2022年11月19日土曜日

どうなっているのかFTX?

行政処分という汚名

 

FTXFXは名前が似ていますが、内容はまったく異なります。ごっちゃにしてはなりません。

 

先週末倒産した、ピーク時世界第三位の暗号資産取引業者、FTXは、FuTures eXchangeの略なのだそうです。

 

リーマンブラザーズ倒産時(2008年)と同様、急成長した暗号資産取引業者FTXの米連邦破産法11条申し立ての事実を受け、金融庁は、直ちに、日本法人FTX Japanに行政処分を下しました。

 

FX業界でも、海外親会社の倒産で、牽連して倒産することが想定されるとして、MFグローバルFXA社に行政処分が下された事例があります(2012年)。

 

なにせ、行政処分というと、人聞きが悪いのです。金融商品取引業者や暗号資産取引業者に対する行政処分というのは、ほとんどの場合が、法令違反を原因としています。

 

しかし、リーマンのように「なまじ」規模が大きく、「投資銀行業務」という実態がよくわからない事例は別としても、MFグローバルFXA社などは、結局は廃業に追い込まれたとは言え、顧客資産はきっちり返還しているわけです。同様の理由(※1)で行政処分となったアルパリジャパンの場合もそうですが(2015年)、最終的に債権者には実害が生じていません。

 

FTX倒産については、暗号資産取引業として登録されているFTX Japanという拠点があり多くの個人のお客様もいらっしゃるはずなのに、日本語での情報が手に入りづらい状況にあります。本件は、英語メディアと日本語メディアのギャップが大きいのです。規模こそ大きいものの、ニューヨーク証券取引所に上場しているわけではなく、巨大ベンチャーキャピタル(含む日本のソフトバンク)などからの私募的な資金調達をレバーにして急成長した企業であるため、情報開示が十分でないことも理由でしょう。

 

これまでにわかっていること

 

倒産前夜に創業者社長であるSam Bankman-Fried(米国の第32代または第35代大統領風にSBFと略称されるそうです)が、Binanceを始めとするライバル暗号資産取引所に救済を求めたときの緊急デューディリジェンスから、その負債総額が7兆円規模(債権者数は百万人超?)だという報道もあります。

 

ところで、ここ30年くらいで、株式などを主に扱う証券取引所も民営化されたり上場したり買収したりされたりするのが常態化しています。とは言え、証券取引所が自らの株式を公開したり増資したりしてその発行代金で派手なビジネスを始めるというのは、東証や大証(※2)になじみのある日本人にはピンと来ないものです。

 

暗号資産業界はここがだいぶ違います(まったく違うとは言えない)。FTXも、私設の取引所としては、ひたすらBinanceを追いかけ、ユーザーエクスペリエンスを研ぎ澄ますことで世界中の暗号資産ファンの心をとらえてきたという一面もあります。いっぽうで、問題は、FTX自身のトークンであるFTTで巨額の資金調達をしていたことです。

 

FTTも、暗号資産の端くれなので、相場があります。


(出典:コインベース)

FTTは暗号資産ですし、テザーのような法定通貨とのパリティも保証されていません(ステーブルコインではない)ので、この時価総額の滅失による投資家の大損というのは、負債増額の7兆円には含まれていない点は重要です。

 

さて、以下に述べるように、ここから先が、日本とそれ以外とで極端に違うところだと思うのですが、もしかすると、日本以外のFTXの拠点では、FTT以外の暗号資産(ビットコインなど)についても払い戻し(≒法定通貨などへの交換)がままならないかも知れないということです。これが、上記の7兆円に含まれているのか居ないのか、私もまだ調査途上です。

 

日本の取引業者は驚くほど安全?

 

いま、御本尊のFTXのホームページ

https://www.ftx.com/

を訪問しようとするとタイムアウトで入れません(※3)。



一方、日本法人のFTX Japanのホームページは健全です。

 

実は、日本法人の社長は私の知人でした!かつて業績不振で事実上の解任となった前職(日本の資本で株式業務とFX業務をやっていました)の時代に、FXのカバー先のひとつであるゴールドマンサックス東京支店を訪ねたことがありました。六本木ヒルズに行ったのは人生でそのときだけです。そのときにお会いしたのが、外国為替部門の法人営業担当でセス・メラメッドさんという名前からしてもユダヤ系のアメリカ人でした。

 

