フェニックス証券協賛・・・と偉そうに言いますが社長個人がチケットノルマを引き受けただけのこと(爆)・・・日本を代表するヴィルトゥオーゾの旗手、ヴァイオリニスト印田千裕さんによる約2年振りのリサイタルが、先週金曜日、東京上野の東京文化会館で行なわれ、満場の聴衆を感動の渦に巻き込みました。
当日のプログラム
①幸田延 ヴァイオリンソナタ第二番(1897)(楽譜校訂:池辺晋一郎)
②バデレフスキー ヴァイオリンソナタ イ短調 作品13(1880)
③尾崎宗吉 堤琴と洋琴のための奏鳴曲 第2番(1938)(楽譜校訂:小宮多美江/印田千裕)
④寺内園生 パッション(1993)
⑤ブラームス ヴァイオリンソナタ第三番ニ短調 作品108(1888)
①は、いまや、寄席で言えばお囃子とも言える(!?)印田さんにとっての入場テーマ曲として定着しつつあると言えます。
残念なことにあまり知られていない「クラシック音楽黎明期」の日本の才能ある作曲家の埋もれた作品を発掘するというライフワーク、、、今回で言えば、③がそうですが、、、の橋頭保となった作品です。
いっぽう、④は現役の女流作曲家による作品。現代曲としての十分な複雑さや緻密さを確保しながらも、親しみやすさや「クラシック音楽にしかない官能性」をも兼ね備えた作品は、演奏家には極めて高い技術を要求するものでしたが、印田さんも、そしてピアノ伴奏の安田正昭さんもその要求に見事に応えられ、客席にいらした作曲家の寺内さんには惜しみない拍手が贈られていました。
約二年振りとなる今回のリサイタルのひとつの柱が、前述の「日本の・・・」だとすると、もうひとつは②のパデレフスキーかも知れません。極めてユニークなキャリア・・・マルチ人間・・・を持つ作曲家のことに関しては、、、是非是非ネットで検索してみてください。
リーマンショックなどを経て、この2年間でクラシック音楽を取り巻く環境は大いに変質したと言わざるを得ません。このような「かっちり」とした演奏会を開き立派なホールを満席に出来るのは、、、商業メディアに偶像化された似非タレントを除けば、、、極々わずかな本物だけに許されることだと思います。今回の聴衆のみなさんも半分はヴァイオリンを習ったか習っているか教えているかという方々だったのではないかと想像します。残り半分のクラシック音楽ファンの皆さん・・・フェニックス証券経由でチケットをお求めいただいた皆さんはコチラに属します(笑)・・・にとっては、最後の⑤で、やっと親しみのある曲が登場したという感覚をお持ちになったことでしょう。
かく言うわたしもそのひとりです(爆)。
マラソンで言えば35キロ地点を過ぎてからのブラームスの大曲が壁のような上り坂に見える筈ですが、われわれが目にし耳にしたのは胸の空くようなラストスパートとウィニングランでした。
このようなコンサートが満員になることで、日本の音楽界も捨てたものではない。音楽に真摯に取り組むことがちゃんと報われる機能がなんとか備わっていると、ほっとした週末の夜でした。
チケットをお求めいただいた大勢のみなさまに、この場をお借りして、こころから感謝申し上げます。ありがとうございました。
2011年1月12日水曜日
2011年1月4日火曜日
2011年は何に投資をすべきでしょうか?
中国は過大評価されているのか?
