2008年8月11日月曜日

みずほ路チュー問題。あるいは“我慢”と“努力”

予想されたことですが、週末のテレビは北京五輪にジャックされていましたので、週初恒例(時々サボってますけど!?)テレビ批評はお休みです。

かわりに、週末お招きいただいた「みずほ証券T常務送別会」でのお話。

興銀証券時代に大変お世話になったT常務送別会には、30名近くの出席者が集いました。そのうち“みずほグループ”を離れた転職組(辞め興銀とも言う)は僅か数名。一度も転職したことが無い人たちが中心の会というのは筆者にとっては逆に異文化で、「昔はこんなことがあった。彼は今何処何処の部署に異動している」というペースの会話になかなか乗れないもの。

会の後半、主賓のT常務が筆者の左側にお座りになり、曰く「みずほでは“我慢”の連続だった。サブプライム問題発覚以降のこの1年のことじゃないぞ。3社統合以来8年以上ひたすら我慢した。しかしこの間“努力”をしなかった。転職したら一切我慢をしないつもりだ。そのかわりこれからは努力をする。」

努力をしなかった、というのは勿論謙遜だろうけど。

T常務にとって努力の替わりに我慢を選んだ8年間。筆者にとっては我慢し切れずに転職を選んだ8年間だったと整理がつきました。努力が十分だったかどうかは反省を要するけれど。3度の転職、上場会社(グループ)では本来あり得ない恥晒しなクーデターによる失脚などを経て、今更何ら我慢を必要としない境地に辿り着いた今日この頃、もっともっと努力しないとここまでお導き下さった運命に逆らうことになるかもと気合を入れ直した一夜でした。

さて、当然話題となる「みずほコーポレート銀行斎藤頭取『路チュー問題』」。旧富士銀行による美人局説まで飛び出す、システムトラブル以来の下世話ネタになっていますが、その真相は???ヒ☆ミ☆ツ☆です。
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2008年8月8日金曜日

相場操縦より性質の悪い“気象”操縦

●中国の気象“操縦”庁、北京五輪開会式で雨を降らせないために、ロケットや大砲を打ち上げ(8/7FT)
我が国では馴染みが薄い“人口雨”、米国カリフォルニア州など乾燥時期の山火事防止のために良く使われるようになったそうです。ヨウ化銀などを撒き散らすことで上空の水滴を成長させ自然状態よりも早めに雨を降らせる等々、米国で開発された技術。北京五輪でこれを応用するために37,000人ものスタッフ、1億㌦相当もの予算がつぎ込まれているとの説も。しかし、専門家のなかには気象操縦技術は時間と金の無駄a waste of time and moneyと告白する方々も。

もうひとつ北京五輪関連。

●北京市内の根無し草rootless労働者、政府により市外に強制退去(8/8NYT)
かつて新宿西口地下道を埋め尽くしていたホームレスの皆さんが退去させられた当時、テレ朝「朝まで生テレビ」で大島渚監督が口角泡を飛ばし大批判されていたのを思い出します。

もう一度言いたい。人口雨や住居不定労働者を退去させることに使えるリソースがあるのなら、四川大地震の被災者と町の復興を支援すべきです。

最後に相場
●ユーロ、7週来の安値(対㌦)(8/7FTなど)
トリシェECB総裁の「インフレが優先課題overriding concernだと強調するものの成長鈍化を認めざるを得なかった」発言で。昨日だけは反発した原油相場も、粗方は投機だったと化けの皮が剥がされた先週今週。原油安、ポンド安、ユーロ安、ドル高、ランド高、、、4月以来のフェニックス証券オンラインセミナーにずっとお付き合い下さった聴講者の皆さま、心よりおめでとうございました!!
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北京五輪開会式。。。勿論見ている暇はありませんよネ_

2008年8月7日木曜日

埋蔵されるアイデア

●北京オリンピック、その短期的な副産物は中国国民の愛国心(8/7NYT)
国際社会からの批判と対峙する中国共産党にとって愛国心の盛り上がりは支援材料だと、ニューヨークタイムズらしい皮肉な批評。

筆者の中では全く盛り上がっていない北京五輪。内憂外患に立ち向かうには、いっそのこと五輪を中止し、五輪のために用意されていた予算をすべて四川大地震の被災者支援と復興支援に充てると宣言したほうが余程ましだと思うのですが。賢明なる中国共産党のエリート幹部の中にもそれくらいのアイデアはある筈。正論が罷り通らないのが、順位を競い足を引っ張り合う官僚組織の悪弊。

我が国も他山の石としないと。上げ潮派の皆さん、挫けずにがんばって下さい。

たまには相場の話を、、、
『FX“深化”論』で申し上げております通り、筆者は長期的には円安派。但し、「我が国リセッション入りだから円安+原油価格反落だからドル高」という昨晩の相場は極端且つ短絡に過ぎるかも。リセッション入りを認めるかどうかのところで、我が国のほうが米国よりも正直過ぎると予てより感じているのは筆者だけ?論理的な根拠は無いですが、8月は金融混乱と短期的円高のリスクが強まると見ています。
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いつも応援ありがとうございます_m(..)m_

2008年8月6日水曜日

100年に一度か二度の大スクープ

13年前の夏、筆者はロンドンで明けても暮れてもExcelと格闘しデリバティブの計算をさせられておりました。1995年と言えば第二次世界大戦が終わって50年目。つまり人類史上最悪の凶行である原爆投下から半世紀に当たります。この年の8月、イギリスBBCは大スクープ番組を特集しました。「大戦終結に原爆投下は必要無かった。戦時中既に米ソは対立が始まっており、極東のポジションを有利にしたいためだけに原爆を投下した」として“勝てば官軍”的な戦勝国プロパガンダを打ち砕いたのです。

「原爆投下は往生際の悪かった日本の軍事政権の責に帰すべき。第二次世界大戦は民主主義(=連合国)のファシズム(=枢軸国)に対する勝利を意味する」という戦後教育を受けてきた最後の世代に属する筆者にとっても驚愕の報道でした。

その後、イラク戦争で米国に追随を決めるブレア政権下でも堂々と批判を続けたBBC。行き過ぎた報道や一部事実誤認もあり幹部の自殺を招いたという汚点も残しましたが、日本では考えられないほどの国益重視の老大国において、西側大国主義に水を差す報道姿勢を続ける国営放送に快哉を叫びたくなります。

時はベルリンの壁崩壊、冷戦終結で、米軍のアーカイブなどから「もうそろそろ隠しておかなくても良いだろう」ということで様々な動画や資料が入手可能になり始めた頃。NHKも「映像の世紀」と題して、米軍書庫などに隠されていた沖縄戦のカラー映像などを放映しました。ここでもハッキリと「当時の大日本帝国政府は既に敗戦を覚悟し米国と講和条件の交渉に入っていた」と報じています。

あれから13年。アフガン戦争やイラク戦争の米国プロパガンダに世界の民衆は騙されなくなりました。軌を一にして、軍国主義日本の往生際の悪さという原爆史観も流動的になっていると考えられます。

昨日、朝一番で翻訳しましたグリーンスパン氏の「100年に一度か二度の金融恐慌」ではないですが、イギリスBBCの歴史報道も100年に一度か二度の大スクープだったのではないかと評価されるべきではないかと思います。

●予想通りだったFOMC(8/5各紙)
特にコメントはありません。が、原油高は投機でなく実需が原因と嘯いていた著名エコノミストの方々の言い訳をそろそろ聞きたいものですねぇ。

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