私の先入観もありますが、たいへん優秀な方で、何と言っても日本語がペラペラなのです。日本とは言え、ゴールドマンサックスで仕事をするのであれば周りの日本人に英語をしゃべらせれば言いわけです。私なんかが、仕事上やむをえず、「敵性語」をしゃべらされているのとは違うのです。何故、セスさんはわざわざ敗戦国の難言語を習得されたのかと感心したものでした。

 

今回、FTXの記事を見て、初めて知ったのが、彼もまた、お笑いの(?)パックン同様、米国の大学で日本語を修めていたということです。

 

そして、ゴールドマンサックスを退職したのち、日本の暗号資産取引業者として第一ラウンドで登録できたうちのひとつであるリキッド社の社長になられたのでした(当時は仮想通貨交換業者)。リキッドで暗号資産の大量ハッキング事件が発生してしまい、そのときに救済を求めた相手がSBF氏だったとのことです。

 

FTX Japanのホームページで、注目しなければならないのは、

 

当社におけるお客様の資産の管理状況等について

 

というお知らせでしょう。取り扱ってきたすべての種類の暗号資産について、少なくともコールドウォレット分については、十分な区分管理が行われていること、円など法定通貨の預託分についても同様であること、これを踏まえて、約一週間ほど、(おそらくシステム対応と行政処分対応のために)出金依頼対応ができなかったが、それを再開した(いっぽう入金はうけつけない・・・当然)ことなどが記載されています。

 

何かの理由でよほど日本のことが好きでなければアメリカの大学で日本語など勉強することはなかっただろうセスさんが、外国為替の世界から暗号資産の世界へと横っ飛びし、ここ数年で二度の試練を味わっておられるが、雇われ社長として誠実に業務をこなしていらっしゃる姿を遠目で見て、感動しています。

 

この点、外資系の日本法人の雇われ社長というのは、どんな産業であれ、たいへんな苦労を伴います。日本は顧客保護の制度が整っている一方で、強欲な諸外国人(中国人だのアングロサクソンだのユダヤ人だの、とは言いません!)の物差しで業績を上げるのは難しい土地柄です。FX業界だけを見ても、今年、ライバル会社(注:相手はアヴァトレード・ジャパンをライバルとはまったく思っていないかも知れません)の外資系雇われ社長が、様々な理由で更迭されたと聞きます。

 

FX業界のことはさておくとして、セスさんが行政処分などという汚名を気にせず正念場を乗り切り日本の登録業者の社長としての矜持を示してくれればと願っています。

(注1)経営破綻のきっかけはスイスフランショックでしたが、当時のアルパリジャパンに下された行政処分の内容は、それとは関係がない非対称スリッページ(顧客にとって不利な方向に偏って、発注時のレートと約定時のレートの差異を意図的に発生させていること)に関するものもありました。なお、同社は業務停止を経つつも、廃業には追い込まれず、デュカスコピーによる救済を経て、デュカスコピー・ジャパンとして存続しています。

(注2)東証よりも先に上場を果たしていた大証によって東証は買収され、東証はいわば裏口上場を果たしました。東証と大証が経営統合したことで、持ち株会社の社名も日本取引所グループとなっていて、自ら同取引所に上場している格好です。主要株主を見ると、上位はすべて信託名義で、実質的な支配者が誰だか表面上はわかりません。役員構成を見れば、半官半民の企業風土は抜本的には変わっていないように見受けます。

(注3)2022年11月18日金曜日日本時間16時現在、筆者が勤務先アヴァトレード・ジャパン(東京都港区赤坂)からアクセスを試みた結果です。 

 

2022年11月15日火曜日

幕末史-納得と幻滅と(中編)

私はこのドラマに嵌っていて、それを小学校の担任の先生(4年生から6年生までお世話になった稲垣雅敏先生、若くしてお亡くなりになり、まったく恩返しが出来ませんでした)にその魅力を伝えたところ「丹羽君、大河ドラマを見たほうが良いよ」と諭されたのを覚えています。

 

「俺たちの旅」のコースケと「花神」(実質は「世に棲む日々」)の高杉晋作は、同じ中村雅俊が演じていることもあって、破天荒の愛されキャラがそのままタイムマシーンに乗ってきたような錯覚を得たものでした。

 

子供心には、高杉晋作>村田蔵六だったと記憶します。齢をとったいまは真逆以上です。

 