読者のみなさま、あけましておめでとうございます。
七転び八起きブログとしては、3回目の謹賀新年。。。雇用の保証のない雇われ社長としては実に5年半。。。。。。こうして、ある程度、好き勝手なことが言えるのもみなさまのお陰だと改めて感謝する新年でございます。
さて、「(来年)今年はどうなりますか?」「どうすれば儲かりますか?」と、年末年始にお会いした沢山の方々から異口同音に殆ど同じ質問を受けました。
それがわかっていれば苦労はないですし、本当にわかっていれば、誰にも教えずひとりでおカネ儲けをすることでしょう(爆笑)。
どうもわからないといういい加減な前提でモノ申せば、やはり中国の評価が大きなポイントになると思います。
思えば、日清戦争から始まり日中戦争~共産党政権の誕生~文化大革命・・・そして今日の中国というふうに振り替えると、中国というのは過小評価と過大評価を極端に繰り返してきた対象のように思います。
中国人全てがとは言えませんが、多くの国民が物質文明に麻痺してしまった日本に比べると、ハングリー精神を忘れていない良質なインテリジェンスと豊富な単純労働力が中国にはある、、、という点で、中国への評価はまだまだ維持されなければならないでしょう。逆に言えば、日本は大いに反省する必要があります。
「超」がつく就職氷河期のひとつの原因は明らかに旧態依然とした日本的経営(終身雇用や年功序列など)にありますが、もうひとつは日本的経営にまったくこだわっていない例えばフェニックス証券のような会社にとって殆どの場合は偏差値に関係なく新卒採用に魅力を感じることは出来ないくらい日本語堪能な中国人が応募に来られるのです。いわんや、学生の多くが出来れば日本的経営が今後も安定しそうな大企業(そんなものは存在しないことを知らないこと自体がすでに勉強不足!!!)を嗜好しているというのですから話になりません。
比較の対象≒評価の基準を間違えてはいけない
しかし、停滞から抜け出せそうもない日本を目指す外国人の多くが経済発展最も著しいと誰もが認める中国から供給されているという皮肉には大いに注目する必要があります。
わたしは、中国のバブルというのは、単純労働力が日本に比べて遥かに安い他のアジアの国々(かつて?BRICSという言葉に置き換わるまでASEANとかNIESと言われてきた日本中国以外のアジア諸国)と比較しての過大評価だと考えています。
各階層の優秀な人材が何故経済発展の中心から経済停滞の中心へ移動したがるのか?日本人が日本自身の問題点として繰り返す少子高齢化や格差の拡大とか格差の固定化は、絶対評価としてはその通りでも、相対評価としては中国のほうがより深刻であるという点を見逃してはなりません。
昨年10月に出張した中国東北部には、ニョキニョキと乱立する高層ビルのなかに不良債権があちこちに出始めている現状、そのビルの谷間に潜んでいるように見える道教の寺院で敬虔に祈りをあげる多くの民衆などなど、日本の大手メディアが取り上げない不可解な事実を垣間見ました。
バブルにソフトランディングは有り得ない
道教とアナーキズムの原点とも言われる老荘思想とは無関係との説もありますが、太平道、五斗米道、、、太平天国、、、それにチベットなど少数民族の宗教や同じく弾圧された「法輪功」まで含めるのはやりすぎですが、、、などなどの無政府運動の大きな潮流は、中原を治めた中央集権的且つ収奪的国家権力が度を越したときに勢いを増すという中国の歴史のサイクルは今でも生きているのではないかと思われます。尖閣諸島問題などの外患を、内憂の吐け口に使い始めているという最近の傾向はどうやらこうした空気を読んでの動きではないか。金融引き締めも同じです。
しかし、米国初のITバブルも、サブプライムバブルも同じで、バブルの解消にはソフトランディングが可能かどうかというのは度々繰り返されてきた愚問だと言えます。それが何時発生するかを読む抜くことは不可能に近いですが、そのリスクを覚悟した資産運用としては何が可能か。
ひとつの答えは、現預金と個人向け国債ですが、これらは読者の皆さんの期待する答えではないでしょうから(笑)、次稿に譲りたいと思います。
読者のみなさま、あけましておめでとうございます。
七転び八起きブログとしては、3回目の謹賀新年。。。雇用の保証のない雇われ社長としては実に5年半。。。。。。こうして、ある程度、好き勝手なことが言えるのもみなさまのお陰だと改めて感謝する新年でございます。
さて、「(来年)今年はどうなりますか?」「どうすれば儲かりますか?」と、年末年始にお会いした沢山の方々から異口同音に殆ど同じ質問を受けました。
それがわかっていれば苦労はないですし、本当にわかっていれば、誰にも教えずひとりでおカネ儲けをすることでしょう(爆笑)。
どうもわからないといういい加減な前提でモノ申せば、やはり中国の評価が大きなポイントになると思います。
