昨夜は午前1時に帰宅。でも何故か朝5時にはスカッと目が覚め、出勤時刻ぎりぎりまでCNBCを“観戦”。FEDが一転してAIGからの資金供給の要求に応ずるとの報道で、同社株が下げ止まりつつザラ場は終了するも、具体的な支援策がハッキリしていないとか、(リーマンを潰す一方で生保を助ける)法的権限はFEDにないという意見とかが取引時間後に噴出。時間外では再び同社株は下落気味に乱高下。CNBCの出演者も文字通り“朝まで生テレビ”状態でFEDの対応を正当化できるか出来ないかで喧々囂々でした。
これから、ビジネスアスキー+マネージャパン共同企画の第三弾で、あの森永卓郎さんに直撃インタビューに参ります。何と言うタイミングの良さ(!?)でしょうか。AIG問題は是非続きをお楽しみに。
ところで、昨日朝のブログに書きました筆者のガン保険@AIG。家内が解約申し出のために電話をしてくれていたそうですが、一日中繋がらなかったとガッカリしていました。
取り付け騒ぎはもう起きているのです。掛け捨ての筆者は諦めがつきますが、積み立て加入者にとっては堪ったものではない筈。上記FED対応を正当化する筋は、保険加入者保護を理由にしています。
2008年9月17日水曜日
2008年9月16日火曜日
AIGは今夜が山か【夕刊】
早速ですがクイズです。この会社は何処でしょう?
95年4月Aaaを取得(ムーディーズ。以下、同様)
05年3月Aa1(ただし格下げ方向で見直し・・・それでも最高格付けより1段階下なだけ)
同年5月Aa2(最高格付けより2段階下なだけ)
そして
今年5月9日、上記格付けを格下げ方向で見直し⇒同月22日Aa3に格下げ
昨日9月15日Aa3を格下げ方向で見直し
ヒントにならないヒントとして、Aa3(最高格付けより3段階下なだけ)水準の日本「企業」には、イトーヨーカ堂、東邦ガス、そして日本国そのものなどがあります。
答えは、ブログの表題にあります。
ついでにリーマンの格付けですが、9月10日にA2(方向なく見直し)状態のまま、昨日の結果となっています(現在はB3と一瞬で10段階引き下げ)。
ムーディーズの社名にはインベスターズ・サービスとなっていますが、投資家のために何のサービスをしているのでしょうか?
“失われた10年”の後半に、日本国債の格付けをボツワナ以下に引き摺り下ろして一挙に知名度をあげたムーディーズ。ポールソン長官が「リーマンには時間があった筈」と破綻理由を語る脇で、保有資産の劣化や最大可能損失、健全な限度を超えたレバレッジを査定するには「時間がなかった」という言訳が通用するでしょうか。エンロンの倒産直前の格付けがA2だったことを想起させる事象が相次ぐ可能性があります。
95年4月Aaaを取得(ムーディーズ。以下、同様)
05年3月Aa1(ただし格下げ方向で見直し・・・それでも最高格付けより1段階下なだけ)
同年5月Aa2(最高格付けより2段階下なだけ)
そして
今年5月9日、上記格付けを格下げ方向で見直し⇒同月22日Aa3に格下げ
昨日9月15日Aa3を格下げ方向で見直し
ヒントにならないヒントとして、Aa3(最高格付けより3段階下なだけ)水準の日本「企業」には、イトーヨーカ堂、東邦ガス、そして日本国そのものなどがあります。
答えは、ブログの表題にあります。
ついでにリーマンの格付けですが、9月10日にA2(方向なく見直し)状態のまま、昨日の結果となっています(現在はB3と一瞬で10段階引き下げ)。
ムーディーズの社名にはインベスターズ・サービスとなっていますが、投資家のために何のサービスをしているのでしょうか?
