2020年3月26日木曜日

新型コロナの致死率と、トランプの我田引水


手洗いと、、、

米国のトランプ大統領が、24(火)の会見で、「新型コロナウイルスに打ち勝てる道筋が見えてきた」として、復活祭で「教会を満席にして祝えるように」4月12日までには、自宅軟禁~隔離政策を解除させたいと述べたことが物議を醸しています。

人気のトランプ大統領のツイッターを覗いてみました。報道機関が引用しているのは、

会見同日のこちらのツイートです。反響も大きく、アンチ・トランプ勢からは、「ホワイトハウスにとっては、米国民の命よりも、ダウ平均株価のほうが関心事項であることが暴露された」みたいなリツイートが多いです。



トランプ大統領自身も、他人のいろんなつぶやきや報道をリツイートしています。最初に引用したCNNなどアンチ・トランプの記事については偏向報道などとコメントをつけて、、、ですが。

注目は、

新型コロナウイルスに関してはトランプ大統領が正しい。世界保健機構は間違っている。

というイスラエルの疫病学者の記事です。これが、トランプ大統領の、一転、自宅軟禁~隔離政策を早期解除へと駆り立てた理論的支柱になっていると考えられます。

非常に長いインタビューの形式になっています。

トランプ大統領の変節の理由は?

わたくしの前々回前回のブログと、分析結果の8~9割が一致します。

重要な点から並べると、

①新型コロナウイルスの致死率は0.45%と推定される。世界保健機構の言う3.4%よりも著しく低い(留保付き賛成)

②新型コロナウイルスのRo(ひとりの感染者が何人を感染させるか?)は2.0である。だとすると、ワクチンが開発されるまでの間に収束する=筆者注)感染者の世界人口に対する割合は50%(留保付き賛成)

③医療資源に制約があるときは、(治る見込みの高い)軽症の若者よりも、(治る見込みの低い)重篤な高齢者を隔離入院させたほうが良い。
  (1)エボラ出血熱で現場を指揮したときの教訓
  (2)急性の重篤な症状の患者のほうがウイルスをたくさん持っているから+死に際に大勢の見舞い客が来て感染するから
(上記②Roが、(a)重症患者>(b)陽性だが軽症>(c)陽性だが症状なし、、、という傾向であるという点で、エボラ出血熱と新型コロナウイルスが同様であるとは言い切れないし、イスラエルの疫病学者もその点は断言していない)

まず、①について。前回、前々回のブログの通り、国や地域(そして極端な事例としてのクルーズ船)で検査態勢が異なること、検査の精度自体の問題もあることから、多かれ少なかれ、感染者の統計が(b)と(c)を取り逃がしているわけで、ゆえに、巷間言われているよりも感染者は多く、致死率は低いというのは間違いないです。

ですが、イスラエルの疫病学者が主張するように、0.45%ぽっきりかというと完全同意は出来ません。

致死率を計算した今週23(月)のエクセルシートを再掲します。きょうは、その1週間前のデータと比べて、《実績値としての致死率》がどれくらい変化したのかが見られるようにしました。

今週の時点で、致死率が、世界保健機構の期待値をも大きく上回っているイタリア、スペインなどは、ほんの1週間で悪化度合い自体も酷いことがわかります。

《実績値としての致死率》からアプローチすると時系列分析が必要で、平均の潜伏期間、発症するしないの確率、発症した場合の回復に要する期間、発症したが回復できず、、、の期間等の平均・分散を知りたいところです。これらが入手困難だとしても、各種タイムラグが(おそらく1週間ずつくらいは)あると考えられるので、致死率が安定しないのです。

そしてこれにさらに、医療崩壊の要因と、年齢構成や、他の持病との併合の要因が重なります。

クルーズ船からのデータの貴重さは強調しすぎることがありません。これまた年齢構成や他の持病など、母集団にありすぎる特徴の考察は保留させてもらうとして、本日ブログを書いている時点で、月曜日から死者が3人増えてしまい、《実績値としての致死率》は不幸にも1.4%と上昇しました。

クルーズ船の《実績値としての致死率》の微妙な高さや変化と比較して、イスラエルの疫病学者の0.45%はさすがに楽観的すぎる気がしてなりません。彼の記事を見る限り、クルーズ船のデータを顧みている形跡がありません。彼に、国立感染症研究所の論文を英訳して送ってあげるのが、人類のために役立ちそうです。

全人類に感染するのは所詮?時間の問題だという事実?

