2009年3月17日火曜日

中国、外貨準備の運用で巨額損失

★運用“多角化”が拙速だった(3/15FT)
モルガンスタンレーやブラックストーンなどの米国株で40億㌦もの損失を出したCIC(中国投資公社、China Investment Corporation)。

中国国内からは「下手糞!」と非難されるわ、国外、特に西側政治家からは「CICは中国共産党の野心的な世界戦略の片棒を担ぐ不透明な黒子an opaque proxyだ」と批判されるわ、政府系ファンド(SWF)の風雲児には見る影もない。

ところが、CICの20倍もの損失で外貨準備に穴をあけているのが国家外国為替機構(State Administration of Foreign Exchange)。頭文字を取ってSAFEと略されるのが皮肉です。

2兆㌦の外貨準備の運用を担うファンドマネージャーの手口は、CICと同じく不透明。しかし、固めに見積もっても1600億㌦を国外株式に回し、その半分800億㌦が損失だと、FT紙。

特に米国株式については、2006年半ばにたった(!?)40億㌦の運用資産だったのが、2007年半ばに300億㌦、2008年半ばには1000億㌦に達した。

フェニックス証券の広告で「サブプライム危機は死語と化した」と書かせていただいております。サブプライム危機の象徴を2007年8月の“BNPパリバショック”と定義すると、2007年当初(≒CIC設立時期)から外貨運用“多角化”を始めたSAFEは、サブプライム危機で“多角化”を見直すどころか、寧ろ加速させたことになります。

投資の格言に言う「落ちてくるナイフを拾うな!」に逆らったSAFE。中国以外のアジア中東の政府系ファンド(SWF)についても言えることだが、米国株式の保有額ではSAFEは最大級だとFT紙は報じています。

FT紙は英国の新聞なので、英国株式での失敗例も羅列。リオティント、ロイヤルダッチシェル、BP、バークレイズ、テスコ、そしてRBSです。

冒頭の黒子CICの失敗例(モルスタ、ブラックストーン)と並べてみると、小売のテスコを除くと全てエネルギー関連と金融。このあたりが、国外からの上記批判の理由か。

独り非難を背負ってきたCICより更に酷い運用実態のSAFEについても、中国国内での批判を通じて、中国共産党の内部の権力闘争の材料と化せば、安全な資産へのシフトや、中国国内のインフラ整備等、内需向け政府支出へのシフトへと抜本的に進む可能性があります。本音では米国債を買うしかないと豪語している中国の金融当局高官の発言を以前ブログで取り上げました。AIGやシティ(≒GM等)を抱える米国の現政権は、もう損失はご免だとして迫ってくる中国のブラフにどのように対峙できるかが、金融混乱の収束や、米ドル相場の成り行きを判定するうえで重要です。
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