2008年6月30日月曜日

風を読めない東京放送

月曜日恒例となりました(!?)テレビ番組批評。先週に引き続き日曜9時のNHKスペシャルは沸騰都市シリーズ。前回がダッカ@バングラデシュで今回はイスタンブール@トルコ。EU入りを目指す政教分離派に対して「トルコはイスラム教の国だ」と主張する大衆。東西文化の十字路と言われ続けたイスタンブールは現在もまた文明の衝突の縮図的風景を写す一方、東西を隔ててきたボスポラス海峡の海底トンネル工事に日本のゼネコンの技術が活かされているというシーンも。日露戦争で露土戦争の敵を取ってくれたと親日ムードが高いと言われるトルコ。トンネル掘削技術だけでなく、日本人の数少ない長所だと筆者が勝手に思い込んでいる「多宗教という名の無宗教」という価値観を取り入れていただくとブレークスルーになるような気がしました。

解説を要しないかも知れませんが「多宗教という名の無宗教」は、クリスマスには恋人とディナー等を共にし年が明けると神社に大挙し、身内が死ぬとその多くはお寺の世話になるという宗教上の無節操のことを指しているつもりです。皮肉ではなく、このような無節操さがあったればこそ、わが国は物部氏蘇我氏以降は深刻な宗教戦争による国力の浪費無しに済んだのではないかと思うのです。

実はトルコという国、第一次世界大戦直後「瀕死のトルコ」だの「トルコは死んだ」などと言われる以前、オスマン王朝全盛期は、現在のニューヨークやモスクワを彷彿とさせる他民族国家であり、エリート官僚は人種や出自の差別なく能力に応じて登用されていたのだそうです(ミネルヴァ書房「西洋の歴史」近現代編)。いつの時代も世界の中心となり覇権を誇る国家なり都市というものは有能な外様を引き寄せ活かす力があるということでしょうか。

以前に当ブログで取り上げたドラマ「ハゲタカ」もそうでしたが、ただいま放映中の「監査法人」もNHKならではのドラマだと思います。「ハゲタカ」ほどの切れ味は感じないのですが、それでも清濁併せ持つ監査法人の理事長役の橋爪功さんの渋い演技、正義感だけで突っ走る若手会計士役の松下奈緒さんの鋭い目線は見もの。

そんな国営放送に比べると、東京放送「サンデーモーニング」、"喝、天晴れ"以外見ないという人も多いでしょうが、とりわけ筆者の大嫌いなコーナー"風を読む"で「グッドウィル、NOVA、が倒れ、規制緩和の負の遺産」。規制緩和に乗じて一儲けしようとする一部の特殊な人間を槍玉に挙げることで、規制緩和そのものを非難し、規制緩和から業界の既得権益を守ろうという世論誘導。コーナーの締めは勿論TBSのお家芸「街角インタビュー」でした(苦)。

大株主楽天の野村監督をアイドル扱いするのは資本の論理で仕方無いと同情しますが、横浜ベイスターズはオーナーチェンジしてあげないと幾ら何でも可哀想じゃないですか?
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指標テンコ盛りの一週間。雇用統計は木曜日です(--)/

2008年6月27日金曜日

贋物と偽装【週末恒例の夕刊】

鰻と牛肉-偽装が耐えない今週でありました。

偽装と贋物とちょっとだけニュアンスが違うなぁと思い出したのが、学生の頃に京セラの本社にお邪魔する機会があり受けたプレゼン。本業とは別に当時京セラは人工ダイヤモンド(ブランド名「クレサンベール」-フランス語で緑色の月)なるものを作っていました。これについて、プレゼンしてくれた重役が「ひとは人工ダイヤモンドのことを贋物のダイヤだと言う。けど天然のダイヤには若干の不純物が混ざっているのに対して人工のダイヤは100%ダイヤなので自分たちは人工ダイヤを“ホンモノ”のダイヤだと思っているんです」。

贋物を「贋物で何が悪い」と堂々とアピールできる(記者会見で口を噤まない)のなら、微妙ですが、“ホンモノ”のような気がします。

アジア好きの友人が最近教えてくれました。曰く、「アジアの大都市には必ずある贋物市場、最近は驚くほど品質が向上していて本物と見間違えるほど。中には表面上のデザインだけわざと変えて『中身は“ホンモノ”と変わらないけど、ちゃんと贋物ですよ」と訴えたがっているような贋物まである」と。

贋物を喜んで買ったり、国内に持ち込んだりしてはいけませんが、「偽装していない贋物」が「本物のブランド」の1割程度の価格で入手できるという実態は、舶来ブランドが幾ら苦労して作り上げられたものとは言え、それに胡坐をかいてはいけないということを示しているのではないでしょうか。
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今週も乱筆乱文に加え天邪鬼な相場観にお付き合いくださりありがとうございました。どうぞ良い週末を(--)/

正義は勝つのか?