次に、②のRoは、見た目より難しい概念です。Roは各種の病原菌に固有の値ではないらしいのです。そのうえで、馴染みのある病原菌の各数値をご紹介すると、

新型コロナウイルス  1.4~3.9(上記記事では2と紹介されているところ)
はしか        12~18
HIV/AIDS      2~5
季節性インフルエンザ 0.9~2.1(1918年のスペイン風邪や2009年の新型インフルエンザはまた数値が異なるようです)

はしかについては、昨年欧州で深刻な疫病として「復活」したことは別としても読者の皆様に馴染みが深いと思います。

筆者は子供のころなかなか罹らなかったので、近所でより小さい子供が罹ったと聞くと、オカンに連れられ「罹りにいかされた」ものでした。それでも罹らなかったので、「これだけやって罹らないのだから、一生罹らないのではないか?」とご近所巡りに抵抗を示したらたいへん怒られました。

結局ワクチンを打つことになりました。

ワクチンを打つ段になって、ワクチンを打つことで軽い症状は出るんですよね?と聞いたら、いや出ないですよとお医者さんに言われ、横から看護婦さんが、えっ、先生、普通にはしかに罹ったのと同じですよ。何言ってるんですか!?みたいな会話で、どっちでも良いから早く打ってくれと思ったのを覚えています(以上の会話はすべて伊勢弁でなされております)。

日本酒(ビール)と同じく、生酒(生ビール)と、火入れ(加熱処理)されたものがあることを知ったのはずいぶんあとのことです。

新型コロナウィルスは、はしかと違って、2019年12月の時点ではまだ誰も免疫を持っていなかったうえに、ワクチン開発と運用まであと1年6か月掛かるということがありますから、、、

Ro>1

であれば、全員が感染するのは時間の問題で、4の5の言っても仕方がないのではないかと素人考えが頭をもたげてしまいます。

日常会話で「時間の問題」と言い回しが使われるのは、遅かれ早かれとか、どうせ駄目になるのだから手間かけて対応しても意味がない、みたいな文脈が多いです。感染症ではここが大いに異なります。対応することに意味があるからです。

しかし、

対応、つまり具体的には現在世界人口の25%が経験している自宅軟禁が、感染のスピードをいくら遅らせたとしても、最終(※)的には、全人類が感染し、一定割合(※※)は無症状のまま免疫を取得し(この集団のことをHerd Immunity(集団免疫)と呼ぶそうです)残りは症状を経て回復するか残念ながら死に至るかという定常状態(新生児要因は無視しています)になるというロジックにおいては、筆者はこのイスラエルの疫病学者に賛成をせざるを得ません。

※生ワクチンかどうかにかかわらず、
《無症状のまま免疫を取得できるワクチン》
が開発され運用可能になるのが、この定常状態に間に合わないことが前提です。

※※このイスラエルの疫病学者によれば、一定割合は50%らしいですが、新型コロナウィルスのRo=2.0から、この50%という数値がどうやって導かれるのか、記事を読んでも筆者には理解できませんでした。

わかりやすく譬えて言うと、日本は、来年7月までに、新型コロナウィルスの終息(収束)宣言を出さなければいけなくなったのですが、これに間に合わせるためには、自宅軟禁などの隔離政策をとらないほうが安全であるという逆説的かつ不都合な事実を突きつけられているわけです(上記※の前提で)。

医療崩壊と経済崩壊。守るべきはどちらか?

もちろんここで「医療崩壊させないことのは重要ではないか!?」という《物言い》がつきます。イタリアやスペインそしてフランスの惨状を追っているニューヨーク市のアンドリュー・クオモ市長(民主党)が強調しているところです。

これに対して、トランプ大統領は、《経済》を犠牲にしてまで、治療と隔離を押し通すのは馬鹿げていると言い始めたというわけです。

トランプ大統領にとっての経済は、再選を実現するための、ダウ平均株価と雇用統計だけではなさそうです。トランプ大統領が経営するテーマパークの売上という死活問題があるという指摘があります(25(水)のテレビ東京WBS)。

トランプ大統領の公私混同、我田引水の疑惑を追及するのがブログの目的では実はありません。どこの国の政策担当者(※)にとっても、ワクチン開発スピード(※※)を所与とせざるを得ないならば、医療を崩壊から守るのか、経済を崩壊から守るのか、この二者択一を迫られていること。この究極の選択のどちらに傾いても、ワイドショーのような「報道」では批判票を集めて井戸端会議しておけばよいわけで、番組の構成や視聴率の面では手頃なテーマとして弄ばれてしまう点、注意を要します。

※米国に加え、英国(ボリス・ジョンソン首相)と日本において、そのブレの激しさが目立っています。

※※ワクチン開発スピードと、病原菌の突然変異(体のうち過去の免疫が機能せず新たな病原となる「株」の出現)のスピード、病原菌の感染のスピード、、、これら3つの変数が鍵を握ります。












2020年3月23日月曜日

アジア人は「コロナ耐性遺伝子」を受け継いでいるのか



各国比較ーあてにできない感染比率から何を読み解くか???
新型コロナウイルス感染症のメインステージが中国(・韓国・日本)から欧米へと急速に遷移しました。

欧州に関しては、前回ブログを更新していた時点ではイタリアが断トツであったのが、2週間も経たずに、欧州全域に広がりを見せ、ほとんどの国々で国境閉鎖、原則外出禁止(食料品と薬品の買い物を除く)状態になっています。

 イタリアだけが(欧州で)例外的な特徴があったわけではなかった理由???