それは個人の見解に過ぎないとして、第二次長州征伐(長州藩での呼び方は四境戦争)で、信長の桶狭間の戦いや義経の一の谷の戦いを彷彿とさせる番狂わせを演じたのは、大村益次郎の才気煥発極める指揮と高杉晋作の電光石火のごとき決断力と行動力という歴史観が定着していたと思います。

 

「花神」と「世に棲む日々」は、特に司馬遼太郎先生の作品群のなかでも、いささか揶揄された表現なのでしょうけれども、「長州史観」の決定版を一旦は頭に叩き込むために、このふたつを繰り返し読むことは私には必要でした。「長州史観」という言い方はしましたが、幕府側に開明的要素がなかったわけでは決してないことや、俗論党との接触と調整を図ろうとした赤禰武人を悪くは書いていない点にも注目です。あと、「世に棲む日々」だけを読んでいると、禁門の変(蛤御門の変)以降逃亡していた桂小五郎がいつ長州(の政治の舞台)に戻ってきたのかさっぱりわからないという難点もありました。

 

ここで、繰り返し読んでも、なかなか腑に落ちないのが、桂小五郎や高杉晋作、そしてその仲間である後の伊藤博文や井上薫たちの(対俗論党の)庇護者である周布正之助が、伊藤や井上たちいわゆる長州ファイブを英国に留学(?)させようとする意図とプロセスです。

 

これは、両方の小説に登場する重要な場面局面ですが、「花神」でのみ、村田蔵六が負わされた任務と負担が濃厚に描かれていたりします。

 

当時、長州は攘夷の旗頭として下関で英国の貿易船に砲撃を加えています。つまり、英国とは戦闘状態にあるわけです。このような状態で、金さえ積めば藩の幹部候補生を留学させてあげられる、地獄の沙汰も金次第だ、というのもさすがに無理ではないか。これが腑に落ちない点なのです。

 

普通に考えると、何らかの「英国筋」から周布に対して探りがあったのではないか?どれだけ、周布や桂や村田蔵六がそれぞれの立場で、「攘夷は手段」「目的は開国(交易)を通じた『国』力の醸成」という開明的な鳥瞰図を共有していたとしても、この展開はあまりに唐突に思えるのです。

 

実は、長州ファイブに関する資料はいまだに乏しく、現時点においても、私のこの疑問については満足のいく解答は得られていません。

 

しかし、先日NHKスペシャルとして放映された

新・幕末史 グローバル・ヒストリー 「第1集 幕府vs列強 全面戦争の危機」

新・幕末史 グローバル・ヒストリー 「第2集 戊辰戦争 狙われた日本」

 

これらは、私の疑問への糸口を与えてくれる新しい発見でした。

(後編へと続く)

2022年11月8日火曜日

幕末史-納得と幻滅と(前編)

高校時代、日本史を選択しなかった私にとって、幕末の知識は、中学までの歴史と、ここ最近のマイブームと言える司馬遼太郎先生の諸作品からのものです。

 

このような歴史音痴の私が、大胆にも、日本史の節目に現れた、通貨や外国為替を巡るエピソードについて独自解釈を展開したのが、政治観が一致するとはとても言えないワック出版のWiLL Onlineの「現役FX会社社長の経済&マネーやぶにらみ」でした。

 

歴史の知識にも、研究する時間にも乏しい駄馬を、水場へと引き連れてくれた同社の役員 兼 編集員 兼 校閲ボーイのNさんもまた司馬遼太郎を尊敬する仲間です。そのなかでも特に、Nさんは、毎年一回読み返す作品があるというのです。それは、明治日本の徴兵制の基礎を作った、もともとは蘭学者(蘭方医)の大村益次郎こと村田蔵六を主人公とする「花神」です。

 

私もまた、ふたつの理由から、「花神」が特に気に入っているのです。ひとつは、司馬遼太郎先生の実質的な処女作である「梟の城」の主人公葛籠重蔵同様、村田蔵六も、技術のみを信頼し、組織やコネを無視するというか忌避する性格、世間体や社会的地位、つまり自分がどんな大組織に属しているのかとか、ヒエラルキーのトップから数えて何番目に位置するのかとか、部下を何人抱えているのかとかに興味を示さない点、です。

 