●M&Aの価値が崩落、バイアウト・ブームの終焉で(6/26FT)
昨日今日の相場の話ではありません、と。

●プライベート・エクイティ・ファンド、銀行救済のための資本注入が容易に(6/27WSJ)
FED主導で、大量保有規制「25%ルール」ちょっとだけ見直し?
信用収縮問題が米国地銀に蔓延してきたための措置??

GM株、53年来の安値(6/26WSJ)
53週じゃないですよ。

今日も“おまけ”
●北朝鮮が核計画申告-米、テロ支援国家の指定解除(6/26FT、WSJ他)
飢餓や脱北者が取り沙汰される毎に「北朝鮮は早晩崩壊する」と何年も前から多くの専門家諸氏が嘯いて来ました。残念ながらというべきか、予想は完璧に現実から裏切られています。

「正義は勝つ」という歴史観-例えばペロポネソス戦争は本当に“正義の国”だが文弱のアテネが軍事国家スパルタを破ったというストーリーなのかどうか、神話化された歴史教科書を信じて良いのかどうか?

古代史だけではありません。第二次大戦で真っ先にナチスドイツに攻め込まれ蹂躙されたポーランドがソビエトロシアに救われた、というのは戦勝国がでっち上げた歴史。事実はポーランド人を殺戮した数はナチスもソ連も略同じらしいです。

要するに勝てば官軍、「正義は勝つ」であって、歴史にも戦争にも“大義”はあっても“正義”は無いのです。

北朝鮮の飢餓問題、核問題は事実でしょう。しかし、傍目にも理不尽な圧制が崩壊しそうでしないどころか、米国をも翻弄するパワーの源泉は何か?牛肉で米国の歓心を買おうとしただけで政権が崩壊しそうな韓国ともども、わが国も研究しなければなりません。

正義の味方、水戸黄門や遠山の金さんが居たところで、平和な生活は守ってくれませんよ。
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ブランド偽装と一緒にして欲しくないミートホープ事件。格付け偽装のシンセティックCDOと似てるなぁ(--)/

2008年6月26日木曜日

続 インフレのど自慢

●Fed金利据え置きで株価は上昇(6/25FT、WSJなど)
翌日物金利2%据え置きは予想通り。昨年9月以来の利下げに遂に終止符。ダラス地区連銀のフィッシャー頭取のみ利上げ支持。

来月3日開催予定のECB総会を控えてのトリシェ総裁の鷹派発言もあり、ドルは対ユーロで下落。

中央銀行高官たちのスタグフレーション黙認の中、インフレのど自慢は続きます。

●ヨーロッパの銀行間貸出、不安が再燃(6/26WSJ)
短期金融市場の緊張が再び高まる。翌日物金利(FFレート)とインターバンク金利との乖離のグラフを示しながらWSJ紙。4半期決算を控え、同期末のバランスシート上「わが銀行は健全だ」と見せたいための現預金取り急ぎという要因も。

昨年夏の金融危機以降、世界中で銀行セクターが調達した資本増強額は3000億㌦、不良債権償却額は4000億㌦。

来月決算発表の欧州系、更に何十億㌦単位の資本増強が必要になると一部のアナリスト。指摘されている銀行はコメントを控えているとのこと。

●マスターカード、アメックスに18億㌦の支払いを認める(6/26WSJ、FT)
4年に亘る反トラスト法訴訟の末。

●ロンドン証券取引所、全ヨーロッパ株式の取引プラットフォーム案を公開-リーマンブラザーズとのジョイントベンチャー(6/26FT)
カタール証券取引所への出資では、NYSE-ユーロネクスト陣営に敗れたLSE。その数日後にこの動き。

さて、東証はサーバー増強(昨夕日経)だけで生き残れるのでしょうか?
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自分の畑で取れる食材以外は所詮信用出来ないもの。うなぎは畑じゃ無理だけど(--)/