“失われた10年”の後半に、日本国債の格付けをボツワナ以下に引き摺り下ろして一挙に知名度をあげたムーディーズ。ポールソン長官が「リーマンには時間があった筈」と破綻理由を語る脇で、保有資産の劣化や最大可能損失、健全な限度を超えたレバレッジを査定するには「時間がなかった」という言訳が通用するでしょうか。エンロンの倒産直前の格付けがA2だったことを想起させる事象が相次ぐ可能性があります。
リーマン破綻への専門家コメント集
昨夜、帰宅してからニュース番組をハシゴ。リーマン破綻についての感想や日本経済への影響についてインタビュアーから聞かれて専門家の皆さんが色々なコメントをされていました。
【野村証券】木内氏:株式と米ドルから離れた資金は原油へと再び向かう。株安、ドル安、原油高で日本経済は苦難の道へ向かうだろう(東京放送News23)
(七転び八起きの感想)原油高?
【双日総研】吉崎氏:ベアスターンズには証券化のノウハウがあったため存続価値を認められた、リーマンには存続に値する中身が無かったから潰された(テレビ東京ワールドビジネスサテライト)
(七転び八起きの感想)これはユニークな見方で注目。多数説はベア・スターンズ救済方法の反省(拙速との批判を恐れず頭ごなしに1株2㌦と決めたこと。血税負担の規模が不透明であること。救済したが元ベア社員の活用・転用にJPモルガン・チェースの経営陣が頭を悩ませていること等々)の影響大と見ているのでは。
【MUFJ】五十嵐氏:CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)、リーマンから現物決済(フィジカル・デリバリー)で受け渡される債権がちゃんとしたものであれば、影響はない(日経CNBC特別番組)
(七転び八起きの感想)筆者の理解力を超えており、感想はありません。
昨日朝のブログの通り、フェニックス証券にはテレビが無いので、昨日日中は従業員はロイターとブルームバーグを中心に、筆者はウォールストリートジャーナルやヘラルドトリビューンなどの刻一刻と更新される記事を中心に、動静を見守っておりました。気になったのは、WSJの記事のテンプレート。バンカメ⇔メリルの救済合併成立やリーマンの連邦破産法11条申請に向けて度々更新されるものの、大枠は不動であった中、
朝イチ、「ことリーマンに対しては、ベア・スターンズやファニー&フレディと“一線を画した”米国政府」という表現だったのが、日本時間10時以降は「ベアやファンフレッドの時より“格段に厳しく対応した”米国政府」と表現を入れ替えているのです。
《英語では、draw a line in the sandからplay much tougher (with Lehman)となっている。前後残りは何度更新されても変わらず》
金土日と夜を徹した会議でGS、モルスタのCEOは「モラルハザードと血税投入を伴う軟着陸」案に断固として反対したのではないでしょうか?同業他社を徹底的に見殺しにするという文化は我が国では理解しがたいかも知れませんが、お家騒動で失脚したものの結局実力が評価され再登板した直球勝負のCEOマック・ザ・ナイフにはそういう哲学が感じられます。
「小説 日本興業銀行」という身内が読んでもつまらない経済小説(?)の巻頭に、山一證券の(一回目の)倒産に際し、日銀氷川寮で日銀特融を迫る中山素平当時頭取と最後に「よっしゃ」と言った田中角栄当時大蔵大臣の遣り取りがあります。中山素平氏とジョン・マック氏の考え方、バックグランドは如何にも対照的です。
そんな中、
●AIGから緊急融資を懇願されていたたFED。GS、JPモルガンに代わりに出してあげてくれと(9/16各紙)
最後におまけ・・・
【筆者の家内】AIGに月々1500円払わされている筆者のがん保険。「安心を買うのが保険なのに、払えば払うほど不安になるAIG。明日にでも解約して、その分を私の小遣いとしてくれないか」と。
(七転び八起きの感想)どうせ掛け捨てだから、そのほうが良いかも(TT)
【野村証券】木内氏:株式と米ドルから離れた資金は原油へと再び向かう。株安、ドル安、原油高で日本経済は苦難の道へ向かうだろう(東京放送News23)
(七転び八起きの感想)原油高?
