2009年8月12日水曜日

今日も助っ人頼み

昨日ご紹介したアニシモアさんの新興国レポートです。

メキシコ・ペソに対し売り圧力が高まっている。市場では11日、野党が政府の増税策に強く反発している報道が伝わり、「政府の2010年国家予算法案の国会議決が難航される」見方が強まった。また、ガルステンス財相は同日、「2010年にはメキシコの原油生産が4.9%減少する可能性が出た」との見解を示したことは重しとなり、ペソは主要通貨に対し大きく値を下げた。ペソ・円は11日高値の7.496円から7.313円まで売られる場面が見られ、現在も軟調に推移している。
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2009年8月10日月曜日

突然、目が・・・

土曜日の朝起きたら、突然左目の焦点近くに楕円形の黒い影が表れました。特に、瞬きをするたびに黒い影は濃く反復するのです。家庭の医学で調べたら中心性漿液性脈絡網膜症の疑いが強いようです。

原因は、過労、寝不足、目の使い過ぎが考えられ、30歳台から40歳台の日本人男性に多く見られる症状のようです。失明の可能性は低いとのこと。

自分では過労とは思っておりませんでしたが、寝不足と目の使い過ぎは思い当たる節が。ブログの手を少し緩めることを検討しつつ、お医者さんに行って参ります。

パソコンを駆使して、長時間仕事をしたり、FXのデイトレードをやっていらっしゃるフェニックス証券のお客さまもどうか御自愛ください。たまには人に会う、電話で注文する等々、気分を変えると良いかも知れませんね。
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2009年8月7日金曜日

美しい円周率と醜いフィリップス曲線-経済のイロハ②

円周率を引っ張ります。円周率(π)をなるべく正確に小数点以下どんどん求めようとする歴史は、がむしゃらな計算も含め、紀元前から始まります。

円周率の歴史

そのなかで、ひと際「美しさ」が目立つのが、1400年頃インド人マーダヴァによって発見された無限級数

1-1/3+1+1/5-1/7+1/9-1/11+・・・+(-1)^n/(2*n+1)+・・・・・・・・・・

無限に続く数列を考えます。最初は1。そこから先は分数で、分母が(1から)3、5、7、9と奇数で延々と続く一方、分子は(プラス1から)マイナス1とプラス1を延々と繰り返します。これを全て足し合わせるのです。

何とこれを4倍しますと、円周率(π)になるというのです。これを発見したインド人は天才。この証明を理解できる人は秀才。理由はわからずとも「美しさ」に感動する私は、単なるモノ好きです。

少なくとも円周率(π)に限れば、数学者が行った計算や証明が正しかったかどうかというのはいつかは歴史が証明してくれます(無限という概念を突き詰めると、話はだいぶ変わって来ますが・・・)。

本日、“為替力”アップ道場にアップした量的緩和拡大で英ポンド急落。成長率の落ち込みは歯止めが掛りつつあるものの、高い失業率は収まる気配がない、との英中銀の認識から、金融緩和(今回は利下げは見送ったものの-既に0.5%ですが-英国債の買い取り額を増やした)を決定したという記事です。失業とインフレの関係の深さを物語るのが昨日ご紹介のフィリップス曲線ではありますが、「無理矢理インフレ政策を取れば本当に失業率は改善するのか?」そしてインフレ策が正しいとしても「政策金利の利下げ、量的緩和の拡大、財政赤字のばら撒きのうちどれが政策効果が高いのか?」というのは、高名な経済学者や中央銀行の幹部の間でも議論が分かれます。

後者は特に変動相場制のもとでは財政赤字が(中央銀行によってファイナンスされない限り)景気対策としては有効ではないというマンデル=フレミングの法則というのがあります(注)。一方、前者は突き詰めればケインズとフリードマンのどちらが正しいか(該当する可能性が高いか)になります。少なくとも現実は滑らかなフィリップス曲線など描けてはいないということ。円周率のようには美しくなれない理由を次回以降議論します。
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“為替力”アップ道場はこちらから
http://phxs.jp/

(注)逆に固定相場制では金融政策は為替操作だけに使われてしまうので景気対策の意味を持たない。ユーロ圏の(ECB以外の)各国の中央銀行が勝手にユーロを供給したら、それは偽札じゃないか、という理解の仕方は乱暴か。

2009年8月6日木曜日

円周率とゆとり教育-経済のイロハ①


ゆとり教育からの揺り戻しで、円周率(π)が3から3.14に戻ったらしいです。


小学生の娘から「円周率は何故3.14なの?」と聞かれて、答えに窮しました。勿論、πは3でもなければ3.14でもない無理数(かつ超越数)ですが、それは措くとして、「何故3.14(・・・)か?」という問いと、「どのような円でも円周率は一定(=π)かどうか?」(答えはYes)という問いとは質が違います。
当たり前のことのように思っていることでも、何故かと聞かれて答えられない命題は色々あります。「人間の手(足)の指の本数は何故5本(×2)なのか?」「何故、澱粉(でんぷん)にヨード液を落とすと(赤でも緑でもなく)紫色になるのか」・・・「何故、株価が下がると失業が増えるのか?」

知っていることと、理由を納得していること(或いは、世間では常識とされているが実は理由が曖昧だと見破っていること)は全く別。

上記の例の中で「何故、株価が下がると失業が増えるのか?」という問いだけは異質で、特に理由が曖昧かも知れない、と言いたいわけではないのです。実にそこが経済学の難しさだとは思います。しかし「世間の常識の殆どが理由は曖昧」というのは経済学(や生物学)だけでなく数学や物理学でも五十歩百歩です。平行性公準(言いかえれば、三角形の内角の和=180°)や質量保存の法則も今では絶対真理ではないからです。

「フィリップス曲線」というのがありまして、経済学部を出てこれを知らないと「お前、やっぱり勉強してなかったな」と笑われる定番商品です。縦軸に失業率、横軸にインフレ率をとると(短期的に)反比例みたいな関係になる。したがって、インフレ抑制と雇用対策は「あちらを立てればこちらが立たず」の関係なのだ、みたいな言い方をします。 現在、この経験則を知っているかいないかというのは大した問題ではなくて、「普遍の法則ではないのではないか?どういう前提なら成り立つのか?」と疑って掛る姿勢のほうが遥かに重要だと思うのです。
ついでにもっと大事なことは、主要国各国の指導者政治家の多くが、「フィリップス曲線」を平行線公準と同じような絶対真理だと思い込んで、ばらまき政策のポピュリズムにどっぷり漬かっていること。その結果どうなるかを予測すること、です。
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(お知らせ)本日から、こちらhttp://phxs.blogspot.com/ では読者の皆様のご要望にお応えし、経済のイロハをお伝えして参ります。七転び八起きブログのバックナンバーをお読みいただくうえでも役に立てればと考えております。通常の更新は、昨日よりhttp://phxs.jp/blog.php “為替力”アップ道場(一説に“モミアゲ”道場!?)に移行しております。昨日分も是非ご確認くださいませ。