2022年8月30日火曜日

AVAニュースレター(2022年5月20日付)

AVAニュースレター

平素よりアヴァトレード・ジャパンのMT4口座MT5口座をご利用くださりまことにありがとうございます。

 

本日は、お知らせが二点ございます。

 

    AMMA>ミラートレード型の選択型自動売買のEAMT4/5向け自動売買プログラム)の利便性改善について

    MT4/5の原則固定スプレッドと最大発注数量に関する今後の見通しについて

 

まず、⑴アヴァトレード・ジャパンが独自に開発した選択型自動売買サービスであるAMMA(「アヴァ・MT4/5・マルチ・エージェント」の略称・愛称です)には、MAM型とミラートレード型があります。

 

MAM型とミラートレード型には一長一短があり、本お知らせの(末尾2)で解説しています。

 

MAM型の選択型自動売買においては、引き続き、お客様のMT4/5口座で該当する選択EAをフォロー(AMMA接続)すると、当該取引口座は選択型自動売買(コピートレード)専用口座となり、その口座でお客様が裁量(マニュアル)で取引をすることは出来なくなります。「裁量取引を併行したい」とご希望のお客様は、お手持ちの他のMT4/5口座をご利用ください。他にMT4/5口座をお持ちでないお客様は、MYAVA(マイページ)より追加口座を開設していただきそちらをご利用ください(末尾1)。

 

MAM型の選択EAの建玉を(いまじゅうぶん含み益が出ているからまたは含み損が出ていてこれ以上拡大しないか心配だから、自動で決済されるのを待たずに)お客様ご自身で裁量決済したいというニーズはあるはずです。それを裁量専用の別口座で行っていただくのは資金効率上も問題が残ります。

 

MAM型では技術上この問題が克服できないのですが、ミラートレード型では、●月●日より、お客様の裁量による建玉決済が可能になるようシステム改修を行います。と同時に、新規注文についても、選択型自動売買と重ねて裁量でも発注できるようになります。

 

なお、新規・決済にかかわらず、裁量取引が可能となるミラートレード型の選択EAAMMAのリストは、以下のとおりです。

 

ミラートレード型AMMA一覧

アヴァMT4

NANO

HAYABUISA
●稼ぐロボAT
Euroswing
●順鞘市場
SPO
●トレンドクルーズ
EVa (新規受付停止中)

アヴァMT5

Grandia
Force
Night Knight

 

一方、以下のMAM型の選択EAAMMAは、接続中のMT4/5口座は引き続き自動売買専用であり、裁量取引は出来ませんのでご留意ください。


 

 

MAM型AMMA一覧

アヴァMT4

●大阪ミンテッジ
Candle_matsu
UAT3
UAT4
Dr.ATA
Legacy
●ポートレード
●αアルゴトレード
Benten trade
Aizack
Poseidon
HK196 (新規受付停止中)
HK294 (新規受付停止中)
●リッチメイク (新規受付停止中)

アヴァMT5

UAT5
SURF
YAIBA(新規受付停止中)

 

 

選択型自動売買AMMAに関する今回のシステム改善に伴い、選択型自動売買投資顧問契約前交付書面と同 契約時交付書面(投資顧問契約書)の再交付をさせていただきます。

 

続いて、⑵MT4/5の原則固定スプレッドと最大発注数量に関する今後の見通しについて、です。

 

ウクライナ情勢やポストコロナの世界的物価上昇、またそれに深く根差す日米金融政策の乖離などから、円安が加速すると同時に、為替相場全体のボラティリティも上昇しています。

 

一方、日本のFX業界は、過当な「原則固定(?)」スプレッド引き下げ競争により発展または堕落してきたと考えられてきたなかで、当局および業界のスプレッド広告規制強化後としては初体験となる相場のボラティリティで、多くのFX業者が「原則固定例外ありドル円0.2銭」という表示を撤回する動きが見られています。

 

さらに、これと相前後して、一発50ロットまたは100ロットなどの大口注文については別テーブルのスプレッド表を提示する業者も出てきました。

 

お客様の中には、アヴァトレード・ジャパン以外でもFXの取引口座をお持ちの方がおられると思いますので、このように、配信率95%を維持できない業者たちのスプレッド競争からの撤退の動きに気付いておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

