジ規制-上限25倍-賛否真っ二つ

FX業界に大混乱を巻き起こしつつある「25倍の上限規制」。

関連記事

FX証拠金倍率 25倍の上限規制 行き過ぎ・健全性 賛否真っ二つ

と、関連コラム

FX規制問題について思うこと

後掲のT&C吉田社長のコラムにはグリーンスパン前FRB議長の発言など面白い内容が含まれますが、何故か「落ち」はありません。慌てて執筆されたか。

レバレッジ問題を取り上げるだけでアクセス数が急増するので、俄か記事が乱造されているのかも。残念ながら、レバレッジ規制がどうなろうと、FX業界の過剰社数は調整が不可欠。但し、FX業界以外の広義の金融分野も事情は同じで、銀行、証券、不動産ほか、我が国の「金融系」ホワイトカラーの頭数は今後数年で激減します。

政府によるバラ撒き政策が奏功し意図的インフレが起きリスク資産の相場回復があったとしても。
CoRichブログランキング

2009年5月22日金曜日

月刊FX攻略と裁判員制度

月刊FX攻略(マルコポーロ社)と裁判員制度って、何か関係があるのか?はい、ございます。月刊FX攻略は昨日書店に並びました。裁判員制度は昨日スタートしました。

およそ1年前の創刊からずっと連載をさせていただいているコラム「いつまでも博打と思うなよ-究極の金融商品“FX”」もお陰様で毎月ネタに困らずやらせていただいております。先日、当ブログで熱きエールを送ったグローバル・インフォの樋山さんから、昨日発売号の「博打と思うなよ」に対して、

ユダヤ系の話題を果敢に、しかしサラッと、攻められるとは、ブログ同様、ハラハラ致します(笑)。
当局よりも米大使館あたりからのアクセスも増えるかもしれませんね。

と、お褒めの(?)言葉を頂きました。是非書店でお求めください。定期購読してくださっている読者の皆さま、いつも有難うございます。

今朝の日本経済新聞の社会面には、「始動-裁判員制度」と「堀江元社長ら賠償76億円-ライブドア株主訴訟」が仲良く(?)並んでいました。裁判員制度の対象となるのは、刑事事件のうち一定の重大犯罪。ホリエモン関連は、昨日一審判決の民事裁判は勿論、現在上告中の刑事裁判も対象外。

人を裁いたり、揉め事を解決したりするために必要な知識は、事実認定(本当はどうだったのか?)と法解釈(処罰根拠などを何処に求めるか?)に二分されます。大学の法学部やら司法試験の予備校やらで教育されるのは99%が法解釈学のほう。一方、裁判員制度の対象となる“重大事件”の議論の焦点は恐らく殆どが事実認定の問題でしょう。裁判員制度導入に際しての深慮遠謀がどうだったかは措き、法曹界の中から「国民の関心の高い裁判の多くは、法曹界のエリート達が頭に詰め込んできた法解釈学よりも、どちらの言い分が正しそうか?という事実認定のほうが遥かにウェイトが高い」というパンドラの箱を開けよう(空けよう)という動きに出たことは注目に値します。

尤も、「七転び八起き」が職務上勉強しつづけなければならない経済法、金融法の分野では、事実認定と法解釈のウェイトが逆転しうることを言い添えなければなりません。ホリエモン事件や、関連する村上ファンド事件では、偽計やインサイダー取引という処罰根拠(構成要件該当性)は法解釈の問題なのです。古くは尾上縫事件。金融法という観点で重要なのは、尾上縫が偽の預金証書を刷ったかどうかという事実認定ではなく、債権者(銀行)は破綻個人への貸出債権と親法人の預金債務を相殺出来ないという判例のほうです。大証事件でも、天下りエリート役人の犯罪という社会面的な切り口より寧ろ、「(上場有価証券[デリバティブ]の)出来高も(価格と同様)相場操縦の対象となる」との判例が確立したことのほうが重要なのです。
CoRichブログランキング

2009年5月21日木曜日

FXレバレッジ規制「25倍まで」案を提示

金融庁。今朝の日本経済新聞の記事はスクープでもなければリークでもない。ちゃんとした取材に基づく事実の報道です。

記事の締めくくり部分「個人投資家らが反発する可能性もあり、実現には曲折が予想される」というのは、どうか?確かに、先日引用した「高レバレッジ+低スプレッドのFX業者とは破綻覚悟で付き合っているんだよ!文句あっか!?」というリスク選好と自己責任を兼ね備えた投資家にとっては造反有理。しかし、≪高レバ+低スプ業者は多くの個人投資家を愚弄し搾取している≫というのが監督当局としての事実認識または断固とした判断であったとしたら、業界やユーザーが反発したところで、実現への曲折はありえないのでは。

実は、一昨日大阪に出張し、財務省近畿財務局に2008年度決算の説明を行って参りました(道中、マスクは欠かさず着装)。1時間半に及ぶ質疑応答で思ったのは、証券監督課の皆さんが手抜きなく丁寧に勉強しておられ正鵠をついた質問をされつつ、「七転び八起き」が考えていること計画していることに対するご理解も速いこと。4年前、前任の社長から引き継いだとき言われたのは「証券会社の経営を最も知り尽くしているのは証券監督課の人たち。民間の(M&A等の)コンサルタントより優れている」という言葉。それを思い起こしました。

全ての官庁、全ての官僚が、例外なくGood Jobをしているとは言いません。が、少なくとも金融監督の分野において、「官から民へ」などと雑駁な理想像で官僚批判をしている人たちのなかに、具体的な代替案なり緻密なスタディが出来ているひとがどれだけ存在するか、甚だ疑問。
CoRichブログランキング