2009年4月24日金曜日

ついに出た!FXレバレッジ規制

(現段階ではリークに過ぎないかも知れませんが・・・)「FX業者は絶滅するのか!?」シリーズ等でお伝えして参りました①全額信託保全の義務化、②自動ロスカットの義務化、よりも大きな衝撃と考えられるのがレバレッジ(預けた証拠金の何倍分の代金の外貨取引が出来るか・・・)規制です。

2005年~2008年にかけて、FXが驚異的なブームになった背景の一つに過度なレバレッジがあります。金融規制が緩いと言われるシンガポールですら、レバレッジは20倍までに規制されていたり、米国においては20倍以上のレバレッジを提供するFX業者は資本金2000万㌦以上でなければならない(FX以外の店頭デリバティブ-所謂CFDはご法度)という規制が存在します。

現在FX業界は、このような規制が準備されている現段階で既に大きな曲がり角にぶち当たっています。リーマン破綻後の信用収縮によるヘッジコストの上昇とお客様のリスクアペタイトの減少。とりわけ、スワップ(金利差)狙いの取引でレバレッジを掛けることは正真正銘『金の生る木』だと思い込ませていたタイプの業者は大手・中小問わず瀕死の状態のようです。

業者の数は3割程度にまで減るという当ブログの予想はいよいよ現実味を帯びて来ました。これはFX業界だけではないでしょう。証券会社も銀行もノンバンクも全てひっくるめて、日本の経済規模を所与とすれば肥大化し過ぎていたのです。虚業が整理・淘汰されることは決して悪いことではありません!

毎回このような話を書きますと、フェニックス証券が廃業をするつもりなのかと親しいお客さまから問い合わせを受けます。宣伝のためのブログではないので(!?)少々気が引けますが(笑)、2009年度のフェニックス証券の事業計画を申し上げます。

今年度、特に上期中に、フェニックス証券は、“2銭でGo!”現在の『Active Zero』を発展させる形でCFDに参入します。フェニックス証券は大証会員ですが、日経225先物・オプションはCFDで参入するのです。

加えて、最速7月、『大証FX』を開始したいと考えております(現在、申請中&システム会社選定中)。『大証FX』は、今朝のテーマ(レバレッジを30倍程度までに規制)に適っているため、今後我が国のFXのスタンダードになる可能性を秘めています。そして何と言っても分離課税というメリットがあります。

高レバを自慢してこなかった店頭FXもしっかり設備投資します。『Forex Line』は主要通貨1000通貨単位の小口取引が同一プラットフォームで可能となります。また、約定スピードが飛躍的に向上する予定です(現在、3段階予定している投資の1段階が完了しており、これでも随分処理能力が上がっています)。

つまり、、、

1000㌦から始めるお手軽FX!⇒フォレックス・ライン
CFDで225や原油などに挑戦!⇒アクティブ・ゼロ
分離課税が魅力、次のスタンダード!⇒大証FX


廃業と身売りが加速しているFX業界において、何故フェニックス証券は攻めの姿勢で居られるのか?それは、レバレッジ規制等が緩かった時代、金利差を狙うのが当たり前だった時代に、FX業者とアフィリエートが結託して安易に新規開拓するという風潮に乗っからなかった。それゆえ、ストイックな経営が保て、固定化された資産や費用が少なくて済んだからです。その証が、2009/3末のフェニックス証券の自己資本規制比率。871.68%という数値は業界内断トツの最高水準です。
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2009年4月22日水曜日

フレディマック現役CFOの自殺

複数の米紙の報道によれば、自殺であることは明らか(自殺偽装の他殺ではない)らしいですが、動機原因については究明途上とのこと。

CFOに就任したのは、(ファニーメイと並んで)事実上の不正融資や尋常ではない額の不良債権が発覚して連邦政府管理下に置かれた後の9月の話。ただし、外部から招聘されたCFOではなく、同公社の財務経理の生え抜きであった点は、自殺原因と大きく関わるのかも知れません。

理由が何であれ自殺は良くない、とは倫理上の正論。しかし、自殺する人に悪い人は居ない、悪い奴ほど良く眠るというのもまた真理であります。「七転び八起き」同様、アラフォーの早すぎる死に、足元の根拠なき円安株高では読み取れない米国金融の恥部を垣間見た気がします。
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2009年4月21日火曜日

ジャッキー・チェン発言とチェルノブイリ原発事故

ジャッキー・チェンの「中国人は管理されるべき」発言。波紋を呼んでいる割には、断片的な報道が多く、言論の自由について語っているのか、経済活動や金融ビジネスの自由のことを語っているのか良く判りません。もしかしたら両方なのかも知れません。

