英フィナンシャル・タイムズ紙が、「『株主価値』の父」だとして永年尊敬されつつ、20年以上にわたり企業経営の世界に君臨してきたウェルチ氏の転向宣言(悔悛宣言)を臨時ニュースとして取り上げました。
ウェルチ氏が1981年に行った演説をきっかけにして、企業経営者や投資家が四半期決算や株価の上昇に囚われ続けたのは慙愧に堪えないと、FT紙のインタビューで答えたとのこと。
曰く、「『株主価値』とは最も愚かしい考え方だ。『株主価値』は結果であり、企業戦略ではない。。。(経営者にとって最も大事な)“選挙区”は従業員であり、お客さまであり、そして商品である」と。
奇しくもこの日、ゼネラル・エレクトリック社の格付けがAAAからAA+に引き下げられました(S&P)が、これが灰汁抜けだということで株価が急騰、昨夜の米国株式全体の続伸の要因の一つになっています。
今日の経済危機が本当に「100年に一度」なのかどうか実は誰も検証しては居ないのですが、自由放任主義のグリーンスパン氏の「米国の銀行は一時国営化は避けられない」発言に続く、ウェルチ氏の悔悛発言こそ、100年に一度の大転向です。泉下のカール=マルクスが、同じく泉下のフリードリヒ=ハイエクに対して、「あんたの指摘は鋭いね。。。」という呟きが聞こえてくるくらい凄いことだと「七転び八起き」は感じました。方向は真逆ですけど。
ちなみに、フェニックス証券の取締役会には毎月、個人大株主様がお見えになるので、実態上、毎月株主総会をやっているようなものです。ということは月次の決算に毎月チェックが入るわけですが、「丹羽君、上期に比べると下期は減益じゃないかね!?」と聞かれたら「企業経営の神様、ウェルチ氏が四半期決算に囚われてはいけないと100年に一度の悔悛をされましたよ。月次決算くらいでガタガタ言わないでください」と反論することにします(笑)。
0 件のコメント:
コメントを投稿