1日半もブログの更新をサボりました。この間、地方出張(何故か今月は頻繁)、台湾製PCを持ち歩きたかったのですが余りに荷物が多く、置き去りにすることとしました。くどい言い訳は以上です。
昨夜は、前職、前前職の時代に大変お世話になった大手ガス会社の資源調達の責任者の方とお会いすることが出来ました。オーストラリアへのご出張回数では恐らく我が国最高頻度でいらっしゃるのではとお察しする方です。
鉄鉱石やボーキサイトなど鉱物資源は勿論、石炭、天然ガス等のエネルギー資源にも恵まれる同国は、リーマンショック前夜までの商品市況バブルで大いに沸き、1豪ドル=100円を超える通貨バブルと不動産バブルを併発していました。不動産バブルについては、従来から経済の中心地であったシドニーやメルボルンなど東海岸の諸都市だけでなく、むしろ次々と鉱山開発が続いた西オーストラリアの州都パースが特に異常だったとのことです。
オーストラリアで最も美しい街と言われるパースには発掘ラッシュで人口がどんどん流入し、水不足が生じているほど。鉱山労働者の時間当たり賃金もあれよあれよと上昇し、半日働いたら、残りはワインとビールに浸って大騒ぎという状況。一方、資源を分けて下さいという日本人インポーターであるお客さまにとっては、駅前でサンドウィッチを買うにも1個1500円という馬鹿にしたような値段。
日本とオーストラリアを頻繁に行き来されているお客さまから見ると、1豪ドル=60円台前半というのは妥当な水準だとのことです。
勿論、私のブログでも何度か取り上げておりますように、為替は「妥当な水準」にスッと収まるものではなく、振り子のように行き過ぎから行き過ぎへ振れやすいことを忘れてはならないのですが。
オーストラリアのついこの間までの非常識なバブルで苦労されたお客さまも、商品市況バブル崩壊によるオーストラリア経済の痛手より、円安バブル崩壊による日本経済の痛手のほうが辛いのではないかというご意見でした。勿論、お客さまの会社自身は、仕入れ単価が安くなることは歓迎すべきニュースなのですが。
借金漬けの消費者に不要不急のモノを売り続け外貨を稼いできた日本。外需と金融が我が国経済の背伸びをしていた部分だとすると、背伸びをせずに生きていくためには、やはり国民ひとりひとりの衣食住をいかに賄うかという原点に立ち返る必要があるでしょう。消費税増税予約付きの給付金で個人消費を拡大するのではなく、農林水産業の生産性を向上させつつ、一人当たり耕地(可能)面積を食料自給率の観点で「妥当な水準」になるように(江戸時代とは言いませんけど)少子化による人口減を受け入れる政策の転換・発想の転換が必要です。少子化の過程でどうしても高齢化が併発しますが、終末医療の問題は措くとして、農林水産業の分野にこそ高齢化に応じた労働年齢引き上げのヒントがあるのではないでしょうか(ちなみに金融分野で定年延長が押し付けられるのは絶対無理)。政府主導で投資すべき分野は今こそ農林水産業、そして教育です。
こういう意見は、少数派を通り越して天邪鬼かも知れません。が、少数精鋭の農業国兼教育国にならない限り、いずれはまた円安だと私は思っています(恐ろしい円高の後かも知れませんが)。
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