2009年7月31日金曜日

英国金融庁、原油市場関係者を召喚

昨日に続き、御当局による「お呼び出し」シリーズ第二弾です。昨日は米国で、今日は英国。昨日は住宅ローン関連で、本日は原油(商品先物)です。

英FT紙の臨時報道によると、特別会合は8月5日の予定。米国の規制当局(CFTC)が原油その他の商品先物市場への資金流入を取り締まるべく、ポジション・リミットの変更を検討していることに対応した動き。

しかし、今月の原油その他の商品相場や資源通貨の動き(注)を振り返るとき、FT紙の報道の中で注目すべきなのは、

「英当局(FSA)の動きが、ロンドンの原油ブローカー“PVM社”がしでかした不正取引(注)で強制ロスカット(損失規模10百万㌦)が原油価格を年初来高値の1バレル73.50㌦に押し上げたきっかけであるとの逸話をフォローするものだ」

という部分。そして、「お呼び出し」を喰らう市場参加者が特に注目しているのは、

「米国規制当局がポジション規制を強化すれば、資金は他国のプラットフォームや取引所に移るだろう。」

ポジション規制とは裏返せば(FX業界で話題の)レバレッジ規制。レバレッジ規制を行なっても(強化しても)規制のない他国に流出するだけという規制批判と似た見方が引用されています。現に、FT紙の報道によれば、来月早々の特別会議においても、現在ポジション規制のないロンドンのICE Futures Europeが直ちに規制対象になることは考えにくいとされています。
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(注)原文はrogue trading。英国の名門マーチャントバンクだったベアリングを倒産に追い込んだニック・リーソンによる(シンガポール上場の日経225先物取引での)巨額損失を映画化したRogue Traderにちなんだ表現だと思われます。

2009年7月30日木曜日

住宅ローン市場の暴落「疑惑」でゴールドマンを召喚

米上院がゴールドマン・サックスを含む複数の金融機関に議会証言を求める召喚状を出したとWSJ紙が速報。金融危機の根源と疑われる住宅ローン(モーゲージ)相場の崩落に関して重大な不正の疑惑があるのではと追及する構えと言います。

米上院の調査小委員会が注目するのは電子メールなどの内部連絡。対外的には安全な金融商品だと公表されてきたモーゲージ関連商品が“身内”では疑念を持ちつつ“調合”されていた実態が暴かれるかも知れないとのこと。

召喚状が出されたのはゴールドマン・サックスの他、ドイツ銀行、(ワシントン・ミューチャルを救済買収した)JPモルガンチェース。

ここだけ見ますと、綺麗にユダヤとゲルマニアとWASPが三つ巴で並んでいるので或る意味安心ですが、米国議会の一部に、「金融恐慌は意図的に起こされたものだ」という見方があるとすると、先日の記事金融ビジネスは必要悪の虚業なのかと同様、金融恐慌から戦争へという必然的な流れが、ヒトラーなど極一部のカリスマ全体主義者の狂気の問題として処理してはいけないことを示唆するでしょう。
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2009年7月29日水曜日

リーマン売却の“立役者”が野村証券を去る

昨年9月に破綻したリーマン・ブラザーズ。そのアジア部門の最高責任者を永年務め、野村証券への売却をアレンジした(注)のち、野村アジアの会長として野村の経営陣の一角を担ってきたジェシー・バタル氏が辞任すると英FT紙が報じました。

FTによれば、実態は野村証券によるリーマン系役員の排除の動きだとしています。

同じ話題に基づき、米WSJ紙は「野村証券、世界戦略でまたしても躓き」と題して、次のように野村とリーマンの文化の違い(の統合の難しさ)を揶揄しています。

「4月に始まった野村ホールディングスの新人研修は、男性と女性に分かれて行われる。女性組の中には、破綻前のリーマンで採用されたハーバード卒も含まれるが、髪の毛の束ね方や、お茶の出し方、季節ごとの制服の着こなし方なども教えられている・・・」

昨秋、野村が買ったモノは、リーマンの8150人に及ぶ人材だったとすれば、その後の数多のバンカーの離職、給与水準の違いにおける野村社員の憤慨(部門長レベルで野村は年収2500万円に対し、リーマンは何十億円との説も・・・中日ドラゴンズのブランコ《推定年俸2700万円》と読売ジャイアンツの李承ヨプ《同 6億円》以上の理不尽な開き!?)などに起因する大規模リストラへの転換は、任期切れを迎えるどこかの国の首相答弁よろしく、ちぐはぐの一言に尽きます。

昨日以降、米国発のM&Aのニュースには実は事欠かないのです。IBMがSPSSを買収、Sprint NextelがVirgin Mobile USAを買収、そして極め付けが今朝のMicrosoftとYahoo。こちらは昨年来七転び八起きブログでしつこく追い回しております通り、敵対的買収は失敗だったわけですが、焦点であった検索エンジン分野での統合(Googleへの対抗軸形成)へ向けて大きな一歩を踏み出したようです。

我が国大企業による内⇒外M&Aが一部の例外を除きうまくいかない理由は何でしょうか?
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(注)FTの原文はArchitect of Lehman salesリーマン売却の“建築家”

2009年7月28日火曜日

日経CNBCに再び登場

今週末7/31(金)午後4時から、再び日経CNBCに登場します。テーマはずばり「レバレッジ規制とFX」。FX業者への影響については、喋りづらい立場ながらこれまで七転び八起きブログで堂々と語ってきたつもりです。今回は敢えて投資家の皆さんへの影響や相場への影響について、メインキャスターの原田恵理子さんやコメンテーターの直居敦さんと議論出来ればと思っています。是非ご期待ください。

日経CNBCはケーブルテレビやスカパー(CS)で御視聴頂けます。
http://www.nikkei-cnbc.co.jp/guide/

ところで、、、フェニックス証券の新しくなったホームページがお陰さまで大変好評です。
http://phxs.blogspot.com/
噂が噂を呼んで(!?)、ページビューと口座開設が急増中。頑張って作った甲斐がありました。
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