2008年7月23日水曜日

凍り付くアイスランドの金融システム

昨日に引き続きインドの話から、
●インド政府、核法案を可決できるかどうか瀬戸際(7/22FT)
核エネルギー開発で米国の協力を得たい政府与党に対して、ヒンドゥー教右翼政党と最左翼政党は「外交政策と安全保障でワシントンに従属する法案だ」として反対。

ご存知の通り、インドは過去二回核実験を行なっていますが、国際社会においては核保有国として認められていません。与党としてはインドが核孤立から脱却し西側の核燃料と核技術にアクセスするために米国との合意をどうしても通したいとのことです。

●アイスランドの銀行、CDSが再び高騰(7/22FT)
CDS(クレジット・デフォルト・スワップ、債務の支払い不能を保険事由とする2者間の契約)の保険料が、アイスランドの主要銀行向けで年率10%と記録的レベルをヒット。2ヶ月前の倍、ちなみに1年前までは0.03%だった。

日本円の金利とアイスランドクローネの金利と単純に比較してはいけないのですが、普通預金金利で調達が出来なくなったので消費者金融から借りざるを得なくなっている事態に等しく、普通に考えれば銀行倒産寸前の水準。

ちなみにアイスランドクローネは年初来30%減価しており、6月には対ユーロで最安値を更新している。

昨夜、フェニックス証券オンラインセミナー第4回「アイスランドより南アランド」で題名に登場したアイスランド、講義の中では敢えて登場させませんでした。

●イギリスの金融当局、緊急融資に関する銀行の開示ルールを緩和(7/22WSJ)
上述のオンラインセミナーで筆者が推奨した通貨はポンド売りランド買いです。

2008年7月22日火曜日

続 社長はつらいよ

●ロシュ、米ジェネンテックを完全子会社化へ(7/21WSJ、FT)
昨日出ていたニュースですが、昨夜のNHKスペシャルを見て急に取り上げたくなりました。

ロシュはジェネンテックの創業者精神を重んずるべく過半株式を押さえつつ上場維持を続けていたが方針変更。ジェネンテック執行部は「聞いてない」とノーコメント。ちなみに同様の関係にある中外製薬については完全子会社化の計画は無いとのこと。

ジェネリック医薬品で日本10位の共和薬品(本社:大阪)がインドのルピン社に買収された様子を描いた昨夜のNHKスペシャル。理系大学院を卒業した俊才を年俸僅か75万円程度で雇い、低コスト高品質の製薬プロセスを導くために妥協無き議論が続けられるインドの医薬品メーカーの研究室。その礎は1975年「海外医薬品メーカーの特許はインド国内メーカーが国内市場向けに開発する分には(製法以外、つまり原料と最終品の成分については)特許切れの如く扱って良い」という法律が出来(現在は廃止)良いものをより安く作る製法を研ぎ澄ましてきた歴史にあると。

特許収支がマイナスで貿易収支はプラスだった日本の高度成長期を彷彿とさせます。

ところで、ルピン社買収の窓口となっていた共和薬品の副社長(創業者のお孫さん)が工場担当に異動した後ルピン側から求められている経営効率化の笛を吹けども踊らない現場の監督に苦労されている様子が痛々しかった。ルピン社が共和薬品の発行済株式の過半を取得したのは去年と報じられており、新株中心だったのか旧株中心だったのか筆者の手元資料では判然としません。インド人との会話では英語でご苦労され、現場でも浮いているとしか映らない姿に、もしかしたらこの三代目は「あんたは株を売ってしこたま儲けたんだからええわなぁ。ウチらはインド人に何時クビにされるかわかれへんし」という従業員の冷たい視線を感じたのは筆者だけでしょうか。勿論、多少なりとも映像的な演出もあったのでしょうが。

●ヤフー、アイカーン氏側の取締役選任で一時休戦(7/21WSJ、FT)
何処の業界も、会社の独立性を保つ経営というのは難しいものです。社長はつらいよ
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2008年7月21日月曜日

死語になりつつあるサブプライム問題

●メリルリンチ、売却するのはブルームバーグ株だけ(7/21FT)
ブラックロックは売らない。クウェイトとシンガポールのSWFが購入を希望していたが、価格で折り合わず。
両SWFは昨年12月にメリルリンチの資本増強に応えるも含み損を被ったため、ブラックロック購入で損失の埋め合わせを狙っていたと伝えられている。

現時点では憶測記事の域を出ておらず良くわかりませんが、下方修正条項付の増資でも含み損なのか?ブラックロックを手中に収めれば損失が相殺されるようなディールだとすれば他の株主との利益相反は大丈夫なのか、公開されている情報だけからは判断できませんね。

●米国連邦預金保険公社(FDIC)、サブプライムの塵に直面(7/21WSJ)
かつてFDICが救済した銀行が、同公社保有期間中にサブプライムローン事業を継続拡大したのち民間に再売却した。「買えない筈の住宅を無理矢理買わせたサブプライムローンは貸し手に責任がある」と批判してきた連邦側に手痛い一撃とWSJ紙1面。

サブプライム問題という呼び方が既に古過ぎることがファニーメイ、フレディマックを見れば明らかになっています。サブプライム問題で大騒ぎを演出した日経新聞の編集方針は正しかったと言えます。ところが、その日経新聞、東証1部のゼファー倒産の取扱は随分と地味ではないでしょうか。これに限らず、非上場ゼネコンや不動産会社の倒産が相次いでいますが如何にも目立たぬよう報じられています。これもまた編集方針なのか?それとも大阪西成の暴動と同じく国家ぐるみの報道統制なのか?
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↑ NHK監査法人が終わりました。プレシャスドーナツの社長を殴打したのは反社会的勢力じゃなかったんですね。

2008年7月18日金曜日

アイスランドより南アランド

●CBOE、商品市況のボラティリティ指数を立ち上げ(7/17FT)
こういう指数も、FXと同一のプラットフォームで売買できるよう近いうちになる予定です。東工取や東穀などには一切期待していません。

●EU、インテルを反トラスト法で告訴(7/17WSJ)
ヨーロッパの主要小売業者にインテル入ってるパソコンを優先して売って欲しいとリベートを払っていたことや、ライバルのAMDのプロセッサを搭載したモデルの発売を延期するようにパソコンメーカーに働きかけていた嫌疑で。

資源価格バブルが明らかに変調し始め、米銀の減益決算・赤字決算にも米国株式は単純に反応しなくなりました。その一方で、ファニーメイ・フレディマック問題は空売り規制で糊塗出来るのかどうか予断を許しません。こうした中、フェニックス証券オンライン・セミナー第4回を来週7月22日(火)20:00から行ないます。前回より一味違うFX入門編ということで、スプレッドについて30分強お話をしましたが、今回はスワップについてお話しようと思います。題して「アイスランドより南アランド」。ふざけた題名ですみません。

尚、スワップと言えばキャリー取引。これについては、「月刊FX攻略」(8月号が出たばかりですが)9月号に、何故キャリー取引のバブルが生じ、潰れるのか、そのメカニズムを筆者なりに考えてみております。こちらもどうかお楽しみに。今週末はオンライン・セミナー準備でパワーポイントと格闘する予定です。
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