2009年9月9日水曜日

この道はいつか来た道♪~

大火傷の記憶が薄れた頃に必ず流行る金融商品があります。その代表例が、日経平均連動型(ノックイン・オプション内臓)仕組債。ノックイン・オプションの意味するところを厳密に説明するのを省きますと、

☆日経平均株価が仕組債の発行時よりも40%以上下がらなければ、発行価額(100円)で召喚され
る。

☆利率は3~4%と銀行預金や国債より遥かに高い。

☆最終償還期限は3年程度だが、発行後3ヶ月毎に、発行時の日経平均株価より少しでも高ければ早期に償還される。

この仕組債、「常識的」に考えるととても魅力的です。現実に、只今現在、普通の証券会社の店頭では大変良く売れているようです。「リーマンショックとは100年に一度の出来事なのだから、これから3年程度は再現しないだろう」と思えば、現物株を買うよりも全然有利に思えます。

そのリーマンショックのときには、ニューヨークダウは11,422から6,547へと一夜にして40%以上暴落したのでした。金融業界は、政府の監視と援助のもと、高リスク経営の反省のうえに、再生が図られていると、表立った指標をみる限りでは考えられます。

しかし、本日のWSJの記事「リーマンショックが薄らぎ金融部門のオーバーホール(分解点検)は頓挫」という記事によると、金融機関の自己売買部門が抱える一日平均の最大損失額Value at Riskは、今年2009年は昨年2008年よりも寧ろ拡大しており(第二四半期どうしで比較)、大手5行合算で10億㌦を初めて超えたというのです。

http://online.wsj.com/article/SB125245417031494185.html

ノックイン型の商品が個人向け店頭に並ぶ時期は、ミニバブルの円熟期です。根拠に乏しいユーロの対ドルでの高値同様、危険水域にあると言わざるを得ません。
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2009年9月8日火曜日

パーティーで音楽が鳴っているあいだは

某中央銀行の採用試験で4人目の面接官が金融研究所在籍の方でした。経済談義の流れで私が「現在の株式相場と不動産相場はバブルだと思います」と申し上げました。時は1987年の夏。結果的には当たっていた臍曲がり発言に対し、面接官は「いま“バブル”という用語を使われましたね。“バブル”と言えば、“合理的バブル”とはどういうものですか?定義を言いなさい」と切り返され、「し、知りません」と答えるしかありませんでした。

図書館や大学生協の本屋で経済学辞典を何冊か立ち読みしましたが、“合理的バブル”は出ていません。

その解答が、今朝の日経新聞の「やさしい経済学」に出ています。慶応大学の池尾和人教授が連載中の「『情報の経済学』と金融危機」の第6回目「裁定行動の限界」。自分だけがバブルの崩壊に賭けて、次の評価時点までにバブルが崩壊していなければ、(ライバルのファンドマネージャーとの)勝負に負けて極めて低い評価を受けてしまうリスク・・・儲かれば(大半が)自分のものになるが、損が出たときには出資者に押し付けることができて自分自身の負担にはならないという立場のファンドマネージャー達で金融業界が成り立っていると仮定すると、「パーティーで音楽が鳴っている間は、ダンスをやめられない」という状況に陥る、というお話。

同じく本日の日経新聞に、豪ドル相場が対米ドルでリーマン破綻前の水準に戻ったとあります。さて、これも合理的バブルなのでしょうか?
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2009年9月7日月曜日

いよいよ登場!!フェニックスCFD

皆さま、長らくお待たせしました。フェニックス証券がCFD(差金決済取引)のサービスを来たる9/18(金)からスタートします。

詳細はコチラ。
http://www.dreamnews.jp/?action_press=1&pid=0000009424
一世を風靡した(!?)FX【外国為替証拠金】取引と同じ要領で、株価(指数)や商品(指数)についても取引を可能にした新サービス名は

Active Zero Neo(アクティブ・ゼロ ネオ)

商品概要ページと口座開設ページを今後直ちにアップする予定です。
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2009年9月4日金曜日

タダより高いものはない

きょうの七転び八起きブログのタイトルをご覧になられて、民主党の有名なマニフェスト「高速道路の無料化」を、七転び八起きが批判しようとしているのかと思われたかも知れません。

政権交代の興奮から覚めない一週間が終わろうとしています。そして月初週末恒例の米国雇用統計です。或る意味「円高圏」での雇用統計は大きな投資チャンスです。情報は、フェニックス証券のホームページからどんどん御入手下さい。

http://phxs.jp/

民主党の官僚組織への号砲を各マスコミが取り上げ続けた今週ですが、七転び八起きが注目した海外発の「タダより高いものはない」はウェブ2.0の曲がり角を示唆する二つのニュースでした。

SKYPE(スカイプ)株の大半をe-Bayが売却へ

Youtube(ユーチューブ)、大手映画会社と手を結び、新作映画(全編)の有料配信ビジネスを開始、協議へ

SKYPEもYoutubeも、七転び八起きはそれらの無料サービスに公私共にお世話になっています。特にスカイプについては、ポリコム製のマイク&スピーカーを東京と大阪のオフィスに一台ずつ購入しただけで、永年、毎週、全社会議をやっています。このお陰で出張旅費がどんなに節約できていることか。

しかし、多くのユーザーが感じているように、グーグルがインターネット広告でサービス無料による持ち出しを回収して余りある収益を上げているのと同じように、スカイプやユーチューブも、いつかは回収できるのだろうかという疑問はありました。

まさにそのグーグルがユーチューブを買収することで、ユーチューブの創業者にとっては出口が見つかったわけですが、これがリーマンショック以降だったらどうなっていたでしょうか。同じことがスカイプについても当て嵌まる、そういう事象が立て続けに今週起きたのが印象的でした。
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