外資系オンラインデリバティブ会社の100%子会社として日本で金融商品取引業>FX事業を営むアヴァトレード・ジャパンとて他人事ではありません。日本国内の業者のこのような動きを察知して、むしろジャパンのほうから心配して、親会社のカバー先責任者とはゴールデンウイーク前から会話をしてきました。

 

つまり、例えば「アヴァMT5は一発200ロットまでドル円0.4銭などで打てる(自動執行)が、大丈夫なのか?」と藪(ではないですが)に蛇をつついたところ、案の定「いや、厳しい。100ロットを取りにいくと0.6から0.8かかる。」「最大発注数量を限定して(例:10ロット)ドル円0.3銭原則固定という新プロジェクト(裁量専用でEA不可)を検討しているがそちらも大丈夫か?」「そちらは何とかなるが、MT50.4銭を配信率95%で維持するのは最大発注数量を下げたい。今日明日とは言わないが・・・」という生々しい会話になっています。

 

時期は未定ですが、もう少しカバー先の情勢を見てもらいながら、MT5の大口取引(特にAMMAに関連)については取引条件の見直しが必要になってくるかも知れません。

 

ここで申し上げたいことは、本お知らせ自体を悪徳比較サイトみたいにしたくはないのですけれども、実は気が付いてみたら、アヴァトレード・ジャパンは、スプレッド競争で断トツ最下位を突っ走っていたかと思いきや、現在のところめちゃくちゃ頑張っているということです。

 

ただし、今後は、例えばMT5の最大発注数量を200ロットから100ロットへと下げる必要が出てくるかも知れません。いっぽう、MT4はドル円だと1.0銭ですが最大発注数量250ロットへの引き上げを要望しております(弊社調べで国内断トツ最大!)。更には低スプレッドの「裁量専用小口コース」の新設も検討しております。お客様の幅広いニーズにお答え続けるためにも、条件の異なる複数のコースから最適なコースを選べるようにしていく計画ですければと考えております。


 

ウクライナ情勢と金利差問題に加えて、米国の景気後退という、FRBにスタグフレーションのストレスがかかる相場展開になってきました。ここから先、ドル円に関しては、一層の円安なのか、踊り場が続くのか、一転円高と読むべきなのか、予断を許さない状況です。

 

慎重に取引をしていただくとともに、「アヴァトレード・ジャパンはスプレッドは悪いけど・・・」というところが、実は環境が違ってきているというところを頭の片隅において、MT4/5に向かっていただければうれしいです。

 

(末尾1)

ご登録いただいているメールアドレス(本お知らせが届いているメールアドレスです)とパスワードでMYAVAにログインしていただき、MT4口座の追加またはMT5口座の追加を申請していただければ簡単に追加口座を開設していただくことができます。

(末尾2

MAM型とミラートレード型には一長一短があります。この二つは、お客様がフォローしたい選択EAがあるときに、該当する特定の選択EAについて、お客様が任意でどちらかを選ぶことができるわけではありません。選択EAをアヴァトレード・ジャパンに提供してくれている提携投資顧問会社・ソフトウエア開発は、この一長一短を考慮して、アヴァトレード・ジャパンのお客様のなかでフォロー希望がある取引口座への売買シグナルのコピーの方法として、MAM型かミラートレード型かを選んでもらっています。今回の利便性向上の方向により、法令順守上のベタープラクティスという観点から、可能な限り選択EA提供者にはMAM型よりもむしろミラートレード型を使ってもらうようにお願いをしているところです。

 

MAM型の長所

フォロー中(AMMA接続中)の取引口座の残高に比例して発注数量が決まる仕組みなので、コピートレードの開始時に、「親口座(例:残高10万円)の発注数量(例:0.1ロット)に対してお客様の口座(例:残高100万円)がコピー倍率を何倍?(例:10倍)にしたいかという申し込みをする必要がない。

 

MAMの短所

MT4/5の最小発注数量が0.01ロットであるために、ひとつの親口座のもとに、極端に残高の大きい口座(例:1億円)が2口座と極端に残高の小さい口座(例:10万円)1口座が接続している状況だと、親口座(仮想残高210万円)の発注数量(例:10ロット)の場合、残高10万円の接続口座へは約0.005ロットしか配分されないがこれは0.01ロット未満なので、一切注文が流れないことになってしまう(ミラートレード型ではこのような問題は発生しない)

 

取引が好調に継続しているときには、親口座の選択EAが複利ベースで発注数量を増大している場合には、お客様の口座も同様に発注数量が増大してゆく。

 