 中国が震源地でありながら、東南アジア、南アジアの諸国では感染者や死者について(今のところ)深刻な統計が上がってきて来ない理由???

欧米と同様に、国境閉鎖、外出禁止の政策がとられている南米諸国では、実は、上記同様、統計上はまだ欧米やほんの少し前までの中国ほど深刻ではないように見えます。

週末三連休で急に箍が緩んだ感のある日本人の多くに、なんとなくアジア系、厳密にはモンゴロイドは今回のウイルスに対しては強いのかもという楽観が蔓延してはいなかったかと???そして、前回のブログ更新時の課題であった、

 各国統計で、感染者数の数値は当てにならないという問題。つまり、死者の数は正確だったとしても、感染者数となると陽性だが無症状にとどまる人をどれだけ補足できているかが検査態勢で違いすぎる問題を克服できないか???

きょうは、新型コロナウイルス感染症についての続報として、を掘り下げると同時に、について、新型コロナウイルスが中国以外で騒がれ始めた2月、対応の悪さについて欧米諸国から批判されたクルーズ船「ダイヤモンドプリンセス号」の統計もあわせて検討してみます。


この数表は、本日2020323日現在の、主な国々の感染者数、死者数に、参考目的で人口を加えたものです。さらに参考として、イタリアにはサンマリノ共和国ロンバルディア州を、米国にはューヨーク州を加えました(出典:日本経済新聞社、Wikipedia、国立感染症研究所など)。

フィルターの掛け方で様々な示唆が出てきます。初期状態としては、死者の数を感染者の数で割った数値で悪い順に並べています。

さすがにまだフェイクニュースにすらなっていない《モンゴロイド大丈夫説》の観点からは、非常にざっくりと、モンゴロイドの比率が高そうな東アジア~東南アジア(インド周辺と島しょ部を除く)と南米の一部について黄色でハイライトしています。良い加減で楽観にもほどがある仮説を棄却するほどではないものの、結論付けられるにはほど遠い状態であると言えます。

むしろ警戒すべき要因として《ソーシャル・ディスタンス》との関係で人口密度と都市化率を取り上げたいところです。

イタリア就中ミラノを州都とするロンバルディア州の医療崩壊が話題となっています。ニューヨークやロンドンの首長たちが言う通り、医療崩壊の閾値の問題は深刻です。トーマス・ロバート・マルサスの「食糧は算術級数的にしか増えないが人口は幾何級数的に増える」を捩れば、「ワクチン未開発の感染症患者と死者は幾何級数的に増えるが医療機関は算術級数的にすら増えない」という現実があるからです。

そのうえで、行政区分(厳密には国家)で行くと、サンマリノ共和国のほうがロンバルディア州よりも数値が悪いのです。注目されていない事実の背景として、医療環境に加えて、人口密度要因が考えられそうです。

米国はおろか、日本であろうと、行政単位が大きすぎると人口密度だけではこの問題には太刀打ちできません。ここでは「都市化率」という概念が役に立ちます。日本だけを見れば、時系列で、人口が増えていないなかでも、中山間地などの過疎化と東京など都市部への集中は同時に進んでいるところ、その都市部の全人口に占める割合が「都市化率」と言われるものです。日本の都市化率は世界と比べてどうでしょうか???

出典は、日本銀行ワーキングペーパーシリーズ「我が国の「都市化率」に関する事実整理と考察」20097月)という古い論文です。

都市化過疎化の問題は人口集中の問題と必ずしも同義ではありません。市町村単位の集中過疎、都道府県単位の集中過疎、そして地方中核都市と大都市、大都市間の人口の奪い合い(東京VSその他など)など、階層的でフラクタルな問題です。そこを思いっきり捨象すると、日本の都市化率は、G7の中では低いのです。東海道新幹線に乗って、東京または新大阪から何十分経っても、車窓から地平線まで田園風景にはお目にかかれません。必ず民家集落が視野のどこかにあります。G7の他の国ではこんなことはありえない、というくらい、日本と比べて都市化が進んでいる。。。これがグラフが意味するイメージです。

経済効率から言えば、集中のメリットのほうが集中のデメリットより大きいと考えられてきました。

が、パンデミック(や戦況次第で戦争)となると形勢が逆転します。「東京は人口も集中しているが病院も集中している。お茶の水の近くに住めばどの病院に行くか迷うくらいだ」なんてのは平時の話です。

ほんの一か月前には、「東京でオリンピックができないならロンドンが代わりにやってあげる」みたいな侮辱をうけていたわけで、黄色人種として反撃したい気持ちもありますが、ここは謙虚に、東京は、ミラノやマドリッドやロンドンを笑えないことを自戒する必要はあります。

京都大学山中伸弥教授の個人サイト

そのうえで、モンゴロイド(全員ではない)が農耕文明のなかで敢えて取り入れた酒に弱い遺伝子、つまりアセトアルデヒドを分解できない体質がある種の除菌には作用するというところが、上記数表の傾向と関係しているかも知れないなどなど、研究を進めていきたいところです。