【双日総研】吉崎氏:ベアスターンズには証券化のノウハウがあったため存続価値を認められた、リーマンには存続に値する中身が無かったから潰された(テレビ東京ワールドビジネスサテライト)
(七転び八起きの感想)これはユニークな見方で注目。多数説はベア・スターンズ救済方法の反省(拙速との批判を恐れず頭ごなしに1株2㌦と決めたこと。血税負担の規模が不透明であること。救済したが元ベア社員の活用・転用にJPモルガン・チェースの経営陣が頭を悩ませていること等々)の影響大と見ているのでは。
【MUFJ】五十嵐氏:CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)、リーマンから現物決済(フィジカル・デリバリー)で受け渡される債権がちゃんとしたものであれば、影響はない(日経CNBC特別番組)
(七転び八起きの感想)筆者の理解力を超えており、感想はありません。
昨日朝のブログの通り、フェニックス証券にはテレビが無いので、昨日日中は従業員はロイターとブルームバーグを中心に、筆者はウォールストリートジャーナルやヘラルドトリビューンなどの刻一刻と更新される記事を中心に、動静を見守っておりました。気になったのは、WSJの記事のテンプレート。バンカメ⇔メリルの救済合併成立やリーマンの連邦破産法11条申請に向けて度々更新されるものの、大枠は不動であった中、
朝イチ、「ことリーマンに対しては、ベア・スターンズやファニー&フレディと“一線を画した”米国政府」という表現だったのが、日本時間10時以降は「ベアやファンフレッドの時より“格段に厳しく対応した”米国政府」と表現を入れ替えているのです。
《英語では、draw a line in the sandからplay much tougher (with Lehman)となっている。前後残りは何度更新されても変わらず》
金土日と夜を徹した会議でGS、モルスタのCEOは「モラルハザードと血税投入を伴う軟着陸」案に断固として反対したのではないでしょうか?同業他社を徹底的に見殺しにするという文化は我が国では理解しがたいかも知れませんが、お家騒動で失脚したものの結局実力が評価され再登板した直球勝負のCEOマック・ザ・ナイフにはそういう哲学が感じられます。
「小説 日本興業銀行」という身内が読んでもつまらない経済小説(?)の巻頭に、山一證券の(一回目の)倒産に際し、日銀氷川寮で日銀特融を迫る中山素平当時頭取と最後に「よっしゃ」と言った田中角栄当時大蔵大臣の遣り取りがあります。中山素平氏とジョン・マック氏の考え方、バックグランドは如何にも対照的です。
そんな中、
●AIGから緊急融資を懇願されていたたFED。GS、JPモルガンに代わりに出してあげてくれと(9/16各紙)
最後におまけ・・・
【筆者の家内】AIGに月々1500円払わされている筆者のがん保険。「安心を買うのが保険なのに、払えば払うほど不安になるAIG。明日にでも解約して、その分を私の小遣いとしてくれないか」と。
(七転び八起きの感想)どうせ掛け捨てだから、そのほうが良いかも(TT)
2008年9月15日月曜日
ウォール街の事故米
今朝の休日出勤はFX業者の社長としては当然。でも出勤前に、CNBC、BBC、CNNと忙しなくチャンネルを動かす毎に米リーマン関連の速報が飛び出し、なかなかテレビの前を離れられない始末。会社にもテレビを一台くらいは置いておかねばと反省。ちなみに日本の地上波は何時も通りのワイドショー、事故米で騒いでいる。。。ウォール街の事故米のほうが日本国民にとってもより差し迫った猛毒であることはワイドショーの連中には理解できないのでしょう。
●バンカメもバークレイズも、米リーマンの救世主からイチ抜けた、ニ抜けた(9/15WSJ)
金曜日のWSJ紙は、米リーマンの救済シナリオを週明けまでに策定するため、財務長官、連銀議長、SEC議長のほか、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーのCEOが集められたと報じています。