この点では、司馬遼太郎先生が取り組んだ「義経」や「国盗り物語」の斎藤道三と明智光秀、「関ケ原」の島左近と石田三成などとも共通はしていると思います。が、著者あとがきなどでは、義経、光秀、三成に関しては、(蔵六や重蔵と同様)あまりにも政治的センスがなさ過ぎたために天下をとれなかったのは自業自得だという書かれ方をしています。政治的センスの無さでは同様の、蔵六や重蔵たちが、司馬遼太郎先生自ら魂を注ぎこんだキャラクターとなり、大好きであり、そのものになりたいという気持ちが溢れているのとは大きなギャップを感じてしまいます。

 

ただし、蔵六と重蔵にも違いはあります。蔵六には、その政治的センスのなさを補って、技術志向という長所を引き出すべく、政治的センスのかたまりである桂小五郎(木戸孝允)など、盛り立ててくれる保護者がいたことでしょう。

 

まあ、蔵六としては、実は開明的でなかったわけでもない幕府おかかえの蕃書調所ついで講武所の教授のままでいられたほうが幸せだったのではないか?桂小五郎に惚れこまれたがゆえに薄給冷遇の長州藩へと引きづりこまれたのは有難迷惑だというのが世間の平均的な価値観なのだと思うのですが、そんなことは気にしないのがまた蔵六の魅力というものです。

 

魅力と言えば魅力。しかし、身分も評価も俸給も捨てて地元に帰るという蔵六のメンタリティに「攘夷」(外国打ち毀し)という裏面があったとすると、当時引く手あまただった人材中の人材で最も開明的であった蔵六の表面とどのように折り合いがつけられていたのか。

 

司馬遼太郎先生は、ここについては、かなり、小説らしからぬ注釈と余談で説明をしてくれています。

 

そこは「花神」本文に譲るとして。

 

もうひとつ「花神」が好きになったのは、小学校の最終学年のころに、はじめて観た大河ドラマが「花神」だったからなのです。

 

ただ、正直に言うと、総集編しか見ていません。いまでも、NHKアーカイブスには総集編しか保存されていないそうです。

 

ドラマのほうももちろん大村益次郎こと村田蔵六が主人公なのですが、ドラマ台本には、司馬遼太郎作品として、「花神」とほぼ同格に「世に棲む日々」(前半が吉田松陰、後半が高杉晋作)、「峠」(河合継之助)「十一人目の志士」(天堂晋助)が巧みにアレンジされていました。

 

配役が私には重要な思い出なのです。村田蔵六役は中村梅之助があまりのはまり役で、これが理由でどこのプロダクションもリメイクしないのではと疑っています。それはそれとして、高杉晋作役が中村雅俊、天堂晋助役が田中健。この二人は、前年にNHKではない民放某局でNHK大河ドラマと同じ日曜8時に「俺たちの旅」で主役コースケ、準主役オメダとして共演していたのです。

(中編へと続く)

2022年8月30日火曜日

AVAニュースレター(2022年5月20日付)

AVAニュースレター

平素よりアヴァトレード・ジャパンのMT4口座MT5口座をご利用くださりまことにありがとうございます。

 

本日は、お知らせが二点ございます。

 

    AMMA>ミラートレード型の選択型自動売買のEAMT4/5向け自動売買プログラム)の利便性改善について

    MT4/5の原則固定スプレッドと最大発注数量に関する今後の見通しについて

 

まず、⑴アヴァトレード・ジャパンが独自に開発した選択型自動売買サービスであるAMMA(「アヴァ・MT4/5・マルチ・エージェント」の略称・愛称です)には、MAM型とミラートレード型があります。

 

MAM型とミラートレード型には一長一短があり、本お知らせの(末尾2)で解説しています。

 

MAM型の選択型自動売買においては、引き続き、お客様のMT4/5口座で該当する選択EAをフォロー(AMMA接続)すると、当該取引口座は選択型自動売買(コピートレード)専用口座となり、その口座でお客様が裁量(マニュアル)で取引をすることは出来なくなります。「裁量取引を併行したい」とご希望のお客様は、お手持ちの他のMT4/5口座をご利用ください。他にMT4/5口座をお持ちでないお客様は、MYAVA(マイページ)より追加口座を開設していただきそちらをご利用ください(末尾1)。

 

MAM型の選択EAの建玉を(いまじゅうぶん含み益が出ているからまたは含み損が出ていてこれ以上拡大しないか心配だから、自動で決済されるのを待たずに)お客様ご自身で裁量決済したいというニーズはあるはずです。それを裁量専用の別口座で行っていただくのは資金効率上も問題が残ります。