前回の繰り返しながら、フェイクニュースに紛らわされないことが最重要です。現時点で、最もフェアでアンバイアスな情報整理がなされていると思われるもののひとつとして、京都大学山中伸弥教授が個人で運営されているサイトがおすすめです。「論文から見る新型コロナウイルス」というページに、

「武漢の3つの病院に入院した204名の解析。99人(48.5%)の種所(原文ママ)は消化器症状であった。消化器症状としては食欲不振83名、下痢29名、嘔吐8名、腹痛4名であった。7名は消化器症状のみで、呼吸器症状はなかった。消化器症状を示す患者は重症化する傾向にあった。」

という記載があります。読者の皆様のまわりにも、こういう傾向があったが病院に行かずに自然治癒したという方々もいらっしゃったりはしないでしょうか。さらには、前回ブログの繰り返しですが、検査していないため実は陽性だが症状はまったく出ないという人が少なくありません(それでも濃厚接触の度合いによっては人に感染させる能力を持つ)

山中教授によれば、「年齢にかかわらず感染者の約半分が無症状」ということで、この貴重な研究結果は、クルーズ船ダイヤモンドプリンセス号に関わった大勢の皆さんの犠牲のもとに得られたものです。

もう一度数表に戻ると、クルーズ船は検査が悉皆的であったため無症状陽性の感染者が全員カウントでき、これに近いのはだいぶ離れて韓国ということになります。クルーズ船での致死率が約1%、日本と中国の致死率が約4%ということは、「未検査陽性無症状」の人は「症状あり」の人()と同数程度というのでは計算が合いません。無症状陽性の人が同数以上いるか、軽い症状だからとかさすがに新型コロナウイルス感染症ではないと高を括って自然治癒を果たした人、さらには前回ブログで例示した病院にかかったが新型コロナウイルス感染症とは診断されず風邪薬と胃薬を処方されて回復したひとの合計が統計上の感染者数の1~2倍ほど潜在していることになりはしないでしょうか???

通院または入院実績あり、診断結果陽性、含む回復済み・死亡

日本の人口の三分の一を死に追いやった天然痘ー温故知新

ワクチンが手に入らないパンデミックが人口のどれだけを死に追いやるのか有史以来の情報をまとめたサイトがウィキペディアにあるのでご紹介します。

List of epidemic 日本語訳サイトなし
感染症の歴史 英語サイトなし

今回巷間でよく比較対象としてあげられる第一次世界大戦末期のスペイン風邪や、12世紀の中世ヨーロッパを襲った黒死病よりも、天平年間の日本を襲った天然痘735-737のほうがより壊滅的だったという驚きの事実があります。高校で日本史を選択して日本史で受験もしたという大学の同級生も、本件知らなかったとのこと。

では世界史はどうかというと、ローマ帝国の五賢帝の最後を飾るマルクス・アウレリウス・アントニヌス在位中に中近東出兵によりもたらされた天然痘(諸説あり、日本語サイトなし)で、直後のローマ帝国は、民間、兵士をあわせて、500万人もの人口を減らしてしまうこととなった。ローマ帝国の人口統計は、税金目的のおかげ(上記の奈良時代も同様)で、ある意味しっかりはしているのですが、身分別、属州別のデータは取りづらく、これが当時のローマ市民の何割なのか、属州を含めた帝国全体の何割なのかははっきりしません。しかしながら、教科書で書かれている五賢帝以降の愚帝が続いたことや、ゲルマン民族の大移動と比べても、このパンデミックは政権の流動化や帝国東西分裂(諸説あり)、キリスト教の取り込み(取り込まれ)などに与えた要因としてもっと注目されるべきでしょう。

そして、マルクス・アウレリウス・アントニヌスの使節が、当時の中国すなわち後漢の皇帝に謁見したのはほぼ事実で(中国の史書に安敦と記載)、この一連の動きのなかでだれがだれとどのように濃厚接触したかはわかるよしもないですが、その後後漢は間断なく天然痘禍になやまされたそうです。天平年間に日本に天然痘を持ち込んだのは南蛮船説と遣唐使説があります。(後)漢と唐とでは時間に開きがあるものの、この東西交流と関係がないかどうかはわかりません。

国民の三分の一も殲滅する天平年間の天然痘禍を凌ぐのは、16紀メキシコのサルモネラ禍(全人口の8割!)くらいしかないのです(出典ウィキペディア、日本語訳サイトなし)が、これはスペインによる侵略と、500年に一度という規模の旱魃が重なったせいでもあると指摘されています。

ウイルス感染は、ワクチン未開発状態では、人類は、記録にあるだけでも、流行地域の何割もの人口を調整してしまう能力があることを思い起こさせる温故知新でした。


2020年3月10日火曜日

新型コロナウィルス感染症

トイレットペーパーだけでないフェイクニュース
わたくしどもアヴァトレードグループのイスラエルのオンラインマーケティングチームの俊英は、ヘブライ語がいささか苦手なイギリス人です。彼が、昨年日本に来たときに、夜中近所の焼肉屋で熱弁していたことが、ソーシャルメディアがどれだけ人類社会に悪い影響を与えているか、でした。