思えば、日清戦争から始まり日中戦争~共産党政権の誕生~文化大革命・・・そして今日の中国というふうに振り替えると、中国というのは過小評価と過大評価を極端に繰り返してきた対象のように思います。
中国人全てがとは言えませんが、多くの国民が物質文明に麻痺してしまった日本に比べると、ハングリー精神を忘れていない良質なインテリジェンスと豊富な単純労働力が中国にはある、、、という点で、中国への評価はまだまだ維持されなければならないでしょう。逆に言えば、日本は大いに反省する必要があります。
「超」がつく就職氷河期のひとつの原因は明らかに旧態依然とした日本的経営(終身雇用や年功序列など)にありますが、もうひとつは日本的経営にまったくこだわっていない例えばフェニックス証券のような会社にとって殆どの場合は偏差値に関係なく新卒採用に魅力を感じることは出来ないくらい日本語堪能な中国人が応募に来られるのです。いわんや、学生の多くが出来れば日本的経営が今後も安定しそうな大企業(そんなものは存在しないことを知らないこと自体がすでに勉強不足!!!)を嗜好しているというのですから話になりません。
比較の対象≒評価の基準を間違えてはいけない
しかし、停滞から抜け出せそうもない日本を目指す外国人の多くが経済発展最も著しいと誰もが認める中国から供給されているという皮肉には大いに注目する必要があります。
わたしは、中国のバブルというのは、単純労働力が日本に比べて遥かに安い他のアジアの国々(かつて?BRICSという言葉に置き換わるまでASEANとかNIESと言われてきた日本中国以外のアジア諸国)と比較しての過大評価だと考えています。
各階層の優秀な人材が何故経済発展の中心から経済停滞の中心へ移動したがるのか?日本人が日本自身の問題点として繰り返す少子高齢化や格差の拡大とか格差の固定化は、絶対評価としてはその通りでも、相対評価としては中国のほうがより深刻であるという点を見逃してはなりません。
昨年10月に出張した中国東北部には、ニョキニョキと乱立する高層ビルのなかに不良債権があちこちに出始めている現状、そのビルの谷間に潜んでいるように見える道教の寺院で敬虔に祈りをあげる多くの民衆などなど、日本の大手メディアが取り上げない不可解な事実を垣間見ました。
バブルにソフトランディングは有り得ない
道教とアナーキズムの原点とも言われる老荘思想とは無関係との説もありますが、太平道、五斗米道、、、太平天国、、、それにチベットなど少数民族の宗教や同じく弾圧された「法輪功」まで含めるのはやりすぎですが、、、などなどの無政府運動の大きな潮流は、中原を治めた中央集権的且つ収奪的国家権力が度を越したときに勢いを増すという中国の歴史のサイクルは今でも生きているのではないかと思われます。尖閣諸島問題などの外患を、内憂の吐け口に使い始めているという最近の傾向はどうやらこうした空気を読んでの動きではないか。金融引き締めも同じです。
しかし、米国初のITバブルも、サブプライムバブルも同じで、バブルの解消にはソフトランディングが可能かどうかというのは度々繰り返されてきた愚問だと言えます。それが何時発生するかを読む抜くことは不可能に近いですが、そのリスクを覚悟した資産運用としては何が可能か。
ひとつの答えは、現預金と個人向け国債ですが、これらは読者の皆さんの期待する答えではないでしょうから(笑)、次稿に譲りたいと思います。
2010年12月27日月曜日
仙谷官房長官と小村寿太郎
きのうのテレビ朝日より
「僕(=仙谷官房長官)はよく例に出すのは、日露戦争のあとのポーツマス条約の小村寿太郎が『日比谷焼き討ち事件』を以って迎えられた一方、松岡洋右が国際連盟を脱退して帰ってくると歓呼の声で迎えられたこと」
ここだけ抜き出すと、中国船長の釈放を(事実上)意思決定した民主党≒仙谷官房長官を小村寿太郎に譬えているように誤解されやすいですが、実はこれは「同僚」である小沢元代表の人物評を聞かれての答えでありまして、憎まれ役を買って出ているがそれが正しいことを歴史が証明してくれれば良いというタイプの政治家だとエールを送っていた部分なのでした。
さて、再び新しい大国の狭間で翻弄され始めた日本は、この小村・松岡両名の外交史から学ぶところが多そうです。「小村寿太郎 松岡洋右」で検索したところ、このようなページが見つかりました。勝手にリンクをさせていただきます。
日本外交の栄光と挫折~国際社会と闘った男たち(2)~松岡洋右「日独伊三国同盟締結の誤算」
ホームページの作者のプロフィール
「僕(=仙谷官房長官)はよく例に出すのは、日露戦争のあとのポーツマス条約の小村寿太郎が『日比谷焼き討ち事件』を以って迎えられた一方、松岡洋右が国際連盟を脱退して帰ってくると歓呼の声で迎えられたこと」
ここだけ抜き出すと、中国船長の釈放を(事実上)意思決定した民主党≒仙谷官房長官を小村寿太郎に譬えているように誤解されやすいですが、実はこれは「同僚」である小沢元代表の人物評を聞かれての答えでありまして、憎まれ役を買って出ているがそれが正しいことを歴史が証明してくれれば良いというタイプの政治家だとエールを送っていた部分なのでした。