 

MAM型では技術上この問題が克服できないのですが、ミラートレード型では、●月●日より、お客様の裁量による建玉決済が可能になるようシステム改修を行います。と同時に、新規注文についても、選択型自動売買と重ねて裁量でも発注できるようになります。

 

なお、新規・決済にかかわらず、裁量取引が可能となるミラートレード型の選択EAAMMAのリストは、以下のとおりです。

 

ミラートレード型AMMA一覧

アヴァMT4

NANO

HAYABUISA
●稼ぐロボAT
Euroswing
●順鞘市場
SPO
●トレンドクルーズ
EVa (新規受付停止中)

アヴァMT5

Grandia
Force
Night Knight

 

一方、以下のMAM型の選択EAAMMAは、接続中のMT4/5口座は引き続き自動売買専用であり、裁量取引は出来ませんのでご留意ください。


 

 

MAM型AMMA一覧

アヴァMT4

●大阪ミンテッジ
Candle_matsu
UAT3
UAT4
Dr.ATA
Legacy
●ポートレード
●αアルゴトレード
Benten trade
Aizack
Poseidon
HK196 (新規受付停止中)
HK294 (新規受付停止中)
●リッチメイク (新規受付停止中)

アヴァMT5

UAT5
SURF
YAIBA(新規受付停止中)

 

 

選択型自動売買AMMAに関する今回のシステム改善に伴い、選択型自動売買投資顧問契約前交付書面と同 契約時交付書面(投資顧問契約書)の再交付をさせていただきます。

 

続いて、⑵MT4/5の原則固定スプレッドと最大発注数量に関する今後の見通しについて、です。

 

ウクライナ情勢やポストコロナの世界的物価上昇、またそれに深く根差す日米金融政策の乖離などから、円安が加速すると同時に、為替相場全体のボラティリティも上昇しています。

 

一方、日本のFX業界は、過当な「原則固定(?)」スプレッド引き下げ競争により発展または堕落してきたと考えられてきたなかで、当局および業界のスプレッド広告規制強化後としては初体験となる相場のボラティリティで、多くのFX業者が「原則固定例外ありドル円0.2銭」という表示を撤回する動きが見られています。

 

さらに、これと相前後して、一発50ロットまたは100ロットなどの大口注文については別テーブルのスプレッド表を提示する業者も出てきました。

 

お客様の中には、アヴァトレード・ジャパン以外でもFXの取引口座をお持ちの方がおられると思いますので、このように、配信率95%を維持できない業者たちのスプレッド競争からの撤退の動きに気付いておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

外資系オンラインデリバティブ会社の100%子会社として日本で金融商品取引業>FX事業を営むアヴァトレード・ジャパンとて他人事ではありません。日本国内の業者のこのような動きを察知して、むしろジャパンのほうから心配して、親会社のカバー先責任者とはゴールデンウイーク前から会話をしてきました。

 

つまり、例えば「アヴァMT5は一発200ロットまでドル円0.4銭などで打てる(自動執行)が、大丈夫なのか?」と藪(ではないですが)に蛇をつついたところ、案の定「いや、厳しい。100ロットを取りにいくと0.6から0.8かかる。」「最大発注数量を限定して(例:10ロット)ドル円0.3銭原則固定という新プロジェクト(裁量専用でEA不可)を検討しているがそちらも大丈夫か?」「そちらは何とかなるが、MT50.4銭を配信率95%で維持するのは最大発注数量を下げたい。今日明日とは言わないが・・・」という生々しい会話になっています。

 

時期は未定ですが、もう少しカバー先の情勢を見てもらいながら、MT5の大口取引(特にAMMAに関連)については取引条件の見直しが必要になってくるかも知れません。

 

ここで申し上げたいことは、本お知らせ自体を悪徳比較サイトみたいにしたくはないのですけれども、実は気が付いてみたら、アヴァトレード・ジャパンは、スプレッド競争で断トツ最下位を突っ走っていたかと思いきや、現在のところめちゃくちゃ頑張っているということです。

 

ただし、今後は、例えばMT5の最大発注数量を200ロットから100ロットへと下げる必要が出てくるかも知れません。いっぽう、MT4はドル円だと1.0銭ですが最大発注数量250ロットへの引き上げを要望しております(弊社調べで国内断トツ最大!)。更には低スプレッドの「裁量専用小口コース」の新設も検討しております。お客様の幅広いニーズにお答え続けるためにも、条件の異なる複数のコースから最適なコースを選べるようにしていく計画ですければと考えております。