ミラートレード型の長所

選択EAから発せられる売買注文(選択型自動売買)に加えて、フォロー中の取引口座の保有者(投資家であるお客様)も裁量売買が可能。①裁量新規注文とそれによる建玉についての裁量決済注文、②自動売買による建玉についての裁量決済注文(選択EAが決済する予定の建玉をその発動よりも以前に裁量で決済すること)の両方が可能。ただし、選択EAは、選択EAだけが取引を行っているとの前提で取引倍率(証拠金維持率)の最適化を目指しているので、上記裁量取引のうち、②は問題ないが、①については証拠金不足にならないように注意する必要がある。

 

ミラートレード型の短所

コピー倍率は1倍以上しか設定できない。例えば、マスター口座(例:残高200,000円)となっているときに、これから接続予定のフォロワー口座(例:残高100,000円)がコピー倍率0.5倍を申告することはできない。もともとのマスター口座が例えば100,000円でスタートしていたのが順調に利益を重ね200,000円へと成長したときに、スタート当初のフォロワーが全員「単利投資」を希望している場合には、マスター口座は100,000円を出金し残高を100,000円に戻せばよく、そうすることによって、新規募集の預入最低金額を100,000円のままに維持できる。が、スタート当初のフォロワーのなかで「複利投資」を希望している投資家がいる場合に、上記事例の問題が生じる。これを解決するには、MAM型を利用するか、ミラートレード型のAMMAにおいては、(投資信託やファンドなどで言う)追加型を排除し、募集時期ごとに独立したミラートレード型のAMMAを設定するか、いずれかの方法が考えられる。

2022年7月22日金曜日

岸・安倍ダイナスティは何と戦ってきたのか?

 まずは、故安倍晋三元総理の系図を掲載します(出典:日本語版ウィキペディア)。

周知のとおり、岸信介元総理は、安倍元総理の母方の祖父にあたります。ちょうど二週間前の暗殺事件がきっかけで、岸信介氏の東京は渋谷の南平台の邸宅の隣に統一教会=国際勝共連合の本部があったことが話題になっています。岸氏は、以下のライブラリーのなかでもひときわ注目される存在です。

⑴有馬哲夫「児玉誉士夫 巨魁の昭和史」(文春文庫)
⑵西敏夫「占領神話の崩壊」(中央公論新社)
⑶渡辺惣樹・茂木誠「教科書に書けないグローバリストの近現代史」(ビジネス社)
⑷孫崎亨「アメリカに潰された政治家たち」 (河出文庫)

これらのうち⑷は、大胆すぎるほどわかりやすい書きぶりです。ここでは、岸信介は、(「事実上」前任の)鳩山一郎、(弟の)佐藤栄作、(日中国交正常化とロッキード事件の)田中角栄、竹下登、小沢一郎、(「最低でも県外」の)鳩山由紀夫など同様、「対米自主派」ゆえに《アメリカに潰された》総理のひとりだとされています。

ちなみにこの著作では「対米追随派」ゆえに《アメリカには潰されなかった》政治家として、吉田茂、池田勇人、小泉純一郎、野田佳彦を挙げています。

結論を言うと、政治家の本質は、目的(政策)と手段(政局)を変幻自在に扱う融通無碍な人間力なのではないかと思うのです。

戦後の日本では、国のリーダーは、「自主独立」という目的=深謀遠慮に対して、「対米追随」は手段=面従腹背の演技に過ぎないはずだが、職業病である腹黒さ(褒めています)から手段と目的が逆転しているのではないかと疑いたくなる局面があるというものです。

なので、吉田茂は対米追従組で、岸信介は対米自主組だという分類は、あまりに単純すぎると考えます。このあたりのより正確な記述は⑴に譲りたいところで、自身もやはりCIAのスパイであることをほぼ徹底して手段=政治資金調達と割り切って米ソ両帝国主義からの本質的独立のために日本のリーダーを培養してきた児玉誉士夫像から戦後史を読み解いています。

しかしながら、60年安保改訂の自然成立と同時に、安保闘争の最中に退任した岸信介総理に対する印象は、戦後教育のバイアスその他の影響もあり、むしろ対米追随派の典型として見られていた時期がありました。そうではないこと(特に、ある時期から、CIAは岸信介を見限って、むしろ全学連をして安保闘争の火に油を注がせるべく、(児玉誉士夫と同じく右翼の大物だが元共産党の)田中清玄を通じて資金援助をしていた事実の紹介など)を指摘した孫崎さんの著作の意義は大きいと思います。