さて、再び新しい大国の狭間で翻弄され始めた日本は、この小村・松岡両名の外交史から学ぶところが多そうです。「小村寿太郎 松岡洋右」で検索したところ、このようなページが見つかりました。勝手にリンクをさせていただきます。
日本外交の栄光と挫折~国際社会と闘った男たち(2)~松岡洋右「日独伊三国同盟締結の誤算」
ホームページの作者のプロフィール
2010年12月24日金曜日
世界各国の経済成長が一目でわかるグーグル
グーグルが世界銀行のデータをもとに、好きな国を(単数でも複数でも)選べば、その国(々)のGDP(成長の具合)が一目瞭然という折れ線グラフを作っています。
http://www.google.com/publicdata?ds=wb-wdi&met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN&dl=ja&hl=ja&q=gdp%E6%97%A5%E6%9C%AC#met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN
特徴は、計測単位が(兆)ドルで統一されていること、および物価変動を考慮に入れていないことです。
「失われた10年」だとか、「失われた20年」だとか、経済無策を批判だけする大概の論調に頭が麻痺させられがちな我々が共有すべきクリスマスプレゼントのつもりです。
日中米の3国を選択した場合と、それにイギリス、フランス、ドイツを付け加えた場合で、我が日本の自画像が随分異なることにも御注目ください。
その中国ですが、一昨日お会いしたお客さまから転送していただいた中国関連のメルマガを参考までに転載致します。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成22年(2010)12月24日(金曜日)貳
通巻3172号
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
中国経済の深い闇が庶民の投資行動によって明るみに出つつある
庶民は路地裏でいったい何をしているか? 金買いと闇での外貨交換
****************************************
日本に中国から古物商が群れをなしてやってきて中国古美術のオークションに参加している。掛け軸、陶器、壺の類い。テレビがその情景を『バブル紳士』のように描き、さすが中国は金持ちだ、と囃している。株、不動産投資にあきて古美術骨董への投機だと解説している。
だが、考えてもみてほしい。日本の中国古美術オークションで最高落札価格は二千万円ていどである。 日本がバブルのおり、ゴッホやセザンヌの絵をいくらで競り落としたか? 八十億円とか。しかもバブル紳士はほざいた。棺と一緒に燃やせ、と。
中国の経済は異常な景気の良さ、ついに2010年推計速報では直接投資が1000億ドルを超えて、GDP成長は10・3%とか豪語した。11年も9%台を確保できる、と。でも李克強副首相は言った。「中国の経済数字は人為的、だれも信用していない」(ウィキリークス)。
この間、庶民はますます生活に困窮した。工場では賃上げストが頻発した。高級幹部は子弟を海外留学から海外移住させ、つまりは合法的亡命に準備に余念がない。 金持ちはますます肥り、海外にマンションを買い、人民元が信用できないのでドル、円で預金するなり、香港の銀行に預けるなりしている。
直接投資と同額が中国から流失している。
ならばおこぼれにも預かれない庶民は、どういう投資行動をとっているか。
各地での暴動ばかりではない。
▼だれも住まない住宅が2000万戸という歴史開闢以来の異常事態が発生
不動産投資は『投機』となり、ついに2000万戸もの『誰も住んでいない住居』を建設した。日本の駅前シャッター通りの比じゃないって! だれも住んでいないゴーストタウンが地方都市のそこかしこに出現している。
投資権限を与えられた地方政府がそうやって土地を切り売りし、デベロッパーと組んで『人為的成長』をでっち上げた結果である。中央政府がいまさら金利を上げ預金準備率をあげても遅い、って。銀行から流れ出た不動産投機のための資金はおそらく200兆円を越えるだろう。
米国のサブプライム破綻で『誰も住んでいない住宅』は一千万戸だった。中国はその二倍。
だからリーマンショックを凌駕するショックが中国から次にやってくる。
中国株は6000ポイントの絶頂から転がり落ち、回復は絶望的である(ちなみに2010年12月23日の上海終値は2855ポイント)。
不動産も投機行為ゆえに株のバブルとおなじく、はじけると半値以下に暴落するのは火を見るより明らかである。
だから庶民は何をしている?