 

ウクライナ情勢と金利差問題に加えて、米国の景気後退という、FRBにスタグフレーションのストレスがかかる相場展開になってきました。ここから先、ドル円に関しては、一層の円安なのか、踊り場が続くのか、一転円高と読むべきなのか、予断を許さない状況です。

 

慎重に取引をしていただくとともに、「アヴァトレード・ジャパンはスプレッドは悪いけど・・・」というところが、実は環境が違ってきているというところを頭の片隅において、MT4/5に向かっていただければうれしいです。

 

(末尾1)

ご登録いただいているメールアドレス(本お知らせが届いているメールアドレスです)とパスワードでMYAVAにログインしていただき、MT4口座の追加またはMT5口座の追加を申請していただければ簡単に追加口座を開設していただくことができます。

(末尾2

MAM型とミラートレード型には一長一短があります。この二つは、お客様がフォローしたい選択EAがあるときに、該当する特定の選択EAについて、お客様が任意でどちらかを選ぶことができるわけではありません。選択EAをアヴァトレード・ジャパンに提供してくれている提携投資顧問会社・ソフトウエア開発は、この一長一短を考慮して、アヴァトレード・ジャパンのお客様のなかでフォロー希望がある取引口座への売買シグナルのコピーの方法として、MAM型かミラートレード型かを選んでもらっています。今回の利便性向上の方向により、法令順守上のベタープラクティスという観点から、可能な限り選択EA提供者にはMAM型よりもむしろミラートレード型を使ってもらうようにお願いをしているところです。

 

MAM型の長所

フォロー中(AMMA接続中)の取引口座の残高に比例して発注数量が決まる仕組みなので、コピートレードの開始時に、「親口座(例:残高10万円)の発注数量(例:0.1ロット)に対してお客様の口座(例:残高100万円)がコピー倍率を何倍?(例:10倍)にしたいかという申し込みをする必要がない。

 

MAMの短所

MT4/5の最小発注数量が0.01ロットであるために、ひとつの親口座のもとに、極端に残高の大きい口座(例:1億円)が2口座と極端に残高の小さい口座(例:10万円)1口座が接続している状況だと、親口座(仮想残高210万円)の発注数量(例:10ロット)の場合、残高10万円の接続口座へは約0.005ロットしか配分されないがこれは0.01ロット未満なので、一切注文が流れないことになってしまう(ミラートレード型ではこのような問題は発生しない)

 

取引が好調に継続しているときには、親口座の選択EAが複利ベースで発注数量を増大している場合には、お客様の口座も同様に発注数量が増大してゆく。

 

ミラートレード型の長所

選択EAから発せられる売買注文(選択型自動売買)に加えて、フォロー中の取引口座の保有者(投資家であるお客様)も裁量売買が可能。①裁量新規注文とそれによる建玉についての裁量決済注文、②自動売買による建玉についての裁量決済注文(選択EAが決済する予定の建玉をその発動よりも以前に裁量で決済すること)の両方が可能。ただし、選択EAは、選択EAだけが取引を行っているとの前提で取引倍率(証拠金維持率)の最適化を目指しているので、上記裁量取引のうち、②は問題ないが、①については証拠金不足にならないように注意する必要がある。

 

ミラートレード型の短所

コピー倍率は1倍以上しか設定できない。例えば、マスター口座(例:残高200,000円)となっているときに、これから接続予定のフォロワー口座(例:残高100,000円)がコピー倍率0.5倍を申告することはできない。もともとのマスター口座が例えば100,000円でスタートしていたのが順調に利益を重ね200,000円へと成長したときに、スタート当初のフォロワーが全員「単利投資」を希望している場合には、マスター口座は100,000円を出金し残高を100,000円に戻せばよく、そうすることによって、新規募集の預入最低金額を100,000円のままに維持できる。が、スタート当初のフォロワーのなかで「複利投資」を希望している投資家がいる場合に、上記事例の問題が生じる。これを解決するには、MAM型を利用するか、ミラートレード型のAMMAにおいては、(投資信託やファンドなどで言う)追加型を排除し、募集時期ごとに独立したミラートレード型のAMMAを設定するか、いずれかの方法が考えられる。