2008年9月23日火曜日

小学生からマネー教育を!?【祝日なのに夕刊】

9歳の娘に外国為替証拠金取引(FX)のデモ口座でもやってみろ、というマネー教育ではございませんので誤解無きようお願い申し上げます(^^;)

リーマン・ショックに揺れた先週一週間。そうでなくても毎晩帰宅時間は遅い中、金曜日の夜やっと家族が起きているうちに家に到着したかと思いきや、母娘が口論中。「どうしてこんな点数しか取れないの!?」(中略)「ニンテンドーDS買って。クラスで持ってないのは私だけだから・・・」「テストで満点取ってから言いなさい!!」

そこで父親の登場。「勉強は嫌々やっても身に付かないから、やりたくなければやらなくても良い。ただし、DSが欲しいのなら自分のお金で買いなさい」と告げ、12月28日のチャリティ・オペラ・コンサートのチケットを額面3000円につき、2000円で渡してやり、「クラスの友達やその家族に売って来い。3000円で売れたら、そのウチの1000円がお前の儲け。これを貯めてDSを買え」。娘は意気揚々として、種銭であるお年玉で取り急ぎチケット3枚を6000円で仕入れ、「早く月曜日にならないかなぁ」と学校が始まるのを楽しみにしているようでした(お年玉で即DSを買いに行かせないところが話の味噌ですvV)。。。

小職にとって、フェニックス証券の言わずもがなの本業である外国為替証拠金取引(FX)で薄い鞘を重ねていくことは勿論大変な仕事です。が、お蔭様でブームとか評判など追い風に乗り、細々とながら順調に経営させていただいております。片や、オペラのチケットを売り歩き、中規模のホールを満員にするというのは、誤解を恐れずに言えば、FX事業よりも汗と涙が必要。ホール代、チラシ等印刷代、ゲスト出演者の車馬賃などの必要経費を打ち消す売り上げでチャリティを可能にするための黒字を達成することが如何に難しいことか、娘に体感して貰えればとの思いです。お金を稼ぐことの大変さ、経済的に独立して生活することの大変さを理解させるのに早過ぎる年齢はない・・・それがマネー教育。

DSを買ってお釣りが出て、「FXをやりたい」と言われても、最初はデモから始めろと言うつもり。これもマネー教育(^^;)
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再び、投資銀行っていったい何ですか?

●野村ホールディングス、リーマンブラザーズのアジア部門を買収(9/22各紙)
英系2社(バークレイズ銀行とスタンダード・チャータード銀行)との三つ巴の争いの末。買収金額は2.25億㌦(5千万㌦の暖簾代が含まれる)。

一方、
●三菱東京UFJ、モルガンスタンレー株の20%を取得へ(9/22各紙)
この報道を受け、モルスタ株はニューヨーク朝イチ急騰するも、ほぼ行って来いの展開。

昨夜は、金融株が急反落。ドル安、原油高となりました(勿論、貴金属も高い)。金融株の中で印象的だったのは《投資銀行を救済した商業銀行の象徴》JPモルガン・チェース株の暴落。

長年、筆者の相場見通しは、当たるのに時間が掛かりすぎると批判をされてきました。だいたい2ヶ月早過ぎるのです。米国の展開の速さのお陰で、ドル安商業銀行の株安も意外なスピードで当たってしまいました。

問題は、米国ほど展開が速くない経済圏が依然として存在すること。大陸欧州と英国がそれです。先程、JPモルガン・チェースのことを《投資銀行を救済した商業銀行の象徴》と申しましたが、此れ即ち欧風のユニバーサル・バンキングに他ならない。《証券》が《銀行》より破綻させやすいのは、預金保険機構に守られた退屈な調達手段に頼れないことだけでなく、有価証券~証券化商品を含めより広範囲に時価会計に晒されている宿命によるところが大きいと言えます。

さて、《証券》≒《投資銀行》の筈ですが、既に巨大な証券会社の機能を持つ三菱と野村が《投資銀行》機能取得に懸命なのは何故でしょうか?M&A仲介・助言、株式引受、証券化、、、これらの機能強化が狙いでしょうか?これら手数料ビジネスが競争激化で成り立たなくなり、「レバレッジを効かせて資金をお付けするので、どうかひとつM&Aにも噛ませてください」流の商売しか出来なくなったのが、ブローカーだった筈の証券会社が(銀行なのか証券なのか判然としない)『投資銀行』に変貌せざるを得なかった理由なのでは?リーマン⇒ライブドア⇒ニッポン放送にしても、BNPパリバ⇒アーバン・コーポレイションにしても、ブローカーとしての販売能力が評価されているわけでは全くなく、情報とか知恵の対価として手数料を稼ぐ伝統的な投資銀行部の仕事を大きく逸脱しています。投資銀行業務の超過利潤の源泉が人材でもなければブランドでもない。そして勿論バランスシートでもないという現実を吟味したうえで作業に入ってもらいたいものだと、三菱と野村には期待します。
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2008年9月22日月曜日

モルスタとGS、銀行へと業態転換【号外】

●モルガン・スタンレーとゴールドマン・サックス、投資銀行から伝統的銀行持株会社への業態転換をFEDが承認(9/22WSJ)

ウォール街の歴史に終止符と、ウォール・ストリート・ジャーナルが伝えるのは皮肉。しかし、感傷は兎も角、銀行免許でFEDの融資枠も確保されました。日本時間10時40分頃のWSJ電子版で、この臨時ニュースが流れるのと平仄を合わせるかの如く、一部のカウンターパーティで、スワップ水準が正常化に動き始めております。先週、木端微塵に崩壊したFXのフォワード市場、修復に向けて大きな一歩。キャリー・トレード派のお客さま、いま暫くお待ち下さい。
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銀行にお金を預けるな、とは言いたいが・・・

●リーマン倒産、メリル身売りから一週間―商業銀行も危険な住宅ローン債権を抱えていることを忘れてしまうのは簡単なことだが・・・(9/22WSJ)

先週末金曜日の筆者ブログ夕刊でお伝えした指摘がWSJ紙に見事に“逆流”。何故、シティグループやUBSは標的にされない理由は、単に、規模の大きさと(保険付きの銀行預金という)退屈ho-humだが頼り甲斐のある調達手段だ、と。投資銀行に対する商業銀行の優位性は零細預金をビジネスに使えることだ。あのワシントンミューチャル(WaMu)ですら、今年に入ってから預金レベルは殆ど増減していない(驚き!)。

それでもなお、単純な銀行業務plain-vanilla bankingがウォール街危機の万能薬cure-allとはならないだろう、と同紙。「株式を売る横で自動車ローンも取り扱う」金融版スーパーマーケット、その典型例がシティコープとトラベラーズグループが合体したシティグループだが、約10年間の実績が示すようにパッとしないと手厳しい。

但し、WSJ紙は「退屈な調達手段に頼れない」投資銀行が可哀想だと主張しているわけではありません。レバレッジの負の側面がモルガン、ゴールドマンを傷つけていると語っています。具体的には、レバレッジ比率(純資産に対して金融機関のリスクが何倍になっているか)は、メリルリンチで28(5年前は15だった)、モルスタは33、GSは28(以上UBS調べ)。
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