路地裏を歩けばすぐにわかる。鎖のかかったシャッターをおろしたまま、路地裏の商店、群がる人々は宝飾品を買う。金、銀、プラチナが含有された首飾り、宝石、イヤリング、なんでもいい。手当たり次第の売り手市場。金のインゴットは偽物を避けるため、ちゃんとした店に行列(数年前から中国では個人も金が買える。いま、世界一の産金国中国は同時に世界一の金消費国である。
そしてついに中国は銀行でも金をかえるように法律を変えた。預金の列が金購入の列に変わった。人民元の未来を信じていないからである。
路地裏の地下銀行はおろか、街の両替商でも外貨への交換がさかん、聞くところに拠れば風俗嬢も人民元での支払いより米ドル・日本円・ユーロをほしがるそうな。
こんな国がまだ成長するという神話も、近未来には木っ端微塵に破壊されるだろう。
・・・わたしも早速、メルマガ登録しました。
http://www.google.com/publicdata?ds=wb-wdi&met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN&dl=ja&hl=ja&q=gdp%E6%97%A5%E6%9C%AC#met=ny_gdp_mktp_cd&idim=country:JPN
特徴は、計測単位が(兆)ドルで統一されていること、および物価変動を考慮に入れていないことです。
「失われた10年」だとか、「失われた20年」だとか、経済無策を批判だけする大概の論調に頭が麻痺させられがちな我々が共有すべきクリスマスプレゼントのつもりです。
日中米の3国を選択した場合と、それにイギリス、フランス、ドイツを付け加えた場合で、我が日本の自画像が随分異なることにも御注目ください。
その中国ですが、一昨日お会いしたお客さまから転送していただいた中国関連のメルマガを参考までに転載致します。
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「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」
平成22年(2010)12月24日(金曜日)貳
通巻3172号
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中国経済の深い闇が庶民の投資行動によって明るみに出つつある
庶民は路地裏でいったい何をしているか? 金買いと闇での外貨交換
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日本に中国から古物商が群れをなしてやってきて中国古美術のオークションに参加している。掛け軸、陶器、壺の類い。テレビがその情景を『バブル紳士』のように描き、さすが中国は金持ちだ、と囃している。株、不動産投資にあきて古美術骨董への投機だと解説している。
だが、考えてもみてほしい。日本の中国古美術オークションで最高落札価格は二千万円ていどである。 日本がバブルのおり、ゴッホやセザンヌの絵をいくらで競り落としたか? 八十億円とか。しかもバブル紳士はほざいた。棺と一緒に燃やせ、と。
中国の経済は異常な景気の良さ、ついに2010年推計速報では直接投資が1000億ドルを超えて、GDP成長は10・3%とか豪語した。11年も9%台を確保できる、と。でも李克強副首相は言った。「中国の経済数字は人為的、だれも信用していない」(ウィキリークス)。
この間、庶民はますます生活に困窮した。工場では賃上げストが頻発した。高級幹部は子弟を海外留学から海外移住させ、つまりは合法的亡命に準備に余念がない。 金持ちはますます肥り、海外にマンションを買い、人民元が信用できないのでドル、円で預金するなり、香港の銀行に預けるなりしている。
直接投資と同額が中国から流失している。
ならばおこぼれにも預かれない庶民は、どういう投資行動をとっているか。
各地での暴動ばかりではない。
▼だれも住まない住宅が2000万戸という歴史開闢以来の異常事態が発生
不動産投資は『投機』となり、ついに2000万戸もの『誰も住んでいない住居』を建設した。日本の駅前シャッター通りの比じゃないって! だれも住んでいないゴーストタウンが地方都市のそこかしこに出現している。
投資権限を与えられた地方政府がそうやって土地を切り売りし、デベロッパーと組んで『人為的成長』をでっち上げた結果である。中央政府がいまさら金利を上げ預金準備率をあげても遅い、って。銀行から流れ出た不動産投機のための資金はおそらく200兆円を越えるだろう。
米国のサブプライム破綻で『誰も住んでいない住宅』は一千万戸だった。中国はその二倍。
だからリーマンショックを凌駕するショックが中国から次にやってくる。
中国株は6000ポイントの絶頂から転がり落ち、回復は絶望的である(ちなみに2010年12月23日の上海終値は2855ポイント)。
不動産も投機行為ゆえに株のバブルとおなじく、はじけると半値以下に暴落するのは火を見るより明らかである。
だから庶民は何をしている?
路地裏を歩けばすぐにわかる。鎖のかかったシャッターをおろしたまま、路地裏の商店、群がる人々は宝飾品を買う。金、銀、プラチナが含有された首飾り、宝石、イヤリング、なんでもいい。手当たり次第の売り手市場。金のインゴットは偽物を避けるため、ちゃんとした店に行列(数年前から中国では個人も金が買える。いま、世界一の産金国中国は同時に世界一の金消費国である。
そしてついに中国は銀行でも金をかえるように法律を変えた。預金の列が金購入の列に変わった。人民元の未来を信じていないからである。
路地裏の地下銀行はおろか、街の両替商でも外貨への交換がさかん、聞くところに拠れば風俗嬢も人民元での支払いより米ドル・日本円・ユーロをほしがるそうな。
こんな国がまだ成長するという神話も、近未来には木っ端微塵に破壊されるだろう。
・・・わたしも早速、メルマガ登録しました。
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