まずは、岸信介氏のホンネ=政治信念がわかりやすく表れている語録をウィキペディアから紹介したいと思います。

①侵略戦争というものもいるだろうけれど、われわれとしては追い詰められて戦わざるを得なかったという考え方をはっきり後世に残しておく必要がある。

②今次戦争の起こらざるを得なかった理由、換言すれば此の戦は飽く迄吾等の生存の戦であって、侵略を目的とする一部の者の恣意から起こったものではなくして、日本としては誠に止むを得なかったものであることを千載迄闡明することが、開戦当初の閣僚の責任である。

③終戦後各方面に起こりつつある戦争を起こした事が怪しからぬ事であるとの考へ方に対して、飽く迄聖戦の意義を明確ならしめねばならぬと信じた。

④日本をこんなに混乱に追いやった責任者の一人として、やはりもう一度政治家として日本の政治を立て直し、残りの生涯をかけてもどれくらいのことができるかわからないけれど、せめてこれならと見極めがつくようなことをやるのは務めではないか。

これらは、A級戦犯被疑者として留置されていた巣鴨プリズンでの発言で、特に④は「獄中記」からの引用とのことです。このうち③が、想像するに意図的にわかりづらい表現になっていますが、「終戦後各方面に起こりつつある戦争」というのは、朝鮮戦争と、中華人民共和国成立のことを指しているのかと私には読め、「怪しからぬ個とであるとの考へ方」というのは、《米英が日独を叩いたのは平和と正義のためだが、その後東アジアの紛争に介入するのもまた正義である》とまで言うのならちょっと待った!という意味なのかなと。これは間違っているかも知れず、識者のご指摘を待ちたいと思います。

さて、戦後の、日米政権の対比表を個人的にまとめてみました。
戦後日米政権対比表

対米関係は、民主党政権下(水色)よりは共和党政権下(ピンク色)のほうがまし、というと、先述の孫崎亨さんの本のことを笑えないほど雑な分析になってしまいます。それでも、鳩山一郎政権(鳩山由紀夫元総理の祖父)と岸信介政権(安倍晋三元総理の祖父・・・くどい)のカウンターパーティであるアイゼンハワー大統領(R)は、連合国遠征軍最高司令官として当時は上官でありその後は大統領ポストを襲うトルーマンに対して講和模索中の日本に対してまったく不要であるはずの原爆投下に反対していました(日本語版ウィキペディア)。フランクリン・D・ルーズベルト大統領(D)が秘密裏に進めていたマンハッタン計画を知らされずに、ハーバート・フーヴァー前大統領は同じころ当の垣根を越えてトルーマン大統領に日本に対して無条件降伏を迫ることには絶対反対であると諫言していました(英語版Wikipedia)が、これらふたつからは両二大政党の考え方の違いが明確です。

つづく

【次回予告】
昨日の友は今日の敵?同志児玉誉士夫と岸信介の関係性

【次々回予告】
CIA、KCIA、国際勝共連合=統一教会(=原理研究会)、朴正熙の時代






2022年6月24日金曜日

ロシア革命も第二次大戦もみんなユダヤ資本の陰謀だった

先週末、多くのお客様にお読みいただいた
は、看板に偽りありで、まるで東〇ポのお家芸みたいになってしまいました。

本日のタイトルは、先週分の捩(もじ)りです。
ユダヤ資本≡英国ロスチャイルド家という前提に立てばこっちは正しいようです。

ユダヤ人らしくないユダヤ人たちだけど・・・

私は、五月の連休のころからアイン・ランド著「Atlas Shrugged」というのを読んでおり、やっと三分冊の三冊目まで来たところで、ある種のユートピアが描かれ、ネタバレのネタが見えてきたところです。この小説が、米国では、聖書の次に売れた書籍だというのは信じられませんが、日本では邦訳版でも読み切ったひとは少ないのではないでしょうか?いったん休憩して、さくっと読ませてもらったのが先週ご紹介の茂木誠・渡辺惣樹共著「教科書に書けないグローバリストの近現代史」だったのです。

