2011年11月25日金曜日

FX攻略.com2012年1月号が好評発売中

先月のいまごろ、このブログで嘘をつきました。

「ことりFX」サービススタートを記念して、連載開始からのコラムを毎日このブログで御紹介して参ります、、、と書きましたが、続けるのを忘れていました。

お詫びついでに方法を変えまして、発売と同時に半年前の記事をブログで振りかえりたいと思います。

ただいま発売中の1月号では、自動売買が特集されています。そのなかでわたくしのコラムはしつこく欧州危機をフォローしています。

それでは、7月下旬に発売された9月号のコラムから・・・

「ブログの更新と異なり、雑誌への寄稿というのは、1ヶ月後に書店に並ぶときまで鮮度を保っていたいと思うと、何を書いていいのやら、たいへん頭を悩ませるものであります。


永田町の政局も、菅総理への不信任決議否決の前後あたりからは、1ヶ月先はおろか、1日先のことすら、内部の人間ですら読めなくなりました。

FX業界でも、この1ヶ月で、随分多くの会社が廃業、身売りを発表しました。わたしは数年前からじわじわと業者の数が減るだろうと予想していたので、この時期になっての業界再編の加速は、やや予想外だったと言わざるを得ません

(ただし最後に申し上げるように、わたしはFXは「成長産業」だと思っています)。

しかし、多くの日本人の心の内側を正直に問えば、ここ最近で最も予想外だったことは、政局の不透明でも、FX業界の不透明でもなく、日本で発生した深刻な原発事故で、かつての同盟国であるドイツとイタリアで相次いで、原発の撤廃が決定したことではないでしょうか。特にイタリアでは、電力輸入国ながら、国民投票で定足数を満たしての多数決可決という点に重みがあります。

ファシズムの敗北というレッテルを貼られた日独伊のうち、特にイタリアでの現象について「集団ヒステリー」と呼んだ自民党の二世議員がいました。百歩譲って、世界史上で最も進んだ民主国家という形跡を持ちながら全体主義に陥ったドイツとイタリアに「集団ヒステリー」の気質が全くないとは言いません。しかし、震源地であり爆心地でもある日本で、どうせ不透明な政局なら、原発を政局にしない道理はあるでしょうか。

既存の大政党や大企業に与して仕事を続ける以上、この国では、どんなに優秀な人間でも、自分の何処かを誤魔化し続けて不完全燃焼のまま人生を終えるしかない構造なのです。その腐りきった構造とて、守ることの利益のほうが壊すことの利益より大きいと集団的に盲信している限りびくともしないことを「失われた20年」は証明しました。が、今回の地震はそれを許さないと思っています。金融界の端くれであり、それほどの政治力を持たないFXの世界ではありますが、わたしは次世代の金融産業の柱になるべく、これから先大きな進化を遂げていくと確信しています。フェニックス証券は、「この時期、これほど前向きな投資をする会社が他にあろうか?」と思える程の企画をFX分野でもこれから進めて参ります。」

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2011年11月17日木曜日

中央銀行の押し目買い

買ったのは金(ゴールド)です。

英フィナンシャル・タイムズ紙の速報によると、金相場が急反落した9月を含む第三四半期に、過去40年で最大金額の金を中央銀行(セクター)が購入したと伝えています。

情報元は、どこの中央銀行が、という内訳は公表できないとしていますが、金地金市場に初めて参入する中央銀行からの旺盛な買い意欲があったと、仄めかしています。

「過去40年」とは、米国が金本位制を嘯いていたブレトンウッズ体制の崩壊以降の記録的金額ということになります。中央銀行セクター全体では、2008年~2009年は金を大量に売り越しており、昨年2010年に買いに転じていました。

さて、金を買って何を売っていたのでしょうか?外貨準備が急増した新興国の中央銀行だとしたら、欧州の国債か、金融引き締めのための自国マネーということが想像できますが、詳しいことはわかりません。

記事の最後に、宝飾品として金の最大の消費国として、中国がインドを追い越したと説明されています。
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2011年11月11日金曜日

讀賣新聞、オリンパス、大王製紙

TPP協議に参加か否か、イタリアやスペインの国債は何処まで暴落するのか、プロ野球日本シリーズもいよいよ明日開幕じゃないか、ということで、一億総国民が固唾をのんで見守っている中で、くだらない内輪もめの話がとんだ邪魔ものとして闖入してきたものです。

