大火傷の記憶が薄れた頃に必ず流行る金融商品があります。その代表例が、日経平均連動型(ノックイン・オプション内臓)仕組債。ノックイン・オプションの意味するところを厳密に説明するのを省きますと、
☆日経平均株価が仕組債の発行時よりも40%以上下がらなければ、発行価額(100円)で召喚され
る。
☆利率は3~4%と銀行預金や国債より遥かに高い。
☆最終償還期限は3年程度だが、発行後3ヶ月毎に、発行時の日経平均株価より少しでも高ければ早期に償還される。
この仕組債、「常識的」に考えるととても魅力的です。現実に、只今現在、普通の証券会社の店頭では大変良く売れているようです。「リーマンショックとは100年に一度の出来事なのだから、これから3年程度は再現しないだろう」と思えば、現物株を買うよりも全然有利に思えます。
そのリーマンショックのときには、ニューヨークダウは11,422から6,547へと一夜にして40%以上暴落したのでした。金融業界は、政府の監視と援助のもと、高リスク経営の反省のうえに、再生が図られていると、表立った指標をみる限りでは考えられます。
しかし、本日のWSJの記事「リーマンショックが薄らぎ金融部門のオーバーホール(分解点検)は頓挫」という記事によると、金融機関の自己売買部門が抱える一日平均の最大損失額Value at Riskは、今年2009年は昨年2008年よりも寧ろ拡大しており(第二四半期どうしで比較)、大手5行合算で10億㌦を初めて超えたというのです。
http://online.wsj.com/article/SB125245417031494185.html
ノックイン型の商品が個人向け店頭に並ぶ時期は、ミニバブルの円熟期です。根拠に乏しいユーロの対ドルでの高値同様、危険水域にあると言わざるを得ません。
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