茂木誠先生の最新のYouTube動画で、日本人にしてユダヤ教徒となった吉岡孝浩さんとの注目すべき対談がコチラです。
参院選もあり、インフレ対策も争点のひとつですね。FXをやっている以上、毎日、各国のインフレ率の発表などがますます気になります。並べてみるとどうなるのでしょうか?ブログにOECDのグラフィックを張り付けてみました。

冒頭の成績は、先々週、先週とご紹介しているアヴァトレード・ジャパン>AMMA>新登場の「笑門来福」です。今週も大幅成長を続けていて、絶好調すぎるので、ロット数を落としましょうか?と技術者同士で話をしているところです。

ところで、アイン・ランドも(帝政ロシア出身で脱ソ連の)ユダヤ人ですが、カール・マルクスも、ウラジーミル・イリイチ・レーニンも、イエス・キリストもユダヤ人です。ユダヤ人らしからぬユダヤ人ということでひとくくりしましたが、マルクスとランドは政治思想が真逆(ランドが最も忌み嫌うのは共産主義とナチズムです)。ところが、このふたりの描くユートピアが一見酷似しているところが味噌です。

ゴールドマンサックスがハイエナならアヴァトレードは蛆虫

陰謀論と真実の境目は、ユダヤ資本が一枚岩でありロスチャイルド家が唯一の黒幕であるという単細胞的理解に与するかどうかであると考えられます。事実は、ユダヤ人社会やユダヤ人組織では内部の対立は絶えません。日本の社会や組織とはまったく違います。

国際金融資本と一口に言っても、ゴールドマンサックスとアヴァトレードグループでは月とスッポンです。そして、どちらもロスチャイルド家の系譜ではありません。国際金融資本でロスチャイルド家の系譜としていまだ残っているのはJPモルガン(それ自体はWASPだが、19世紀からその有力代理人であったことはよく知られています。同銀行と合併したチェース・マンハッタン銀行は、ロスチャイルド家と「世界タイトルマッチ」を演じてきたロックフェラー家であってこちらもユダヤ人ではありません)くらいです。

しかしこれは20世紀の話。19世紀においてはロスチャイルド家が隆盛を極めていたことが日本にも影を落としています。幕末において、ジャーディン・マセソン、トーマス・グラバー、坂本竜馬を通じて討幕派に資金援助したのが英ロスチャイルド家で、幕府側についたのが仏ロスチャイルド家ということで、どちらに転んでも儲かる仕組みだったと言われています。

武器商人の逸話として有名なのは日露戦争のときに高橋是清蔵相に対して「日本軍は神の杖だ」と言って戦争国債を引き受けたジェイコブ・シフは、クーン・ローブ商会の代理人ですが、これもまたロスチャイルド家の代理人です。国際金融資本の天敵と考えられる共産主義の政権をもしかしたら地上で初めて実現するかも知れないレーニンの陰にもロスチャイルド家がいたのはなぜかということになりますが、ロマノフ王朝によるユダヤ人虐殺(ポグロム)へのお仕置きと考えれば、日露戦争での日本支援、ロシア革命でのボルシェビキ支援は一貫性があります。

誤算は、レーニンの早すぎる死(1924年)とその後継者だったはずのトロツキーの失脚、そしてスターリン粛清=トロツキー暗殺ではなかったでしょうか。

共産主義者も国際金融資本も一括りにすると真実は見えてこない・・・

現在進行中のウクライナ戦争においてゼレンスキー大統領に妥協をさせない勢力こそがネオコンであり、その源流がトロツキスト、すなわち共産主義者と言われています。ネオコン政治家の有力者全員がユダヤ人の血を引き継いでいるわけではない(例:コンドリーザ・ライス元国務長官、ジーン・カークパトリック元国連大使)ですが、イスラエル建国=シオニズム支持という点では一枚岩のようです。スターリン粛清を逃れたユダヤ人トロツキストだけではなく、ロマノフ王朝時代のポグロム難民の例えばウクライナ系ユダヤ人もネオコンの重要な構成要素です(現役では、ブリンケン国務長官、ヌーランド国務次官補)。とりあえず、共産主義者をスターリニストとトロツキストに分類しないとわけがわからなくなることがわかります。トロツキストを源流とするネオコンは、マルクスやレーニンの教条を悪用した全体主義としての「共産主義体制」を封じ込めたいわけで、それが、ベトナム、イラク、アフガニスタン、コソボ、ウクライナへと戦火を広げる原動力になっています。

