2009年4月3日金曜日

G20、ECB1.25%へ利下げ、そしてFASB

G20金融サミット閉幕、0.25%に止まった欧州中央銀行(ECB)の利下げ幅、そして今夜は注目の雇用統計と材料目白押しの今週末。昨夜の米国株連騰のMVPは、G20でもなければ、ECBでもなく、FASB(米財務会計基準審議会)です。

早い話が、「金融機関の不良債権や塩漬け有価証券の含み損をちゃんと出さなくても良い」というニュースに株式投資家が好感したということ。

御上が銀行の粉飾決算を黙認するから、時価総額が上がるという現象に、納得の行かない読者の方々も少なくない筈。

しかし、相場はトレンドが一番大事。理屈は頭の片隅に仕舞っておき、祭りには参加したほうが賢明です。

見た目の株価がどうであれ、びくとも動かない大型不動産の売買や、改善の兆しがない雇用情勢、そしてその背景にある世界の各大型金融機関が抱える不発弾の数々。この厳然たる事実がある限り、どこかで大規模調整はあります。株式や外貨を買い遅れたと嘆いていらっしゃる方々。後悔する必要は全くないと思います。

とまれ、我が国の「失われた10年」1990年代の金融敗戦のMVPこそ、押し付けられた時価会計です。押し付けておいたルールが自国に不利となると、あっけらかんと変更する。このような大国主義に文句のひとつも言えず、「これで株価が上がった。英断だ」と褒めちぎり、我が国も真似してみますか?という政策担当者の体たらくを批判する前に、迎撃ミサイルはすべて日本製で賄っていない現状を直視する必要はある。しかし現実は甘くはありません。一昨日来ブログで取り上げているウクライナこそ、屈指の豊かさを誇る穀倉地帯を背景に、気骨を以って大国と向かい合い、よってまた慢性的に経済危機とも向かい合っている実例です。
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