2008年9月29日月曜日

ビール会社のようには売れないベルギーの銀行

●ベルギー系大手銀行Fortis、破綻処理間近?(9/29WSJ)

19世紀設立の伝統ある大手銀行、ベネルクス3国主導で救済か。

週末、同行に関する報道は二転三転。厳しい財政規律を求めているEU憲法。加えてユーロ圏の各国中央銀行はECBの出張所になりさがっており、勝手に同国政府発行の国債を引き受けられる筈がない。それ以前に、民間企業、とりわけ民間金融機関を公的資金で救済するためには世界中で最も高いハードルをクリアする必要がある。

したがって、Fortisについても、資産売却、営業譲渡、身売り(オランダ系INGやフランス系BNPパリバの名前があがっていた)のいずれかしか選択肢は無いと一旦は報じられていた。が、生命線を維持するにはベルギー、ルクセンブルグ、そして恐らくはオランダが国家レベルで関与するしか無いと急展開。

米ドルの機軸通貨性に疑いが持たれつつある今日この頃、ユーロを参考にして、東アジア圏も統一通貨を導入すべきと論ずる“専門家”が出現しています。天変地異でもない限り、中国、韓国、香港、フィリピン等をまとめるのは無理。残念ながら、日本自体が中央銀行の独立性や裁量的かつ柔軟な財政出動を放棄することはあり得ないのでは。

今回のFortisの事案、ユーロという通貨の難しさを改めて思い知らす、多分ユーロ通貨統合以来初めて試練ではないかと考えられます。

●米国金融システム救済法案、暫定合意は達成?(9/28WSJほか)
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