この話、なかなか、収拾が付かなくなりそうなのですが、第二次大戦に日本が引き込まれた(という見方を日本の歴史教科書ではいまだにされていないことが問題・・・真珠湾攻撃やハル・ノートに関する新たな資料「VENONA文書」などが公開されているにも関わらず)背景として、ロックフェラーはスターリン(が乗っ取ったコミンテルンの日米における諜報活動)を動かし、ロスチャイルドはナチスドイツのホロコーストにより急激に弱体化しつつもチャーチルを(海軍大臣を務めていた第一次大戦時に引き続き)動かしていたことから紐解いていきたいところです。

最後に、唐突ですが、いや、以上の考察と無関係ではないのですが、インフレ対策はどうなのでしょうか???我々、特に中高年(?)は、思考がドメスティックになっていて、ついつい国際比較をおろそかにしてしまう習性があって、いまだにコロナ禍とは何だったのか反省に至らない自分たちがいます。物価の状況についてもまずは冷静な国際比較が必要でしょう。OECDの以下のグラフィックは、タイムフレームや、コアインフレだけを取り出す取り出さないなどいろいろな操作ができるので非常に出来が良いのです。



一般には、物価上昇が深刻な国の不換紙幣が売られるわけなので、いくら穀物や化石燃料の多くを輸入に頼っている日本だからと言って、それだけで日本円のアンダーパフォーマンスを説明するのは無理があります。

そうすると気になるのは、米国債は引き続きだれが引き受けさせられているかという疑問です。それがこちら。

中国同様、日本のそれもウクライナ情勢激変のなかで顕著な増減はないと見ます。せっかくのドル高なのだから利食えばよいじゃないかと思うのは私だけではないでしょう。たぶん、そうは出来ない言うに言われぬ理由があるのかも知れません。




2022年6月17日金曜日

円安もウクライナ戦争もみんなユダヤ資本の陰謀だった

件名にあるような陰謀論や、歴史上の登場人物や国家権力を善玉悪玉へと単細胞的に分類する愚考に抗ってきたのがこのブログです。

そんなわたしも、30年以上にわたる社会人生活を振り返ってみると、限りなく陰謀論に近い、しかも似たような内容の書物を不定期的に読んできたものだなと思います。

二十歳代の頃(1990年代初頭)

宇野正美「ユダヤが見えると世界が見える」「ユダヤと闘って世界が見えた―白人支配の崩壊と「二つのユダヤ人」」

三十歳代の頃(2000年代初頭)

広瀬隆「赤い盾」「世界金融戦争」「世界石油戦争」

そしていま

西鋭夫・岡﨑匡史「占領神話の崩壊」

渡辺惣樹・茂木誠「教科書にかけないグローバリストの近現代史」

結論を急ぐなら、最新の書籍がお勧めです(Kindle版あり)。時代が下るほど情報公開が(いまのところは)進んでいること。それと、たとえとしてはわかりづらいですが「個体発生は系統発生を繰り返す」という面もあるというのが理由です。

共著者のおひとり茂木誠先生は、先月投稿したおすすめYouTuber(前編)でご紹介した

歴史>むすび大学

というチャンネルで、ちょうどウクライナ情勢の悪化と同期するような形で、その淵源のひとつがユダヤ人(問題)であるという仮説を思わせるようなシリーズを展開されています。

ユダヤ人の歴史

旧約聖書からはじまり、いったんウクライナ問題に焦点を当て、現在はニューヨーク(イスラエルに次ぐユダヤ人人口を抱える場所)の成り立ちについて動画をアップしておられ、まだまだ続きそうでこの先も楽しみです。

件名にあるような陰謀論は、国際金融資本=ユダヤ資本でなおかつユダヤ社会は一枚岩であるという分かり易過ぎる前提に立ってしまっていることが多いのですが、茂木誠先生のユダヤ人の歴史は極めて公平です。

フーヴァーを襲ったルーズヴェルト

それでも、「教科書にかけないグローバリストの近現代史」(脱稿時点ではロシアのウクライナ侵攻はまだはじまっていなかったように思われます)は取り扱っている時代から、イギリスやフランスのロスチャイルド家の影響力をやや過大視している感じはあります(それをさらに極端にしたのが、ご存じ「赤い盾」と言えるでしょう)。

いまだに日本には戦後教育のせいで(経済学で言えばケインジアンが多いことと呼応して?)、フランクリン・ルーズヴェルト大統領は、平和主義者で民主主義者だと洗脳されたままの「知識人」もいるようですが、わかりやすく言えば、わたしは同大統領に取って代わられたハーバート・フーヴァー大統領のファンです。