主要なソーシャルメディアはユダヤ人の創業によるものですが、イスラエル居住者であるわたくしの同僚の多くは、アメリカのビッグビジネスで成功したユダヤ人のことを悪く言うことが驚くほど多いです。会うたびに毎回その話になると言っても過言ではありません。

極端な例が、ユダヤ人であるマーク・ザッカーバーグ創業のフェイスブックが、決して創業者の思想信条ということではないにしろ、ただただ経済的成功のために、米国や欧州での反ユダヤ主義運動の再燃の温床になっている事実とそのメカニズムについて彼は力説をしていました。これは見方によっては、イエス・キリストやカール・マルクスやアドルフ・ヒトラーが思想信条として同胞の逆側の立場に立ったことよりも深刻です。


世に知られているソーシャルメディアの弊害は、2016年後半に絶頂を迎えます。米国でのトランプ政権の成立と、英国のEU離脱を問うた国民投票。両者へのロシア関与の疑惑についてはいまだに100%の証拠はないものの、フェイスブックなどの手助けは明らかとされています。グローバリズムに疲れ切った先進国の中間層にとって、反ユダヤ主義に加え、移民排斥や民族主義、保護貿易などを糾合するポピュリズムは、揮発性燃料として蔓延し充満した。この見立てによる金儲けこそがソーシャルメディアです。切手代の要らない郵便局、入場無料の公園よろしく、まるで公共財のようなその存在は、しばしば目を疑う不快な広告さえ無視すればこんな便利な道具はないと考えてしまいます。ビッグデータを掠め取り分析する、そしてターゲット広告を流す、そのような人工知能神話だけでごまかされたビジネスモデルでは、この規模の経済的成功は説明できません。

このような巨悪の温床となっているソーシャルメディアにおいて、
「トイレットペーパーはマスクと原料が一緒だから」
というフェイクニュースは、むしろかわいい部類です。もっともらしいフェイクニュースは、パニックやバブルを形成します。ジョン・メイナード・ケインズが美人投票や貯蓄のパラドックスで説いた経済恐慌の分析も、また立場は異なるものの、ルートヴィヒ・フォン・ミーゼス、フリードリヒ・ハイエクなどの切り口は、今で言う行動経済学的な慧眼と言えます。この人類社会の愚かさは繰り返し捉えられているものの、決して撲滅はできないのです。

一帯一路と一蓮托生
ここまでが、恒例、長すぎる前置き、フェイクブックもといフェイクニュースの巻、でした。

これらのエピソードは新型コロナウィルスにあてはまるでしょうか?

感染者や死者の統計が正しいのか?中国の発表を信用して良いのか?

WHO(世界保健機構)の声明は最新の医学生理学の分析結果を反映しているのか?あてにならない大本営発表なのか?

これらのありきたりの命題を論ずるには、ここのブログはあまりにへそ曲がりです。

まず、感染者と死者の統計を各国横断面で比較することの無意味さについて、です。こんなブログにまで目を通してくださっている賢明な読者の皆様はもうお気づきのことと思います。

前提として、新型コロナウィルスの根源は、中国湖北省武漢のじめじめした市場で食用として取引されたこうもりであるという通説に立つことにします。武漢の細菌研究所から故意または過失によって漏れ出た細菌(テロ)説や、イタリア北部とイランも武漢同様の「震源地」であるといううわさは一旦措きます。

そうすると、イタリア北部とイランの感染拡大のペースと規模は異常値だとなり、その説明として巷間言われているのは、

① イタリアとイランは、中国の一帯一路構想に組み込まれているから?
② イタリアとイランは、大気汚染が深刻から?武漢はエピセンターであるだけでなく大気汚染も感染拡大に一役買ったと言われている?
③ 生活習慣が不衛生だから?食事の前に手を洗わない。便所の後に手を洗わない。挨拶におけるハグの習慣など。

このうち、①は、確かにイタリアがG7のなかでは真っ先に一帯一路構想に参加合意した国であること。一帯一路構想の「一帯」つまり陸のシルクロードを具現化した「中欧班列」の根幹をなす中国ー英国ルートにとって、武漢はその最重要拠点駅であり、ミラノは終着点のひとつです。イランもまた敵対するサウジアラビアとともに「中立性」という謳い文句にほだされて一帯一路構想に参加、テヘランもまた鉄道網に組み込まれてはいます(上図には入っていません)。とは言え、一帯一路構想に参加している国は中央アジアにも東ヨーロッパにもいっぱいあって、このことだけでイタリアとイランの特殊性を説明するのは無理があります。

