★「失われた10年」の政治改革は何だったのか!?
55年体制以降初めて自民党を下野させた細川内閣は、“政治改革”こそ最重要課題だとして1994年に政治資金規正法の改正案を成立させ、企業や団体からの寄付の対象を政党、政治資金団体、新設された資金管理団体に限定させました。カネが掛り過ぎる政治が、政治を悪くしているという認識の下、政治献金の取り締まり強化と同時に成立させたのが、衆議院議員選挙制度の改革、すなわち
小選挙区(比例代表並立)制
の導入です。中選挙区制度では、カネが掛り過ぎるという認識。日本には米国のような二大政党制がふさわしいという流れに、疑念を抱く声は、少数政党(の支持者)を除き、政財界にも、マスコミにも目立って聞かれず、野党自民党との調整で揉めたのも定数割り振りという各論部分でした。
今回の「西松建設-小沢民主党代表」疑獄は、
☆政治資金規正法が骨抜きの改正の繰り返しであった
ことに加えて、
☆選挙制度改革も、カネの掛らない政治という目標に対して殆ど貢献していない
むしろ、我が国の将来を本来担わせるべき人物が、二世議員や資金力の旺盛な既得権益にどっぷり漬かった勢力に分け入り、政治を志す気分にならない我が国の淀んだ風土をより悪化させた象徴、
というのが私の解釈です。
細川首相(当時は)、政治改革関連法案を国会で可決成立させた直後に、消費税問題と佐川急便事件で辞任。その後は、自民党と社会党の連立内閣で村山首相が「自衛隊は合憲」と所信表明演説。小選挙区制が潰したものはカネの掛る政治ではなく社会党という革新政党ひとつでありました。
★政治改革か?政治不信か?-相場への影響は???
「西松建設=小沢民主党代表」疑獄が、既にただでさえ根強い政治不信を一層強めることは間違いないでしょう。我が国の国民ひとりひとりが、この国の政治はどうしようもない。自分のことは自分で守るしかない。という意識を強めるのであれば、それは悪いことではない。ただし、二院制と小選挙区制は続ける意味がないと、政治家の皆さんですら少なからず内心は理解しているのです。
で、相場への影響はどうでしょう?政治不信は十分織り込み済みだそうで、株安も円安も極々限定的だという意見が太宗のようです。相場は先を読んでいますね。
さて、米国の政治はどうでしょうか?
★オバマ人気、更に高まる
最新のウォールストリートジャーナル/NBCの調査。ただし、「米国は正しい方向に向かっている」が41%なのに対して、「米国は間違った轍に乗っかっている」が44%であるという数字もあります。大衆迎合のばら撒き政治に対する抵抗感はまだまだ根強いのです。
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