年末年始、市場の話題を攫って(涼って)いたビットコインが、またもや踊り場に来ています。
思い出したかのようにアップさせていただくBTCUSDのチャートがこちら。
「サラリーマン投資家が登場すると、相場もそろそろ大詰めというのは、洋の東西を問わない」と溜息をつきたくなるところですが、そうとも言い切れません。サラリーマン投資家の最たるものである中央銀行や年金が、7年以上、買いあさってきた日本株は、いま昭和バブル期を凌駕する高値圏にいるのです。
わたくしの過去のブログのアップでも、おおいに反省すべきものがあるのが、相場はファンダメンタルズで分析しても意味がない、先は読めないということです。インサイダー情報はここで言うファンダメンタルズではありません。
ビットコインをフォローするなかでぶち当たった気になるニュースがこちらです。
米国国会議事堂襲撃事件に関与したAlt-Right Groupとその主要人物にフランス人の極右青年から50万ドル相当のビットコインが「寄付」されていた!!!
このニュースが気になった理由は、いくつかあります。
ひとつ。ワシントンのキャピトルヒルの襲撃は、現職の大統領が暴力を首謀するとは、前代未聞だとか、言語道断だとか、さまざまな感想や意見が寄せられています。いっぽうで国会議事堂のセキュリティはいったいどうなっているのだなど、言われてみれば確かに解せない指摘もあります。
この点、トランプ前大統領に近い情報機関からは、同前大統領は集会や示威行動までは教唆したが暴力にまで走らせたのには別の首謀者がいるだとか、その別の首謀者は俗に言うアンティファという反トランプ陣営で、BLM運動などを通じて米国社会の破壊を企んでおり、その資金源は中国などの米帝転覆を狙う筋だとの陰謀論的な情報まで飛び交っているからです。
アンティファ云々は、絵空事のようにも思え、まともな情報機関は相手にしていないように見えますが、とにかく、歴史、政治、経済、、、科学(新型コロナウイルス感染症の関係を含みます)について、先入観を持たずに、権威の言説を猛進せずに、というのが我がブログの精神なので、そういう意味で、この事件は素直な気持ちで情報を収集し、冷静に分析をしたいと思っていたところなのです。
ふたつめ。ビットコイン(をはじめとするブロックチェーン)については、しばしばその本質に迫りたくて分析をしてきました。そのなかで、ビットコインの匿名性というのがあります。この記事によれば、500,000ドル相当のビットコインの送り主も受取人も把握できているわけで、とくに送り主についての詳細など、どのようにして「足がついた」のかについても、記事では開示できないが、ChainAnalysisとしてはしっかり把握できているのだと書かれているのです。
ChainAnalysisの記事には、フランス人で、ビットコイン送金後に自殺を図ったプログラマーの遺書が紹介されています。自殺の直接の原因と考えられる自身の体調不良についてのほかに、欧米諸国全体に対する「憂国」が綴られているのです。フランス国内に限らず、また米国にも限らず、欧米社会全体の伝統を蔑ろにする風潮、寄付者の言葉でワイマール共和国的な悪がはびこっているとし、その一例としてBLM運動が参照されています。
ところで、巨額のビットコインを誰が送り、誰が受け取ったか、このようにほとんど判明している理由は、わたくしにはよくわかりませんが、送金に使われたとされるフランス版暗号資産取引所のKYCがしっかりしていたからか、送金で使われたウォレットやノードのなかにあるExtremist
Legacy WalletやExtremist Donor Walletが何らかの理由でChainAnalysisの技術でトラッキング可能だったのかも知れません。
それによると、
ビットコインの寄付金はひとりの送り主から20口座近くのアドレスに送られていて、一部アドレスの「名義」がわからないものも含まれているようです。しかし、総額の約半分は、米国極右の代表格であるNick Fuente青年ひとりに送られているのです。
名うてのYouTuberだったらしい同青年は、同アカウントを凍結されるほどの筋金入りの極右で、有色人種排斥だけでなく反ユダヤでもあるようです。そうすると、ユダヤ人を娘婿に迎えたトランプ全大統領とは政治信条が完全一致するのかと、やや疑問を挟みたくもなります。米国の保守主義というのも幅があるようで、トランプ大統領のユダヤ人贔屓というもどう考えても打算の代物でしょう。Nick Fuente青年がトランプ前大統領を心底惚れ込んで応援団長を買って出ていると考えて間違いはなさそうです。
なんとかあらすじを拾ってみようと書いてきましたが、興味がある読者の皆さんは、まずは、ChainAnalysisの記事そのものをご覧ください。わたくしが書ききれなかった細かい情報やニュアンスが詰まっています。
この大スクープによって、トランプ派報道機関(Fox NewsやNew York Post など)が言う「集会させたのはトランプだが襲撃までさせたのはトランプ(と同じ考え方の人物)ではない」という言説は、さらに怪しいものに思えてきます。さらには、立場が真逆のアンティファが、トランプ派の振りをして、暴徒に混じるどころか、率先して国会議事堂に侵入し暴力行為を働いたというのは、やはり陰謀論にように思えるところです。かと言って、アンティファや一部のBLM運動にも許しがたい問題を引き起こしているものも厳然とあります。
自殺したフランス人プログラマーの、ワイマール共和国という譬えに沿うならば、まさに現在の米国は、ワイマール共和国成立後、国家社会主義労働者党と共産党が対立し、中道派が瓦解したドイツの状況に似ているのかも知れません。記事中のAlt-Rightとアンティファ、どちらが正義でどちらが悪者なのか、、、という観点でしか物事を判断できないひとが蔓延してきていることこそが、人類社会の崩壊の証左なのでしょう。
最後に余計なひとこと。実はアンティファだったというのが陰謀論ではなくて事実であったみたいなことは歴史上いくらでもあろうかと思います。我が国でも、安保闘争を暴徒化させた資金は、大東亜戦争後は代表的な右翼となった田中清玄から全学連に渡っていたものだったとされますが、なかには元外交官の孫崎亨氏のように、田中清玄を経由させた資金の出どころはCIAであり、その狙いは、岸信介で退陣あって、見事に狙い通りになったと説かれています。もちろんこの説が出鱈目だというひと(とくに安保闘争の当事者だったひとたち)もいます。
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