次に、②について。大気汚染(や煙草)と新型コロナウィルスの感染、発症、重症化の関係についてはかなり根拠のある研究があるようです。イタリアはモータースポーツが文化に根付いている国柄からハイブリッド車などが普及していないというのはあるかも知れませんし、ゆえに空気が汚いかも知れないのですが、これは他の欧州のほとんどの国も同様です。同じように、イランを大気汚染で区別するのも無理があります。

最後に、③は、清潔好きな日本人との対比では信憑性のある微笑ましい話ですが、上記②と同じように、イタリアとイランをほかの欧州諸国、中東諸国と区別させるに十分な要素ではありません。

くだらない俗説は枚挙に暇がない今日このごろです。上記①~③のなかで、敢えて殊更くだらない③について掘り下げてみましょう。

新型コロナウィルスは、その国際的な略称(Covid-19)にあるように、昨年すでに発生しているのですが、日本で大きく話題になったのは、クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号がきっかけでした。その時点で、中国に次いで感染者?発症者?死者?が多い、危機管理のなっていない国という烙印をおされていたのが、あれよあれよと思ううちに、韓国に抜かれ、イタリア、イランに抜かれ、米国その他にも抜かれようとしているわけです。

この現象を、日本人の清潔さや危機意識の高さに帰すひともいるでしょうが、再び、賢明な当ブログの読者は、「群盲象を撫でる」で安易な真実めいたものに飛びつくことはないと思います。

トイレットペーパーだけでなくパニック症候群
現時点で知られている限られた事実に基づくしかないですが、それでもはっきり言えることは、

感染者数には、(1)検査を受検し陽性だったが発症はしていない「静かな保菌者」と、(2)発症して診断により陽性が確認された発症者(含む重症患者、死者)の両方が含まれるところ、(1)の受検率は各国でバラバラであるので、(1)と(2)の合算結果を横断面で比較する意味がもともとない。

為政者による故意か過失かはともかく、日本では(1)の受検率が少なくとも韓国に比べると著しく低いことが確かです。この点、イタリアとイラクで何故高い(らしい)のかはわかりません。為政者による云々と書きましたが、個人的には不要なパニックを避けるために、また臨床現場での不要な感染を避けるためには、このままで良い(※理由は後述)と考えます。

いっぽう、(2)について。臨床現場のもうひとつの事情、実は頼まれても検査が出来ないのだが、かと言って患者を不安のまま帰らせないということで、かなり典型的な新型コロナウィルスの症状で受診しても、新型コロナウィルスとは異なるが今流行の別の風邪だから安心しろとして、解熱剤と胃薬を処方されておしまいというケースが多発しているものと思われます。これまた、低レベルの井戸端会議を公共の電波で垂れ流している地上波ワイドショー的には許されない事実かも知れないのですが、上記(1)と同様、同じ理由※でこのままで良いと考えます。

フェイクニュースの話に戻ると、おそらく最大級の嘘は、WHO以下の、「飛沫感染と接触感染」だけ説ではないかと推測します。つまり、空気感染もあること、その分、各国統計(とくに日本の数値)を大きく上回る感染者がいると推測されること、さらにその分、感染しても発症はしないサイレントキャリアの割合が公表されている統計よりもかなり高いこと。このあたりの分析が、パンデミックレベルでない典型的なインフルエンザとの比較でなされると有意義ですが、ニューヨーク・タイムズの一部の記事でやや触れられているくらいで、なかなか入手困難です。

現状ではざっくりしたことしかわかりませんが、通常のインフルエンザと比べると、感染未発症の人の割合は同様に高いが、重症化率、致死率については、もとより年齢差があるところ、新型コロナウィルスのほうが加齢要因による重症化が大きい、、、感じはします。

もう少し、なけなしの事実についてお話します。また非常に面白くも深刻な話だと思ったのが、同じくニューヨーク・タイムズが報じているところですが、今回のワクチンの量産化には少なくとも18ヶ月掛かると言われていますが、米国の大手の製薬会社は、過去のパンデミックでワクチンの開発を迫られた際のトラウマがあって、開発に乗り気ではないという話。感染症のワクチンの副作用や後遺症に関する訴訟リスクが、売上に比べると大きすぎてビジネスにならないと考えられるのだそうです。こうなると社会主義の一面も持つ中国に期待するしかないのかも知れません。

このような状況においては、日本の受検率の低さ、受診率の低さ、意図的誤診率の高さは、嘘も方便と言ったところかも知れません。ただしこれが真実ならば、新型コロナウィルス関連各国統計横断面比較の無意味さについて再度強調に値します。

対処療法についてはHIV薬などいろいろ情報が飛び交う中、ワクチンが上述のニューヨーク・タイムズ報道の通りだとすると、多くの識者が、封じ込め(containment)が最も有効と嘯く気持ちもわかります。いっぽう、個人的には、もはや世界中の空気中には普通感冒のアデノウィルスと同じように、新型コロナウィルスもうじゃうじゃいてもおかしくないと推測します。封じ込めは、経済活動への極端なブレーキになってしまっただけかも知れないとも考えられます。