そのとき何故、GSとモルスタなのか筆者はすぐにピンと来ませんでした。金曜日の時点で救世主候補だったのは、バンカメを筆頭に、バークレイズ銀行、HBOS(以上、英国勢)、野村證券、MUFJ(以上、日本勢)、BNPパリバ等々と記憶しています。
「6850億円ぽっちの公的資金導入を政局にしてしまう日本と異なり、巨額の公的資金を素早く決断できる米国は流石だ」という論調が息巻く一方、97年のLTCM救済や今年3月のベアスターンズ救済のように、「ヘッジファンドや投資銀行如きの救済に血税を使うか?モラルハザードだ!」というグリーンスパン流の論調が、破綻の連鎖が憶測される中で強まってきています。GS・モルスタは、「投資銀行業界の中で資金を捻出し独自のセーフティネットをぶち上げてくれないか?」という説得のために召集されたと考えられます。
世界を代表する商業銀行が次々と名乗りを上げては撤収するのは、ベアスターンズ救済時に用意された瑕疵担保条項(不良債権の将来損失も公的資金でカバー)を今回(以降!?)は付けられないがそれでも買ってくれないかという説得を拒否した結果でしょう。
我が国の失われた90年代(筆者は決して「失われた」とは思っていないのですが、、、)、銀行業界は、
①名ばかりの共同債権買取機構
②住専破綻処理で「母体行責任⇔貸し手責任」の不毛な論争の末6850億円の税金投入
③特別検査⇒一時国営化⇒公的資金導入という破綻処理の確立
④破綻前でも公的資金を入れざるを得ないデフレスパイラル
という運命に翻弄されます。現在、リーマンを取り巻くウォール街の議論からは上記④⇒③⇒②or①に逆戻りせざるを得ない状況を感じます。
そんな中、
●メリルリンチとバンカメ、合併観測-株式交換で(9/15NBC、WSJほか)
ただし、最後の最後で破談になる可能性もあるとの報道。
●バンカメもバークレイズも、米リーマンの救世主からイチ抜けた、ニ抜けた(9/15WSJ)
金曜日のWSJ紙は、米リーマンの救済シナリオを週明けまでに策定するため、財務長官、連銀議長、SEC議長のほか、ゴールドマンサックスとモルガンスタンレーのCEOが集められたと報じています。
そのとき何故、GSとモルスタなのか筆者はすぐにピンと来ませんでした。金曜日の時点で救世主候補だったのは、バンカメを筆頭に、バークレイズ銀行、HBOS(以上、英国勢)、野村證券、MUFJ(以上、日本勢)、BNPパリバ等々と記憶しています。
「6850億円ぽっちの公的資金導入を政局にしてしまう日本と異なり、巨額の公的資金を素早く決断できる米国は流石だ」という論調が息巻く一方、97年のLTCM救済や今年3月のベアスターンズ救済のように、「ヘッジファンドや投資銀行如きの救済に血税を使うか?モラルハザードだ!」というグリーンスパン流の論調が、破綻の連鎖が憶測される中で強まってきています。GS・モルスタは、「投資銀行業界の中で資金を捻出し独自のセーフティネットをぶち上げてくれないか?」という説得のために召集されたと考えられます。
世界を代表する商業銀行が次々と名乗りを上げては撤収するのは、ベアスターンズ救済時に用意された瑕疵担保条項(不良債権の将来損失も公的資金でカバー)を今回(以降!?)は付けられないがそれでも買ってくれないかという説得を拒否した結果でしょう。
我が国の失われた90年代(筆者は決して「失われた」とは思っていないのですが、、、)、銀行業界は、
①名ばかりの共同債権買取機構
②住専破綻処理で「母体行責任⇔貸し手責任」の不毛な論争の末6850億円の税金投入
③特別検査⇒一時国営化⇒公的資金導入という破綻処理の確立
④破綻前でも公的資金を入れざるを得ないデフレスパイラル
という運命に翻弄されます。現在、リーマンを取り巻くウォール街の議論からは上記④⇒③⇒②or①に逆戻りせざるを得ない状況を感じます。
そんな中、
●メリルリンチとバンカメ、合併観測-株式交換で(9/15NBC、WSJほか)
ただし、最後の最後で破談になる可能性もあるとの報道。
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