それにしても、オリンパスや大王製紙で論点となっている「ガバナンス(企業統治)」とか「内部統制(インターナル・コントロール)」とか「コンプライアンス(法令順守)」という言葉、企業社会ではこの20年で随分使われやすくなりましたが、わかりやすく説明するのは容易ではありません。

読売巨人軍の清武代表が、讀賣新聞主筆で同球団の取締役会長でもある渡邊恒雄氏の言動が内部統制とコンプライアンスの観点から許されないとする単独会見(@文部科学省)が、多くのメディアをにぎわし、またネット上でも瞬間沸騰の話題となっています。

わたしは渡邊氏については、日本共産党出身の改憲派であり、権力闘争が得意な大連立支持者であり、TPP賛成のリバタリアンである程度の知識です。そもそもがアンチ巨人なので、特段好感を持っているわけではありません。しかしながら、清武代表が涙を流して行なった言動は、わざわざ大手メディアや一般大衆の耳目を集める価値のない、上司に梯子を外されたことによる愚痴に過ぎません。

プロ野球がどうあるべきかというのは価値観の問題です。落合監督続投支持という意見を持ちながら現場(≒部下)の意見に譲歩した中日ドラゴンズの白井会長の態度が「ガバナンス」なのか、資本の論理または人事権に基づいて有無を言わさない渡邊会長こそがむしろ「ガバナンス」なのか、、、これだけ考えても、上述のように「ガバナンス」とは何かを論じるのは簡単ではありません。

オリンパスと大王製紙は、株主から委任を受けている筈の経営者、実は同じような関係にあると考えるべき(だとわたしは思っている)少数株主と大株主との間の利益相反の問題で第一義的には処理すべきなので、これは金額の問題はさて措くとしても、立派な「ガバナンス」問題であり「コンプライアンス」問題であります。

上司部下の関係のいざこざという、サラリーマンが新橋の立ち飲み屋で憂さ晴らしする程度のことを、やれガバナンスだ、やれコンプラだと言って、霞が関から全国ネットで憂さをまき散らすというのは大新聞の企業文化を引き摺る奢りであると言えます。

ただ、そのような非常識な大人を育ててしまう組織にはやはり理由があります。読売新聞社の歴史をひも解くと、資本主義下の民間企業とは思えないようなスターリン粛清を彷彿とさせる権力闘争が連綿と続いているのです。オリンパスの巨額粉飾と同様、冷戦終結とIT革命から20年以上経って、大手メディアの伏魔殿にやっとサーチライトが照らされたということになります。

・・・いや、そういうことではなくて、野田総理による「TPP協議参加決定」というニュースの取り扱いを小さくさせて目立たなくさせてあげよう、という配慮のために、讀賣グループの首脳陣が演じた猿芝居だというのが真相だ、、、、というのであれば、民主党のガバナンスは見上げたものだと思います。
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2011年11月9日水曜日

オリンパス問題とTPPで、日本はますます良い国になる!

オリンパス社内で歴代経営者の申し送り事項とされてきた粉飾決算というパンドラの箱を勇敢にも開けてしまい解任された外国人社長と、その腐った木箱の蓋が崩れて座る場所を失った歴代日本人経営者たち。

どちらが賢くて、どちらが馬鹿であるかという二者択一では真実は見えてきません。どちら側も等しく合理的な行動の結果であるという前提に敢えて立って考えるべきです。

「経営者」とか「社長業」という職種が転職可能な労働市場インフラが整備されていれば職業能力に自身のある人は、オリンパスの例に照らせば、過去の不正を暴く行動に出るでしょう。

幹部候補生が社内の競争に勝ち抜いて経営幹部へと出世していったとしても、そこで証明された彼らの能力が、転職可能性を必ずしも押し上げないという事象は、何もオリンパスだけに限ったことではないでしょう。日本的経営の要素が色濃く残っている上場企業の殆どで起こりうる問題であると考えられます。

このブログでは「失われた20年」とは言うが、失われて良かったことのほうが多いと繰り返し申し上げて参りました。オリンパス如きに20年も掛ったのは失笑物ですが、大手金融機関の法人営業とは何だったのかということも含めて、獲物は決して小さくないと思います。

そこから一挙に飛躍して、TPPに反対を(すべくして)している農協や日本医師会などは、映画「ラストエンペラー」に出てくる清朝末期の宦官の有象無象であるとまで言い切るつもりはありません。が、どのような業界に属するにしても、自分自身の行動指針に自信を持ち、それにしたがってきっちり競争するという真摯なプレーヤーにとっては、開国(「Open the door!!」)を叫ぶほうが、ガラパゴス状態に甘んじるよりも、メリットが大きいのです。
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