「落ちてくるナイフを拾うな」
アヴァトレード・ジャパンのMT4では、ライセンス上、発注約定は出来ませんが、外国為替(の通貨ペア)のほか、株価指数や、国債、商品の代表的な店頭デリバティブのチャートが利用できます。ご覧の画像は、原油の日足です。昨日月曜日には、大きなギャップダウンを経て、2016年1月以来の安値1バレル=20ドル台を付けたのが確認できます。

新型コロナウィルスのパンデミック化による世界的な総需要の縮小、中国を事実上のハブとするサプライチェーンの寸断に、OPEC加盟国とロシアによる追加減産協議の決裂が泣きっ面に蜂となりました。

マクロでは減産合意こそが合理的な意思決定であるにもかかわらず、ミクロでは自らの売上を減らしたくないから、価格下落分を数量(≒シェア)で取り戻すという行動に出る。それが更なる価格下落をもたらすというネガティブ・フィードバックです。先述のジョン・メイナード・ケインズの貯蓄のパラドックスに象徴される合成の誤謬です。

※新型コロナウィルスの検査機会を増やすことも、事後的に受検や受診が不要だった非感染者、非発症者が、接触機会が増えたことで感染する、発症者を増やすということにつながり、医療機関へのストレスとなると、同様のネガティブ・フィードバックが発生します。これが「嘘も方便」を個人的に支持する理由でした。

では、1バレル=30ドル前後まで急落中の原油は値頃なのでしょうか?「落ちてくるナイフは拾うな」なのか?「人の行く裏に道あり花の山」なのか?

「三度目の正直」か「二度あることは三度ある」かわからないように、諺や格言は何の助けにもならないわけです。前段の新型コロナウィルスの群盲象を撫でるの巻は、世の中が悲観的過ぎていないか、楽観的過ぎていないか、どちらだろうかという問いについて、疫学的にはもしかすると前者かも知れないとの推察です。しかし、その悲観論に基づいて各国で封じ込め政策が連鎖しています。わたくしは中国バブルは何かはきっかけとなって崩壊すると考えてきましたが、予想してから何年も経つので予想は外れたも同然です。そしてそのきっかけもまた予想外です。個人的には中国経済は国営企業の乱脈経営とその不良債権の逃げ道としてのシャドーバンキングの破綻がきっかけでバブル崩壊と見立てていました。きっかけが間違っていようが、またサプライチェーンが復興したとしても、総需要は回復しないと見ます。

ホモサピエンス小史とインフェルノ
ユヴァル・ノア・ハラリの「ホモサピエンス小史」とダン・ブラウンの「インフェルノ」は、いま人類史上の先端で起こっている不幸に対して驚くほど啓示的、預言的です。

前者のメッセージの一部を自分なりに解釈すると、生態系と言うと、バランスのとれた食物連鎖のピラミッドのようなイメージがあるが、その頂点に立つ人類は部品として不要である(植物や菌類なくして動物は存在できないが逆は真でない。この動物のところを肉食動物や人類と置き換えることもできる)。人類がこのような他の生態系参加者にとって有害無益の存在になったきっかけは農業革命であり、温暖化の現況である産業革命やそれ以降の文明の有害性よりもより根源的である。農業革命をきっかけにした人類の地位向上は、それ以前の、例えばアンモナイト※だとか、恐竜だとかが大手を振るうようになったのとはスピード感がまったく異なったために、生態系に与えてしまった衝撃は甚大で他の生物の進化(突然変異の積み重ねによる緩やかな適応)のための猶予が与えられなかった。その悲惨さが、人類が各大陸に定住したと考えられる推定年代に集中する殺戮された巨大獣の化石からわかる等。です。

※アンモナイトには手はないですが・・・。

後者は、有名なダ・ヴィンチ・コードの続々編で、人口爆発に警鐘を促すカリスマが世界中の女性の一定割合を不妊にさせる空気感染する菌をばらまくという話で、物語は奇しくも北イタリアのフィレンツェから始まります。これは、ダンテ・アリギエーリの神曲(地獄篇)、中世の黒死病との関連で選ばれた舞台です。ダン・ブラウンはこのカリスマを巨悪のアンチヒーローだと単純に描いていないところが妙なのですが、いろいろ物議を醸してしまったようで、扱うトリックは非常に良くできているのに、ダ・ヴィンチ・コードほどの成功とは行かなかったようです。

限られた事実に基づく推測の域を出ない点、繰り返し強調しなければなりませんが、新型コロナウィルスそのものについては過度な悲観論には要注意であるものの、中国バブル崩壊のきっかけとしては十分過ぎたと考えられること。空気感染を覚悟しつつ、人類の宿痾について考えるきっかけにしたいです。


2020年1月8日水曜日

七草粥

七草粥

とかけまして、

大間のマグロ

とときます。そのこころは、

まず、芹(競り)から始まります。



謹んで初春のお慶びを申し上げます。

調子に乗って、もう一丁、七草粥

とかけまして、

女子レスリングのレジェンドたち

とときます。そのこころは、

胃腸に良し、だ!(伊調に吉田。)