同書の共著者のもうひとりの渡辺惣樹先生は、まさにそのフーヴァー大統領が退任後(というかさらに第二次大戦後)フランクリン・ルーズヴェルト大統領(とその一味「ニューディーラー」)がやらかした国内の経済政策と外交軍事政策を嘆いて書いた力作「Freedom Betrayed」の日本語訳をされた方です。フーヴァー大統領が母校のスタンフォード大学に作った研究所で仕事をしつつ「釈明史観」に異を唱える研究をされたのが、上記占領神話の崩壊の共著者のおひとり西鋭夫先生です。

西先生と渡辺先生はいずれもフーヴァーフォロワーであることは間違いないわけですが、おふたりの目線が一緒かというとそうではないかも知れません。西先生の本には、戦前の日本共産党に対する治安維持法という悪法による弾圧(拷問致死など)について激高されています。おそらくこれは共産党員の多く(とくに下っ端)や支持者の多くは、貧富の格差や軍国主義に対して善意から抵抗しようとした弱者だったからという前提があるのだと思います。実際、党組織が治安維持法により解体されるまでは、日本は中国と並びコミンテルンにとって最優先の戦略国として金銭面での支援がなされていたという情報もあります。党指導者層の少なくとも一部はソ連のスパイであったことは間違いないと考えられます。ただ、お亡くなりになった宮本顕治元日本共産党委員長のスパイ事件(殺人事件)は有名ですが、ここで言うスパイは、日本共産党本部に潜入していた特高警察のスパイのことです。

ぐじゃぐじゃ書きましたが、わかりやすいたとえをすると、ローマカトリック協会の中枢がどれほど極悪で腐敗しきっているにしても、布教活動が滞っていた近世日本の極少数派のキリシタンのほとんどは純粋にイノセントに入信したわけであり、豊臣秀吉や徳川家康の禁止令は気の毒というしかないという一方で、キリシタン大名についてはある程度は利害と打算があったと考えても可笑しくないということなのではないかと思います。

中央銀行員は公務員なのか?

最初の宇野正美さんについては、ある朝、職場の入口のまえで、同氏の後援会のチラシが配られていた記憶があるのと、相前後して、私が営業担当としてお世話になっていた某総合商社関西支社の財務部長さん(彼も私と同様でどちらかというとマルクス主義に偏った教員が多かった大学の卒業生)からのおすすめもありました。ざっくり言うとその反動で目から鱗を落とすための読書を精力的にやっておられたのではないかといまでは思います。

ざっくり言えば似た系統の書物と著者を並べてみたのですが、全般に、真珠湾攻撃に関する(フランクリン・ルーズヴェルト大統領の)陰謀疑惑を始めとして、戦後歴史教育(戦後の日本の「正史」とされているもの)への修正を迫る論客のものが多いのははっきりしています。これは、論説を、単純に右か左かで分類する流儀に従うと、はっきり言って右になるわけです。そのなかで、どう見ても反原発一筋の広瀬隆氏は「左」です。それでも、今日の脱炭素(地球は温暖化しているという言明、その原因は二酸化炭素であるという言明)運動は、現在も世界を動かしている黒幕による陰謀であると考える点で、立場が異なる渡辺惣樹先生と意見が一致しているところは妙に面白いと言えます。

最後の最後に本当の本題です。「件名に円安だのウクライナなどあるのに、ブログの本文中なんにも触れていないではないか!?」とお怒りの読者の皆さまへ。ここをまとめるのが非常に難しいところだったのですが、この近現代史の本の真骨頂だと私が思っているのは「中央銀行」の歴史を、簡単ではあるが、独特の視座でまとめてくださっているところなのです。経済学でも、中央銀行はまるで最初からあったかのごとく説明されることが多いのですが、そうではないどころか、われわれが学校教育なのか常識なのかよくわかりませんが何となく叩き込まれている通貨の番人としての中央銀行の存在などというものはもともとなかったことがよくわかります。

現在の円相場は、そんな各国中央銀行の先祖返りというか「幽霊の正体見たり枯れ尾花」の逆で政府からも民間金融資本からも独立した中立的公共的機関にして枯れ尾花的存在だと思っていたら実は化け物だったという文脈でとらえる必要があるのではないか、というのが本題でした。