ブログや著書を長い間御愛読くださっている皆様は御存知の通り、「七転び八起き」は、必ずしも規制強化が弱者を保護しない限り、経済や金融は自由なほうが良いという考えです。「必ずしも」と書きましたが、「少なからず」と本当は言いたいところ。それでもなお、規制は或る程度必要だという考え方にも一理あることは認めます。

一方の言論の自由については、昨夜お邪魔したチェルノブイリ子ども基金主催フォトジャーナリスト広河隆一さんの最新チェルノブイリ報告会で、その大切さを改めて思い知らされました。

史上最悪の原発事故から25年が経過している現在ですら、甲状腺ガンや骨腫瘍等の被害者、放射能に汚染された土壌などの被害が収まらないどころか、むしろ増えている被害者。そのことを認めたくない国家権力(敢えてここではロシア、ベラルーシ、ウクライナを特定しませんが・・・)は被害者増大を訴える良心的な医師を更迭する。そして何よりも驚いたのが、放射能を大量に含んだ雨雲(所謂「黒い雨」)が人口密集するモスクアにまで襲いかかろうとしているとの予測で、せめて現在のベラルーシの人口閑散地域あたりで被害を喰い止めようとして人口雨を降らせたという事実。政治判断の是非は兎も角、そのことを証言できるパイロットは、インタビュアーであるフォトジャーナリスト広河さんに対し「録音テープを回すのはやめてくれ」と制止したとのこと。

北京オリンピック開会式直前の人口雨、はたまた四川大地震で子どもを失った親御さんが西側ジャーナリストに(学校倒壊は人災だと告発するも)「名前は出さないで」と制止したエピソードと相通ずるものがあります。

加えて、日本人として何とも情けないのが、ヒロシマで原爆からの直接の放射能照射は兎も角、「黒い雨」に打たれた被災者の病気は原爆症とは認められない。『病は気から』だ」と判断した広島出身の医師が、IAEAのチェルノブイリ調査団長に選ばれ、大本営発表を展開したという話。但し、IAEAが原子力に太鼓判を押させたい背景は、世界中の原子力産業を背景としており、旧東側特有の言論統制だけの問題ではないでしょう。

ドイツのように、原発政策で二転三転する国もあります。我が国で原発の是非を民主主義プロセスの中で健康に議論できるでしょうか?「生活水準をウンと下げてでも自然エネルギー依存の社会を作るべきだ。GDP信仰を捨てろ。経済成長なんて気にするな」という強烈なメッセージとリーダーシップを持った政治と行政が必要でしょう。これは必ずしも民主主義と無矛盾ではありません。

原発は安全か危険か?このような二項対立の問題として捉えるならば、広瀬隆さんの言うとおり「東京に原発を」という考え方が正しいでしょう。しかしチェルノブイリの酷過ぎた実態と、例えば東京電力の柏崎刈谷原発のようにあれほど苛烈な地震でも最小限の事故(反論はあると思いますが・・・)に留めた安全設計を、「事故は事故だ」と片づけ同列に扱うのは不当。原発を全面肯定するか全面否定するか、という衆愚的な結論を避けるためにも、言論の自由は必要です。但し、これは多数決が真理であることを必ずしも意味しない。民主主義が衆愚政治に陥り、定義上は否定していなかった筈の言論の自由を自発的に葬ることは歴史上しばしばあります。私は言論の自由の価値を民主主義よりも上に置きます。経済と金融の自由は、その中間?

上述の広瀬隆さんの本は、80年代、書店から消えた(消された)と噂されました。日本にも実は言論の自由がないのだという人に私はしばしば出会います。ところで、拙書“為替力”で資産を守れ!も最近書店で見ないと友人に言われます。そう言えば、「こんなことまで書いて良いの?」という内容を此処彼処に書いてしまったので・・・否、こちらは単なる返品かも知れません(笑)。
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なか見!検索

アスキーさんのご協力を得まして、発売後2ヶ月半経ちました『“為替力”で資産を守れ』「なか見!検索」アマゾン・ドット・コム上で可能となりました。

『為替力』の産みの親であるアスキー・メディアワークスの野口編集長殿、多大なる御手間に心より感謝致します。

「なか見!検索」の開始を祝うかのように、アマゾンの順位も急上昇しているようです。著作権保護コンテンツ「なか見!検索」がどのようなものか、是非ご覧いただきたいと思います。

無料で公開しているのは、目次に続く数ページで「リーマン破綻直後の有名エコノミストの意見」や「金融安定化法案(7000億㌦⇒その後“TARP"という略語が定着)の下院否決」に関する記述。実は『為替力』のなかでは、最もとっつきにくく、最も風化されやすい部分で、この先に面白い箇所が出て来始めるのですが、そこはやむを得ません。

本日、休刊前の最終号として発売のMoney Japanでも大々的に広告宣伝をしていただいております。是非これを機に書店でお手にとっていただくか、アマゾン等オンライン書店でお求めください。
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