ちょうど1週間前は、大晦日、紅白歌合戦の生本番の日でした。
この時点では、カルロス・ゴーン脱走の直後過ぎて、脱走手段の詳細がわかっていない状態でした。

大晦日の日の夕方、東海道新幹線の車内で創作した漫才が以下のものです。

紅白歌合戦

「今年も何とか無事にやって来られました」

「平和が一番ですからね。何と言っても」

「お隣の中国なんて、大変ですよ」

「ですよね。香港のデモとか、ウィグルの強制収容所とか」

「多分ですけど、インターネットのヤホーとか使えなんでしょ?」

「まぁ、ヤフーですけどね」

「中国に限らず、世界中で、戦争や内紛や暴動が、繰り返されているんですよ」

「シリアとかレバノンとかイエメンとかねー」

「レバノンは過去最悪の経済危機と政治腐敗ということで、
暴動が何ヶ月も続いていて、いま治安が最悪なんですね。
やはり日本からも人道支援が必要だということで、
中東派遣を閣議決定!!
我が国の先兵として、カルロスゴーン被告を派兵したんですよね」

「あのひと兵隊さんだったんですか?またまた変装がうまかったと聞いてますが、兵隊さんの格好だったとは知りませんでした」

「まぁ、真相はわからないわけですが、

この平和そうに見える日本でも、毎年のように内戦が繰り返されていることを皆さん知ってますか?」

「戦争なんかやってないでしょ?」

「紅白歌合戦って知ってますか?」

「確かに合戦って言うけど、川中島とか桶狭間とかじゃないからー。」

「別名、櫻井を見る会、とも呼ばれてますけどね。」

「呼ばれてないよ。まぁ、僕らは、ホンモノの桜を見る会にも呼ばれてないけどね。」

「どうして上沼恵美子さんとサンドイッチマンはゲスト審査員で呼ばれているのに、僕は呼ばれていないんだo(`ω´ )o」

「皆さんM-1と掛け持ちで」

「塙、動きます!!」

「ちょっと何言ってるかわからない、、、」

「で、今年のスローガンというのが、、、」

「なんか党大会とかプロ野球の春季キャンプみたいですけど。」

「N国党をぶっ壊せ、第70回NHK紅白歌合戦、というらしいですね」

「絶対違うでしょうけど、確か昔、裏番組で、紅白をぶっ飛ばせと言うので、視聴率争いやってましたよね。コント55号とか、ダウンタウンとか。日テレでしたっけ?」

「生放送で野球拳とかやって、素人の女性がいきなりおっぱいポロリとか、なかなか興奮しましたね。

それで、日テレには抗議の電話が殺到したらしいです。

その抗議活動の中心にいたのが、『日テレから国民を守る党』、略して、N国党だったんですよ」

「違うでしょ。確かに、略するとNHKでも日テレでもN国党になっちゃいますけど」

「それで、紅軍(こうぐん)の指揮官なんですけど、、、」

「それを言うなら、紅組(あかぐみ)の司会者でしょ?中国の人民解放軍じゃないですから」

「あなたと違って、組の者じゃないですからね、僕は」

「ひとを反社会的勢力みたいに言うな!」

「紅軍の指揮官はここのところずっと同じ人なんですね」

「余人を以って替え難いと言ったところですかね」

「習近平さんですね」

「だからそれは紅軍改め人民解放軍の指揮官だっちゅーの」

「対する白組(しろぐみ)ですけど、、、」

「そっちは組(くみ)で良いんだ?」

「えっと、誰だったかなぁ。ああ、思い出せない。」

「さっき、桜を見る会とか言ってたじゃないですか!」

「以前は5人組による『集団指導体制』だったんですよ」

「『集団指導体制』って、また難しいこと言うなぁ。。。」

「その5人組の名前も思い出せない。」

「マジですか」

「確か、日本の伝統的な米菓で、小粒でカリカリっとした食感で、ほんのり塩っぱくって、そのまま食べても美味しいけど、お茶漬けにして、少しふにゃふにゃにしたものもなかなか美味しい。。。」

「それは、あられ、でしょ。」

「いや、ちょっとまだよくわからないんですよ。」

「なにがわからないのよ。はっきりしているじゃないですか!?」

「それが、ぼくのおふくろが言うには、人生最後の食事もそのお茶漬けが良いって言うんです。」

「それだと、あられじゃないね。
最後の晩餐があられのお茶漬けだと、死んでも死に切れないかなー。
せめて鯛茶漬けかひつまぶしじゃないと。

てか、そもそもあられじゃなくて嵐でしょ」

「あー、それそれ。その5人組の集団指導体制から、櫻井翔くんが、おっぱい二つ抜け出したわけですね」

「頭一つだろうが。おっぱいバレーみたいに言うな。どうもありがとうございました」

どうもありがとうございました。
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