UBS銀行最高投資責任者 最悪の場合は日本経済クラッシュも
確かに、一理あります。しかし、中央銀行のマネタリーベースの匙加減が経済成長やら国家破綻やらに良くも悪しくも直結するような考え方はそろそろ卒業したほうが良い時期です。
きょうは、ポジショントーク(自分が投資をしている資産が値上がりするように世論を誘導すること)の臭いがプンプンする話を、ほかにも紹介します。
まったく同じスイス系銀行の顧問で独立経済コンサルタントのジョージ・マグヌス氏は、アベノミクス批判(アベマゲドン予想!?)の記事に比べると気さくとは言えない媒体に、6月後半の中国株の大暴落・続落について、バーナンキ発言や季節要因などいろいろあるが、シャドーバンキングが制御不能なレベルにまで肥大してしまい、中国人民銀行としても荒療治せざるを得なくなった点を指摘しています。
市場への洞察=中国のネズミ講的な信用創造ブームが収縮に転ずる
何につけても、中国は古くから日本にとって教師でもあり反面教師でもあります。シャドーバンキングについては、サブプライム・ショックとリーマン・ショックの後に関しては、最も派手に奔放にのさばったのが中国で、その真逆が日本だったのではないでしょうか。この違いは、金融政策ではなくて、金融監督のあり方の違いです。
わたくしがやっている商売も含めて、第一種金融商品取引業、第二種金融商品取引業、投資顧問業すべてシャドーバンキングに当たります。しかし、わたくしの感覚では、銀行だけが日向で、それ以外は日陰と言われるほど、普通は後ろめたいことはしていないし(笑)、またやろうと思っても出来ない程度に規制監督をしていただいており、良くも悪しくも、金融商品取引法に書かれているようには簡単に登録が出来るものでもないという事情があります。
「貯蓄から投資へ」なんて、口先だけじゃないか!!と会う度に怒りを顕にされる同業他社の先輩社長さんがおられますが、まったくその通りでして、日本の金融当局が見事にブレないので、市場もそう簡単にはブレないのであります。
もうひとつ、同じ英フィナンシャル・タイムズ紙からの引用です。
勇敢なバーゲン・ハンターなら、今こそ新興国に投資すべきである
先日書きましたように、バーナンキ発言の影響をもろに受けているのは、ドル円相場よりもむしろ、南アフリカランドなど新興国の通貨やオーストラリアドルなど資源国の通貨です。
オリンピックやワールドカップ、コンフェデレーションカップなどに、経済危機と暴動は付き物です。