2009年7月29日水曜日

リーマン売却の“立役者”が野村証券を去る

昨年9月に破綻したリーマン・ブラザーズ。そのアジア部門の最高責任者を永年務め、野村証券への売却をアレンジした(注)のち、野村アジアの会長として野村の経営陣の一角を担ってきたジェシー・バタル氏が辞任すると英FT紙が報じました。

FTによれば、実態は野村証券によるリーマン系役員の排除の動きだとしています。

同じ話題に基づき、米WSJ紙は「野村証券、世界戦略でまたしても躓き」と題して、次のように野村とリーマンの文化の違い(の統合の難しさ)を揶揄しています。

「4月に始まった野村ホールディングスの新人研修は、男性と女性に分かれて行われる。女性組の中には、破綻前のリーマンで採用されたハーバード卒も含まれるが、髪の毛の束ね方や、お茶の出し方、季節ごとの制服の着こなし方なども教えられている・・・」

昨秋、野村が買ったモノは、リーマンの8150人に及ぶ人材だったとすれば、その後の数多のバンカーの離職、給与水準の違いにおける野村社員の憤慨(部門長レベルで野村は年収2500万円に対し、リーマンは何十億円との説も・・・中日ドラゴンズのブランコ《推定年俸2700万円》と読売ジャイアンツの李承ヨプ《同 6億円》以上の理不尽な開き!?)などに起因する大規模リストラへの転換は、任期切れを迎えるどこかの国の首相答弁よろしく、ちぐはぐの一言に尽きます。

昨日以降、米国発のM&Aのニュースには実は事欠かないのです。IBMがSPSSを買収、Sprint NextelがVirgin Mobile USAを買収、そして極め付けが今朝のMicrosoftとYahoo。こちらは昨年来七転び八起きブログでしつこく追い回しております通り、敵対的買収は失敗だったわけですが、焦点であった検索エンジン分野での統合(Googleへの対抗軸形成)へ向けて大きな一歩を踏み出したようです。

我が国大企業による内⇒外M&Aが一部の例外を除きうまくいかない理由は何でしょうか?
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(注)FTの原文はArchitect of Lehman salesリーマン売却の“建築家”

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